自由連合召喚   作:短号司令官

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【我々が今まで経験して来たのは戦争ではない。あれは()()()()()()()()と言ったほうが良い。彼らのそれは黙示録と言っても過言ではない。私は今回の取材で本当の戦争とは何かを知った。また最もこの世で恐ろしいのはネウロイでは無く同じ人間であるという事も…】

〜 加藤圭子 『真の戦争とは』より〜


黙示録(Apocalypse)

 

「急げ‼︎早くしろッ‼︎敵が来るぞ‼︎」

 

アシュート、カイロの空軍基地が壊滅したと報告を受けカイロ市街地に展開していた独軍は急ぎ防衛態勢を構築しようとしていた。

 

VII号重戦車レーヴェⅠ、パンテルⅡといった重戦車が次々と郊外へと抜けていくが、その先には予想外の脅威が待ち受けていた。

 

「ん?」

 

聞き慣れないローター音がし車長はキューポラから辺りを見回した。

すると正面の砂山の陰から自軍のヘリより洗練され、武骨なデザインのヘリが無数に姿を現した。

 

「敵襲ッ‼︎」

 

直後、AH-64Dから発射されたヘルファイアミサイルをモロに受けたレーヴェⅠは砲塔と車体が上下に分かれる形で爆散した。

 

「まずは1輌」

 

『右前方に敵対空戦車!』

 

クーゲルブリッツが30mm連装砲を向けて来たが、今度は別角度から現れたヘルハウンドの40mmチェーンガンが上部を蜂の巣にする形で目標を大破させた。

 

「ちくしょう…奴ら上から好き放題かよッ‼︎後退して態勢をたt」

 

指揮官がそう言いかけた途端、今度は後方から爆発が起きるのを感じた。

慌てて振り返ると味方のパンテルⅡが炎上して沈黙。

さらには別の攻撃ヘリと共に米陸軍のマークをつけた戦車が次々に現れた。

 

「今度は敵戦車だとッ⁉︎」

 

「各個に応戦しろ‼︎敵はすぐそこまで来てるぞ‼︎」

 

現れたM72、九式にはいずれも防塵処理が施され砂漠戦用に塗装されていた。

 

「いるいる!いるぞぉ‼︎」

 

「敵は奇襲で大混乱です‼︎撃破数を稼いでやりましょう!」

 

120mm滑腔砲がAPFSDSを発射し、撃ち込まれたレーヴェⅠはもれなく大破。自慢の128mm砲もその遅すぎる旋回速度が仇となって活かす間も無く的にされていった。

 

だが戦車に専念しようとすればヘリからの攻撃を受ける。

こうして独軍機甲部隊はみるみるうちにその数を減らして行くのだった、それら機甲部隊が囮であるとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

戦車隊と攻撃ヘリが郊外で戦闘を繰り広げていた頃

 

「随分と激しいな……」

 

検問所で見張りをしていたSS兵が眺めながら言う。

 

「自由連合……やっぱ一筋縄ではいかないか……?」

 

目の前の砂漠の方に目を向けた時彼は違和感を感じた。

無数の砂埃を上げながら何かが接近しているのが分かったからだ。首にかけていた双眼鏡を覗くとSS兵は叫んだ。

 

「敵襲ッ‼︎」

 

直後、一台のハンヴィーからM72 LAWが発射、検問所を粉々に吹き飛ばした。

 

「これが通行料だ!ありがたく受け取りなナチ共!」

 

その場を突破した車輌群はそのままカイロ市街地へと突入していく、しかし独軍も敵襲の報告は受けている為ある程度の防衛態勢は整えつつあった。

 

「奴らを通すな、撃て撃て‼︎」

 

土嚢が積み上げられた陣地や建物の窓からStG44、MG42から雨霰の如く弾丸が車列に浴びせられた。

特に『ヒトラーの電動ノコギリ』で呼ばれるMG42の連射性は優れており、車輌の天板を貫通されたり頭を出していた銃手の頭が吹き飛ばされる事もあった。

 

マット「クソッ‼︎ライデン、ぶちかませ‼︎」

 

ライデン「言われる前にやってらぁ‼︎」

 

M2を旋回させ敵のいる場所を射撃で制圧していく、銃弾を受けてその場に倒れる兵士、腕や足を吹き飛ばされ悲鳴を上げる兵士、圭子は自分が今まで戦って来た()()との違いに驚き言葉が出なかった。

だが驚いたのはそれだけでなく、それを当たり前のように目にしてなんの反応も示さないマット達にもだった。

 

圭子「な……なんで平気なんですか…?人が死んで」

 

マット「あぁ死んでるな。だがこんなの俺達にとっちゃあ当たり前だッ‼︎」

 

マットは会話の途中で咄嗟にハンドルを切り物陰から発射されたパンツァーファウストを回避した。

 

マット「パンツァーファウスト!2時方向‼︎」

 

船坂「冥土の土産にくれてやるッ‼︎」

 

窓からM26手榴弾を投げ込み、物陰に潜んでいた敵をそのまま吹っ飛ばしハンヴィーはそのまま走り抜ける。

 

マット「意思疎通もできないネウロイ相手じゃあ戦う場所によっては死体も残らないだろうからそこまで生々しくないかもな。だが今アンタの目の前にいる敵は俺達と同じ血の通った、意思疎通のできる人間が相手だ‼︎」

 

船坂「砲撃、銃撃で四肢や身体がバラバラになるのなんて何も珍しくない」

 

フォレスト「我々もそうなりうる立場に居ますからッ‼︎」

 

窓から小銃や機関銃を撃ちながら船坂達が応えるのを聞き圭子は改めて自分がどれだけ生優しい世界で生きていたのかと感じると同時に目の前の現実を知らなければよかったとも感じた。

 

圭子(でも……ここに来ると言ったのは私の意思……やるべき事を…!)

 

今にも吐きそうなのをグッと堪えた彼女は手に持っていたライカを構えて車内のマット達を、外の独軍兵にレンズを向けてシャッターを切った。

 

圭子(この人達にも故郷で帰りを待ってる家族や友達が居ただろうに……)

 

シャッターを切る中で彼女は何処か虚しくもなってきた。だが目の前では一分一秒で生死が決まる世界が繰り広げられている、そんな虚しさなどその瞬間には何の意味もなさないのだと……

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

カイロ独軍司令部

 

司令室で机上の地図を見ながら指揮を取っていたリップスらの下に連絡将校が慌てた様子で入って来た。

 

「ほ、報告します!市内の最終防衛ラインに敵が接近ッ‼︎」

 

「ば…馬鹿な。早すぎるぞ⁈」

 

現在司令部ではパリに召集されたロンメルに代わりリップス大将が代理で指揮を執り防衛に徹していたが、それももう限界に達していた。

戦車隊指揮に出たハウエッセンとは連絡が取れなくなり、残された指揮官は彼だけであった。

 

プンゼン「司令、ここは退避を…」

 

リップス「馬鹿な事を言うな!私はプロイセン軍人として死ぬまで戦うつもりだッ‼︎」

 

その時だった。突然窓ガラスが割れると同時に漆黒の装甲服に身を包んだ『第2装甲歩兵団』がラペリング降下で中へ突入して来た。

 

「動くなッ‼︎」

 

隊員らはストーナー63を構えて司令室を瞬く間に占拠した。

 

プンゼン「ア…アメリカ軍か……」

 

リップス「見張りは何をしていたんだ……⁉︎」

 

『こちら2装歩(ケルベロス・ツー)バートンだ。敵司令部を確保した』

 

トーマス・A・バートン少将は通信機越しにジブチ本部に制圧の旨をアイゼンハワーに報告していた。

 

アイゼンハワー『ご苦労だ少将。敵の指揮官は?』

 

バートン「指揮官は拘束。御命令通り機密文書の類も処分させる暇もなく」

 

アイゼンハワー『よくやった。それともう一つ良いか?』

 

バートン「なんでしょう?」

 

アイゼンハワーによると司令部には統合軍所属のウィッチが何名か捕虜として捉えられている可能性があると伝えられ、バートンは部下数名を引き連れて司令庁舎内の捜索を開始した。

 

「何処にもいないぞ…?」

 

「隊長、本当にアイクからの情報は正しいんですか?」

 

バートン「あの人から直接聞いた……とはいえデマの可能性も捨てきれん。かと言って事実の場合も考えて捜索しろ」

 

部屋を一つ一つ虱潰しに見ていくが何処にもおらず、残された地下1階へと辿り着いた。

先頭を歩いていた隊員の一人が曲がり角から頭を覗かせた直後、無数の閃光が彼のヘルメットに直撃した。

 

「うぉッ⁉︎」

 

「敵だッ‼︎」

 

直ぐに身を隠した事、アーマーが頑丈だった事もあり隊員は無事だった。

 

バートン「チッ残党か!」

 

「ただの残党じゃありませんよ。武装親衛隊(SS)のヤロウ共です」

 

「……よりにもよってサイコパス集団かよ…」

 

バートンは手鏡を取り出してSSの様子を伺う。

機関銃やアサルトライフルを装備しているが、それを見て彼はある一つの答えが浮かんだ。

 

バートン「なぁ変だと思わないか?」

 

「何がですか?」

 

バートン「奴らだよ。なんで重武装のSSの奴らがこんな所にいるのか?」

 

「……言われてみると」

 

「…てことは……奴ら何か重要な何かを警護しているのか?」

 

バートン「それか、俺達に見せたくない何かがあっちにあるのか…」

 

そうでなけれ説明はつかない。何の理由も無くSSがこんなところに出張ってくる筈がない、そう踏んだバートンは行動に移った。

 

バートン「おい、ジャックはいるか?」

 

ジャック「お呼びで隊長」

 

バートンは呼び出した部下のスティムソン・ジャック大尉に話しかけた。

 

バートン「俺がフラッシュを放り込んで奴らの目を奪う。その隙にお前はその()()で奴らを粉々にしてやれ」

 

ジャック「任せてください。俺もコイツも暴れたくてウズウズしてるんですよ」

 

彼はそう言いながら得意げにAA-12を構えて見せた。

 

バートン「頼むぜ。いくぞ、フラッシュ!」

 

投げ込まれたフラッシュバンは直様破裂し、強烈な閃光と180デシベル以上の大音量により目と耳をやられた。

 

バートン「今だ!」

 

その合図とともに物陰から躍り出たジャックはAA-12を発砲。

忽ちSS将兵達は腹を抉られるか頭を吹き飛ばされるかで次々と倒れていった。

 

バートン「Go!」

 

そして今度はバートンと部下達が防衛線を突破、出会したSS将兵にはストーナー63で応戦。

 

それから30分と経たない内にドイツエジプト方面軍司令部は制圧された。

バートン少将らが突入した地下からは多数のウィッチらが救助されたが彼女らはPTSDの兆候が見え始めており、即時退役と帰国が言い渡された。

 

また他にもウィッチや魔法、ネウロイに関する研究の資料の一部が発見された。

 





⭐︎第2装甲歩兵団

北米アラスカ州を拠点に活動する『空挺降下』『リペリング降下』や屋内戦をメインとする部隊。
基本装備は変わらないが降下等に向いた「ストーナー63」をメインウェポンに採用、サブウェポンには試験的にAA-12を装備。またボディアーマーも軽量化が図られている。

★米装甲歩兵団

アメリカ陸軍に所属する装甲特殊部隊で6個師団総勢12万人を擁する。
ハワイを拠点に上陸戦や密林戦をメインとする『第3装甲歩兵団』『第5装甲歩兵団』を【ハワイアン・ケルベロス】別名:ケルベロス・マリーンズ
先述の『第2装甲歩兵団』と共にアラスカに拠点を置く『第4装甲歩兵団』を【ノース・ケルベロス】
西海岸のサンフランシスコ、東海岸のフォード・ブラッグを拠点に屋内外戦をメインにする『第1装甲歩兵団』『第6装甲歩兵団』を【サウス・ケルベロス】


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