カトレアと過ごすちょっとした日常   作:あるみーな

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3 少しずつ変わる日常

とある日の夜。サルビアとカトレアが夕飯を食べていた時のこと。2人はテレビでニュースを見ていた。

 

「次のニュースです。プラズマ団の活動が活発化しています。街中で突然演説を始めることもあり、その中でポケモンを逃がすように促されることがありますが、その話を鵜呑みにしないこととポケモンリーグ協会からも注意喚起が出ています。また、ポケモンが盗まれるということも多発しています。トレーナーの方々は盗まれないように、警戒を強めてください。盗まれたポケモン達はポケモンリーグ協会の方で現在対策をたてている、との事です。」

 

プラズマ団。それは彼らが住むイッシュ地方でここ数年になって活動が活発化してきたポケモンを人間から解放させようと説く団体組織だ。ただ、中には演説だけでなくトレーナーからポケモンを無理矢理奪うこともする、という話もあがっていて、世間を賑わせていた。

 

「今、大変なんだね」

 

「ええ。アタクシ達四天王やチャンピオンのアデクさんも駆り出されることはありますが、各町のジムリーダー達は普段の業務をこなしながらこれの対処もしていますので余計に大変になっています。とはいえ、メインで動いているのは警察になりますけどね」

 

ジムリーダー然り、四天王然り、チャンピオン然り専業でやっている人ばかりではない。何か別の仕事と兼業してる人もかなりいる。そんな中でのプラズマ団の対応もする、ということは負担がかなり大きくなっていた。

 

「そっか。カトレア、無理はしないようにね」

 

「わかっていますが、サルビアには自分のことをもっと気をつけるように、と言っておきます」

 

紅茶を飲みながらカトレア呆れた口調で言う。それにサルビアは苦笑して、居間や庭いるポケモン達を見るようにそっぽを向いた。

 

そちらではポケモン達が各々食事したり会話したりして団欒としていた。そんな中でエーフィはサルビアの視線に気づき、彼の膝の上に乗って丸くなった。サルビアは慈愛の目をしてエーフィの背中を撫でていた。

 

「ポケモンの解放、か……」

 

そんな中でサルビアはふと呟く。先程までの優しそうな表情とは異なり、悲しげな表情になっていた。

 

「やっぱり、思うところはあるんですか?」

 

「うん。そうなる気持ちもわからなくはないんだ。彼らがそうなのかはわからないけど、ポケモン達を道具みたいに、それこそ乱雑に扱ってどうなろうが構わない、って考えてる人達も見てきたわけだからね」

 

「……そうですわね」

 

彼等の世界は人間とポケモンが共存して生活している。大半の人達はポケモンバトルにしろ、ポケモンコンテストにしろ、その他の仕事をするにしろポケモンとお互いに支え合い、協力し合いながら生きている。それでも、中にはそんなポケモンのことを適当に扱ってしまう人がいるのは事実であった。

 

「……だとしても、人のポケモンを盗んだり奪ったりするのは言語道断だけど」

 

人のポケモンを取ったら泥棒。そんな言葉ある通り、この世界においてそれは犯罪となってしまうのだ。

 

********************

 

 

サルビアはソウリュウジムで仕事をしていた。彼はジムトレーナーではなく、事務員のほうである。書類仕事だったりポケモン達の薬や食料などの発注などがメインではあるが今日の仕事は受付でジムチャレンジャーの予約受付や管理をしていた。今日はチャレンジャーが少ないのか待っている人もいなかった。

 

「サルビアさん、お疲れ様です」

 

「あれ、お疲れ様です」

 

そこに別の事務員がやってきた。それもジムリーダーであるシャガを連れて。

 

「シャガさんもお疲れ様です」

 

「うむ。お疲れ様だサルビア君」

 

「あの、何か僕にご用ですか?」

 

「ああ。練習用のバトルフィールドに来てもらえないだろうか?」

 

「……え?」

 

サルビアは目を丸くして驚く。ジムトレーナーならまだしも事務員がバトルフィールドに来てほしいと言われることは基本はないのだ。

 

「いいですけど、受付を離れることになりますよ?」

 

「それなら大丈夫。私が引き継ぐから」

 

別の事務員が来ていたのもそれが理由だ。ポケモンジムの業務時間中に受付を開けるわけにはいかないのだ。

 

「そういうことだ」

 

「わかりました。すみません、受付のほうはお願いします」

 

「おっけー」

 

事務員の方に受付を引き継ぎ、サルビアはシャガの後を追ってバトルフィールドに向かった。そこには何人かのジムトレーナーが集まっていた。

 

「急に呼び出して悪かったね、サルビア君。連れてきたのは他でもない、ここにいるジムトレーナーの何人かとバトルをしてもらいたい」

 

「えっと、僕がですか?」

 

何故急に、疑問がサルビアの頭に浮かぶ。ジムの中ではトレーナーとして何か話をした覚えはなかった。そこに1人のトレーナーが声をかける。

 

「あの、俺、数日前にサルビアさんがポケモンバトルをしたところを見たんです。そこでジムバッチを8個集めたトレーナー相手に戦って、しかも勝ってたので、もしかしたら強いトレーナーなんじゃないか、と思って」

 

(あー、ポケモンセンターのあのバトルを見たのか……)

 

サルビアにとって、そのトレーナーとのバトルのことは覚えていた。カトレアの調整の相手をしていた事があるとはいえ、数年のブランクのあるバトルで勝てたことや、身体の調子も良くなってきていたことに気づけたのだ。

 

「あれ、でもあの人ジムバッチ8個集めてたの?」

 

「ええ。なんでも、ここが最後のジムでそれで勝ったばかりだったはずなので」

 

「そうだ……ったんだ……」

 

もしかしたら、申し訳ないことしたかも、とサルビアは内心で思った。

 

「それでバトル、ね。うん、いいよ」

 

「ホントですか!?ありがとうございます!早速俺とバトルしてください!」

 

「待って!バトルは私がしたい!」

 

「いいや、俺からだ」

 

「何言ってんだ、俺からだ!」

 

バトルが出来る、となって一気に賑やかになる。サルビアはそんな目の前の状況に驚き、シャガは呆れていた。

 

「サルビア君、すまない。まさかこんなことになるとは」

 

「あはは、大丈夫ですよ。別にバトルするのは今日だけに限った話ではないので明日以降も暇な時は受けますよ。ただ、順番は決めてください」

 

「ありがとう。私も折角なら君とバトルしてみたいが、まずはジムトレーナー達を見てやってくれ」

 

「わかりました。シャガさんとのバトルも楽しみしておきます」

 

サルビアとシャガがそんな会話をしていたところ、どうやらバトルするトレーナーが決まり、既に定位置に着いていた。サルビアも定位置につき、ボールを構えた。




次回は多分ポケモンバトル。

以下、簡易的な登場人物紹介。

・カトレア
四天王は専業ではなく兼業のつもり。だけど、今後それを書くかどうかは不明。サルビアのことは過去にいろいろあったためかなり心配している。

・サルビア
カトレアと過ごしているが別に彼女の執事というわけではない。ソウリュウジムの事務員。

・バルジーナ
サルビアのポケモンの一匹。性別は♀。特性はぼうじん。1話ではあくのはどうやエアスラッシュをメインで使用していたが、実際にはちょうはつで相手の動きを制限したり、どくどくやはねやすめで耐久しながら戦うことを得意としている。

・オノノクス
サルビアのポケモンの一匹。性別は♀。特性はかたやぶり。りゅうのまいを絡めて攻撃することを得意としている。バトル好き。

・エーフィ
サルビアのポケモンの一匹。性別は♀。特性はマジックミラー。サルビアとはかなり長い付き合いのポケモン。人見知りをし、警戒心が強いがなついた相手には甘えるところもある。素早い動きを生かした戦い方を得意とする。

・シャガ
ソウリュウジムのジムリーダー。ドラゴン使い。ソウリュウシティの市長も務める。

・プラズマ団
人間からポケモンの解放を目的とする団体組織。なのだが、人からポケモンを奪うこともするため世間的には嫌われている模様。
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