佐知川高校との練習試合編になります。
大喜、雛回なので優と千夏先輩は出ません。
女バス、男女バレー、卓球が午前練習を終え、片付けをしている。午後に練習試合がある男バドと練習の男バスで体育館を使う。
得点板やネットを張ったり、佐知川高校さん用の飲み物を用意したりと準備に大忙しだ。2年生も準備の手伝いをしてくれている。針生先輩や西田部長も。
「お〜い、誰か監督呼んできてくれ。」
「俺行ってきます!」
連絡路を歩いていると不意に声をかけられた。
「猪股……くん?」
振り向くと一人、遊佐くんが立っていた。
「会えて良かった。体育館ってどこかな?」
「……えっ、ああ、あそこを左に曲がるとあるよ。」
どうやら迷子になっていたみたい。
「今日は猪股君と針生先輩と対戦出来るのを楽しみにしていたんだ。」
「―――、そっか。俺も前回のリベンジをしたいと思っていたから簡単には勝たしてあげないよ。」
「うん。楽しみにしてる。じゃあ。」
体育館に向かっていく遊佐くんを見送る。そっか、遊佐くんも俺とやるのを楽しみにしていたんだ。よ〜〜〜っし!やるぞ〜〜〜!!
っ!!やっべ、先生呼びに行く途中だった。呼びに行かないと。小走りで教官室に向かった。
よっし!長いラリーを取って勝負が決まった。23-21、21-19と連取して佐知川の選手に勝てた。
最後に握手をするも、相手は凄く悔しそうな表情をしている。
「大喜、最後まで集中を切らさずに、よく粘った。少し休憩してこい。」
監督からさっきの試合を褒められた。
「はい。」
飲み物を一口飲んで、タオルで汗を拭きながら目の前で行われている試合を観る。
左右前後への揺さぶり、緩急、ネット際やコート奥への様々な打ち分けで相手を翻弄している。21-9と圧勝していた。
遊佐くんと目が合った。そしてフッとよく見ないと分からないくらいの笑顔を此方に向ける。
「大喜!そろそろいけるか?」
「っ、はいっ!」
監督に言われ、準備する。空いたコートに行くと遊佐くんが此方に向かって来ていた。
「こんなに早くやれるなんて。疲れる前にやりたかったんだ。」
「俺も。――遊佐くんと試合するなら万全に近い状態でしたかった。」
再戦を望んだ相手とまた戦れる。
「おっ、やってる。やってる。ちょうどこれから始まるみたいだね〜。」
後ろにいる雛を見ると、遮光カーテンに包まるように隠れていた。
「何してるの?応援するって約束したんでしょ?」
「見に行くとは言ったけど、応援するとは言ってないもん。」
いやいや。
「一緒でしょ。………大喜君、県予選で負けた相手とのリベンジ戦なんでしょ?」
「そうだよ。分かってるんだけど、あんな大喜見たくない。あの時、私なんて声かければいいか分からなくて………。」
どんな大喜君か知らないけどさ。
「なんで今回も負ける前提なのよ。」
「!!そういうわけじゃなくて――。」
眼下に目をやるとお互い位置についた。
「あ、始まった。」
相手のサーブを大喜君が返した。雛が私の声にピクリと反応した。
「別に大喜君にどう声かけようとかじゃなくて、雛自身の為に見ておいた方がいいと思うけどな。」
ズリズリと這うように此方にやってきた。普通に立ってみればいいのに。
ラリーが続く。大喜君が左右前後に振られるも、喰らいつくように返している。あっ!相手のスマッシュが決まった。
這って見ている雛も大喜君が一点取れば嬉しそうにして、相手が点を取るとムスーっとする。
なんか見てて楽しいな。まだ若いけど若返る気がする。
「中々厳しいね。」
また点を取られた。これで7-3になった。押されているのが結果に出てきた。相手は強くは見えないけど、上手く見える。
それに翻弄されているって感じかな?
「まだまだこれからだよ、大喜は。」
手すりを握る手が赤くなるくらいキュッと力が入りながら応援している。
粘る大喜君とそれを色々な手段で崩そうとする相手の構図になっている。
ハァハァ、ハァハァ。息が乱れる。心臓がバクバクと脈打つのが分かる。でも身体はまだまだ動く。
第1ゲームは21-17で取られた。第2ゲームはここまで互角の勝負になっている。16-16のタイスコアだ。
フッ!遊佐くんの返しが甘くなったのを前に出て、ネット際にプッシュで叩き落す。よしっ、初めてリードした。
段々と遊佐くんと打ち合えるようになってきた。余裕は少しもないけど、俺はまだまだやれる!
くっ!また取られた。何度も何度も前後左右に振るも、緩急でタイミングをずらすも最後の最後まで粘りをみせて拾われる。まだ第1ゲームは押せたけど第2ゲームは取ったり取られたりと押し切れない。
「ふっ!」
スマッシュがやっと決まった。ハァハァ、やっと2点差まで詰め寄れた。でも相手のマッチポイント。
またラリーが続く。徐々にこっちが左右に振られ、猪股君がゲームメイクをする形になる。
コースは甘いけど強いスマッシュを何とか相手コート返すと、此方の体勢が整う前にプッシュを叩きつけられた。
第2ゲームは猪股君に取られた。悔しい。
ハァハァ、ハァハァ、楽しい。猪股君――正直それほど上手くはなってないけど、ここまで粘りをみせるなんて。自分の武器を存分に活かすプレースタイルになっている。
それに随所にキラリと光るプレーもある。ああ、彼とはもっともっと戦いたい。
今年も来年も彼が、彼と戦える。
「おおっ!!」
「また決めたっ!」
「大喜、いい試合してんじゃん。いや、むしろ今は大喜が押してる。」
大喜のやつ、ここ最近スゲェー伸びてきた。如月に影響を受けて、前みたいに前時代的なガムシャラにする練習じゃなくて効果的な練習をするようになった。
そして技術的には大学日本一の渡辺さんに色々と指導してもらっているらしい。流石に手取り足取りは無理だが、同じ映像を見てアドバイスを貰っているらしい。
「しゃあっ〜〜〜!!」
大喜が大粒の汗を流しながら力強くなったスマッシュを遊佐くんの足元に決めた。
大喜は後半になってもフットワークの速度が落ちない。いや、正確には落ちているんだけど俺達よりも緩やかに落ちる。だから後半、試合が長くなればなるほど大喜が有利になる。
問題は、インハイ予選は1日に何試合もするから、試合時間が長引きやすい大喜とさっさと決める遊佐くんでは決勝になった時に貯まっている疲労感が違い過ぎ、それが実力差、スタート地点に違いがある。
簡単に言えば大喜はフルマラソンを、遊佐くんはハーフマラソンを走ってから試合って感じだ。
前みたいに予選の途中で当たればお互いに疲労感に差がないけど、決勝になるとそこで差が出てくる。
「こりゃあ如月の言ってたことがマジになってきたな。」
すぐ後ろに遊佐くんだけじゃない。もう一人来やがった。
「バドミントンってハードだね。相当疲れるよ。あんなスピードの羽根についていくなんて。」
にいなちゃんの感想を聞きながらも、眼下で繰り広げられる熱戦に目が離せない。
(私の知ってる大喜はあんな顔をしてバドミントンをやってなかった。もっと楽しそうに、点が決まると嬉しそうに笑ってた)
「あんな大喜、初めて見た。」
歯を食いしばり、粘り、打ち返す。勝ちたい気持ちを全面に押し出したプレーをする大喜。決まればガッツポーズを一瞬して、次のプレーに備える。
ああ大喜もそっちの、勝つ事を目的とした選手になったんだなと分かった。
まさか遊佐が第2ゲームを落とすとはな。あいつの能力を知っているから針生君以外に落とすとは思わなかった。
第2ゲームを18-21で落とした遊佐がファイナルゲームも押されに押されている。8-12と大きくリードされるなんて予想も想像もしたことなかったぜ。
「ファイナルゲームもリードされちゃってますね。」
「ああ。覚醒したんだろうけど、あの子プレーが落ちてこないんだよ。」
「と、言いますと?」
後輩が不思議そうに聞いてくる。チラリと見てから、今まで見ていた感想を口にした。
「どうしても試合が長引くと疲れが貯まってくるし、早く点を決めたがる。でも彼は長くなるのを承知でロングゲームに持ち込んでるみたいだ。」
「遊佐相手にそんな事を?」
だろうな。最初は遊佐と相手の力量を数値にすると100:90くらいだったのに、今は70:80くらいになっている。あの遊佐が前後左右に振り回されるシーンを見られるなんてな。
「注目選手って訳じゃなかったのに、インターハイのライバルが増えちまったじゃね〜か。」
それもクソ厄介なのが。それなのになんでそんなに嬉しそうに、楽しそうにプレーしてんだよ遊佐。負けてんのに。
前に落とされた羽根を体勢を崩しながら何とか返すと、相手ががら空きになったコートにスマッシュを叩きつけた。
シャトルがコートに当たった音が体育館に響いた。周りも皆が手を止めてあの2人の試合を見守っていた。
身体が鉛のように重い。息が乱れ、心臓がバクバクと脈打つのが分かる。汗も大粒のが止まらない。腕も振るのが辛い。足も動かすのが億劫になる。
でも楽しい。俺は遊佐君とここまでになりながらもだけど互角にやり合えている。
ネットの向こうにいる遊佐君も汗を流し、しんどそうな顔をするけどどこか楽しそうで。
遊佐君がロブを上げた。反射で高く跳び上がり、スマッシュを打った。打った瞬間、遊佐君の正面に行ったのが分かり、“ヤベッ”と思ったけど遊佐君が上手くラケットに当てれず弾いた。
「しゃあっ!!」
決まった事に安堵と得点を積み重ねれて歓喜が声に出た。
その瞬間、周囲から“ワアッ!”という歓声が上がった。驚いて周りをキョロキョロと見ると栄明の同級生や先輩が拍手と歓声を送っていた。
ハッとして得点板を見ると21-15と表示されていた。……勝ったんだ、、、俺勝ったんだよな。
「よっしゃあ〜!!」
つい嬉しくて両手を上げて喜んでしまった。
「大喜、よくやった!勝つとは微塵も思ってなかったけど。」
「ああ、正直今も大喜が勝ったのか疑ってる。」
「俺も!まさか勝つとはな。」
「言い方!それに俺への評価!」
先輩との露骨なまでのやり取りをしていると、審判をしてくれていた同級生の俺を呼ぶ声が聞こえた。
「大喜、喜ぶのはあと。挨拶。」
と、そうだった。挨拶をまだしてなかった。
ネット際に行くと遊佐君が待ってくれていた。ネット下から握手をすると、ギュッと力強く俺の手を握ってきた。
「ありがとうございました。」
お礼を言っても返ってこないし、力が入った手を離してくれない。困っていると。
「負けて悔しい。もう一試合しよう。」
そんな事を言われて、俺も目をパチクリさせて困惑する。でももう一試合か………よしっ!
「やろう、もう一試合!」
バシンと頭を何かに叩かれた。
「アホウ。2人ともヘロヘロだろうが。2人2時間近くやってたんだぞ。ちょっと休憩してこい。………遊佐君も体力回復したら俺ともやってもらうから。大喜も他の人と。」
コートから2人追い出された。そうだな、俺も汗だくのシャツを替えるか。部室に行って、替えのシャツに着替える。
そして体育館裏で休もうと向かうと先客がいた。
「……遊佐君。」
「……?ああ、猪股君か。」
横になっていたのを起こしてしまった。
「ごめん、休もうとしてたのに起こしちゃって。」
「いいよ。それよりさ、さっきの試合の振り返りをしない。」
思わぬ提案をされ、一、二もなく賛成した。
「あそこのプッシュって読んでた?」
「うん。猪股君ってネット際はとりあえずプッシュって感じだから、そこに関しては読めてた。」
此方の欠点を指摘してくれる。
「前に試合した時は、フットワークで無駄が多かったからギリギリの所で一伸びというか一足が届かなかったのがあったけど、今日の試合ではそれが無くなってた。矯正した?」
ああ、それか。右に行く時に何故か右足を一端引いてから左足を前に出していた。(左も同じ事をしていた)この足を引いている分、時間がかかってライン際のシャトルがギリギリ届かないことがあった。
「うん。前に渡辺さん、………ああ、渡辺さんって日都大のバド部の人で知ってるかな?」
「知ってるよ!大学日本一の渡辺さんでしょ!なんで教えてもらえてるの!?いいな!」
「この前、針生先輩に誘われて練習参加したら何故か気に入られちゃって。それからはちょいちょい色々とご指導を………。」
「いいな………俺も試合してみたいのに。」
そんな羨ましげに見なくても………困ったな。遊佐君とこんなに話せるようになるなんて。
「た〜〜い………き??えっ、なんでその2人が仲良くなっちゃってんの?」
「雛……!?」
急に声がしたと思ったら、雛が困惑顔をして困惑気味に尋ねてきた。
「なんかさっきの試合の振り返りをしちゃってた。」
遊佐君に軽くお辞儀をしたようだ。遊佐君も軽く頭を下げた。
「熱い熱戦を繰り広げた2人に良いものをあげよう。ほら、雛様から有難く受け取り給え。」
そう言ってポカリを2本差し出してきた。
「いいのか?」
「うん。」
「なら有難く。」
「ありがとう。」
俺も遊佐君もお礼を言って素直に頂く。キャップを開けてゴクゴクと半分近くを一気に飲んだ。
「く〜〜〜、染みる〜〜〜!」
「………美味い。」
「そっか、ならよかった。2人の邪魔をするのは野暮だろうから戻るね。」
そう言ってあっさり居なくなろうとする雛を慌てて呼び止めた。
「雛っ!………サンキューな、美味かった。」
「ありがとうございました。」
俺が改めて照れながらお礼を言うと、遊佐君もお礼を言った。
「いいってことよ。じゃ〜ね〜〜。」
手を振りながら去っていった。
「カッコいい女の子だね。」
「そうなんだよ。それに新体操も一年なのに全国3位になったし、刺激をもらえるよ。」
「3位……それは凄いね。」
遊佐君の素直な感想に嬉しくなって饒舌に喋ってしまった。
「兵藤さんが身近に居たから、刺激を受ける気持ちよく分かるよ。」
「そっか………。」
「それで渡辺さんと練習してるって。」
「うん。なんか佐知川高校に対抗意識っていうか、コンプレックスがあって、栄明にいる俺に色々としてくれるんだよね。」
「羨ましいな。ねぇ連絡先交換しない?色々と渡辺さんに教えてもらったこと教えてほしい。代わりに俺も佐知川で教えてもらったこと教えるから。」
まさかの連絡先交換!
「うん。なら帰りに交換しよう。」
約束すると、“ワアッ!!”という歓声が聞こえてきた。
「何かあったのかな?」
「ああ。多分サッカー部の歓声だよ。今、公式戦やってるから。」
「へーー。こんなに歓声があがるなんて、そんなに強いの?」
意外と遊佐君って喋るな。
「強いっていうか……1人凄いのがいるんだよ。U-21日本代表で、今年の20歳以下で世界一市場価値が高い選手にも選ばれた。」
「それは凄いね。」
遊佐君の感心する声に同意した。
「ああ。本当に凄いよ。考え方、努力の仕方、質と量のバランス、勉強も出来るし。それに、もう将来自分はどう生きていくかも決めていて、それに向かって走っている。眩しいくらいに輝いて見えるよ。」
「そうなんだ。」
「うん。でもバドで勝ちたいのは遊佐君だから。」
「俺も今日負けて、次は絶対に勝つって強く思った。」
「そっか。」
そんな話をしていると、また人が来た。
「あっ、いた大喜。先生が呼んでたぞ……って、なんでその2人が一緒に?」
いつも落ち着いている匡も、雛とおんなじ困惑顔をしている。
「たまたま休憩の場所が被って、それで色々と話してたら。」
「そっか。遊佐君もチームメイトが探してたよ。」
「えっ、ホントに?」
「うん。遊佐君の名前呼んでたから。」
「そうなんだ。ありがとう。」
遊佐君が匡にお礼を言って立ち上がった。
匡にすれ違う時に軽く頭を下げてお礼をしたと思ったら、此方に振り向いた。
「じゃあ猪股君、帰りの時に連絡先の交換よろしく。」
「―――っ、分かった!」
それだけ約束してから去っていった。
「なんか知らぬ間に仲良くなったんだな。」
「うん。意外と負けず嫌いみたいで、そこから。」
「そっか。………ほら、大喜も戻るぞ。加藤とか山内も一緒に探してたんだからな。」
「マジでっ!ごめん。」
俺も立ち上がって体育館の方に向かった。
「じゃあ猪股君、また。」
「うん。遊佐君また。」
見送りに来た猪股君に挨拶をしてから帰路につく。
「何、遊佐。あいつと連絡先交換したんだ。」
「はい。」
「仲良くすんのはいいけど、来年の一年生大会最大のライバルだし、インハイ予選でも敵になる。馴れ合うなよ。」
「薬師寺先輩に言われなくても分かってますよ。」
猪股君の戦い方は、未知の領域にある。まだ会ったことのないタイプのプレースタイルだ。
ワクワクする。彼と早く試合をしたいと心から思った。
後ろを振り向くと栄明高校がある。今日此処に来て、練習試合をしてよかった。
佐知川高校の人達が帰ってから片付けをみんなで行う。当然部長の俺も、なんなら部長の俺が率先してやるようにしている。
「針生先輩、代わりますよ。」
一年が仕事を終えたから代わろうと声を針生にかけようとするから止める。
「ほっといていいよ。」
「?なんでですか?」
「針生、さっき遊佐君に負けて虫の居所が悪いから。」
不機嫌そうな顔を隠しもせず、触れるなオーラをバンバン振りまいている針生。それに気付かずに話しかけようとする隣の一年も、もう少し察しろよと思う。
「ほら、さっさと片付けて帰るぞ〜!」
少し大きな声を出して、急かすように言う。
正直、今日の結果は意外だった。大喜が遊佐君に勝ったのも、針生が遊佐君に負けたのも。
タイプ的に遊佐君は針生と一緒で全方位に能力バランスの良い選手だ。
大喜はラリーを続けて、相手の隙を窺うか相手のミスを誘発させるタイプだ。
俺は攻めから自分のリズムを作るタイプ。兵藤さんはバランス型だけど此方に近いだろう。
まだ針生の方が遊佐君より上だと思っていたけど、遊佐君に大喜と伸びてきてるんだな。
俺もインターハイ本戦出場を目標にしてんだ。負けてらんないな。
晩御飯をたらふく食べて部屋に戻った。
ベットに横になりながら、遊佐君と今日の練習試合の話をしながら反省会と勉強をしていると、雛からラインが届いた。
『今日の白熱した勝負を見て、私もやらなきゃって気持ちを引き締めなおせた。大喜の頑張る姿に私は感動したし、かっこよかった!』
そして目と背景が燃えている変な人のスタンプが押された。
サンキューって返そうとしたら、すぐに次のが来た。
『大喜、今日くらいは頑張った自分を遠慮なく“良くやった”って褒めてあげな。私から見ても大喜はよくやってるし、周りの人から見てもよくやってると思うから。』
そんな事が書かれていた。そっか………俺頑張れてるんだ。
努力の成果も着実に実を結べているんだ。インハイで負けた相手に勝てるくらいに成長してるんだ。
『サンキュー。でもまだまだ頑張んないと。本番で勝てないと意味ないし、遊佐君ももっともっと上手くなるって言ってたから。』
『だね。負けたら悔しい。だから次勝てるように頑張る。そのイタチごっこだから。私も頑張るから大喜も頑張ろう。』
『ああ、お互い頑張ろう!』
雛とのやり取りが終わるといつも背中をパンッと叩かれたような気持ちになる。応援してくれたような。
トンではなくてパンッなのが雛らしいエールだと思う。
さて、今日は疲れたからさっさと寝よう。
次の更新予定は銀英伝です。
その次にアオのハコを文化祭が終わるまでやってからSEEDを予定しています。
アオのハコの更新は、しばらくお待ちください。