都市の右腕   作:プティパット

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また少なめです、急ぎだったのですみません


煙戦争

 

12区、第四戦線

 

戦場は想像していた通り残酷だった...俺達の陣営側のフィクサー達の叫び声と悲痛な声...

 

煙と戦いで殺された者たちの血液と腐敗した亡骸の臭い...俺にとっちゃイヤな物ではあったが、俺はこれ以上にクソみたいな瞬間にあった...コレくらいどうって事はない...ただただ目の前の標的を——

 

 

——殺す

 

 

「邪魔だ」ズシャッ!

 

「くは...っ...!?」

 

...1人

 

「退け」バシュッ!

 

...また1人

 

「はぁ...虫ケラが束ンなった所でどうなる?」

 

「「「「ほざけ——!!」」」」

 

俺はリボルバーとショットガンに切り替えたガンブレードを奴らに向けて一人一人の頭や急所に弾丸を撃ち込む...そして奴らの屍の頭を虫の様に踏み潰した

 

「..............」

 

俺がやっている事が正しいとは思えない。だけど俺はみんなの...カーリーの為なら何だってやる...例え相手が助けを求む様な目で見つめようともな...

 

そう考えに浸りながら自分で作り上げた死骸の山を見つめる...すると背後からぬるっと大きな影が現れて声を掛ける

 

「おや、流石だねぇ」

 

「...誰だ」

 

俺が背後を振り向くと...そこには大きな剣を背負い、レイピアや刀を腰にかけてにこやかな笑顔をした紫色のコートを羽織る女性がいた

 

「おやおや、あんたが私を知らないわけがないだろう?」

 

「心当たりが無いな...」

 

そう俺が言うと彼女はニヤリと笑ってこう言い放った

 

「あれは確か...数年前だったかね。私がカーリーの稽古をつけていた時、あんたはカーリーの跡をつけてその稽古を見ていたね?」

 

「...............」

 

俺は溜め息を吐いた後、先程ぶっ殺した奴らの死体の山に座って彼女を見る

 

「ずっとバレバレだった訳だ...()()()

 

「私の事はイオリとお呼び...よっこらせと」

 

イオリ...通称『紫の涙』と言われている特色のフィクサー。彼女の戦闘センスはズバ抜けてヤバい...昔カーリーの稽古をこっそり見ていた時に見たんだ...

 

彼女の戦術『蛇剣術』...それぞれ四つの体勢と三つの剣を使いこなす...その動きは蛇を幻視させるほどに鋭く、そして速い斬撃を繰り出す...そんなヤバい戦闘狂ババアだ...

 

「何か失礼なこと考えていなかったかい...?」ゴゴゴゴゴゴ

 

「...あんたはどこまでも見抜けるのか、怖えな」

 

イオリの顔は笑ってはいたが目が笑っておらず、一発即発な雰囲気になりながらもイオリは落ち着いて話を続ける

 

「それで?あんたは今何をしているんだい?」

 

「見て分かるだろ。戦争に参加してんだよ...だからさっき目の前でG-社の虫共殺してたんじゃねえか」

 

「そうじゃない...何で戦争なんかに加担する必要がある?」

 

「それはだな...俺もそろそろいい所に住んでみたいから巣の移住権でも——」

 

「どうせ、相棒(カーリー)が死んでしまい、ロボトミーの連中が彼女を生き返らせてくれるっていう魂胆だろう?」

 

その言葉に俺はピクリと反応して彼女を鋭い目つきで見つめた...その様子を見たイオリは笑いながら続ける

 

「やはりお互い長く一緒に居れば似るものだな...昔カーリーにお前の事を話したら同じ鋭い目つきで睨んだ上に不意打ちで重い攻撃を仕掛けてきたさ...まあ、受け止めたけどね」

 

俺はヒートブレードを向けた...そして確かな怒りを向ける

 

「てめえに何がわかる...アイツを失った悲しみは消えねえ。侮辱しようもんなら... 俺はアンタを殺っちまうかもしれねえ

 

イオリはクスクスと笑いながら顔色一つ、そして一歩も引かずに返す

 

「おや、侮辱に聞こえたかい...敏感な奴だねえ」

 

「...........」

 

「そう聞こえてしまったなら謝るよ。別にアンタに恨みもないからね」

 

それを聞いた後にヒートブレードを引き下げる...そしてイオリは去り際にいう

 

「一つだけ忠告しておくよ小僧。怒りを向ける先を間違えば、いつかは破滅に向かうよ...覚えておきなさい」

 

そう言われてふと瞬きしたら、彼女はいなくなっていた... 「怒りを向ける先を間違えるな」、その言葉が頭に残ったままその場所を去る

 

「変な奴だな...あのババア」

 

そうして全速力で駆け抜けて最前線へ向かう

 


 

「はあっ!」

 

「ぐぅ...ぅっ!」ドサッ

 

「今ので最後の砦を制圧...任務完了ってトコか」

 

そう言ってR-社とフィクサー達を通り過ぎながら歩み去る...ふとミョが俺の肩を掴んで止める

 

「ちょっと灰の煙雲、どこ行くの?」

 

「あとはお前らに任せる、俺が出来るのはここまでだ」

 

「そう...ねえ、一つ聞いてもいい?」

 

「なんだ、言ってみろ」

 

俺は煙草を取り出し、火をつけながら彼女の質問を待つ... そして口を開いたミョは真剣で、どこか悲しそうな眼差しを向けていた

 

「戦いが始まってからさ。アタシ見たんだよね... 昔のアンタの目は、どこか生きる意思を感じて輝いてたのに... 今はそれが見えない」

 

「..............」

 

「ねえ、一体何があったの?アンタに、そして赤い霧に...」

 

俺はまた何も答えない、()()()()()()... 言うべきなのだろうか、それとも——

 

「おい、ミョ!何サボってる!さっさと戻ってこい!!」

 

ミョはイヤな顔をしながら呟く

 

「うげっ、うるさいなぁ...」

 

そして振り向いてニコライ達の方へ進む

 

「...ねえ、灰の煙雲」

 

「ん...?」

 

振り向いてニカっと笑って返す

 

「何があったかはわかんないけど、アタシは絶対今よりも強くなって、赤い霧と灰の煙雲に並べられるようになるんだから!」

 

そう言って軽やかなステップで走り去る...俺は手を伸ばして何かを伝えようとしたが、何も言わなかった

 

「......結局伝えられなかった」

 

空を見上げる...真っ黒な煙で包まれてで辺りは腐敗の臭いと血で染まった空気...

 

「ニコライが上手くやってくれるだろうが... 仮にバレてもアイツなら乗り越えられる。俺はそう信じる」

 

そう煙草を咥えて歩み続ける

 

「..........帰るか」

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