ピンク玉の神秘   作:サイリウム(夕宙リウム)

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31:いこう!

 

「……。」

 

「ふむ……、仕組んだ側の人間が言うのも何だが、やはり友がそのような顔をしているのは心が痛むね。」

 

「…………セイア、さん。」

 

 

ナギサの後ろから声をかけるのは、セイア。ティーパーティーに所属しながら『秘密のお茶会』にも籍を置き、そこで政治関連の物事を全て取り仕切っている存在が、いつの間にか彼女の背後にいた。手早く泡を吹きながら倒れている次期連邦生徒会会長を救護室に運ぶよう指示を出していることから、全てが想定内だったようだが……。やはり思う所はあるのだろう。

 

ナギサに比べればかなりマシだが、彼女は少し浮かない顔をしていた。

 

 

「何を。」

 

「少し話に来ただけさ。あぁマルコ? 少しミカの相手をお願いしてもいいかい? ここから先は“政治”一色だ。二人が聞いても面白味がないだろう。いいね、ナギサ。」

 

「……えぇ、構いません。」

 

 

何か考え込んだというよりも、情報を処理することを脳が拒否しているのか、反応が遅れるナギサ。それを心配そうに見つめるミカではあったが、既に彼女も『敗北』を理解している。

 

幸い彼女も幾つか場数を踏んだおかげで“敵意”には敏感になっていた。もし何も知らず猪突猛進ガールであったならば即座に隕石を落しナギサを抱えて逃走を図っていたであろうが、マルコからも、セイアからも敵意は感じない。ナギサの傍で『政治』を見ていたことも幸いしたのか、彼女はその指示に従うことにする。

 

後ろ髪を引かれる思いをしながらも。言われた通りマルコに連れられてその場を離れるミカ。けれどその意識の大半はナギサに向けられており、最悪彼女だけでも脱出できるように備えていた。……え? マルコ? セイア様が来て『私に任せたまえ、いいね?』と視線を送られてからは考えるのを止めて丸投げの構えを取っているよ! 人の上に立つ器じゃないね!

 

 

「さて……、人払いも済んだ。一応だが、確認させてもらってもいいかい?」

 

「……我々に、抵抗の意思はありません。どうか、よしなに。」

 

 

セイアの問いに、そう答えるナギサ。いわばそれは、無条件降伏の言葉。

 

この学園祭に来てからずっとナギサは絶句したままだったが、それでもその目と耳は拾える限りすべての情報を汲み上げ、脳が処理を施していた。マルコという存在によって必要が生まれ、それに対応するために鍛え上げられたその脳は混乱状態にあっても、すべきことを熟していたのだ。

 

けれどだからこそ、強く理解してしまう。

 

あの戦艦を出される前ですら、単なる技術差だけで“手も足も出ない”という事実を理解しかけていたが、最後の宇宙戦艦によってそれが決定づけられた。あんなもの出されれば、もう抵抗に価値はない。後はどれだけ彼女たちの下で、トリニティが生き残れるかを考えるだけ。

 

 

(けれど、完全な敗者に何かを要求する権利はありません。最悪、私とミカさんの首。いえもっと多くの……。)

 

「いやしないからね? どれだけ野蛮にみられているんだい、私は。そもこちらに大層な統治能力はないんだ、今政権を渡されても困る。ほんとに私が過労死しちゃうよ……。ある程度整える必要はあるだろうが、基本現状維持で頼むよ、本当に。あとマルコをトップに立たせないでくれ、マジで。」

 

「え……。」

 

 

断頭台へと進む道を歩いていたような感覚に陥っていたナギサの耳を震わす、セイアの少しおどけた声。けれど彼女の瞳はどこか真実味を語っており、その言葉すべてが本当であることを、彼女の脳が教えてくれる。そんな想定外の言葉に驚いたナギサの反応は、セイアの想定内だったのだろう。口元に少し笑みを浮かべながら、更に話を進めていく。

 

 

「ま、少し深呼吸して椅子にでも座り給え。最近は飲まなくなったせいで忘れかけているが……、茶も用意しよう。あぁもちろんジュースが良いのであれば大歓迎だよ? 炭酸には目が無くてねぇ。」

 

「え、いえ。お構いなく……。」

 

 

そうかい? と少し首をかしげながらも軽く手を叩き、人を呼ぶ彼女。すると即座に学園のメイド部が出現し、彼女たちの前に茶会用の机と椅子、そして茶器たちが用意される。セイアが目の前に現れたポットを手に取りナギサの茶を用意する頃には2人以外の人影は消えており、彼女が自分のグラスに黄金色の液体を流し込む頃には、再度完全な人払いが為されていた。

 

ちなみに、一応捕捉しておくがこの黄金色の液体は酒類ではなくいつものこどもビールである。未成年の飲酒はダメ絶対。

 

そんな7:3の最適な泡を浮かばせたセイアは、満足そうな笑みを浮かべた後。目の前にナギサが座っているということも忘れ、思いっきり杯を傾けていく。んっんっんと小気味良い喉の音が響き、いつの間にかグラスは空に。セイアの口元に残る白い泡だけが、飲み干されたことを示していた。彼女はもう一度液体を杯へと注ぎながら、口を開く。

 

 

「いやぁ、やっぱり“解決した”後のこれは最高だね、本当に。あいやすまない。ちょっとこれが手放せなくてね。最近主治医が凄い目で見てくるから控えなければならないのは解るんだが、どうも止められなくて。」

 

「え、えぇ……。」

 

「いや本当に良かったよ。……疑い深い君でも理解してくれただろう? 『これだけの戦力を持っていれば、キヴォトスなど1日で落とせる』ということと、『それを保有しながらまだ行動に移していないと言うことは、そもそも“そんな意志がない”』ということも。……ま、君の立場からすれば納得しない以外はない様なものだろうが。」

 

 

セイアの独白のようなものに、何も言葉を返さないナギサ。

 

椅子に腰を下ろし、少し茶で喉を潤したことで余裕が生まれたのだろう。混乱のさなかにあった彼女の脳は既に最適な思考を行い始めており、もしそれが“本当”だったとしても、幾つかの否定材料となる様なものが浮かび上がり始めていた。

 

けれどセイアの言う通り、敗者に何かものを言う権利はなく、勝者が述べる言葉が事実となる。

 

 

「いやほんとマジだからね? マジで私達そういうの要らないからね?」

 

「……本当、なのですか?」

 

「そうだよ? でも君のことだから言っても信じないし、信じ切れないだろう? だからもう一回勝ってしまって事実を見せて、その後もう一度問いかけるぐらいしか思い浮かばなかったのさ。……ほんとどこまで伸びるつもりだったんだい、君の政治力。未来視が有っても対応できないとかヤバいよ?」

 

「未来視……。あぁ。やはりそうだったのですね。」

 

「……ここで出るのが“やはり”とか。本当に君は末恐ろしいな。」

 

 

セイアが持つ能力、その発言を聞き一気にこれまでの疑問が氷解するナギサ。

 

これまでの政治、パワーゲームの中で彼女は相手の指し方、セイアの動きの癖や特徴というものをほぼ完全に読み切っていた。けれどそれでも勝ちきれないことからそれこそ『既に自身の手がバレている』前提で動いており、荒唐無稽と思いながらもそれこそ『未来が見えている』前提で彼女は策を張り巡らせていた。

 

だからこそセイアも過労フォックスになっていたのだが……。

 

 

「まぁいい。頭上に浮かぶアレを見て貰えれば理解してくれると思うが……、明らかにアレはキヴォトスに過剰な戦力だ。それこそ世界征服なんて考えてもおかしくないだろう。けれど“そう見えている”だけでしかなくてね……。本質は『防衛』。ただの自衛手段だ。」

 

「……アレが、ですが?」

 

「そうだとも。ちょっと雷帝に文字通り死にながら撮影してきてもらったんだけどね……。私たちが“備えなければいけない”敵の一例だ。」

 

 

そう言いながらセイアが取り出すのは、一つのタブレット。

 

映し出されるのは、ポップスターの強大な神秘を肉体に流し込むことで不死性を手に入れたのをいいことに、毎秒肉塊か血だまりに変わりながらも、何とか捉え切った映像の数々。ポップスターというキヴォトスに比べ何倍も危険な場所に於いて、現地住民から『超危険』と判断されている存在たちである。

 

一瞬CGを疑うナギサであったが、それにしては生々し過ぎた。

 

これは紛れもなく……“現実”の存在だ。

 

 

「君がなんと呼称していたのかは知らないが……、私達『秘密のお茶会』はこういう存在から身を護るために、力を高め続けて来た。いわばキヴォトスにとっての外敵、そのカウンター組織さ。でもそれが十全な働きを為すには、まず内部の敵をどうにかしないといけないだろう? 今から行われる作戦もその一つになる。」

 

「作戦……。」

 

「あぁ、平行世界のキヴォトスを滅ぼしたであろう存在。この世界にも産まれうる“色彩”の討伐だよ。確かにこれも外敵の一つだろうが……。ま、通過点のひとつさ。映画感覚で眺めてもらうと助かる。」

 

 

そう言いながら、ゆっくりと指を動かす彼女。その先には学園祭の特設ステージとして建てられた、巨大なスクリーンが鎮座していた。

 

 

「あぁそうだ。忘れていた。さっき君が考えていた“戦後処理”だが、こちらから求めるのは『平穏にトリニティを統治してくれ』ぐらいだな。順番を考えれば3年になる頃のホストは私になるだろうが……、マルコの尻拭いで発狂している可能性が高くてね。マジで君に任せたい。」

 

 

おそらく、というか確実にそういう未来を見たのであろう。眉間にしわを寄せながら、そう口にするセイア。以前マルコがポップスターへと勝手に転移してしまい迷子状態になった時、彼女はポップスター由来の神秘を大量に取り込むことで“未来視”の異能を大幅に強化している。

 

けれどそれがいけなかったのだろう。強い意志を保てば思い望む未来や過去を見ることができるのだが、少しでも気を緩めると未来どころか多数の平行世界の情報まで流れ込む仕様になってしまった。なお既に“予知夢”ではなく“未来視”に変化しているため、絶賛今も『自分がミレニアムで潜入ミッションを熟している平行世界の未来』の情報を閲覧しているのだ。

 

神秘の向上により、脳の処理能力も上がっているため不便ではないのだが……。たまに全平行世界のマルコが一斉にやらかす情景を頭に叩き込まれるので、ちょっとストレスが溜まっていた。

 

 

「とにかくそういう感じで。細かいことは追々決めていくとして、とりあえずは今の二分されたトリニティを上手く一つにまとめるところから始めていこう。いいかい?」

 

「……えぇ、異存ありません。」

 

「それはよかった。……いやっふぅーっ! これで一番の面倒ごと終わったぁ!!! ようやくまとまった休みが取れるッ!!! というわけで寝るよ私はッ! 予知夢無理矢理カットッ! お休みッ!」

 

 

そう叫んだ瞬間、突如としてその額を机に叩きつける彼女。そしてナギサの鼓膜を震わす、セイアの寝息。相当苦労していたのであろう、途轍もなく深い眠りについているのが理解できた。彼女の豹変ぶりに驚いたナギサであったが、一礼しながらセイアを仮眠室に運ぶメイドたちを眺めることで、なんかもういいやと半ば諦観を含みながら茶を啜る。

 

少し強引だが……、とりあえずこれでvol.3完全攻略、と言うことで。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「……! ナギちゃんたちお話終わったみたい! 私戻るね!」

 

「セイア様またダイナミック就寝してる……、あ、りょでーす!」

 

 

手を振りながらすっ飛んで行くミカ様を見送りながら、私も私で準備を進める。……え、セイア様のこと気に掛けなくて良いのかって? いやまぁセイア様よくダイナミック就寝とかスライディング就寝みたいなただの気絶をよく決めてらっしゃってるし、『主治医です』さんからジュース類を控えてちゃんと睡眠時間取るように言われてるからさ……。

 

私にお小言飛んでくるレベルだから相当みたいなんだよねぇ。単にストレスの原因な私に文句言いに来てるだけかもしれんけど。まぁナギサ様とのお話が終わったってことはトリニティ関連の問題は解決したってことだろうし。これから一杯眠れるね!

 

 

「さ、観客も集まって来てるみたいだし。ぱぱーっと進めちゃいましょうか! ぽよ様ー!」

 

「はぁーい! ……ぽよ! かーびぃ!」

 

「とと! そうでしたねカービィ! いやこれまでお名前呼んじゃいけない縛りしてたのでその癖が抜けてないと言いますか……。気を付けますね! と言うことで、一番艦の艦長ちゃーん、転送お願いっ!」

 

 

私がそう叫ぶと、空中に浮かぶ戦艦の一つ。ハルバード級一番艦『ぴんく』が青い光をこちらに向かって照射してくる。雷帝が提供して来た技術をリオちゃがリバースエンジニアリングして生み出した転移システムだ。一瞬にして私たちの視界が切り替わり、到着したのは一番艦のブリッジ。

 

予め準備していてくれたのだろう、まだ作戦開始まで時間があるっていうのに大体の子たちがそこにいて、敬礼を送ってくれる。えっと、それで艦長ちゃんは……、いたいた!

 

 

「お待ちしておりました、理事長。」

 

「はろはろ艦長。首尾はどう?」

 

「二番艦『あか』、三番艦『きいろ』、四番艦『みどり』全て準備完了。いつでも作戦行動に移れます。……このような場で申し訳ないのですが、何故我らが戦艦はこのような名に?」

 

「え、4分割された時の色?」

 

 

報告を終えた後、もうちょっとカッコイイ名前はなかったのかと聞いてくる艦長ちゃんにそう返す。

 

 

「ですよねー、カービィ!」

 

「ぽよぽーよ! いっぱい!」

「あか! ぽよ!」

「はぁーい! きいろ!」

「みどり! ちぇすとー!」

 

「増えたッ!?」

 

 

振り返って呼びかけてみれば、自力で4体に分身した上にカラーまで変えてくださったぽよ様達が4人も。んもぉ! んぎゃわですねぇ!!! しかもこれ、それぞれ若干性格違うとかもう摩訶不思議すぎるッ! こ、こうなったらマルコも4人に分身してそれぞれもちもちぎゅぎゅしなければ……ッ!

 

というわけでカービィ! なんか良い感じに4分割してくれます!? こう縦に真っ二つにした後、お腹から横に両断する感じで! これ剣ですっ!

 

 

「し、死ぬ気ですか理事長ッ!? で、であえであえー! 理事長ご乱心っ!」

 

「ぽよ。」

 

「あ、多分ダメナイトしか出来ない感じなんですね。ぽよ様は前されたから感覚解ってるだけで、私を切ったらそのまま四分割されたままでお終い、になると……。残念っ! あ、後ぽよ様ズ? そのままだと食費がヤバいことになるのでお一人でお願いします。」

 

「「「「ぽよ!」」」」

 

 

そういうとすぐにピンクの一体に戻って下さるぽよ様。後は武装した兵士ちゃんたちを呼び出していた艦長ちゃんに手を振って、正気であることを示しておく。……というか、ノーリスクで4体まで分身出来るのは知ってたんですけど、カラーも結構自由なんですね。あ、ポップスターで拾ったカラースプレーのおかげでいろんな色になれると。

 

 

(っと! 茶番はここまでとしまして……。始めて行きましょうか。)

 

 

ご存じの通り、これから行うのは『最終章』の破壊。開演の幕引きが起きるよりも前に、元凶を叩き潰し悲劇のヒロインを喜劇のヒロインに変えるための“作業”。ま、正直に言うけれどもう『戦闘』の枠組みに入るとは思えないんだよね。

 

だってさ。色彩ってどう足掻いても“キヴォトス基準”の敵でしょ? そんな相手なんか正直ウチの戦闘機部隊こと航空部4機で事足りそうだし、今回はそこに戦艦4つと、そこに大量の兵士を搭乗させている。原作ではキヴォトスすべての戦力を使用して脅威に立ち向かったが……、今挙げた子達だけでそれをたやすくひっくり返せると言えば、この過剰具合をご理解いただけるだろうか。

 

そしてそこにデカグラマトンもぐもぐカワイ子ちゃんこと『桃玉マルコ』に、そんな私とほぼ対等に戦える『雷帝』。そして私達なんか雑魚以下の塵芥レベルになる程の強者である“強い”星の戦士こと、『カービィ』。負ける理由が欠片も思いつかない。というかぽよ様一人いたら何でもないというか、秒で解決しちゃいそうだよね。本当に。

 

 

でもね? 彼に全て任せきりってのもちがうでしょう?

 

 

いくら彼が星の戦士で、頼めば何でもやってくれる気のいいお方であっても、流石に私達由来の物事に関わって頂くのは申し訳がない。そして私達としても、色彩程度自分で対処できなければこの先が思い浮かばない。何せ今後待っているであろう敵はキヴォトス由来のものでなく、より外からのもの。ポップスターやそれ以外のヤバいのを仮想敵にしているのだ。

 

それを考えると、主力級の私や雷帝に頼り切りって状況も不味いのだ。何せ体は一つしかないわけだし、もし分割できたとしても多分私はパワーダウンしてしまう。つまり私以外の子たちも脅威に対抗するのに必要な力と、経験を手に入れることが好ましいのだ。RPGで好きなキャラ一体を延々と鍛えてLv100にしても、他がLv1だったらエースが何かあった時に詰むでしょう? そういう感じ。

 

 

「今回の相手、色彩は色々と厄介だから私たちで対処するけれど、それ以外は別。……さ、そろそろ出発しようか。艦長、号令をお願い。」

 

「はッ! 各艦知らせ! 出港用意っ!」

 

「わにゃー!」

 

 

艦長がそう叫ぶと、生徒の子たちがわにゃわにゃ言いながら準備を始めていく。

 

既に学園の公用語にわにゃ語が追加され始めたなぁなんて考えながら、さっきまで下でぽよぽよしてくださっていたカービィを抱きかかえ、ブリッジの一番高い席へと座らせる。あ、艦長さんの席は別にあるんで、大丈夫ですよ? そこぽよ様専用席として作ってもらった場所ですから。

 

さて……。それでは作戦の説明と行こうか。

 

 

(ぽよ様の出番もありますんでご清聴おねがいしますねー?)

 

(はぁーい!)

 

 

まず第一にこの戦艦たちでこの星から脱出。宇宙に出る。

そしたら雷帝の技術をなんか良い感じにコネコネした結果できるようになったらしい『転移ゲート』を生成し、“クロコちゃん”たちがいる空間へと移動。

その後は色彩の手勢を戦艦とドラグーン&ハイドラの戦闘機部隊で粉砕。

その後は私とぽよ様でクロコちゃんと仮面先生の元に突入して、ダブル吸い込みで『悪影響部分』を引きはがし。

最後に雷帝が先生に1upを投げつけて蘇生している間に、色彩を討伐。

その後は何でも願いを叶えるギャラクティック・ノヴァにマルクを叩き込んで爆発四散、THE END。

 

 

(という感じですカービィ! かんたんでしょう?)

(ぽよ! ……よぶ?)

(あ、ガチで薄紫ピエロと願望器のお呼び出しは結構です。)

 

 

何処かから携帯電話のような物を取り出し、先ほど私がふざけてあげたお二人方?をお呼び出ししようとした彼を何とか押しとどめる。まぁ一応理解してくださったみたいだし、ずっと私が隣にいるのだ。流れで動いて頂ければ十分にこなしてくださるだろう。

 

そうこうしていると、艦長ちゃんが私に話しかけてくる。

 

 

「理事長。全艦、用意整いました。また各員搭乗完了済、雷帝殿も二番艦に搭乗済みとのことです。」

 

「よーし、んじゃ宇宙! 行っちゃいましょうか!」

 

「はッ! プラズマコア最大出力! 重力システム起動しろ! 我ら一番艦が先陣を切るぞ!」

 

「「わにゃわにゃ!」」

 

 

生徒の一人がそう言いながらボタンを押した瞬間、一瞬だけ普段よりも強い重力が身に降りかかるが、すぐに元に戻る。宇宙であろうと普段通りの行動が出来るように重力を生み出す機構だ。リオちゃが生み出したそれに感心していると、ブリッジの窓から見える景色が、どんどんと傾いていく。

 

そして、見える景色が完全に青になった瞬間……、感じるG。

 

空が、こちらに襲い掛かって来た。

 

気が付けば成層圏まで一直線。重力システムのおかげでほんの少し後ろに引っ張られる程度だが……。どんどんと空の色が変わって行き、透き通るような青がどんどんと黒くなって行く。

 

 

「中間圏、熱圏突破。理事長、到達致しました。」

 

「ありがと。」

 

「二番艦、三番艦、四番艦。順に到着いたします。総員『転移ゲート』の準備始め!」

 

 

艦長がそう叫ぶと、船体からブイが発射され、宇宙空間に浮かび始める。

 

これから生み出されるのは、以前雷帝が個人で生み出していたという“アナザーディメンション”への通り道だ。リオちゃですら理論を理解するのに時間がかかった代物なので私からすればちんぷんかんぷんなのだが……。空間自体が少し不安定になっているアナザーディメンションを経由することで次元間を飛び越え様々な平行世界にお邪魔することができる代物らしい。

 

早い話、ぽよ様のいるポップスターや、クロコちゃんがいる別のキヴォトスに繋がるワープゲートを生み出す機械。

 

 

「全艦所定ポイントに到着、ゲート作成ブイの射出を確認。……出力安定、座標セット完了。艦長! いつでもいけます!」

 

 

その声を聴き、一瞬だけこちらを向く艦長。お任せする意思を込めてウインクを返せば……。彼女は力強く、声を張り上げる。

 

 

「これより『色彩殴り込み作戦』を開始するッ! 突入直後の戦闘が推測される、各艦第一種戦闘配置!」

 

「「「わにゃー!」」」

「ぽよー!」

 

 

あ、ぽよ様一緒に声上げてるかわい。写真撮ろ。

 





〇主治医です

主治医です、セイアお嬢様。お仕事がお忙しいのも理解していますが、お嬢様の健康を預かる立場としまして糖分が多く含まれる清涼飲料水の過度の摂取や、度重なる徹夜は看過できません。ぜひこの機会にお休み頂き、食生活を見直してください。……え? マルコのせい? 畏まりました、では僭越ながら私からもご指導のほどをさせていただきます。

それと、ダイビング就寝やスライディング就寝はただの気絶であり、大変危険なためやめてください。



〇艦長ちゃん&水兵ちゃん

各艦に配置されている海兵的立ち位置の子たち、正面戦闘はそこまで得意ではないが、戦艦の建造が始まってからずっとシミュレーターや、たまたま本家ハルバードで船員をしていたワドルディから教育を受けているため、練度は高め。ただワドルディとずっと一緒に訓練していたせいか使用言語がわにゃ語に片より過ぎてしまっており、たまにキヴォトスの言語を忘れるという状況に陥っている。

可愛らしい白と水色の水兵服が制服。艦長はそこに上着とファッション眼帯を装着しているのだが、マルコから『え、眼悪くしちゃったの!? 怪我!? ろ、労災案件……!』と言われながら大量の治療費と名医を紹介&土下座謝罪されたので最近は自室でしか着用していない。

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