自由連合召喚   作:短号司令官

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パリへの道

 

「来たぞ…!」

 

茂みの中からデジタルスコープで敵の戦車部隊の列を補足した台湾陸軍の兵士が仲間達に伝える。

 

「数は?」

 

「17〜8両といったところですね。おそらく一個中隊規模はありますね。ヘリを呼びますか?」

 

「それもそうだが…せっかくだ。新兵器を試すぞ、一応ヘリの応援要請もな」

 

隊長がそう言うのに合わせて隊員らは周りで準備を始める。

 

三脚架を設置し、その上に円筒物を載せ側部に物々しい装置を取り付けた。

 

「車列の先頭だ。頭が潰れれば動きが止まる」

 

「ターゲットロック」

 

「撃て!」

 

短い発射音から数秒後、先頭を走っていたパンテルⅡは砲塔と車体がおさらばした。

 

「何処からの攻撃だ⁉︎」

 

「分かりません!"パンッ"という音が聞こえた直後に吹き飛んだもので…」

 

この時代のドイツ軍は対戦車用兵器としてパンツァーファウスト44、パンツァーシュレックといった物を実用化するに至ってはいたが未だ対戦車ミサイルの分野では大幅に遅れをとっており、こういった事態に対処しきれていなかった。

 

「次弾、いつでもどうぞ!」

 

「次は最後尾でチンタラしてる奴だ!撃て!」

 

台湾陸軍は戦車の数こそ不足していたが、対戦車兵器の実用化に力を入れていた。

供与されたM1バズーカや98式臼砲に始まり、現在ではパンツァーファウスト3や豪陸軍から供与されたミラン対戦車ミサイル*1を駆使して戦っていた。

 

最後尾の車両もやられて進退極まった戦車部隊であったが、直前の発射光が一瞬だが補足していた。

 

「右側2時方向に敵兵らしきものを発見!」

 

「歩兵を送り込んで仕留めろ!戦車隊は援護射撃の用意だ!」

 

歩兵が草木を分けて進み、車載機銃が指示のあった方角に機銃掃射を開始する。

 

「うっ!」

 

積み上げた土が銃弾で土を巻き上げ、隊員らは思わず伏せる。

 

「長居は無用だ。撤収!」

 

最低限の装備だけ回収し、クレイモア地雷を設置し終えると隊員らは26式歩槍*2で反撃しつつその場から退却した。

まもなくその場に到着したドイツ兵士数名がクレイモア地雷によって負傷。時速5000kmを超える鉄球が身体を貫通し、彼らを一瞬にしてズダ袋に変えたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

ノルマンディー上陸後は早かった。

上陸直後は確かに激しい抵抗もありそれ相応の被害も出た。しかし内陸に進むにつれ敵の抵抗は減少の一途を辿るようだった。

 

しかしかと言って敵がいない訳ではない為、注意する必要があった。

自分達程ではないにしろ敵も強力だ。

だがこちらにはドローンを駆使する事ができる自衛隊や豪軍がおり、ジャミングから破壊工作とあらゆる分野で活用され制空権確保も早期の内にできた。

 

対するドイツ側はドローンへの対抗策を考案するのに躍起になっていたが散弾銃を用いるという方法しか現状無いに等しく、ほぼお手上げ状態だった。

 

 

パリ ドイツ軍防衛本部

 

ゲルト「参謀、敵の侵攻具合は…?」

 

作戦室に広げられた地図を見ながらルントシュテット大将は報告に耳を傾けた。

 

「はッ。ここ一週間で敵の大部隊と接触した部隊は無く、いずれも小規模な部隊と交戦ないし敵のヘリと接敵した部隊しかありません」

 

ゲルト「だとしてもこの被害は大きすぎる……一週間で戦車の4分の1が壊滅だなんて……」

 

「報告では敵の"対戦車ミサイル"によるものです。分析によりますと敵が使用しているのはいずれも少数での持ち運び運用が可能でありながら我が軍の戦車を一方的に叩ける威力を有しています」

 

ゲルト「聞きたくない内容だが……後方にも伝えなくては二の舞を踏むことになる」

 

「対策立案内容が多すぎます……」

 

その内容の多さは本部に詰めかけている幕僚らを過労へと追い込むには十分な量だった。

 

どれも色々な意味で困難なものばかりであり、職員らはここ半月自宅や宿舎には帰れていない。最低限の睡眠は摂るようルントシュテットからも命じられているが、それでも疲労はピークに達しようとしていた。

 

ゲルト(パリが堕ちるのも時間の問題か……)

 

窓の外に広がるパリの街並みを見ながら目を休めていたが……

 

 

 

パリ上空

 

『攻撃位置に到達。ウィップレイ ソウフィッシュ 目標を叩き潰せ』

 

同じ頃、パリ郊外にある空軍基地の無力化を図るべく数機のA-11がE-3早期警戒機の指示の元パリへ飛来。

 

『全機散開、各自目標を叩け!』

 

妨害電波によりある程度レーダー網は無力化が済んでいるが、目視確認可能距離にもなると流石に気づかれる。

 

対空砲、高射砲が火線を空へと打ち上げ迎撃を試みる。

しかし母体となったA-10譲りの堅牢さは伊達では無くA-11は何事も無く低空で滑走路へと近づく。

 

胴体下部に取り付けられたMW-3から大量のクラスター爆弾が散布されると同時に炸裂、滑走路をズタボロに破壊した。

 

空になったディスペンサーを放棄し、翼を翻して再び基地に突入して来ると翼下に懸架された空対地ミサイル、ロケット弾を建物や倉庫、防空陣地へと投射。さらには機首に搭載されたGBU-7 40mm機関砲で辺り一面を蜂の巣に変えた。

 

『mission complete!全機引き上げだ!』

 

僅か30分余りにしてパリ郊外に展開されていた4つの空軍基地全てが無力化され、被った被害で防衛本部の幕僚らの頭を苦しめた。

 

 

 

それから2週間後、パリ解放作戦『ファントム・ハウス』が決行された。

 

9月19日〜15日にかけて行われパリは無事解放された。

これまで時点で連合軍の死傷者数は6000人に対しドイツ軍は既に2万以上が出ていた。

*1
ジャベリンへの更新により出た余剰品

*2
韓国主力小銃K2

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