アークナイツとリンバスのコラボ来ましたね。案の定60連爆死しました(泣)
ゼンゼロの方をしばらく諦めてこっちを進めようかなと(ネタ切れ)
親指・南部の会議室前
「いや〜、思ったよりザルな警備だね。親指の拠点って」
「油断しないでください、先輩……これから僕たちが言う事が、カーロアンダーボスの機嫌を損ねさせないよう説得する。それが今回僕たちがやることです」
ヤンとハルは現在、南部親指の拠点へ二人で攻め込んだ。……指令に言われた訳ではなく、ただヤンの決断で親指のカポとアンダーボスにこれから起こるであろう事の忠告をしに行くと。
それを聞いたハルはいくらヤンでも親指の勢力は1人だけじゃどうにもならないと判断して、ハルもヤンに出来る限り怪我を負わせたくないという先輩としての名目でついていったのだ
「——今日、俺に直接招待状が来た。リウ協会の本を準備したと書いてあるな」
「リウ協会さえ対処できるなら、この巣の半分は確保できますからね」
「確実に息の根を止められそうだ」
「あれっ?いま確かに
「……入りましょう、先輩。極力あの人たちを刺激しないように、分かりましたか?」
「分かってるよそのくらい!」
そうして2人は先へと歩き出し、やがて会議室に到着して親指構成員の面々を対面する
「アンダーボスとカポが直接図書館へ行くのですか?」
「流石に無謀じゃないでしょうか?」
ハルも流石に彼らを刺激しないように珍しく敬語で話す。そんな2人の言葉に親指の構成員全員が警戒する、その中でボリスとデニムという名のカポが2人に問う
「人差し指の伝令か?」
「出鱈目言うなら舌を抜くよ……」
「まぁまぁ、落ち着いてください。自分も自分の後輩君も今日は皆さんの血を見たくないので……」
そうハルはなだめようとするが、ボリスがその言葉に食いついて彼のグラス越しから見える鋭い眼光に睨まれながらドスの効いた声のトーンで食いつく
「くっだらねぇ挑発をしに来た訳じゃないと思うんだが?」
「実際、私たちホントに挑発しに来た訳じゃないので……」
そんな彼の言葉を聞いて答えた後に、ヤンが続けてアンダーボスのカーロに話しかける
「カーロアンダーボスさん、少しお伝えしてもいいでしょうか?」
「人差し指は最低限の礼儀を弁えていていいな。話してみたまえ」
ヤンは少し俯いて考えた後に見上げてカーロをまっすぐ見つめながら話す
「僕の意見ですけど……行かない方がいいと思います。行って本になる可能性が高いですよ」
「ほう、それはなぜかね?」
カーロは表情を崩さずにヤンに問いただす、ヤンもそれに応じるように答える
「この区域を管理している親指、そしてそのアンダーボスが居なくなれば、ここを掌握するのは人差し指になるでしょう……それに、あなたの本を人差し指が得てしまえば人差し指の打倒が難しくなるのはもちろん、却って組織全体に大きな打撃を与えるのではないでしょうか?」
その言葉にカーロは黙り込むが、すぐに鋭い目つきでヤンを睨んで答える
「これは珍しい。指令としてではなく、いち伝令としての意見か?」
「…………」
「そういうわけですので。カーロアンダーボスさん、今回の件はお引き取り——「だがッ!」」
ハルの言葉を一喝して遮り、威圧がさらに増すのを感じる……周りをよく見ると集まっていた大多数の親指構成員が銃を向けて2人を冷たく見つめている。
「……俺は人差し指の指令を認める、伝令の端くれの個人的な意見を求めるつもりはない」
カーロがゆっくりと立ち上がり、杖を取り出しながら自身のピストルを取り出して一発ずつ弾を込める
「L社に残っているすべての人差し指に伝えろ。今回のことが終われば親指を尋めた罪で歯と舌を引き抜いて犬へ投げてやると」
そうしてピストルの弾を込め終えたカーロは寸分の狂いもなくヤンに銃口を向ける
「そしてお前らはマトモには帰れない……特に白髪の方はな」
そうしてカーロが引き金を引くと、すぐにハルは盾を構えてヤンを庇うように前へ出る、そして哀れみと焦りが混じった表情で溜め息をつきながら話す
「……結局、こうなるのよね」
「先輩、毎回僕を庇わなくても——」
「大丈夫、大丈夫!先輩として後輩を守るには当然なんだか——ってうわぁ!?」
会話の最中で発砲されながらそれらを盾で防ぎ続ける
「……目上の気を害すものは舌を」
「ちょっと!後輩と話す時間もくれないわけ!?」
「あぁそうだな、顎を砕き舌を抜いた後で地獄でくっちゃべっていろ」
「あぁもうっ!ヤン君、やるよ!」
「言われなくても……!」
そうしてたった2人の人差し指の伝令と、組織一つ分の親指との戦いが始まった……
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「痛ったぁ〜……ヤン君、大丈夫?」
「……先輩の方こそ、大丈夫ですか?」
「私はちょっと掠めたくらいだから、平気平気!気にしないで!」
ハルは明るくそう言うが出血も傷もヤンよりハルの方がひどい有様であった……体の所々には銃傷が数え切れないほど撃たれており、歩き方も一見平然として入るが微かに震えて歩いているのがやっとの状態だ。
先程の戦いで、ヤンが受ける攻撃はすべて彼女が庇って守っていた……たった1人ヤンの為に、それが盾を構えられない状況でもハルはその身を挺して銃弾からヤンを守ったのだ。
あの後2人は親指と自分たちの戦力差がありすぎたため撤退、親指側も二人が退却するのを確認すると、多分既に図書館へと向かっただろう。
「その、先輩。ありがとうございます。……もし先輩がいなかったら、僕はあのままカーロアンダーボスの宣言通りになっていたでしょうから」
「あー、いいのいいの!気にしないで!…私はただ、この盾でしか出来ない事をしたまでだから」
そうハルが自分の盾と傷ついた体を見て優しく触りながら告げる、だがハルは明るい声できりかえる
「いやあ、まさか親指があんなに気が立ってるとはねえ。私も極力煽らないように努力はしたんだけど……」
「……結局、血を見ることになってしまいましたね」
「ほ〜んとっ、親指の人たちは短気ったらありゃしないのよね〜」
そう会話しながら歩いていると、ハルはふとある事に気がつく。いつも自分がもらい、それを誰かに渡す指令。…自分がいつもそんな誰かに渡す指令は、毎回あやふやなものだった。だが時折ヤンが自分たち人差し指に指令を渡す時にちらりと見えたのは、普段渡すものとは違い、随分と分かりやすいものだった
「……ねえ、ヤン。前から思ってたんだけどさ」
「……なんですか?」
「ヤン君の指令って、私が配る指令よりも分かりやすいよね」
「……指令はただ従わなければならないだけです。それがあやふやだろうと、そうでなくとも。ただ完遂されるのみです」
その言葉をハルが聞いた後、ゆっくりとヤンの手元を見てみる。…ヤンは小さくキュッと手で握り拳を作っていた……まるで自分の中で何かを押さえ込み、押し殺しているかのように。
……物心ついた時から、ハルは気づいていた。ヤンが嘘をつくとき、ヤンは何かを一人で抱え込むときも、あのように小さく拳を握るのだ。…人間誰しもが完璧に偽れる者はいない、そうハルは知っていた
それを理解した上で、ヤンの意志を踏み躙ったりはしない、誰だって隠し事はあるものだ。…だけどそれは人差し指伝令の先輩として、そんな彼を心から護ると決めた一人の盾として、彼の行動は見過ごせないものでもあった
ハルは溜め息を小さく吐きながら、そんなヤンを横目に聞こえる程度で呟く
「今は話せなくても、いつか溜め込まずに全部吐いて。……私が前に、あなたとそう約束したようにね」
「……………」
「あ〜!終わり終わりっ!はやく帰るよ、ヤン君!」
ハルは明るくそう告げた後にいつもより駆け足でその場を離れる、ヤンは先程のハルの言葉を聞いて何かの思いに沈みながらハルのあとをついていった