インフィニット・ストラトス ~紅の騎士~   作:ぬっく~

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第42話

「今いくから……」

 

旅館から出現したISは、導かられる様にとある方向へと向かっていた。

あの時、掴めなかった手を今度こそ掴むために。

 

「もっと早く」

 

『了解です』

 

さらに、速度を上げる。

その速度は第三世代の限界速度を遥かに通り越していた。

 

「これが……第四世代」

 

第四世代。

装備の換装無しでの全領域・全局面展開運用能力の獲得を目指した世代。

これを作ることのできる人物は世界に2人しかいない。

篠ノ之束とファイ・D・フローライトの2人しかいないのだ。

なんの因果があって、私のもとにこれがあったのかは、わからないけど……

きっと、これは神様がくれたチャンスなんだろうと私は思った。

 

『到着しました』

 

「ここに……」

 

辺り一面海の上で停止する。

その時、一夏のISが何かに共鳴し始めた。

そして、光の粒子となって海へと落ちていった。

 

『王の目覚めです』

 

海に落ちた光の粒子は徐々に大きくなっていく。

そして、その光の球体の中心に彼はいた。

 

「織斑……くん」

 

彼の周りに7本の剣があった。

 

『素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公』

 

『降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ』

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

『繰り返すつどに五度』

 

『ただ、満たされる刻を破却する――――告げる』

 

『汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に』

 

『聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ誓いを此処に』

 

『我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者』

 

『『『『『『『汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!!!!!!!』』』』』』』』

 

7本の剣は人の姿になり、何かを唱えていた。

そして、唱え終えると一夏のに吸い込まれていった。

 

「ああ……行こう。みんな!!」

 

そして、光の球体は弾き飛び、炎が一夏の元へと集まっていた。

 

神威霊装・五番(エロヒム・ギボール)……『フレア』!!」

 

『はい!!』

 

炎の中から出て来たのは、『赤騎士』だった。

 

「ただいま……簪」

 

「お帰り……一夏」

 

簪は涙を流しながら、一夏に抱き着く。

 

「ごめんなさい……本当に」

 

「いいんだ……俺こそ、騙して」

 

『『『『『『『『『ブラックコーヒーが飲みたいな……』』』』』』』』』

 

入る余地すらないくらい、熱々の2人を見守る騎士たちだった。

 

 

 

 

旅館では、専用機持ちを集められていた。

 

「現在、正体不明のISが5機、出現した」

 

旅館と海上と計5機の正体不明のISが出現したことにより、緊急招集が発令されたのだ。

 

「現在、それらは4機の現れた場所で停滞している」

 

「織斑先生、まだ簪さんが来ていません」

 

「ああ。今、山田先生が呼びに……」

 

「た、大変です!!」

 

「どうした!」

 

簪を呼びに行っていた山田先生は慌てて帰って来たのだ。

 

「更識さんがいません!」

 

「なに!? まさか!!」

 

更識簪の消失、正体不明のISの出現。

もしそうなら、納得のいく答えだった。

 

「凰、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、今からこの5機にいる所に迎え」

 

「どういうことですか!?」

 

今一、状況ができていなかったのだろか、全員首を傾げていた。

 

「可能性だが、この5機の元には織斑と更識がいる可能性がある」

 

「!!」

 

「よって、直ちに迎え!」

 

「はっ!!」

 

全員、威勢よく答え、出撃の準備に入る。

 

 

 

 

「簪のISってこんな感じだったけ?」

 

「うんん。これは私の新しいIS。第四世代、『折紙』」

 

『どうも』

 

簪のISは『打鉄弐式』ではなく、別のものだった。

身体の線に沿ったように纏わり付いたドレスのようなフレーム。

満開の花のように大きく広がったスカート状のアーマ。

そして、頭部を囲うように浮遊したリングから伸びた、光のベール。

それら全てが、純白で構成された機体だったのだ。

 

『「銀の福音」の居場所は特定しています。そちらに向かいましょう』

 

「ああ、そうだな」

 

「うん」

 

2人は手を繋ぎ、今度は絶対に離さないように。

 

「フレア!!」

 

「折紙!!」

 

『『最大出力で行きますよ!!』』

 

赤と白のISは福音のいる方向を目指した。

 

 

 

 

「織斑先生!! 大変です!!」

 

「今度はなんだ!?」

 

「目標が動きました!!」

 

「なに!?」

 

二つの光は猛スピードで、海を渡っていた。

 

「ただちに伝えろ。 目標が移動を開始したと」

 

「は、はい!」

 

(あいつらは一体なにを考えているのだ)

 

ただ一人、こんな状況の中、織斑千冬は2人の事を考えていた。

こんな速度を出すことができる機体を作ることが出来るのはあいつらしかいなかったのだ。

 

「王の誕生……」

 

昔、紅葉から聞いた話を思い返していた。

 

 

 

 

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