カリブ海 グァンタナモ自由軍基地
未だ敵の差し迫る様子の無いここグァンタナモ基地に猪口俊介は居た。
これは後発であったとはいえ、最新鋭装備で固められた『第三任務機動群』を率いてこの世界へとやって来た。その直後、彼は司令部からの呼び出しを受けていた。
「一体呼び出しなんて、艦長何やったんですか?」
副長の冗談に猪口はほくそ笑んで返答する。
猪口「さぁな、心当たりがないでは無いが。まぁ行ってみないと分かりはしない」
支度を終えた猪口は上官の待つ部屋まで向かった。
猪口「失礼します」
「おぉ来たか」
そう言って彼を出迎えたのは海自対ナチス派遣群を指揮する豊田海将であった。
豊田「わざわざ悪いな、一佐。まぁかけてくれ」
テーブルの前に出された椅子に腰掛けると豊田はさっそくと言わんばかりに話を始めた。
豊田「来て早々に悪いが、君達第三任務機動群に出撃してもらいたい」
猪口「内容はそれだけですか?場所は?」
豊田「場所は北欧だ。北欧は君も知っての通り、一部が敵の勢力下にある」
猪口「……何故そんな敵の聖域下へ?何か余程の理由でも無い限りはありえないと思いますが」
彼の言うことは最もであった。
この世界へ転移後、第三帝国は領土を喪失するも再び占領する動きを見せておりノルウェーは全土を攻略。我々のフィンランドにあたるスオムスの一部も占領しており着々と北欧完全制覇へと動きつつあった。
豊田「……実は統合軍の北欧方面軍から連絡を受けてな。君は第502統合航空師団を知ってるか?」
猪口「名前だけなら」
豊田「なら話が早い。統合軍から彼女達だけでも北欧から脱出させて欲しいと連絡が舞い込んでな」
猪口「……そういう事ですか……」
そう言われて猪口も納得した。
戦闘捜索救難なら危険を承知で突っ込むのは当然だが、今回は規模が違いすぎる。
猪口「我々の艦隊による戦闘捜索救難をやれ…と。これはまた……」
豊田「だが向かうのは君らだけでは無い。オーストラリアとカナダ、台湾もだ」
猪口「味方はいないよりマシですが、敵の聖域……懐に飛び込むような任務です。果たして無事に帰れるやら…」
豊田「だがかと言って彼女達がナチスの捕虜にされて性的虐待を受けるのは想像もしたくない……」
猪口「……ふっ………確かにそれだったら後味も悪いですからな。分かりました、その任務お引き受けします」
豊田「すまない……だが君達第三任務機動群は我々海自が誇る最強の機動群だと私は思っている。必ず生きて帰って来てくれ」
猪口は立ち上がって制帽を被り直しながら心配する豊田にこう言った。
猪口「俺の曾祖父だって、危険を承知でレイテや石狩に突っ込んで行ったんです。それと似たような事をやるまでですよ」
得意げな笑みを浮かべた彼は敬礼しその場を後にした。
翌日、正式に猪口の下へ命令書が届けられた。
また命令書と共に参加する各国海軍の詳しい詳細が記されていた。
猪口「……これだけの数があるなら…バルト海も奪還できそうなもんだがなぁ……」
海上自衛隊:第三任務機動群
超弩級護衛艦
おわり
航空護衛艦
ずいかく、きりゅう
対戦護衛艦
ちとせ、くらま
ヘリコプター搭載護衛艦
かが
大型護衛艦
つるぎ、はぐろ、あたご
汎用護衛艦
ゆうだち、いなづま、ありあけ
さざなみ、すずなみ、あやなみ
はるな、あそ
あさひ、ようこう
フリゲート艦
あがの、おおよど、によど、なとり
強襲揚陸艦
あおしま
潜水艦
たいげい、でんげい
オーストラリア第二艦隊
戦艦
タスマニア
空母
エアーズロック
イージス艦
ホバート、シドニー、ダーウィン、プライス
フリゲート
アンザック、スチュアート、パース
強襲揚陸艦
キャンベラ
台湾海軍
空母
八封山
外観:インド海軍空母ヴィクラント。性能も同等
イージス艦
成功、鄭和、継光*1
フリゲート艦
基隆、明徳
外観:亡国のイージスより【原作版いそかぜ】
カナダ海軍
空母
ケストレル
外観:ジョン・F・ケネディ
アルバトロス、ヴァルチャー
外観:ひゅうが型護衛艦の艦上構造物+ミッドウェイの船体(最終時)
巡洋戦艦
ウガンダ
イージス艦
ペイトリオット、パトリシアン
外観:ゴジラシリーズよりイージス艦【あいづ】
フリゲート艦
ハリファックス、バンクーバー、トロント、カルガリー、オタワ
これだけ見れば中々の数であり、カナダに至っては最新鋭空母のケストレル、アルバトロス、ヴァルチャーと同国の保有する空母の半分以上が出て来ている。
猪口(大丈夫なのか……?)
流石の猪口も不安を感じていた。
そんな中、彼の居る会議室の扉を叩く音がした
「艦長、アンダーセン司令らをお連れしました」
猪口「もう来られたのか?入れてくれ」
副長と入れ替わる形でカナダ海軍司令官:ニコラス・C・アンダーセン、オーストラリア海軍司令:デイビット・サンダース、台湾海軍司令:唐勤らが部屋に入って来た。
猪口「アンダーセン司令、サンダース司令に唐司令。ようこそお越しくださいました」
唐「栄えある海上自衛隊のおわりにお招き感謝します。猪口艦長」
席についた一同は改めて出航後の航路を確認していた。
大まかな流れとしては、出航後ブリタニア連邦に立ち寄り一度補給を受ける。その後はオスロ沖まで進撃した後、同地にある海軍基地を空爆し全速力でバルト海へと突入するという流れになった。
猪口「突入後は北欧方面軍基地のあるストックホルムまで行く予定ですが、宜しいですか?」
サンダース「第二候補だったコペンハーゲンだとヒトラーの目の前で補給を受ける訳になるからな…多少は距離のある方が良い。ストックホルムでいきましょう」
唐「ですが救助はどうする?エストニアが敵の勢力圏であるならそれより先のフィンランド湾に入るのは……」
アンダーセン「その事は着いた時考えれば良いでしょう。まだ時間はある訳ですし、でしょう?Mr.イノグチ」
3人の視線が猪口に集まると彼は静かに頷いた。
猪口「我々が今最優先とするのはバルト海への突入です。それができなければ元も子もない。皆さんの奮闘努力に期待します」
アンダーセン「……こちらこそ…!」
1946年 3月8日
準備を整えた自由軍特務艦隊はグァンタナモ基地を出航。
目指すは北欧バルト海。
作戦名『ブレイブ・レスキュー作戦』が発動された。
カナダ、台湾海軍艦艇の詳細は次回