インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第40話

「返してよ!!私のこの気持ちを!!」

 

「…………」

 

彼は何も言わない。

彼女は涙を流す。

 

「織斑くんのことなんて……」

 

言おうとした時、彼女は彼に抱かれた。

その直後、大きな爆発が起こった。

 

「フレア、サー、エンペラー……簪のことを……」

 

鼓動が徐々に小さくなる。

 

「頼む……」

 

彼は笑顔で微笑み、ブレスレットを投げる。

 

『『『お兄ちゃん!!(一夏!!)(一夏さん!!)』』』

 

彼はそのまま、海へと落ちた。

 

 

◇

 

 

数十分前……

 

時刻は十一時半。

砂浜には俺と簪さんが出撃の準備に入っていた。

 

『織斑、更識、聞こえるか?』

 

ISのオープン・チャンネルから千冬姉の声が聞こえる。

 

『今回の作戦は一撃必殺だ。短時間で決着をつけろ』

 

「了解です」

 

作戦開始の時刻になり、俺は簪を抱える。

今回のモードは白騎士で、簪を抱えて現地に運ぶのが俺の役目だ。

もし、失敗してもいいように戦闘には参加せず【最後の剣】を発動させるための、エネルギーを残すためだ。

そして、俺は福音が来る方向に飛ぶ。

 

「暫時衛星リンク……情報照合完了。―――簪、一気に行くぞ!」

 

「…………」

 

簪はこくとうなずくだけだった。

そして、〈雪片弐型〉を展開する。

 

(見えた!!)

 

ハイパーセンサーが『銀の福音』を捉える。

『銀の福音』はその名に相応しく全身が銀色の全身装甲だった。

 

「行け!!簪!!」

 

一気に加速し、福音との距離を縮める。

そして、光の刃が福音に触れる瞬間。

 

「なっ!?」

 

福音はそれを避けたのだ。

 

「敵機確認。迎撃モードに移行。《銀の鈴》、機動」

 

反撃に入る前に決着をつけたかが、福音の方が一歩はやかった。

俺は〈鏖殺公〉を取り出し、【最後の剣】を発動させる分だけのエネルギーを残しつつ、迎撃にあたる。

だが、簪は違った。

 

「簪!?どうした!!」

 

簪はそこから一歩も動かず、ただ下を見ているだけだった。

 

「…………」

 

だが、簪が何かを言っていた。

 

「夜刀神……十香」

 

それは、俺が女性化した時に使っている名前だった。

 

「そうなんでしょ…………織斑くん。あなたが夜刀神十香なんでしょ……」

 

ここに来て、簪は関係のない話をしてくる。

 

「どうしてよ……どうしてなのよ…………」

 

簪は涙を流してした。

 

「どうして……織斑くんが十香さんなのよっ!!」

 

その時、その意味が分かってしまった。

あの時、アイザックの話を聞いていたの簪だと。

 

「返してよ!!私のこの気持ちを!!」

 

簪が持っていた〈雪片弐型〉は光の粒子となり消えた。

 

(今のは、具現維持限界!! まずい―――!!)

 

具現維持限界が起こってしまった。

そして今は、実戦。

 

「織斑くんのことなんて……」

 

簪が言い切ろうとした時、福音が一斉射撃モードに入っていた。

 

(間に合ってくれ!!)

 

スローモーションの世界で、俺は光弾が放たれるのを確実に捉え、そして次の瞬間なは福音と簪の間に割は入っていた。

 

「ぐああああああっ!!」

 

簪をかばうように抱きしめた瞬間、光弾が一斉に背中に降り注いだ。

 

「フレア、サー、エンペラー……」

 

絶対防御を貫通し、背中は焼けていた。

 

「簪を……頼んだ」

 

ISは解除されると同時に簪を突き飛ばす。

そして、大きな水音を立てて、落ちた。

 

「どうして……」

 

簪の手元には一夏のISの待機状態のブレスレットがあった。

 

 

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