「鈴、いつこっちに帰ってきたんだ?」
「一昨日よ」
丸一年ぶりに再会したこともあって、多少驚いた。
まさか、一年で代表候補生となって俺の前に現れたのだから。
「一夏さん!そろそろどういう関係か説明していただきたいですわ!!」
「そうだぞ!まさか、付き合っているなんてことはないだろうな!?」
疎外感を感じたのか、箒とセシリアは多少棘のある声で聞いてきた。
他のクラスメイトも、興味津々といわんばかりに頷いていた。
「べ・・・別に付き合ってるわけじゃ」
「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ?ただの幼馴染だよ」
「幼馴染・・・?」
怪訝そうな声で聞き返してきたのは箒だった。
「あ~・・・えっとだな。箒が小四の終わりに引っ越しただろう?鈴は小五の頭に引っ越していて、中二の終わりに国に帰ったんだ」
ちょうど入れ違いで引っ越した為に、面識がなかったな。
「で、こっちが箒だ」
「ふーん・・・そうなんだ・・・」
鈴がじろじろと箒を見る。
箒も負けずに鈴を見返していた。
「初めまして。これからもよろしくね!」
「篠ノ之 箒だ。こちらこそよろしくな」
そう言って挨拶を交わすふたりの間で、なぜか火花が散ったように見えた。
(これは、嵐の予感ですかね・・・サーちゃん)
(多分、そうでしょう・・・フレア姉さん)
フレアとサーはふたりから何かを感じたらしい。
「ンンンッ!私の存在を忘れては困りますわ・・・中国代表候補生、凰 鈴音さん」
「・・・・・・誰?」
「な・・・!イギリス代表候補生のこのわたくしをまさか、ご存じないの!?」
「うん。あたし、他国とか興味ないし」
「なっ、なっ、何ですって・・・!!」
言葉に詰まりながらも怒りで顔を赤くしていくセシリア。
「い・・・言っておきますけど!わたくしは・・・あなたのような方には負けませんわ!」
「あっそ、でも戦ったらあたしが勝つよ。悪いけどあたしの方が強いもん」
ふふんといった調子の鈴。
こいつは相変わらず、妙に確信じみているし、しかも嫌味ではない言い方をする。
素で自分の強さを口に出すから、必要以上に敵を多く作ってしまう。
「そんなことより。ねえ、一夏」
「ん?」
「あんた、クラス代表なんだって?ISの操縦、あたしが見てあげてもいいけど?も・・・勿論、一夏さえ良ければだけどさ・・・」
「鈴が?」
操縦に関してはフレアとサーに大体教わっているから、問題はないけど・・・
問題なのは、副作用だよな・・・
あれさえなければ、普通に白騎士を使うことが出来るんだけどな・・・
「あー・・・」
テーブルを勢いよく叩き、箒とセシリアがその勢いのまま立ち上がった。
「一夏に教えるのは、私の役目だ!」
「あなたは二組でしょう!?敵の施しは受けませんわ!!」
はぁ!?お前ら何を言ってんるんだ?
お前らから教わることなど、殆どないぞ?
「あたしは一夏に言ってんの。関係ない人たちは引っ込んでてよ」
「一組の代表ですから。一組の人間が教えるのは当然の事ですわ!」
「・・・お前ら何を勘違いしている?」
俺はトレイ片付けると同時にあることを話した。
「鈴すまないが・・・あと少ししたらクラス対抗戦があるから諦めてくれ」
「うっ・・・確かにそうね」
鈴もどうやら分かってもらえたようだ。
「箒、セシリアにはハッキリと言っとくぞ?お前達から教わることは殆どないぞ?」
「「は!?」」
俺の言葉にハモるふたり。
「どう言うことだ!!一夏!!」
「一夏さん!それは・・・」
「真実だろ?お前達は俺に負けているんだぞ?」
「「うっ・・・」」
箒はIS勝負ではないが剣道での勝負は勝っている。
セシリアは、クラス代表戦だけだけど、一応勝っている。
さらにこのふたりよりもISのことをわかっているAIがふたりもいるのだから、実際のところ教えてもらう必要がない。
「そんじゃ、先に失礼するぜ」
俺はトレイを片付けて食堂を後にした。