ピンク玉の神秘   作:サイリウム(夕宙リウム)

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9:てき……?

 

「はい! じゃあ第二回秘密のお茶会を始めていくよ! 司会進行は未来のティーパーティホスト! セクシーフォックスこと百合園セイアちゃんだお! ストレス発散の為にも叫んでけ乙女たちぃぃぃ!!!!!」

 

「WRYYYYYYY!!!!!」

 

「うぇ、うぇーい!?」

 

「……なんで私ここにいるのかしら。」

 

 

セイア様の音頭に合わせ、全力の叫び声を上げる私達。背後からスタンド……、ではなくぽよ様も『ぽよーっ!!!』と声を上げてくださっているが、私たち以外の反応はあまりよろしくないようだ。まぁ急にこんなところ、サンクトゥス分派が誇る防諜性完璧の庭園に連れてこられてるわけだからねぇ。仕方ない仕方ない。

 

先日ぽよ様にも説明していた、『セイア様主催のお茶会』。名目上はトリニティにありふれたどこでもやってる普通のお茶会なのだが、話し合われる内容は『未来』のこと。まだ今日が二回目ではあるが、このキヴォトスを襲うであろう危機たちに対し拳を振り抜くための作戦をここで考えるって寸法だ。

 

ま、そんな簡単に戦力揃えるのは無理だからね。当分は各計画の進行報告を軽く済ませて、覚悟完了済ナギサ様とどう戦っていくのかが話題のメインになるだろうけど。

 

 

(どっちみち2人だけじゃ人手不足。『三人寄れば文殊の知恵、四人寄ればものしりワドルディ』とも言うし、私達の話を信じてくれて、同時に一緒に戦ってくれたり対策してくれそうな人を集めることになった。)

 

 

私が『聖ワドルディ学園』と『ホーリーナイトメアグループ』、セイア様が『サンクトゥス分派』を抑えているが、“未来”のことに関してちゃんと向き合ってくれる上に、未来の勢力図的にこちらに呼び込んでも良く、同時に協力してくれそうな人は驚くほど少ない。ハスミやツルギも候補には入ってたんだけど、正実でのパワーバランスのことを考えると、どうしてもね?

 

とまぁそんなわけで熟考に熟考を重ねてお呼びしたのが今回の新メンバーお二人。そんな彼女たちが緊張しないようにふざけまくったんだけど……、くッ! わっぴーはまだしももう片方が色々後悔し始めているぞ!? やはりキャラ選択を間違えたか! おのれ許さんぞ承太郎ッ!

 

……え? そもセイア様が叫んでるのは私のせい? そりゃごめん! てへぺろ!

 

 

「あれだけの爆発起こしておいてソレで済ませるのはもう悪意しかないんじゃないかい? ……まぁいい、早速進めていくとしようか。まずは今日のお茶会にお誘いした方々の紹介からやらせてもらいたいのだが……、マルコ?」

 

「はいはーい! 私が連れて来たのはなんと~! サクラコ様! 歌住サクラコちゃん様だよ! ほらちゃん様ちゃん様! ご挨拶! わっぴ~!」

 

「え、あ、はい! わっぴ~!」

 

 

そう急かすと、私と同じように『わっぴ~!』の挨拶をしてくれる彼女。未来においてシスターフッドのまとめ役になっている暗黒卿、歌住サクラコ様だ。トリニティの宗教系中学校にいるところをたまたま見つけ、お茶会にご招待した形になる。え? 選考理由? トリニティの暗黒卿ってだけで十分でしょ。

 

本人に聞かれたらぷりぷり怒られそうなことを思い浮かべていると、むちゃぶりを乗り越え心を落ち着かせたのだろう。トリニティの淑女として相応しい佇まいへと移りながら、その身に宿る“闇”のエネルギーを解放していくサクラコ様。

 

 

「マルコ様にご招待いただき、参加させて頂くことになりました。歌住サクラコと申します。なにやら“素晴らしいお話”を為されているようで……。とても“楽しみ”にしておりました。どうぞお見知りおきを。」

 

「わァ…ぁ……」

 

「泣いちゃった!」

 

 

セイア様と一緒に、若干涙目になりながら声をあげる。

 

私は原作で、セイア様は未来視で高校生となったフルパワーデスわっぴーを知っているはずなのだが……。もう十二分に怖い。中1なのに何十人か闇に葬ってそう。怖すぎる。たぶん本当に言葉通りの意味なんだろうけど、全身から噴き出してる真っ黒なオーラと変なイントネーションのせいで、下手なことを言ったら消されそうなレベルだ。

 

ま、まぁ私たちは、彼女の性格や思考をある程度知っている。だからふざけて恐怖を紛らわせることが出来るんだけど……。セイア様が連れて来た彼女は、違ったようだ。凛としたお顔が真っ青を通りこして真っ白になってしまっている。

 

 

「せ、セイア? か、かかか帰ってもいいかしら? というか帰らせて。」

 

「だ、大丈夫だよリオ。気持ちはとてもわかるが、彼女はちょっと絶望的に雰囲気がヤバいだけ……」

 

「“何”か?」

 

「「ひぅっ!?」」

 

 

ま、まーまーサクラコ様! 多分本当に『何か失礼なことを言ってしまったのでしょうか?』って意味だったんだろうけど、セイア様はともかくもう一人の彼女がね? アレだから。ほら今日はお茶菓子にウチのグループの高級品を持ってきたからさ! ソレ摘まみながらお話ししていこ? 初めてあった時もそうだったけど、甘いもの食べている時のサクラコ様は暗黒卿じゃなくなるから……!

 

 

「あらこれは。ご厚意に感謝しますね。では早速……、ん~♡」

 

「よ、よしオーラが収まった! 今だリオ! 自己紹介してしまえー!」

 

「え、えぇ。……ミレニアム自治区から来た、調月リオよ。正直来たことをものすごく後悔しているわ。そこの彼女から“未来”のことを聞かされて、その証拠も目の前に揃えられてしまって。強い焦燥や危機感を覚えながらやって来たんだけど……。終始このノリなの?」

 

「「うん。」」

 

 

セイア様が連れて来たのは、なんと未来の総領主。ミレニアムが誇るセミナーの長にして生徒会長、調月リオ(中1の姿)だ。一応先にセイア様から聞いていたんだけど、私が持っていたミレニアムへの伝手を駆使して彼女を発見し、“未来視”で得た情報を粗方伝えることで招致することに成功したようだった。

 

彼女からすればこの段階でミレニアムを襲う可能性がある『光の勇者』案件のことだけでなく、各地に潜む自動販売機のお釣り計算システムのシンパ、挙句の果てには違う世界からやって来るムチムチ黒ドレススナオオカミの話までぶちまけられたわけだ。そりゃ途轍もない覚悟と共に出向いてくれたんだろうけど……。

 

 

「まぁずっと張り詰めてたらしんどいし、折角なら楽しい方がいいでしょ! あと私が遊びたい。できたらご飯食べたいし、お昼寝したい。」

 

「私はそこのまんまると違って引き締めることも出来るが、ちょっとふざけないとストレスがね? 尻尾のブラッシングの際にごそっと毛が持っていかれる恐怖が君にわかるかい? まぁ世界のためならいくらでも禿げてやるが。」

 

「……なんか、その。ごめんなさいね?」

 

 

どこか遠くを見つめるセイア様に、そう声を掛けるリオちゃん。

 

い、いやほんとにいつも助かってます……! 先の爆弾騒ぎもそうだが、セイア様には既に大規模な政治活動を始めてもらっている。私が現在動かしている『学園』関連のことや、戦力確保のための投資活動が本格化したことで、ナギサ様もギアを上げてきたのだ。パワーバランスを均等にするために、毎日お手紙書いたりお茶会したり未来視したりと大忙しらしい。

 

 

「ふぅ。ではまぁ自己紹介も済んだわけだし、話を進めていきたいと思うのだが……。にしてもマルコ、よくサクラコを連れて来たね。まだ今は『カード』として弱いが、とてもありがたい人材だよ。」

 

「でしょー!」

 

「? “私”が、ですか?」

 

 

お菓子で緩んでいた気が名前を呼ばれたことで引き締まってしまったのか、また黒いオーラをまき散らしながらそう言うサクラコ様。

 

彼女は私の『なんか世界がヤバいっぽい危機なのでお力貸してくだち!』みたいなふざけた申請でも、真摯に受け取って応えてくれるレベルの善人だ。既にある程度の情報共有は済ませているので、このお茶会が何を目的としているのは理解してくださっている。一応未来でシスターフッドのまとめ役をしていることも伝えたのだが、やっぱりまだ実感がわいていないようできょとんとしてる。

 

 

「もう知っているかもしれないが、私は“未来視”の力を持っていてね? 最近何故か複数の世界線が見えるようになってきたんだが……。そのすべてに於いてサクラコは『決して無視できない存在』になっている。いい意味でも、悪い意味でもだ。まぁどの世界の彼女も善人だったんだけどね?」

 

 

あ~、まぁ原作さんの方でも凄かったですからねぇ。暗黒卿したり、アイドルしたり。真っ赤に光り輝く棒を振り回して聖堂騎士を切り伏せながら師と戦い、溶鉱炉に落ちても改造されて復活。その後先生との決戦の時に出た『I am your father』の名セリフは涙無くしては語れませんからねぇ……(そんなものはない)

 

てかセイア様、なんかいつの間にか能力進化してますね?

 

 

「あぁ、だが特に問題はない。新しく見たものは後ほど共有するとして、サクラコの話をしよう。……既にマルコから聞いているかもしれないが、君にはシスターフッドに進んで頂きたい。君ならば問題なく教会を掌握できるだろう?」

 

「掌握なんてそんな。ただ皆さんと仲よくなるために“真摯”にお話しするだけですわ。言葉を尽くせば、“解ってくれる”はずですもの。」

 

「……うん、本当に安心できそうだね。」

 

 

シスターフッド、表向きはちゃんとした宗教組織ではあるんだけど、歴史が長い分裏に秘めた“暴力性”も持ち合わせた結構ヤバめの組織。私もセイア様もあまり伝手がないのでちょっとどう対応するのか決めあぐねてたんだけど……、彼女がいるのであれば、安心だ。

 

ナギサ様と現在行っている勢力図争いはもちろん、『アリウス』のことを考えるとシスターフッドの存在は非常に重要だ。既にトリニティを取り巻く環境は酷く変化していっているため原作通りに動くとは言い切れないが、教会の奥深くまでアクセスできる存在が身内にいる安心感は酷く大きい。

 

 

(うまく行けばババアの企みを速攻で潰せるかもしれんけど……。『ゲマトリア』の能力が完全に把握できていない現状、突っ込み過ぎるのは危険か。)

 

 

彼女、サクラコ様にお願いすることは大きく分けて二つ。

 

『シスターフッド』を私とナギサ様の間で行われている勢力争いから切り離すことと、教会戦力の増強だ。

 

そもナギサ様との戦いは、勢力図を完全に均等にし続ける必要がある。この広大なトリニティを二分するわけだからその労力はかなりのものになってしまうんだけど……。特にシスターフッドの重要度は高い。何せ扱い方を間違えれば爆発する宗教という面と、トリニティでも有数の“古さと権威”を持っている。つまり扱いが難し過ぎるのだ。

 

 

(引火すれば最悪、トリニティの内戦が宗教戦争になっちゃうから……。)

 

 

お覚悟を決めて覚醒したナギサ様ならばなんか上手く扱いそうな気もしないでもないが、そうするとトリニティのパワーバランスが崩れてしまう。というわけで暗黒卿の出番というわけだ。サクラコ様自身、腹芸とかがとっても得意っていう訳ではないみたいだが、彼女であれば“笑っている”だけでシスターフッドを完全に抑えてくれる。

 

しかも“完全な中立の存在”として。

 

セイア様の計画としては、サクラコ様の必殺技である『暗黒デスわっぴー微笑』を全方位に打ち込みながら裏で彼女を支援することで高1の時点でシスターフッドの権力をサクラコに集中させるのだという。勿論それではナギサ様から『シスターフッドがマルコの手に落ちた』と思われるだろうが……。

 

 

「そこで、その微笑みと共に“我々”から離反してもらう。マルコだけでなくナギサにも“笑み”を浮かべ、こう言えばいい。『何やらマルコ様とナギサ様は争いがお好きなようで……。どうぞお好きなだけなさってください。全て終わった後に丸ごと頂きますわ?』という感じに。」

 

 

暗黒卿がそう言うのだ。威力は抜群だろう。

 

一応ちょっとした予行演習として雰囲気を最大にして言ってもらったのだが、台本を知っている私達ですら完全に飲み込まれ、首に強烈な刃を向けられたかのような錯覚に陥った。

 

あ、うん。ちょっとナギサ様にバレたらヤバそうだなって思ったけど大丈夫ですわ。成長途中の中1で死に掛けたのなら、高校生になった時の彼女ならどうなっちゃうのか……! しかも対外的に証明するために、私とナギサ様両方いる場所で“コレ”やるんでしょ!? やばいわよ!!! 二人ともショック死しない……?

 

 

「そ、そんな顔してるんですか私!?」

 

「……たまたま救護騎士団が通りかかる様に手配しておこう。とにかく、これだけやれば完全な『第三陣営』の完成だ。懸念していた最大の問題、ナギサや私が抱える派閥の者たちの暴走を強く抑えることができる。『今ことを起こしたとしてもシスターフッド、サクラコに全部持っていかれるがいいのか?』と言えるようになるからな。」

 

「あ、あんまり嬉しくありませんが……。それがトリニティの為になるのであれば、全力で務めさせて頂きます。」

 

「すまないな、サクラコ。私ではこれぐらいしか思いつかなかった。なに、“離反”も対外的なものだ。定期的にこの『秘密のお茶会』は開催するし、裏から自由に出入りできるようにしておこう。厄介ごとを任せるんだ、特にそこのまんまる顔は使い潰してくれて構わない。……ふぅ、これでだいぶ政治がやりやすくなるぞ!」

 

 

結構酷いことを言われた気がするが、まぁ迷惑かけてるのは確かなので黙っておくことにしよう。

 

あ、サクラコ様? ほんとにいつでも呼び出して使い潰してもらって大丈夫ですからね? 巻き込んでしまってるわけですから、もう全力でやらせて頂きますとも。……え? 自分で選んだことだし、未来が闇に覆われようとしているのに自分だけ楽な道を選ぼうとは思わない? ……やばい、ほんとにいい人過ぎてお目眼が浄化されそう。なんでこの人暗黒卿なんてやってるんだ???

 

そんなことを考えながら、私のお茶菓子をサクラコ様に献上しているとどうやら次の話題に移るようで、セイア様の身がリオちゃんの方に向いている。

 

 

「さて、次だ。リオ、君を説得するために色々と資料を用意したが……。」

 

「えぇ、全て目を通したわ。そこのマルコ……、でいいのかしら? 彼女が送ってくれた学園の人と一緒に、根拠となる現地も見て来た。“アレ”と同じような存在がキヴォトス各地に眠っているのであれば、もうミレニアムだけの問題じゃない。参加させて頂戴。」

 

「それを聞けて良かった。」

 

 

おそらく、彼女たちの間で色々とあったのだろう。言葉と視線を交わし合う二人。

 

にしても、セイア様から急に『学園で一番の腕利きを貸してくれ』って言われたから急いで“生徒会長”こと元正実委員長を派遣したけど、お役に立てたようで良かった良かった。

 

 

「といっても、今の私に出来ることはほぼないわよ。貴女たちみたいに社会的な立場があるわけでもないし、トリニティ自治区の人間でもない。セイアの見た未来ではミレニアム総領主だったかもしれないけど、今の私はただの生徒よ? サクラコ……、みたいな特技もないし。」

 

「うっ。や、やっぱり怖いんですね私……。なんかもう自覚しちゃいましたけど。」

 

「……ごめんなさい。でも貴女の心はさっきのやり取りで理解できたわ。少し時間は掛かるかもだけど、同じ脅威に立ち向かう仲間として、受け入れてもらえないかしら。」

 

「り、リオさん……!」

 

 

そう言いながら、とても良い雰囲気を醸し出し始める暗黒卿と総領主。う~ん、こんな光景がみられるとは。キヴォトスに転生して良かったなぁ。……ところでリオちゃ。なんで私にはそう言うの言ってくれないの? あ、セイア様に『初対面で仲間判定してくるし、甘やかさなくても大暴走するから厳しく接した方がいい』って言われた? う~ん、確かに!

 

 

「あ、そだリオちゃ。二足歩行ロボットとか、好き?」

 

「……どちらかというとキャタピラ派ね。」

 

「ありゃやっぱりか。ゆくゆくはこういうの作ってもらいたかったんだけど……。できる?」

 

 

そう言いながらとある設計図を彼女に見せる。

 

中1とはいえミレニアムの生徒、本職である彼女からすれば子供の落書き程度にしか見えないだろうが、どうやら一応私の欲しいものは伝わったらしい。でもちょっと要求スペックが高すぎたようで、ちょっと反応が悪い。セイア様が『より強い敵に対抗できる力』を求めて接触したって話だから彼女もこういう“兵器開発”の話を振られるのは解ってたんだろうけど……。流石に『インベードアーマー』を求めるのは酷だったか。まぁそりゃそうだろうけど。

 

 

「なんというか……、酷く丸くてポップね。前衛的というべきかしら? ことが起きる5年後までにこれは……。うん、無理。技術発展を加味しても、外装だけ似た別物しか出来ないわね。そもこの機構は何? SFの設定かしら、幾らミレニアムでも空想を現実にするのは“まだ”不可能よ。」

 

「あ~、まぁそりゃそうか。んでも外枠だけでも出来るならお願いしちゃおっかな。たぶん無理矢理何とか出来るだろうし。んで肝心のお代なんだけど、エリドゥの建設費用でいい? それか去年の“マイスター”への伝手か。」

 

「え、エリドゥ? よく解らないけれど……。後者でお願い。」

 

 

私が発した単語に、首をかしげるリオちゃ。

 

セイア様の方を見るとそこまで詳しくは伝えていなかったようで、首を横に振っていた。彼女が会長になった後に横領した金で作り上げた巨大要塞都市なんだけど……。まぁいいや。

 

 

(にしても、やっぱ違うんだなぁ。)

 

 

……さっきまでの彼女の様子を見る限り、私が原作で知る『調月リオ』とは違う存在。いやもっと正確に言うのであれば“まだ追い込まれていない”存在なのが見て取れる。私たちが場を引っ掻き回したのもあるだろうが、想像以上に彼女の表情が柔らかい。

 

とても、良いことだろう。

 

ゲーム内での彼女は一人で危機に立ち向かおうとした。無論側近として一人のメイドがいたが、リオがその助けを受けていたのかは不明だ。語られていることを思い出してみれば、どうも一人で全て抱え込み、突っ走っていたような印象を受けてしまう。

 

その手段は褒められたものではなかったかもしれないが、その意志は間違いではなかった。おそらく『効率と合理性』を優先するあまり、原作では脳裏の片隅に追いやっていたであろう“感情”。果ての彼女であれば不要と断ずるようなものが、今の彼女からは強く感じられる。

 

 

(ちょーっと気にしてたから、元気そうな顔見れて良かったよ。まぁなんやかんやで結局要塞都市作り上げそうな気もするけど……。お金の話ならある程度こっちでサポートできるし、既にここに仲間がいる。)

 

 

実際、私が画面越しに見ていた世界で起きていたのかは解らないが……。おそらくリオの友人は、彼女なりのやり方で手を伸ばしたのだろう。けれどリオにとってそれは、受け入れられるものではなかった。故に彼女は色々と抱え込んだまま計画を進めなければならなくなった。

 

だが私は、無理矢理その手を掴んで暴れるなら口に放り込むタチだ。もう逃げられないねぇ?

 

ま。驕るなおじさん以外にも敵はいっぱいるのだ。既にそれを知り、相談できる奴らと共に戦える私達もいる。最悪ぽよ様を参考にさせて貰えばいいだけだし、一緒に頑張っていきましょうねー!

 

 

「おけおけ。いや実はね? 『学園』の4年生として外部の生徒を呼び込んだ時に去年のマイスターが自分を売り込みに来てさぁ。卒業してミレニアムからの資金援助が消えちゃったから金出してほしいって。」

 

「あぁ。パルスジェットでパンジャンドラムを作って受賞してた……。」

 

「そうそう。大空に飛んで行って大爆発したのを見たのが駄目だったのか、その後戦闘機キチになったヤバいねぇちゃん。技術だけはあるからさ、適当に『ちゃんとこの子に技術教えないと金出さないぞ♡』とか言っとくから搾り取るだけ取って来てよ。んで私達に還元して♡」

 

 

 





〇『秘密のお茶会』メンバー紹介
・桃玉マルコ

我らがまんまる様のことが大好きな暴力及びお金担当。順調に抱える者がヤバくなって行ってる人、本人だけでも世界を丸ごとひっくり返すというか、消し飛ばしてもおかしくない神秘の持ち主なのに人を集めてもっとヤバいことをしようとしている奴。これも世界の危機の為だし悪意はないのだが、危機を知らぬ者からすればちょっと恐怖でしかない。

グループの伝手で卒業後研究資金に飢えていたミレニアム生を何人か確保することに成功。『学園』の保有戦力と技術力がぐんと上がった。また常に矯正局や各地治安維持組織からヘルメット団やスケバンを貰ってきているので保有生徒数も加速度的に増えている。


・百合園セイア

政治およびナギサ様担当。ナギサ様が爆発四散しないように気を付けながらトリニティ全体のパワーバランスを整え、同時にマルコがたまに引き起こす厄介ごとを整理し、予知夢で複数の未来を観測し続けるハイパーセクシーフォックス。

この世界におけるトリニティは『トリニティを纏め上げ現在の三頭政治を成立させた家』を重視しており、『祖の直系であるセイア、ミカ、ナギサ』の家が保有する権力がとても大きい。そのためたとえティーパーティで茶会の席に座ろうとも『各派閥の長である家』にある程度のお伺いを立てる必要がある。

キヴォトスは高校生に政治を任せるという特殊文化圏であるため、実際に高校に上がった際に失敗しないようセイアも中1の段階から結構いろんなことを任せれているのだが……。仕事が多すぎてこどもビールが手放せない限界フォックスになりつつある。なので新メンバーの存在は非常にありがたいとのこと。

ちなみにマルコ共々『学園』に何がいるか把握していない。


・歌住サクラコ

宗教及び調整担当。トリニティ総合学園への入学まではセイアのサポートを行いながらシスターフッドへの地盤固めを行う予定。既に闇のわっぴ~パワーでその身を満たしており、ぽよ様でも一瞬マルコに『大丈夫?』と声を掛けるほどには闇に塗れている。既にぽよ様も彼女の善人さをご理解なされたので、今後事故が起きることは……、まぁないだろう。

そんな雰囲気のせいか彼女の学校でも盛大に勘違いされており、中1ながら既に学園の8割を掌握している……! と噂されているし、実際の所8割くらいが勝手に彼女に頭を下げている。世界の危機に立ち向かうのに異存はないし全力で頑張ろうとしているのだが、それはそれとして自分を怖がらない友人が一気に3人も出来たのがとても嬉しいらしい。

セイアは常に忙しく、リオはミレニアムにいるため仕事がなく暇なときはマルコの近くにいるのだが、婆やにも暗黒微笑を見せてしまい途轍もなく警戒されている。泣いちゃった……!


・調月リオ

技術及び開発担当。実はマルコから『好きなだけ使って良いよ~』と莫大な予算を割り振られたため、かなりテンションが上がっている。未来ではミレニアム生徒会長として様々な責任に追われていたが、今は一介の生徒でありまだ夢に溢れた中1。自分のしたいことや出資者の無茶振りにどう応えていくかを考えながら、聖ワドルディ学園へと足しげく通うことになる。

またキヴォトス全域で厄災が同時多発的に出現した場合に備え、トリニティからの支援を受けずともミレニアム単体で対処できるよう独自戦力の計画及び、権力の入手を思案し始めた様子。

ちなみに彼女の『学園』でのラボにはわにゃわにゃという変な鳴き声を発する生命体が住みついており、たまに『別次元か?』と錯覚するような高度な技術を授けているという。最初はその不思議存在に驚いていたリオだったが、学園の校章そのままなので『そういうものなのね……』と一人納得している。




〇今日の発表を見て

セイア「ゆ、夢じゃないよね! ほんとだよね! ッ! 実装、実装だァァァァ!!! 声付いたァァァ!!!!!!」

リオ「もともと私達、今日の話に出る予定だったらしいんだけど……。凄い偶然もあるものね。っ、ごめんなさい。笑みを抑えられないわ。初登場から2年以上待ったのよ私。」

セイア「そんなの言い出したら私は3年半だ! いやっふぅ!!!(完全勝利したセイア様UC)」
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