都市の右腕   作:プティパット

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赤髪の少女と灰色の少年 《後章》

—裏路地のどこか

 

「...お、カーリー」

 

任務が終わり23区に戻っている途中でカーリーとバッタリ出会った

 

「ヌベスか」

 

「任務終わりか?」

 

「まぁな...」

 

俺はカーリーの横に移動して話しながら歩く

 

「今日はかなりめんどくさい奴だったなー」

 

「確か『都市伝説』か...どうだったんだ?」

 

「それがな——...でそれで——...」

 

「ふむ......」

 

...あれから7年*1、俺達はフィクサーになり階級もそこそこ上がっている...俺の実力は確かだけどもっとやばいのはカーリーだ、こいつは元々力こそないが俺があの時助ける前はずっと生存戦術を身につけるためにずっと都市の奴らを “観察„ していたようだ......あそこは “親指„ や “人差し指„ などの抗争区域だったからなぁ......そして決めつけは、依頼の報酬金でいつも強化手術に注ぎ込んでいる...知恵や戦闘IQを持った奴が力を手に入れる...正直なところ、こいつは俺よりも強くなったかもしれない

 

そう思いながら歩いている途中でカーリーが口を開く

 

「その腰に付けてるのは、銃か?」

 

「正解〜! まぁでもただの銃じゃねぇ」

 

「と言うと?」

 

「見てろ〜?」

 

ガチャンッ!

 

「...珍しい構造だな、弾切れを想定してブレード(それもスティグマ工房製の...)に変形出来んのか...だけど、それ高かったろ?」

 

「まぁな、実際アホみたいに高かった...けど使い勝手はいいな」

 

そう呟くと、カーリーが質問を変えた

 

「なぁ...あの時何で私を助けた。」

 

それを聞いた俺は悩む...理由が見つからないからだ......まぁ普通にこれでいいかな

 

「あー...あれな、ただただ命が危ねぇ奴をほっとけなかったんだよ...」

 

俺は適当に答えたが、カーリーは俺の図星をついた

 

「適当に答えただろ」

 

「...バレた」

 

「まぁでも、どんな理由かは聞かない......どうせしょうもない理由だからな」

 

「え?珍しいな、疑心暗鬼ゴリラのお前が深入りしないなんt—「誰がゴリラだ、あ?」イタイイタイイタイ! ごめんってば⁉︎」

 

俺は冗談のつもりで言ったが、虚しくもヘッドロックされた...頭が割れそうだった...

 

俺を放したカーリーが続けた

 

「なぁヌベス、私達を受け入れた隣人いただろ? アパートのショーンおじさん」*2

 

「あぁ、あん時は食い物とか色々分けてくれたから助かったな...近頃は俺達の資金を分けてるからな、俺達なりの恩返しってことだ」

 

「...あぁ、カネも力も安定してきたからな...あの人達に安息に生活してほしいからな」

 

「...そうだな」ツーツーツー...「......?」

 

突然俺の通信タブレットから音が鳴った

 

「...また依頼か?」

 

カーリーもこちらを見て、俺の通信タブレットを覗き、かなり軽めの依頼だったことに気づく

 

「かなり軽めの依頼だな...コレくらいだったらいいんじゃないか?」

 

俺は頷き、タブレットを鞄にしまった

 

「...まぁな、そんじゃ行ってくる」

 

「先に待ってるぞ」「へいへい...」

 


 

俺は依頼の場所に着いた...用件は死体の処理らしい...俺は少し手慣れていたので、すぐに終わった...そして帰路に着こうとした時

 

「...待て」

 

...面倒なことになったな

 

俺はそう思いながら組織に囲まれた......“剣契„の連中だった

 

「なんだ?数年前俺がアンタらの連中殺したからピキってんのか?」

 

俺がそう笑いながら伝えると、連中は刀を抜いた

 

「これは報復だ......生きて帰れると思うなよ......」

 

はぁ、しつこいな...もうこのまま逃げるk—「あのカーリーとか言う女が居たな、あんな()()()()()生まれで()()()()()()簡単に殺し—」

 

ダァンッ!!

 

奴が言い終わる前に、俺はリボルバーを抜き頭に命中させた

 

「............」

 

前言撤回だ...俺の相棒を...カーリーを()()()だと...?

 

「....んたら—」

 

「「「.........?」」」

 

組員達が俺を見つめる、そして—

「アンタらは俺の相棒を簡単に殺すかぁ...いいご身分ですねぇ!」

 

「「「「———ッ⁉︎⁉︎」」」」

 

俺は奴らに睨み返しかつてないほどの怒りを見せ、組員全員が怯む...俺はリボルバーをブレードに切り替え、ブレードがギラギラと熱を帯びたヒートブレードになる

 

ガチャンッ!

 

「あんたら全員...地獄行きだぁ!!

 


 

——同時刻、23区のアパート

 

......ここは?

 

...そうだ、ヌベスを待つついでで...疲れていたから寝て...

 

「———!」「–——げ!」「—ろ——が!」

 

なんだ?...手足が....⁉︎

 

カーリーが目を開く、そこには信じられない光景を見た

 

「......うそ...だろ?」

 

その光景は住民達がカーリーの部屋の資金や物資を集めてる様子だった...それはあまりにも信じ難い光景だった......

 

嘘だ...そんな訳ない...コレはただの悪い夢だ...やめろ...

 

やめろやめろやめろやめろ...!!

 

「大金をせしめて他の場所に移住できるチャンスだ!!」「急げお前ら!」「早くしろバカが!」

 

...あぁ...そうか...コレは...現実か...卑しい欲望の塊が...私の前を這いずり回ってる...昨日まで...さっきまで挨拶を交わす仲だったのに...

 

その後、カーリーは力で縄を振り解き、その住民の息の根を止めた...それも血まみれになるほどに......

 


 

俺は血の跡が付いたままアパートに到着して、アパートの部屋を開けた......カーリーの奴心配するだろうなぁ...

 

そう思いながら扉を開けた

 

「いやー、悪い悪い...遅くなっt——ッ⁉︎」

 

そこで見たのは、血に塗れた地獄絵図と言ってもいいような光景だった...カーリーはそこに立ち尽くしている

 

「...カー......リー?」

 

「............」

 

返事がない...俺は静かにカーリーの所へ近づく

 

「...ヌ.....ベス」

 

「......なんだ?」

 

横から少しだけ顔を覗くと...彼女は静かに泣いていた...涙を流していた

 

「...しばらく...一人に...してくれ」

 

「...........」

 

絶望...か

 

俺は知っている...絶望と失望のその味を...その痛みを...そこで俺が取った判断は

 

「カーリー...」ギュッ

 

「.........⁉︎」

 

俺はカーリーを抱きしめた...優しく...強く彼女に抱きつく

 

「..........」

 

「ぬ...べす...やめ—...もう.....うぅ....!」

 

彼女は俺の胸の中で泣き崩れ、俺は彼女を宥める様に背中をさすってあげた...俺は知っている...その絶望から救い出す方法を.......

 

「...ヌ...ベス...ヌベス.......ッ!」

 

「...大丈夫だ...何があったかは知らないが...俺が側にいてやる...ゆっくり泣いていい...」

 

「...うぅ...ヌベス...!」

 

カーリーは俺を見つめる...目に涙を浮かべながら

 

「...みんな...みんな結局は裏路地の人間だったんだ......カネに目が眩んで...挙げ句の果てには...私にはこいつらが卑しい欲望の塊にしか見えなかった...私は...私はッ...!」

 

「...カーリー」

「——ッ...!」

 

カーリーがここまで泣き崩れるのは初めて...と言うか、泣くところですら初めてだな......

 

「一回落ち着こう...泣いていいとは言ったが、事情が分からん以上、ややこしくなるだけだ...いいな?」

 

カーリーは泣きながら頷いた...そして詳しい内容を話してもらった......わかった事は一つ...

 

いくら恩を返し、守ってあげようが...いくら優しくしてあげようが......このクソッタレの裏路地で生きてる奴は全員ゴミ屑だった...それだけさ

 


 

おまけ

 

この事件の数日後、カーリーは心の底に深い傷を負った...食欲がないの一点張りで飯は食わねぇし......それで、俺は()()()をカーリーに勧めようと思っている

 

「...なぁ、カーリー?」

 

「.........」

 

俺はタバコを取り出す、そしてカーリーに差し出した

 

「...タバコか?」

 

「まぁな......俺がお前と出会う前...10歳程だったかな、どっかの誰かがコレ吸ってたんだよ...あいつら曰く『コレを吸うと嫌な事が吹っ飛んでいく』...って言っていたな」

 

「..........」

 

「だからよ、カーリー」

 

俺はタバコを咥えて、火をつけた

 

「フゥ......折角ならイヤな気分吹っ飛ばして、楽んなろうぜ?」

 

「..........はぁ、お前って奴は」

 

カーリーはタバコを咥え、俺はライターで火を付けた

 

「...スゥ....——⁉︎ ケホッゲホッ——!!」

 

カーリーは初めての感覚に慣れず、咳をした

 

「ブハハハハハハッ! その顔傑作だな!!」

 

「ケホッ—....う-うるせぇ...!!」

 

「大丈夫大丈夫...そのうち慣れるさ」

 

「...そうか (そういえば何でこいつタバコなんか持ってたんだ...?しかも吸い慣れているようだった)

 

 

俺が数年前からカーリーに隠れて吸っていた事は、また別の話

 

(追記:未成年のタバコは20超えてからだぞ!...都市では問題なさそうだけど)

 

*1
前回の話で出会った時

*2
カーリーのストーリーで幼少期から受け入れてくれた隣人

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