自由連合召喚   作:短号司令官

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明けましておめでとうございます

少し遅いようでしたが、本日より投稿活動を再開していこうと思います。
本年度もよろしくお願いします。


あとがきに幾つかの資料を付け加えておきます。


発動

 

1946年 7月21日

 

アイルランド島に設置された前線司令部は物々しい様相であった。

各地から集まった連合軍の将官らがずらりと顔を揃え、近く実施されるであろう『史上最大の作戦』について細部を詰めていた。

 

ヴァン「…ところで一つ気になったのだが、統合軍(この世界)の連中はおらんのか?半島は別世界のものとはいえここは彼らの世界だろう?」

 

米海兵隊大将アレクサンダー・ヴァンデグリフトが室内を見渡して言った。確かに目に入るのは自衛官や日本兵と彼も見知った顔の者がいるが、統合軍の幹部は1人もいなかった。

 

柴崎「それというのも実は情報漏洩を防ぐ手立てだと…山本大将及び小沢長官ら上からお達しがありまして」

 

ヴァン「上から?何故だ。これから作戦を共にするのにそれでは支障が出るのではないのか?」

 

柴崎恵次の言葉に疑問を投げた彼であったが、彼をフォローするように安達二十三も会話に入って来た。

 

安達「中将、先程も申し上げたように理由は情報漏洩を防ぐ為。思い出してください。統合軍がこれまで何を相手してきていたか」

 

ヴァン「うむ…ネウロイだな」

 

柴崎「そうです。彼らは意思疎通の出来ない化け物と対峙していた訳ですから、作戦の要旨を暗号に書き換えるなんて発想がほぼ無いに等しかったのです」

 

ヴァン「そうか分かったぞ。もしかしてそれが原因で今まで奴らはナチ共に苦戦を強いられていたのだな?」

 

安達「仰る通りです」

 

元々彼らが相手していたのは先述の通りネウロイという怪物であり、人類側はそう言った敵に対して暗号を使わずに平文のままやり取りをしていた。それが第三帝国という相手に変わってもなお手法を変えなかったが故に統合軍側の作戦は全て筒抜けになり、逆にドイツ軍の高度な暗号技術を統合軍は解読できるはずもなく一方的な惨敗を繰り返していたというのが原因であった。

 

そんな暗号技術やそれらに付随する発想や知識の無いに等しい彼らに作戦内容を伝えようものなら何処から漏れるか分からない為、敢えて彼らをここには呼ばず、上陸地点と日時を決行前日に伝えるという方法に切り替えてある。

 

安達「それにしても…自衛隊はまた随分と変わった物を持ち込んだ訳だ…」

 

柴崎「彼らはあれが《戦争のゲームチェンジャー》だと言うが、果たしてそうなのか?」

 

自衛隊が持ち込んだ《ゲームチェンジャー》とは……?

 

 

ともかく、作戦は細部まで煮詰められ上陸地点は史実と同じ《ノルマンディー》と決められた。

初めは前提条件が異なる為に不安が寄せられていたが、当時には無かったミサイルや攻撃ヘリを駆使した戦法やその《ゲームチェンジャー》を活用することによってそれらを払拭するに至った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同年 7月30日

フランス ノルマンディー沿岸部防衛陣地

 

ドイツ軍が西ヨーロッパの海岸地帯に砲台を構築することとなったきっかけは、イギリス本土侵攻作戦「トド作戦」の際に、英仏海峡を渡る輸送艦隊を守るために、イギリス軍の艦船やイギリス本土沿岸を砲撃するためであった。そのため1945年の9月*1にはコンクリート製の砲台の建築が始まり1947年10月に北欧を除く欧州半島全域の要塞化はほぼ完成していた。

 

転移後も度々接近を試みる統合軍の艦艇や上陸艇を迎撃する成果を上げており、ヒトラーは無敵だと思い込んでいたが………

 

 

 

周辺に展開していた空軍のレーダー基地や駐機していた戦闘機/爆撃機が突如として爆発を起こして吹き飛んだ。

 

「なんだ⁈ゲリラか⁉︎」

 

「火を消せ!消化班‼︎SSを呼べ!」

 

また同じ頃、沿岸部に設置されていた砲台陣地でも

 

「相変わらず暇だな…」

 

「やれやれ…いつになったらこの戦争は終わるんだよ」

 

「故郷でお袋の温かいスープが食いてえ…」

 

転移後から大した変化も無く暇な日常を送るしか無い兵士達は注意力が下がっている。

 

「変わり映えの無い日ばっかりで頭がおかしくなっちまうぜ…」

 

「あぁなんか変な音も聞こえるしよ……音?」

 

一人がふと立ち上がって外を見ると複数の小さなローターにカメラを取り付けた小型のヘリのような物体が飛行しておりトーチカの隙間から侵入し3人を見つける。

 

初めて見る物体に戸惑う彼らを他所に物体は砲台の方に旋回して突っ込むと突如爆発した。爆発に巻き込まれた兵士の内2名は重傷、1人は軽傷で済んだ。

 

「やはり使えますね。この()()()()()()()

 

「あぁ対策を考えようにも神出鬼没。コストパフォーマンスも良くて目標未達成でも再利用可能」

 

「その上安価で味方への人的被害も皆無。利用し始めたウクライナやロシアの連中には感謝すべきなのか否か」

 

 

2022年に起きた《ロシアのウクライナ侵攻》

この戦いで戦場に新たな革命を齎したのが『ドローン』である。

防衛省はその実用化が確かとなった直後に研究を開始した。何せやりようによっては主力戦車や航空機を容易に破壊可能な代物なのだ、研究や対策を講じない方がおかしい。

 

転移後もしばらくは研究が進められ、オーストラリアから齎されたその後の運用状況などを精査し、このノルマンディー上陸前に『敵防衛陣地の破壊』を目的に《特戦群》《第2コマンドー連隊》が付近の廃村や海岸線からこれらを放ち空軍基地や陣地の無力化を行っていた。

 

翌日報告を聞いたゲルト・フォン・ルントシュテット大将が視察に訪れていた。

 

ゲルト「被害はどれほど出たんだ?」

 

「沿岸砲12門が損害を受けました。いずれも小型でありながら強力な爆薬で、目撃者の証言によりますと小型のヘリのような物体が内部に侵入し爆発したと」

 

ゲルト「ラジコン兵器か?」

 

「その線で詳細を調べています。統合軍と違い連合軍の技術力は計り知れません。無線誘導のラジコン兵器かと考えられます」

 

ゲルト「ともかく対策を急がねば。復旧にはどれくらいかかる?」

 

「凡そ1週間。いずれも沿岸砲ですので残骸の撤去や新しい物との交換が必要ですので…」

 

ゲルト「…奴らまるで狙ってるようだな」

 

彼の予想は当たっていた。

沿岸砲は記録にもある通りかなりの被害が出ていた為、艦砲射撃で潰すと言う手もないでは無かったが上陸同日に行うと何処かでズレやミスが生じる可能性もある為ドローンによる破壊が決行された。

 

 

それから3日後の8月2日深夜

 

上陸に先立ち、敵の後方撹乱や反撃遅延を目的として《第一空挺団》《第一挺進集団》《特殊空挺連隊》《第101空挺師団》《第11空挺師団》《第82空挺師団》《第2装甲歩兵師団》《第4装甲歩兵師団》《CAR》《空降特戦部隊》と過剰とも言うべき戦力がノルマンディー一帯に降下。

 

「奴ら何処から沸いた⁉︎」

 

「空だ!空挺降下してきやがった‼︎司令部に連絡しろ!」

 

「ダメだ。妨害電波が‼︎」

 

事前に空域にはE767が飛来し妨害電波を発信。敵の目と耳を撹乱し始めていた。

 

「えぇい面倒だ‼︎カールグスタフでぶっ飛ばせ‼︎」

 

「喰らえ‼︎」

 

部隊は散開しながら小規模な戦闘を繰り広げつつ、内陸侵攻に必要な《ペガサス橋》《ホルサ橋》を確保。

装歩団はメルヴィル砲台をC4を使って破壊した。

 

夜明け頃にもなると沿岸部にいた将兵達にも敵が来たという情報は伝わり、現場指揮官らは『敵が上陸してくる可能性がある』として防衛態勢を各地でとらせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き……来たぞ!」

 

誰かが叫んだ先の沖合には水平線上を埋めつくさんばかりの大小さまざまな艦艇が集結していた。

 

富森「随分と壮観な眺めですな」

 

大石「あぁまさか俺たちがこの場にいるとは。なんという因果かな」

 

原「長官。作戦開始時刻です」

 

時刻は午前3時40分。艦隊は海岸線に沿うように航行し、主砲を防衛陣地へと向けていた。

 

真田「さて大掃除の時間だ。全砲門斉射開始ッ‼︎」

 

常盤の砲声が轟くのに合わせて戦艦群は一斉に砲撃を開始した。

46〜61cmの大小さまざまな砲弾が敵の防衛陣地へと降り注いでいく。

トーチカのコンクリート壁を破壊し、塹壕をクレーターに変え、崖を崩していく。とある従軍記者は「一回の砲撃で硫黄島攻略時の半日分の砲撃に匹敵する」と語っていた。

 

抵抗もままならないままでドイツ軍兵士らは身を潜めて耐えるしか無かった。特に米海軍と帝国海軍の砲撃が凄まじかったのは言うまでも無かった。二度の海戦で勝利を収めたとはいえ両軍とも『宇垣纏』と『ウィリス・リー』というかけがえのない戦友を失った恨みからかキッド級ミサイル駆逐艦バックより「Temper,Temper」と短い信号が送られたが、「奴らに地獄を見せる」と返答し砲撃を続行するなどかなり頭に来ていた様子だった。白根型ミサイル巡洋艦羅臼より砲撃を見ていた谷川艦長は「砲身は大切に」とだけ電文を送っていた。

 

 

 

そして2時間後の午前5時40分遂に上陸が開始された。

 

あおしま型/キャンベラ級/おおすみ型からLCACとAAV-7が発進。

タラワ級強襲揚陸艦/硫黄島型強襲揚陸艦からも上陸用舟艇が続々と発進。

統合軍兵士らはブリタニア本土で徴用した船舶からLCPVに乗り換えて上陸を目指す。

 

それに先立って、各強襲揚陸艦から攻撃ヘリの大群が発艦。

迎え討つ敵側の注意を上空と海上に二分させた。

 

「敵のヘリが来るぞ!」

 

直後、一機のコブラからTOW対戦車ミサイルが発射されたのを合図に攻撃ヘリ部隊はヘルファイヤ、ロケット弾を発射してトーチカを瞬時に吹き飛ばし中から敵兵の肉片がばら撒かられる。

また機首に搭載された30mmチェーンガン/20mmガトリング砲を使って塹壕内の敵を瞬時に掃討。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリが防衛陣地を攻撃してる間もLCMを中心とする上陸部隊は白波を立てて進んでいた。

 

あるLCMの中で手の震えが治らなかったミラー大尉はカンティーンの蓋を開けて水を飲んだ。

周囲の仲間達も不安を紛らわす為かガムやチョコを口に含むが、中には船酔いに耐えられず嘔吐する者がいた。

 

「上陸用意ッ‼︎30秒前!神のご加護を‼︎」

 

乗員からそう告げられ、大尉は部下に指示を出した。

 

ミラー「左舷右舷上陸用意!モタモタするな、砲弾の穴に落ちるなよ!」

 

ホーヴァス「上陸したら散開だ。5人が固まりゃいい的だが1人なら弾の無駄使いだ!いいな!」

 

ミラー「銃に砂が入らないよう常に注意を怠るな!では海岸でまた会おう」

 

ミラーとマイクの指示を聞いた仲間達は姿勢を低くし雨のように降り頻る海水を被りながらその時を待った。

 

ジャクソン「神よ護りたまえ神よ護りたまえ…」

 

彼が小声でそう言った直後ベルと共にハッチが開いた。

 

「砲弾の穴を避けろ!右!左もだ!」

 

「うごッ!」「ぐぁっ‼︎」

 

ミラー「飛び込めえ‼︎」

 

解放と同時に降り注いだ銃弾の嵐で殆どのメンバーが倒れる中、正面からは無理だと判断したミラーは生存している仲間に側部から海に飛び込むよう促した。

 

ミラー「全隊飛び込め!」

 

砂浜とはいえ水深は2m強はあり、重装備でバックパックやM4を抱えたままでは余裕で沈む。

装備を外して上がろうと踠けば流れ弾に撃たれて直様海中を赤い血が漂う。それでもやっとの苦労で足のつく場所まで来ると今度は敵の銃弾が襲いかかってきた。

 

「進め!進めぇー‼︎」

 

対戦車障害物として設置されたであろう「チェコの針鼠」を遮蔽物としながらどうにか進んでいた。

しかし生き残っていたアハト・アハトや迫撃砲からの砲撃に晒されて思うように身動きが取れなかった。

 

先に上陸し死亡した統合軍兵士達の死体がどれだけ凄惨な見た目でも彼らは構わずに進んだ。

 

やったの思いで浜辺に辿り着いたミラーだったが耳鳴りのせいか周りの音が聞こえずしばらく目に入ってくる情報の整理ができなかった。

 

頭に血の混じった海水を被ろうと、別の舟艇から燃えながら出てくる別の隊を見ても。

 

そして自分が今上陸作戦の真っ只中にいる事を改めて理解した彼は震える手で赤く染まった海水の入ったヘルメットを被り直す。

 

気がつくと目の前には指示を乞う兵士が叫びながら自分に話しかけていた。

 

「中隊長指示を‼︎我々はどうしたらいいんですか⁉︎」

 

ホーヴァス「ミラー中隊長!中隊長‼︎」

 

呼ばれる方を向くとホーヴァスが手を振っていた。

 

ミラー「ホヴァーズ軍曹!皆を連れて斜面へ上がれ‼︎」

 

ホーヴァス「よぉし皆!俺のケツについて来い!行くぞぉ‼︎」

 

「中隊長!終末点は何処ですか⁉︎」

 

ミラー「とにかく斜面へ行け‼︎進め!敵の砲台の死角に入れ‼︎」

 

彼はとにかく指示を出した。怯えて遮蔽物の陰から出られない将兵や衛生大隊の兵士達にもだ。

 

敵の攻撃の中を部下達と進み、とにかく前へ彼らは進んだ。

倒れた仲間の腹から内臓がまろび出ていようが関係無かった。

 

鉄条網にまで近づくと既に何名かは到着し身を潜めていた。

 

ミラー「おい!通信しろ。我が軍の戦車は一台も上がれぬ、海岸突破口は未だ開けず!D地区上陸ルート確保できず!」

 

その場にいた通信兵に伝えると別の隊と思われる兵士に問いかけた。

 

ミラー「ここの指揮官は誰だ⁉︎」

 

「貴方です大尉!我々の指揮官は敵の迫撃砲で吹っ飛びました!」

 

ミラー「ホーヴァス軍曹!現在地が何処か分かるか⁉︎」

 

ホーヴァス「集合地点の筈ですが皆バラバラです!統合軍の連中は皆やられてます!」

 

ミラー「司令部へ連絡!上陸第一派は既に壊滅、海岸の確保ならず。繰り返す!海岸の確保ならず!」

 

各部隊の残存兵力や後続の部隊が着々と斜面へと到達し始めてようやく頭数が揃い始めた。

 

ライベン「ライベン来ました!」

 

ホーヴァス「あと誰がいた⁉︎」

 

ライベン「ジャクソンもいました!」

 

弾が海水に濡れたのか撃ち尽くしたのかマガジンを付け替える。

 

「メリッシュです!」

 

「カパーゾです!ビホレッゾは途中でやられました!」

 

ミラー「これで全部か⁈」

 

ホーヴァス「散り散りになってるはずですが、何処かに居るはずです」

 

ミラー「空軍はどうした⁈航空隊は⁉︎」

 

ホーヴァス「内陸からやってきた敵と交戦中。各地の爆撃に躍起になってて、こっちまで手が回らないそうです!」

 

ミラー「……これだけじゃとても足りん」

 

ホーヴァス「D1ルートは右から開きますか?それとも、左っから行くか…」

 

ミラー「いや、そっちじゃない。ディアビルは西の方角だから…こっちからだ」

 

「なんとかしてください!このままじゃ皆殺しです!やられちまいます!」

 

ミラー「ありったけの弾薬をかき集めろ!」

 

頭数がこれでも足りないと感じたミラーはありったけの武器と弾薬を集めるよう指示を出した。

死にかけの仲間や死体から武器や弾帯を集めていく。

 

ホーヴァス「おいライベン!お前の銃は⁉︎249*2はどうした⁉︎」

 

ライベン「海で捨てました。溺れそうで」

 

ホーヴァス「代わりを探せ」

 

ミラー「爆破筒!誰が爆破筒を持って来い!」

 

幸いにも近くに爆破筒を持った工兵がおりすぐに設置する事ができ、直ぐに点火する。

 

ホーヴァス「よぅし行くぞ!」

 

「ジャクソンです!」

 

ライベン「戻りました!」

 

丁度そこへジャクソンとライベンが戻り、M249にボックスマガジンを新しく取り付けていた。

 

爆破筒をセットし点火プラグを挿入する手前まで来ると周囲にいる仲間に呼びかけ全員伏せた。

 

「点火ぁッ‼︎」

 

投げ込まれた爆破筒は鉄条網を吹き飛ばし突破口が開いた。

 

ホーヴァス「鉄条網は爆破した!一挙に突っ込め‼︎」

 

空いた突破口から雪崩れ込むように兵士らが突っ込んでいき、トーチカに隙が生まれる。

 

「今だ!パンツァーファウスト‼︎」

 

この地区に割り当てられ上陸していた陸自隊員がパンツァーファウスト3の照準をトーチカに合わせ、トリガーを引いた。

発射された弾頭にはDM32が用いられ、トーチカを忽ち吹き飛ばした。

 

一方、突破したミラー達の前に今度は機銃陣地が立ちはだかっていた。

 

ホーヴァス「クソッ‼︎もっと寄れ」

 

ミラー「メリッシュ、銃剣を寄越せ」

 

メリッシュ「はい…どうぞ」

 

銃剣をもらうのと同時に彼が噛んでいたガムを口から出すと手鏡につけて銃剣にくっつけて陣地の様子を伺う。

 

ミラー「MG42が2丁、迫撃砲が2門距離20m」

 

ホーヴァス「ちくしょお戦車さえ上陸できてりゃ攻撃するには絶好の場所なのにッ‼︎」

 

ミラー「よしッ‼︎ルートをこじ開けるぞ!ライベン、メリッシュ!陰に隠れて敵の機銃手を撃つんだ!」

 

「「了解!」」

 

ミラー「メイビス、エルベナード、ヤング、ヴォーン!用意ッ‼︎」

 

それぞれ配置についたのを確認し援護射撃を開始する。

 

ミラー「援護射撃開始ッ‼︎」

 

ここに来てやっと手にしていたM4カービン/M16が発砲、それに合わせて4人が前に出るが即座にやられたのか短い叫び声が聞こえる。

ライベンもM249で牽制し土嚢から白煙を上げさせる。

 

ホーヴァス「これじゃ狙い撃ちだ」

 

ミラー「突破口を開くにはこれしかない。ジョーンズ、ベイトン、マクドナルド、バーン!次行け!」

 

ホーヴァス「これじゃあ自殺行為ですよ!」

 

ミラー「ここにいても死ぬだけだッ‼︎援護射撃!」

 

マガジンを装填したM4を再び構えて援護射撃をし第二陣を送り込むが、それでも突破口は開かなかった。

 

ミラー「…ジャクソン」

 

ジャクソン「はい」

 

手鏡でまた周囲の地形を見ていたミラーはジャクソンを呼んだ。

 

ミラー「あの窪みが見えるか?あそこなら機関銃陣地から陰になって撃たれない。あそこからよーく狙って敵を仕留めろ!」

 

ジャクソン「はい!」

 

ミラー「合図したら行け!」

 

ジャクソンは豊和M1500を片手に首から下げた十字架のネックレスにキスをして加護を願った。

 

ミラー「行けッ‼︎」

 

合図と共に飛び出すと敵の射撃が飛んでくるが、奇跡的に窪みへと飛び込む事ができた。

 

ホーヴァス「今の姿、お袋さんが見たら卒倒しちまいますよ!」

 

ミラー「俺のお袋はお前だッ‼︎」

 

冗談はさておき、窪みに飛び込んだジャクソンはスコープ越しに狙いを定める。

 

ジャクソン「主よ…どうか我を護りたまえ」

 

引き金を引くと乾いた音と共に銃手が肉片と血を撒き散らしてその場に倒れた。

 

ジャクソン「主よ我に…力を与えたまえ」

 

再び乾いた音が響くと同時に土嚢が敵兵と共に崩れて斜面を転がり落ちた。

 

ミラー「D1ルート確保ぉ‼︎」

 

ホーヴァス「突撃しろぉ‼︎」

 

道の開いた斜面を駆け上がり、陣地後方で待ち構えていた敵と交戦しこれを制圧した。

 

 

一方海岸線では未だに兵士達が戦っていたが、バタバタと倒れる統合軍兵士らと異なり、水陸機動団はようやく上げたAAVを駆使して機銃陣地を制圧。

台湾陸戦隊やカナダ海兵隊もAR18、FA-MASを片手に進撃。

そして上陸から1時間半後、ようやく戦車部隊が上陸を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ内陸 ベルヒデスガーデン

 

ガーデンに滞在していたヒトラーは幕僚から齎された報告を聞いていた。

 

ヒトラー「そうか。寝起き早々にはあまり良くないニュースだな」

 

この時のヒトラーは史実とは異なり不眠症にも悩まされていなかった為、無理矢理起こしても不機嫌になったりはしなかった。

寧ろ冷静に報告を聞き分析をしようとしていた。

 

ヒトラー「防衛状況はどうか?」

 

「はッ。最新の報告ではルントシュテット大将が指示を出して防衛にあたらせているようですが。上陸第一派は統合軍で占められており、第二波の連合軍に対してはやや苦戦を強いられているようです」

 

ヒトラー「うむ……やはりもっと北米から兵を引き上げさせておくべきだったな」

 

前世界同様ヒトラーは北米大陸ことリベリオン大陸にも兵力を送って快進撃を進めていたが連合軍の登場によりその侵攻は止まり、徐々に兵力の引き上げを行なっていた。

 

だがそれは戦線の縮小と同時に出た負傷兵が殆どであった為、精鋭といえど戦う事はできなかった。

引き上げて本土で回復するにしても時間はかかる。

それで回復した兵士を分散して再編させ戦力の均一化を図ろうとしたが、それが却って裏目に出たという事だ。

 

「総統、如何しましょう?」

 

正史や後世の彼なら怒りに任せて「死守せよ!」と豪語したかもしれんが、このヒトラーは違う。

 

ヒトラー(上陸という事は戦艦による砲撃支援もあった筈、であれば彼奴も……)

 

彼の脳裏にはあの憎き海軍元帥の姿が映し出された。

 

「総統…」

 

ヒトラー「慌てるな諸君。少し電話をよいかね?」

 

彼が命じると側近が電話を彼の近くまで運んできて、ヒトラーは何処かへ電話をかける。

 

ヒトラー「あぁ私だ。ストーシ中将はおるかね?」

 

『はッ私であります!』

 

ヒトラー「宜しい。中将、君の耳にも届いているだろうが敵が上陸している。今こそ君達の出番だ、すまんな今まで待たせるようで」

 

ストーシ『いえ!勿体なきお言葉!寧ろ良い報告を閣下にできる事を誇りに思います!』

 

ヒトラー「結構だ。では直ちに取り掛かりたまえ」

 

電話を切った先にいたリヒャルト・ストーシ中将は直ちに命令を下した。

 

ストーシ「総統閣下直々の御命令だ。直ちにノルマンディー地方に上陸した敵兵と海岸付近の敵艦を攻撃する!」

 

「「はッ」」

 

ベルの音ともに地面が折り畳まれるようにして無数の窪みが現れると中から巨大な砲身が次々と持ち上がり、ノルマンディー地方へと照準を合わせる。

 

ヒトラー(今に見てあれアドミラル・オオイシ……もうすぐ…もうすぐ余がこの手で貴様らを葬ってやる…!)

 

彼が思案し憎しみを向けた砲口は80cmの口径を持っていた。

 

「司令!砲撃準備完了!」

 

ストーシ「第一目標、防衛陣地付近の敵勢力!攻撃開始ッ‼︎」

 

刹那、眩い閃光と爆音が辺りに響くと同時に4.8tにも及ぶ榴弾がノルマンディー方面へと降り注ぐのだった。

 

 

*1
転移前の時間軸

*2
M249





白根型ミサイル巡洋艦
諸元
全長:220m
全幅22m
最大速力:34.5ノット

兵装
50口径24cm連装砲3基(前部2基/後部1基)
54口径127mm単装速射砲×2基
20mm高性能機関砲×2基
Mk.41VLS×90セル
ハープーン四連装発射筒×2


概要
他国(主に米英)が新規のミサイル巡洋艦を建造する中、日本海軍は戦艦や空母に建造リソースを裂きすぎたが為に新造する暇が無かった。
已む無く海軍は妙高型以降の重巡洋艦にイージスシステムやフェーズドアレイレーダーを搭載するなどその場凌ぎの近代化改修を施す。
本艦はその建造リソースに余裕ができた事により新たに建造されたイージスミサイル巡洋艦。

同型艦
白根、羅臼、大雪、日高
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