「ふあぁぁぁ・・・」
昨日は酷い目にあった。
千冬姉が来るまでずっと、楯無さんの無理矢理な写真撮影につき合わされていた。
もちろんネガからカメラまで没収して、全てが終わった。
「織斑くん、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」
教室に入るなりクラスでは転校生の話でもちきりだった。
「転校生・・・?」
今はまだ四月。
なんで入学ではなく、転入なんだろう。
しかもここって、転入条件がかなり厳しかったはずだ・・・
そもそも試験自体が国の推薦がないとできない・・・
つまり・・・
「なんでも中国の代表候補生らしですわ」
「セシリア」
一組のイギリス代表候補生、セシリア・オルコットは腰に手を当てたポーズをして現れた。
「私の存在を危ぶんでの転入かしら」
「このクラスに転入してくるわけではないのだろう?騒ぐほどのことでもあるまい」
気が付けば箒まで来ていた。
「代表候補生か・・・どんなやつなんだろうな」
代表候補生っていうからには強いのだろう。
それにやっぱりセシリアみたいに、気位が高いやつなんだろうか・・・。
もしそうなら、正直疲れる。
まあ、他のクラスだから関係はないか。
「気になるのか・・・?」
「まあ・・・少しはな」
聞かれたことに素直に答えたら、なぜか箒の機嫌が悪くなった。
「今のお前に女子を気にする余裕はないぞ!来月にはクラス対抗戦があるんだからな!」
「そうですわ、一夏さん!対抗戦に向けてより実践的な訓練をしましょう!相手は専用機持ち。わたくしが、いつでも務めさせていただきますわ!」
ここで、俺は一つの疑問が生まれた。
「そう言えば、クラス代表は誰になったんだ?」
そう、昨日は女体化の呪いを受けて、一日休んだから知らないのだ。
「それでしたら、一夏さんになりましたわ」
「はい?」
どうやら、あの試合でセシリアに勝ってしまったから、俺がクラス代表になったとのことだ。
熱くなり過ぎてすっかり忘れていた。
「しょうがない・・・やれるだけやってみるか」
「やれるだけではこまりますわ!」
「そうだぞ。男たるものそのような弱気でどうする」
「そうそう!織斑くんには是非、勝って貰わないと!」
いつの間にか俺の周りに女子が集まっていた。
「優勝賞品は、学食デザートの半年フリーパス券だからね!」
「それも、クラス全員分の!」
「織斑くんが勝つとクラスのみんなが幸せだよ~~!」も
やいのやいのと楽しそうな女子一同の気概をそぐわけにもいかなかったので、俺は「おう」と返事する。
「まあうちには専用機持ちが二人もいるし、楽勝だよ!ね!織斑くん」
と言うが、白騎士の副作用をどうしたらいいか・・・
赤騎士は試合には出すことが出来ない以上、白騎士を使わなければいけない・・・
「--その情報・・・古いよ」
教室の入り口から聞き覚えのある声が聞こえた。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には勝てないから」
腕を組み、片膝を立ててドアにもたれていたのは・・・
「お前・・・鈴か?」
「そうよ。中国代表候補生、凰 鈴音。久しぶりね・・・・・・一夏」
ふっと小さく笑みを漏らす。
トレードマークのツインテールが軽く左右に揺れた。