ツレが魔女になりまして   作:碼椙 柊

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if-end「救いがあっても、いいじゃないですか」


if-end

 

 

 

「   !!」

 

 結界が消えるよりも早く、崩れ落ちた彼女の許へと駆け寄る。

 遠目から見ても分かるほどに彼女の服は赤く染まっていた。ほんの少し前まで真っ白だったはずの彼女の服は汚れ、破れ、そして彼女自身の血に染まっていた。

 うつぶせに倒れていた彼女をかかえて抱き上げ、上半身を起こす。彼女の背中を支える右手はどんどん彼女の身体から溢れていく"何か"で濡れていく。その感触にとてつもない喪失感が頭の中を埋めていくのを感じた。

 

「あとちょっとだったのにね……最後に、やっちゃった……」

「だ、駄目だもう喋るなよ! ち、血がこんなに出てるし身体だって……!」

「……えへへ、ゆうちゃんの焦ってるとこ、久しぶりに見れたな」

 

 彼女はそう言いながら力なく笑う。そんな彼女を見て、そしてこの現実が、——彼女はもう長くないことを俺に強制的に悟らせる。

 必死で堪えるものの、後一歩で涙が溢れてきそうで、それでも泣く姿を彼女に見せる訳にはいかず、溢れそうになる涙を必死で抑える。

 そんな俺を見て安心させようとしたのか、一度だけ彼女の身体が光に包まれた。

 

「ん……。とりあえず、止血だけは魔法で、なんとかしたよ。でもこれだけやっちゃってると、あんまり変わんないかなぁ……」

「魔法って……! だって、もう真っ黒じゃんか……」

 

 彼女の胸元にあるソウルジェムは既に濁りきって、あの宝石のように綺麗に煌めいていた輝きを既に失わせている。そんな彼女のソウルジェムを見て、俺は恐らくひどい顔をしているのだろう。そんな俺を見てか、彼女はもう一度全身を光らせた。すると、今までの魔法少女の衣装から、先ほどまでの私服へと元に戻っていた。

 

「ん、……そだね。もうさすがに、魔法は使えない、かな」

 

 私服へと戻った彼女の手には、卵の様な形をした濁りきったソウルジェムがある。ずっと眺めているとまるで吸い込まれそうな、なにかおぞましいものを感じさせて、目をそらす。

 彼女はそんな俺を見て困ったように、しかし力なく笑う。

 

「ソウルジェムが濁りきったら大変なことになるって、キュゥべえが言ってたんだよね……」

 

 手に持つソウルジェムを指の腹で撫でながら言う。

 彼女の魔法少女である証であり、そしてその力の源であるソウルジェム。それがこれまでの神秘的な輝きを既に失わせ、どこかおぞましいような背筋が寒くなるような濁りと色をして、それらがソウルジェムの中を巡るようにうごめいている。

 

「どうなるのか分かんないけど、……この感じだと、まともなことは起きなさそうだから。ゆうちゃんは今のうちに逃げて」

「馬鹿言え……」

 

 巻き込みたくないから、と彼女は言うが、俺はその彼女の願いに答えることは出来ない。

 たとえ何が起こるかわからなくても、たとえどんな事が恐ろしい事が起こるとしても、今俺が彼女のそばから離れることは、絶対に無い。

 ……認めたくない話であるし、出来る事ならばその現実から逃げたいのだが、恐らく彼女はもう長くない。

 未だ魔女の結界の中に俺たちが居る事は理解しがたいことではあるが、だからこそ、それ故に彼女をどうすることも出来ない。

 仮に外であればなんとしてでも彼女を生きながらえさせようとしていただろう。あらゆる手段を駆使して。……でも今は何も出来ないのだ。何もする事が出来ないのだ。その事実が俺に圧し掛かり、やはり彼女を救えないという事実が心を締め付ける。

 

「……そんな顔しないでよ。いつもみたいに、格好いいゆうちゃんでいて欲しいな」

 

 こんな時でも、彼女はいつも通りだった。どんな時でも笑みを忘れず、そして優しかった。だからこそ、俺は何も出来ず、ただ彼女を抱きしめる事しか出来なかった。

 

「えへ…ゆうちゃん、あったかい……」

 

 いつもの抜けたような声で、しかしその声に力や生気を感じることが出来ず、それが更に俺の胸を締め付け苦しめる。

 

「なんで……俺は何も出来ないんだろうな……」

 

 彼女に聞かせるつもりは無かった。心の独白がただ声に洩れ出たような、そんな何気ないしかし心からの言葉。

 しかし抱きしめて密接している今は、そんな聞かせるつもりのない小さな声も彼女に聞こえてしまう。彼女は小さく咳をして口を開いた。

 

「…私はね、ゆうちゃんがいてくれるだけで、私は幸せだったよ」

「でも、俺は……」

「ゆうちゃんが居てくれたから、私はこの、つらい魔法少女の使命も、ずっと今までこなす事が出来たんだよ。つらい時でも、苦しい時でも、どんな時でも、ゆうちゃんがそばにいてくれるって考えるだけで、耐えることが出来たんだよ」

 

 彼女の口から語られるのは、俺が知るはずもない彼女の心の内。彼女がずっと内に仕舞っていたそれは、嬉しくもあり、そして同時にとても……辛かった。

 俺と彼女は今までの人生をそれこそ物心着く前からずっと一緒にいた。家族よりも互いのことを知っているかもしれないなんてことを思ったこともある。中には比翼の鳥・連理の枝だとか冗談交じりに言われたこともある。そんな俺と彼女だからこそ、相手のことならほとんど何でも知っていたし、そして許容していた。

 

「あぁ……本当によく頑張ったよ…。だからさ、しばらく、休もう」

 

 そしてそんな関係だからこそ、もうこれ以上、彼女が苦しむところを見たくないのだ。どれだけ不恰好でもいい、どれだけ無様でもいい。それでも、彼女が傷つき苦しむ様はもう、見たくない。

 

「ゆうちゃん、ほんとに、ありがと……」

 

 彼女は笑う。弱弱しくも、精一杯の笑顔で彼女は笑う。俺もそれに返すように笑おうとするが、どうしても上手く笑えない。くしゃりと泣き顔のようになっているに違いない笑顔しか、今の俺は彼女に向ける事が出来ない。そしてそんな俺を見て、また弱弱しくも笑う彼女。

 最期なのだ。もう、長くは無い。だからこそ、彼女には幸せな気持ちのままでいて欲しい。

 ——せめて、最期くらいは安らかに。

 しかしそんな時間も長くは続かなかった。

 穏やかな表情をしていた彼女は突然苦悶の表情に染まり、胸を押さえて苦しみだしたから。

 

「うぅっ……駄目……! ゆうちゃん早く逃げて…!」

 

 ハッと気づき、ふと見やれば彼女のソウルジェムに罅が入り始めている。

 もう、限界なのか。

 まだ何とかなると楽観的な希望を抱く事も出来ず、しかしさよならを告げることも出来ず、そしてどうすることも出来ずに、それでも彼女をおいて逃げ出すことが出来るはずも無く、ただ彼女の身体を強く抱きしめる。

 

「絶対に……」

 

 そうだ。絶対に離さない。どんな事が起こっても、どんな事があろうとも、俺は彼女を離さない。

 苦しむ彼女の声が俺の胸を更に苦しめる。何とかしたくても何も出来ないという事実は俺に更に重く圧し掛かる。だからこそ、ただただ、彼女の身体を抱きしめる。

 

「離さないから、絶対に一人にはさせないから……!」

 

 未だ彼女は苦悶の声をあげ苦しんでいる。

 これだけ彼女が苦しんでいても、俺は無力なのだ。何も出来ない自分が、これ以上無いほど恨めしい。

 彼女を救うには、一体どうすれば——。

 強く彼女を抱きしめながら頭を必死に働かせる。そんな時、幻聴のような何かがふと頭の中に入り込むように聞こえてきた。

 

『大丈夫だよ』

 

 そう、誰かが話しかけたような気がした。

 

「え……」

 

 誰もいない筈なのに声が聞こえ、それに反応してつい顔を上げる。

 そして目の前に、"その人"は現れた。

 

 前触れもなく現れたその少女は柔らかな、まるで女神のような微笑みで、既に血の気のない彼女を見つめ、そして彼女が手に持っているソウルジェム、それに手をかざすように近づける。

 ただそうするだけで。

 彼女のソウルジェムに宿っていた濁りが、まるで浄化されていくかのように消えていき、そして——

 

「えっ?」

 

 彼女のソウルジェムは砕けるように、しかし柔らかな響きで四散し、消えていった。

 それを見届けた少女はまた柔らかな笑みを浮かべて、温かみのある光の粒子を残して消えていった。

 突然現れた女神のような少女は現れた時と同じように、何の前触れもなくどこかへ消えていってしまった。突然の出来事に俺も彼女も固まってしまい、しばらくの間、その少女が消えていって空間を眺めていた。そうやって眺めているうちに、気づかないうちに魔女の結界から元の世界にいつの間にか戻ってきていたことに気づかされた。

 それからほんのしばらく経ってから、お互いの顔を見合った。俺と同じように、彼女も目が点になっているだろうと思っていたのだが、そうではなかった。

 いきなりの出来事だ。俺は何が起こったのか、さっぱり分からなかった。

 しかし、目の前の事実だけを受け入れるのならば。

 

「わ、わたし……」

 

 そしてそれに気づけるのは。

 それは紛れも無く、彼女自身だけだろう。

 

「私……戻れたよ」

 

 それは恐らく、彼女自身だからこそ気づけたものなのだろう。

 

「普通の女の子に、戻れたんだよ」

 

 彼女は堪えきれず、涙を流しながら口を開き、そういった。

 それはつまり……。そう、それが意味するのは……。

 

「魔法少女じゃないんだよ。…私は、私に戻れたんだよ」

 

 彼女が、俺と同じ世界に戻ってきたという事。魔法少女としての彼女ではなく、普通の少女である彼女として生を全う出来るという事。それはこの上なく嬉しい事で、自然と涙が溢れてきた。そして彼女の身体を抱きしめる。ほんの少し前と何も変わらない、軽い身体。

 しかしその実態は先程までとは違う。本当の意味で、ただの女の子としての身体なのだ。異能の力など無い、闘う運命などない、ありふれた日常を生きる身体。それはやはり、魔法少女としての彼女を応援しながらも、心のどこかでずっと求めていたものだった。

 何かが変わったわけじゃない。でも、だからこそ。だからこそ、その事実が嬉しいのだ。

 そうしてしばらくの間抱き合い、そこからまた少し。ようやく落ち着いてきた頃、彼女は徐に口を開いた。

 

「私ね、ゆうちゃんに言いたかったことがあるの。今までずっと、言いたかったけど言えなかったこと」

「……あぁ、……俺も、あるよ。言いたかったけど今まで言えなかったこと」

 

 彼女の声色は今までとは異なり、真剣味を帯びたものだった。その声を聞いて、何故か直感的に理解した。

 理由も根拠も見当たらないが、これが最後になる。もう長くない。

 何故分かるといわれても答えられない。それでも、何かがそう囁くのだ。後悔したくなければ、今のうちだと。

 だから、彼女の話す言葉を一句たりとも逃すまいと、こちらも真剣になり、彼女が再び口を開くのを待つ。

 

「私ね」

 

 彼女は一度止まった涙を再び流しながらも、まるで天使のような微笑みで、言葉を紡いだ。

 

「私、ずっとゆうちゃんの事が好きだった。ずっとずっと、ずーっと好きだった。この世の誰よりも、この世の何よりも、ゆうちゃんが大好き」

 

 それは、まさしく彼女の口から放たれたものであっただろうか。彼女から聞けた言葉であろうか。

 その言葉は何よりも、どんなものよりも望んだ言葉であったかもしれない。ずっと一緒に過ごしてきた俺らにとって、もうそういう感情はとっくの昔に超えたような思いはあった。

 それでも、俺は俺で、彼女は彼女なのだ。

 だからこそ、彼女のその言葉に俺は当然の、そしてそれ以外ありえない答えを返す。

 

「あぁ、俺も、大好きだよ。世界の何よりも、大事で大切な存在だよ」

 

 涙が一筋、頬を流れるものの、気にすることなく続けて彼女の名前を呼ぶ。それを聞いた彼女は満足そうに頷き、腕を伸ばし、俺の身体を引き寄せる。

 

「えへっ」

 

 乾いた唇はかさかさしていて、とても雰囲気なんてあったものじゃない。それでも俺と彼女の愛のしるし。

 今だけは、今この瞬間だけは現実を忘れて二人だけの世界。この世に居るのは俺たちだけ、そんな世界を今だけは描き出す。

 彼女の顔を見つめ、もう一度、名前を呼ぶ。あぁ、愛おしい。彼女の存在が、この時間が、この瞬間が。すべてのものが愛おしい。

 何もかもが俺と彼女の味方のような気がして、ずっとずっとそんな時間が続くような気がして。こんな時間が、この瞬間が終わって欲しくないと願ってしまって。

 だがそんな時間も長くは続かない。

 ふと気づいた時には世界が変わっていた。もう、限界かもしれない。……終わりが近づいてきている。

 気づかない振りを、知らない振りをしているのももう限界だ。彼女の身体からはどんどん熱が失われていっている。顔や手からも色が失われ、彼女の白い肌が更に白くなっている。

 

「ゆうちゃん……最後のお願い、してもいいかな…」

 

 それでも彼女の表情は、それはもう安らかで穏やかで、この先に訪れる死をも受け入れているかのような、そんな表情をしていた。

 

「あぁ、何でも言ってくれ……。どんなお願いでも聞くよ」

「……ありがと。じゃあ、最後のお願い。私が死ぬまで、…私がいなくなるまで、ずっと、そばに居て欲しいな」

 

 彼女の最後の願いは、何気ない、そして俺と彼女にとっては当たり前の事で。しかしそれを最後の願い事にする彼女の心の内は……。

 

「いるよ。ずっといるよ。俺はずっと、一緒にいるから」

「えへへへ、ありがと、ゆうちゃん……」

 

 最期の最後まで、彼女は彼女らしく在った。いつもの、しかし今までのどんなそれよりも美しい笑顔で俺に笑いかけてくれた。俺もそれに応えるように笑いかける。もうさっきのような泣き顔のような笑顔じゃない。彼女の笑顔へ返すのにふさわしい笑顔で笑えているに違いない。

 笑いあっていると、彼女の身体が光の粒子に包まれ始めた。

 始めは何が起こったのか分からなかったものの、彼女の表情が変わらない事から、ああ、そういうことかと気づいてしまった。——本当のお別れだ。

 もう、会えなくなってしまう。彼女との未練が無いわけではない。それでも、彼女のこの結果が、意味あるものであらねばならない為には、ここで止まるわけにはいかない。また零れそうになった涙を袖で拭い、彼女へと笑いかける。

 

「あっという間だったね」

 

 何が、とは言わない。

 

「でも、思い返すといっぱい思い出を作れた」

 

 歩んできた道は途切れていない。

 

「ずっとずっと」

 

 本当に、ずっと。

 彼女の手を握り締める。本当に僅かながらも、彼女も握り返してくれる。彼女とのつながり。彼女の世界とのつながり。

 

「ありがと」

 

 心からの言葉。まだまだ言いたい事は沢山ある。でも、もう時間がない。

 あぁ、後悔なんていくらでもある。未練だってある。たくさんある。それでももう、おしまいなのだ。だからこそ、けじめをつけなければならない。

 彼女の頭を撫でて、引き寄せる。そしてそのまま顔を寄せ、唇を重ねる。

 ほんの一瞬の出来事だけれど、彼女は一瞬だけ目を見開いて驚いたもののすぐにまた笑顔になった。彼女の名前を呼ぶ。彼女は口を開いて返事をする。もう、声は出ていない。

 

「ありがとう」

 

 もう一度、彼女の名前を呼ぶ。最期に彼女は——。

 そして彼女は、消えてしまった。

 

 

 

 

 彼女は笑顔で逝った。

 

 その事実は、あの女神のような少女が頭の中に響くような声で言っていた、

『魔法少女の最期を、貴方達の祈りを、絶望で終わらせたりはしない』

 というあの言葉の通り、彼女が幸せに逝けたことを示しているのだろう。

 

 消えていく彼女は何よりも美しく、それでも儚げでやっぱり悲しかったけれど、自然とそれを受け入れる事が出来たような気がする。そりゃあ、当たり前だけど、……情けない事に今でもまだ完全に受け入れる事は出来ていない。それでも、たとえば彼女が背負ってしまっていた魔法少女としての使命や、彼女を討った存在、そういうものに対する憎しみや怒りというものはない。言いたい事は無いかと聞かれれば、もちろんあるのだが、怒り狂うようなことは無い。今もどこかで彼女のような魔法少女がその使命のために闘っている。そういう俺の知らない世界での、生死を賭した戦いがあることを忘れてはいけないから。

 

 こころに空いてしまった穴、彼女の居場所は未だに埋まらないけれど、それでも日々の日常は何も問題はない。

 誰もがこの馬鹿みたいな平和な日常を疑うことなく享受している。街中を見渡したとき、そこには沢山の人がいる。この中の誰かは、知らないうちに彼女に救われたのだろうか。……今も時々、街中でふと彼女と同じような気配を感じる時がある。それは魔法少女なのかもしれない。もしかしたら……彼女がどこかで見てるのかもしれない。

 

 

 欲を言うならば、彼女には生きていて欲しかった。もっと生きて、ずっと傍に居て欲しかった。一緒にいろいろやりたい事だってあった。まだまだしてない事だってあった。

 しかしそれはもう叶わぬ願いだ。今更何を言おうと、変わる事のない事実、現実は俺の目の前にある。

 学期が変わり、学年が変わり、学校が変わり、そんな日々の忙しさに埋もれそうになりながらも俺は彼女の事をずっと思い続ける。

 彼女が最後の最後に言った言葉を信じて、俺は今日も前を向いて生き続けなければならない。……あぁ、こんな言い方をすれば彼女に笑われるかもしれないけれど。

 人生は楽な事ばかりじゃない。現実に押しつぶされて、時々生きるのがつらくなるときもある。ふと、逝ってしまった彼女の許に行きたくなるときもある。それでも、ずっと前を向いて生きるのだ。限りある命を全力で。

 

 それが、生きている人間の権利であると共に、本能的な義務なのだから。ずっとずっと、前を向いて生き続けるのだ。そりゃあ、偶には後ろを向いたっていいさ。そうしないと彼女の事を忘れてしまいそうだから。彼女の事を覚えていられないから。

 でも後ろを向いて生きるんじゃない。前を向いて、こけないように、そしてどんな不幸が襲ってきても振り払えるように堂々と生きるのだ。

 それがきっと、彼女の最期の言葉へと繋がると信じて。

 

 

 「またね」の言葉を信じて。いつの日か再び彼女と会える日を信じて、俺は今日も生き続ける。

 

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