「一夏くんはどこにいるのかしら?」
IS学園の屋上で、楯無はISを展開し、エンペラーに問いかける。
エンペラーは、楯無たちの反応が楽しくて仕方ないといった様子で、さらに笑みを濃くした。
「うふふ、もちろんここに居りますわよ・・・・・・」
踊るようにステップを踏むエンペラーは、地面に円を描くように、くるっと回る。
「 わ た く し の 中 で す け ど ね 」
放たれる気は異常だった。
楯無はこの殺気は知っていた。
始めて赤騎士に会った時に感じた殺気と全く同じだった。
エンペラーはくすくす笑いながら歩み寄って来る。
そして、優雅な仕草で髪をかき上げる。
全員それを見て、眉をひそめる。
明らかに、異常だった。
無機的な金色に、数字と針。
そうーーーエンペラーの左目は、時計そのものだったのだ。
「何ですかあれは―――」
「ふふ、これはわたくしの『時間』ですの。SEーーー活動時間と言い換えても構いませんわ」
言いながら、エンペラーがその場でくるりとターンする。
「わたくしの
「な・・・・・・っ」
エンペラーの言葉に、専用機持ちは戦慄した。
すぐさまに確認するとSEが少しづつ削らていた。
「さて、お話はここまでにしましょう」
エンペラーは右腕を前に伸ばす。
「展開・・・」
エンペラーは光に包まれ、黄騎士を展開する。
それを見た専用機持ちもISを展開する。
「うふふ、ふふ。ああ、ああ、怖いですわ。恐ろしいですわ。こんなにもか弱いわたくしを相手に、こんな多勢で襲いかかろうだなんて」
微塵もそんなことは思っていない様子で、またも楽しげにくるりと身体を回転させた。
「でも、わたくしも今日は本気ですの。---ねえ、そうでしょう?
「えーーー?」
奇妙な物言いに眉をひそめる。
ーーーだが、次の瞬間。
『な・・・・・・っ!?』
セシリアと、鈴と、シャルロットと、ラウラと、楯無。
5人の声が被った。
しかしそれも当然だ。
屋上を覆い尽くしたエンペラーの影。
その中から、幾本もの白い手が一斉に顔をだしたのだから。
しかも、それだけではない。
「なに・・・よ、あれ・・・っ!!」
思わず、のどを絞って叫び上げてしまう。
だがそれも当然だ。
何しろ、這い上がって来た白い手たちはーーー
全員が、『エンペラー』だったのだから。
広い屋上を埋め尽くさんばかりに、何人も、何人も。
黄騎士を纏ったエンペラーが、影の中から這い出てきた。
「くすくす」 「あら、あら」 「うふふ」 「あらあらあら」 「驚きまして?」 「楯無さん」 「さあ、どうしますのォ?」 「あはははははッ」 「いひひひ」 「美味しそうですわねえ」 「さあ、さあ」 「遊びましょう?」 「いかがして?」 「ふふっ」 「ひひひ」 「ふふふふふふ」 「どうしましたの?」
無数のエンペラーが、思い思いの笑いを、声を発する。