自由連合召喚   作:短号司令官

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闇より出る者達

 

第三帝国 ベルヒデスガーデン

 

ヒトラー「ヒムラー君。各地の戦況が芳しくないようだが、どうなのかね?」

 

敷地内の森を散策しながらヒトラーは親衛隊長官アルフレート・ヒムラーに質問を投げかけた。

 

ヒムラー「はい。恐れながら申し上げますと、確かに戦局は我々が不利になりつつあります。アフリカ方面はエジプト陥落後、スエズ運河は敵の手中に落ちました。陸軍はヨルダン方面にまで引き上げ戦線の構築、部隊の再編をロンメル主導で急いでおります」

 

ヒトラー「大西洋はどうか?」

 

ヒムラー「こちらも同じです。敵は無制限潜水艦作戦を発令し北リベリオン……北アメリカ戦線への補給線を圧迫しつつあります。しかしいずれも各地の主力は健在故まだ五分には渡り合えるかと」

 

ヒトラー「そうか……」

 

視線を上げたヒトラーは彼を連れてそのままテラスへと戻った。

 

ヒトラー「ヒムラー君。君はこの戦争をどのようなものだと考えている?」

 

ヒムラー「は?」

 

質問の意味が分からずヒムラーは一瞬固まるが、直ぐに思考を巡らせて答えを出した。

 

ヒムラー「そうですな……私としては"世界にアーリア民族主義を波及させ、総統閣下の統治の下世界を統一する"という者でしょうか…?」

 

ヒトラー「そうか…素晴らしい解答だ。だが全ての民族がアーリア主義を受け入れると思うかね?それは無理だ。ならばそのような人間はこの世界に不必要だと私は考えた」

 

ヒムラー「つ……つまり…?」

 

ヒトラー「この戦争は地球規模の…そう謂わば"間引き"だ。私はアーリア主義という花を育てている、しかしそれを良しとしない雑草がいるからこそ、余は軍事力という道具で其奴らを間引いている」

 

ヒムラー「……不必要な者は要らぬ…と」

 

ヒトラー「そうだ。富という名の養分を行き渡らせるには余分な物は取り除かねばな……ところで例の研究はどうかね?」

 

話題を振られ、ヒムラーは手元にあった資料を読み始める。

 

ヒムラー「はッ、研究は概ね順調です。既に実戦投入可能な被験体も多数あります」

 

ヒトラー「結構だ。では手始めに北欧に送り込め、どうもあの辺りで連合の奴らが何やら企んでおるようだ」

 

ヒムラー「情報によりますとウィッチ共をペテルブルクから脱出させようとしていると」

 

ヒトラー「何?()()を逃すだと…?それはならん!ヒムラー君、君が今し方言った被験体達を現地に向かわせ、速攻で其奴らを捕獲するのだッ‼︎」

 

ヒムラー「ご安心を総統閣下、このような事もあろうかと既に部隊は現地に到着しております。総統の御命令さえあれば直ぐに」

 

ヒトラー「素晴らしい!だが成功せねば意味はない、直ちに出動させろ!」

 

彼の一声により、北欧の地で悪魔達が動き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

三日後

 

 

ペテルブルク 

 

定子「ジョゼ!こっち‼︎」

 

定子はジョゼの手を引いて物陰に隠れた。

つい数十分程前だった。歩哨が何者かに惨殺されたのを皮切りに基地内に侵入者が現れた。

どうも相手は銃火器が通用しない程に強いらしく歩兵は直ぐに全滅した。

 

ジョゼ「定ちゃん…」

 

定子「隊長や直枝さん……大丈夫かな……」

 

ラルや直枝、ひかりの安否は分からず今はただこうして息を潜め続けるしかできない。

しかしその気配を察したのか足音が近づいてくるのが聞こえた。

 

物陰から顔を覗かせるとプロテクターを装着し、腰につけたベルトには赤い風車とパイプが伸びて見え、顔は真っ赤な目に角に黄色のマフラーを巻いたバッタのような姿をした者が4人、こちらへと近づいていた。

 

ジョゼ「定ちゃん逃げよ!」

 

定子「でも……何処に……⁉︎」

 

万事休す。

もう逃げ場もなく恐怖が徐々に近づいてくるのが分かる中、それは起きた。

突然奥の方から強い光が不思議な音共に聞こえ、視線を向けると腰部から光を放ちながら誰かがこちらに歩いて来ていた。

 

「⁉︎」

 

「ッ!」

 

4人は直ぐに戦闘態勢を取り、身構えた。

1人が右から殴りかかろうとするが、軽くあしらわれて逆に自分が腹部に強烈な蹴りを喰らって吹っ飛ばされた。

 

定子「あれって……翔一さん……⁉︎」

 

光の主が彼だと知り2人は驚きを隠せないがさらに信じられない光景が起こった。

 

襲いかかってくる他の敵を退ける中で彼のベルトから発せられる光がさらに強さを増したかと思うと翔一は人間とはかけ離れた姿に変わっていた。

 

ジョゼ「翔一……さん…なの…?」

 

紅の眼、黒い皮膚、金色の装甲に角を持つ異業の戦士へ(アギト)と姿を変えた。

 

「ッ‼︎」

 

言葉を発せずとも意思疎通ができてるかのような4体は個別に相手しても叶わないと判断したのか一斉にジャンプ、一方で彼が足をその場で広げると地面に紋章が浮かび上がる。

 

アギト「ハァー……ッハ!」

 

左脚を奥に引き込むと同時に紋章が足に吸い込まれ、アギトもその場で飛び上がる

 

アギト「タァーッ‼︎」

 

「「「‼︎」」」

 

空中で4対1のキックがぶつかる。

一見すると数の多い方が優っているように思えたが、一瞬にして4体を爆散へと追い込む。

一方で無傷のアギトは着地し展開していた角を戻す。

 

ジョゼ「凄い……」

 

定子「……ッ‼︎」

 

ジョゼ「定ちゃん…⁉︎」

 

彼に一瞬恐ろしさを覚えた定子だったが、勇気を出して駆け寄って行った。

 

定子「あ……あの…」

 

アギト「!……定子ちゃん…ジョゼちゃん、怪我はない?」

 

定子「は…はい!」

 

アギト「そっか……よかった」

 

口を開いた彼はあの津上翔一だと確信した定子の中には安心感が芽生えていた。すると光がベルトから放たれると翔一はいつもの姿に戻った。

 

翔一「その……ごめんね。黙ってて」

 

ジョゼ「い…いえ」

 

定子「その…翔一さんは人間…なんですよね?」

 

彼女にそう聞かれた翔一は少し考え込んだ様子でこう答えた。

 

翔一「うーん……人間といえば人間だけど……人間じゃないというか…」

 

定子「え……えぇ?」

 

ジョゼ「つまりどっちなんですか……?」

 

翔一「んー……俺にも分かんない!」

 

「「えぇー⁉︎」」

 

その後、夜が明けると通報を受けた強襲揚陸艦『あおしま』が現地へと到着。502のメンバーと共に翔一も連れて行かれる事になるのだった。

 

 

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