インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第29話

「HRは以上だ!今日は二組と合同で模擬戦闘を行う!!すぐに着替えて第二グラウンドに集合!」

 

ぱんぱんと手を叩いて千冬姉が行動を促す。

 

(マスター、裏が取れましたがどうします?)

 

(後で見るから第二グラウンドまでのルートを出してくれるか?)

 

(了解です)

 

このままクラスにいると女子と一緒に着替えなければいけなくなるので、俺は急いで第二アリーナに移動しなければいけない。

 

「織斑!!デュノアの面倒を見てやれ!同じ男子だろう!」

 

「あ・・・はい!」

 

まあ、そうなるよな。

 

「織斑くんだよね?よろしく、僕は・・・」

 

「話はあとだ!急ぐぞ」

 

説明と同時に行動に移し、俺はシャルルの手を取りそのまま教室を出た。

 

(ん?この()()()・・・)

 

この時、俺は確信した。

 

「いたああああああ!!」

 

「転校生発見!!」

 

ちょうど、HRが終わったのだ。

早速学年各クラスから情報の先取りのために尖兵が駆け出して来たのだ。

 

(一度戻って、右の窓から出て下さい)

 

(了解だ)

 

フレアの指示に従い、尖兵から逃げる。

 

 

 

 

ともあれ、第二アリーナに到着する。

 

「おっと、時間もやばいな・・・」

 

時間を見ると結構危なかった。

 

「なあ、シャルル・・・」

 

「ん?なに?」

 

俺は着替えながらあることを尋ねる。

 

「シャルルは男だよな?」

 

「っ・・・い、いきなり何のことかな・・・」

 

「・・・いや、すまないな。気にしないでくれ」

 

「う、うん」

 

着替え俺達は第二グラウンドに出る。

 

「本日から格闘。・・・および、射撃を含む実戦訓練を開始する」

 

セシリアがなぜか俺を睨んでくる。

 

「ん?何だよセシリア」

 

「一夏さん・・・。ちょっとよろしいかしら?」

 

ちなみに、隣はセシリアだった。

 

「あの・・・先程・・・その。ボーデヴィッヒさんとは・・・どのようなご関係ですの?」

 

ああ、あれか・・・どちらかと言うと、千冬姉の関係なんなんだけどな・・・

 

「なになに、何の話?混ぜなさいよ」

 

後ろから鈴が割り込んで来たのだ。

ちなみに一組の後ろに二組が並んでいるのだ。

 

「今日来た転校生の女子にはたかれそうになられましたの」

 

「はぁ!?アンタまた馬鹿なことをやらかしたんじゃ・・・」

 

「おいそこ・・・授業中に随分楽しそうな話をしてるじゃないか・・・」

 

「「あ」」

 

蒼天の下で今日もまた出席簿アタックが響くのだった。

 

 

 

 

「くぅ・・・!何かにつけて人の頭を・・・」

 

「ううう・・・一夏のせい、一夏のせい・・・!」

 

「俺のせいかよ!」

 

叩かれた場所が痛むのか、セシリアと鈴はちょっと涙目になりながら頭を押さえていた。

 

「今日は専用機持ちに戦闘を実演してもらう。鳳!オルコット!前に出ろ」

 

「「な、何で、アタシ達が・・・!」」

 

「専用機持ちはすぐに始められるからだ」

 

「「ぐぬぬぬ・・・」」

 

諦めろ。

千冬姉には大体理屈は通用しない。

 

「それで相手は鈴さんとですか?」

 

「返り討ちにしてやるわよ」

 

「慌てるなバカども、対戦相手は・・・」

 

キィィィン・・・。

 

「・・・ん?何の音だ?」

 

(親方!空から女の子が!)

 

上を見ると山田先生が物凄いスピードで落ちて来ていた。

 

「あ、ああ、あああーー!!どいてください~~~~っ!!!」

 

え?なに、俺?ーーーって、うわ!?

 

ドカーン!

 

「一夏ッ!!」

 

「一夏さん!!」

 

「呼んだか?」

 

声がする方を振り向くと、ISを装備した山田先生をお姫様だっこで抱えた一夏がいた。

しかも、一夏はISすら展開していないのだ。

 

「あ・・・あのう織斑くん・・・。その・・・困ります・・・。こんな場所で・・・その・・・」

 

まあ、一度は憧れるお姫様だっこをこんな所でやってしまえば、誰だって恥ずかしいよな。

 

「いえ!場所だけではなく、私と織斑くんは教師と生徒で・・・。あ、でも織斑先生がお義姉さんというのはとても魅力的なーー」

 

結婚前提で話を進めないでくださいよ・・・山田先生。

 

「!?」

 

身の危険を感じ、俺は右に体をずらす。

刹那、先ほどまで俺の頭があった場所をレーザー光が貫いた。

 

「ホホホホホホ・・・。残念、外してしまいましたわ・・・」

 

セシリアの顔は笑っているが目が笑っていなかった。

 

「一夏ああああああ!!いつまでやってるつもりなのよ!!」

 

鈴は躊躇なく《双天牙月(そうてんがげつ)》を投げて来る。

 

「ちょ!!待て鈴!!」

 

両腕は塞がっている上に、ISすら展開していない状態でそれをやられては避けられない。

 

「はっ!」

 

ドンッドンッ!

 

短く二発の火薬銃の音が響いた。

弾丸は的確に《双天牙月(そうてんがげつ)》を当て、その軌道を変えた。

 

「え・・・。山田・・・先生・・・?」

 

キンッキンッと地面に薬莢が跳ねる音を聞きながら、山田先生を見る。

 

「さすが元代表候補生だな」

 

「昔のことですよ。候補生止まりでしたし・・・」

 

候補生止まりと言っても、当時は千冬姉を基準点にしていればそうなるよな・・・。

 

「これから山田先生対鳳・オルコット二名の模擬戦闘を行う」

 

そして、役者が揃った。

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