あっけなく腰が治ったので投稿しまくるぜ!!
いよいよやってきた学園祭当日は生徒たちの弾けっぷりは開始の花火に匹敵するぐらいにテンションが高かった。
「うそ!? 一組であの織斑くんの接客が受けられるの!?」
「しかもメイド!」
「それだけじゃなくてゲームもあるらしいわよ!」
「しかも勝ったら写真を撮ってくれるんだって! ツーショットよ、ツーショット! これは行かない手はないわね!」
というわけで一年一組の『メイドカフェ☆AIESU』は大繁盛で、朝から大忙しだった。
というより、俺目当てで来る客が多かったが、他のメンツはわりと普通に楽しそうにしている。
「……なかなか大盛況ではないかね? プリンセス」
開場からどれぐらい経った頃だっただろうか、後方から、俺目当てで来た客とは別の視線を感じる。
そしてその声にも聞き覚えがあった。〈DEM社〉の
「アイザック……っ!」
「そう殺気を立てるのではないよ……うちのエレンが間違って抜いてしまう」
「……っ」
狭い空間、大勢の人の前で戦闘を行なえば死者がでる。立場的にこちら側が不利だった。
「お待たせしました。ギャラクシーフルーツパフェです」
当店の裏メニューの1つ。規格外のパフェを持って来た生徒によって空気が一気に変わった。
「はい。それは私です」
「あんたか!」
頼んだのはエレンだったようだ。
俺は思わず突っ込んでしまう。
一部の人しかしらない一個1000円で食える破格条件の当店のパフェを頼んでいたのに。
「それで、お前らの目的はなんだ?」
「目的かね? なに、ただの遊びに来たのだよ」
「…………」
臨海学校に襲撃しておいて、堂々とこのIS学園に顔を出して来たのだ。
「立ち話もなんだ。座ったらどうかね?」
アイザックに勧められ、俺はそのテーブルの席に座る。
「遊びにだと? あんたがか?」
「何か可笑しいかね?」
「いいや、むしろ、意外だ」
DEM社のトップが庶民の店に現れる。普通ではありえないことだ。
それからは、軽い世間話が始まった。
時間にして15分。
ちょうど、エレンがパフェを食べ終えた時だった。
「まあいい。次で会う時は……」
「そうだな。次に会うのは……」
そして、一夏とアイザックは、声を揃えて言う。
「「戦場だ」」
そして、金を払ってその場を去っていった。
◇
「楽しそうなことをしているね。彼」
「流石はいっくんだね」
一組が見える屋上では二人の女性が見ていた。
ファイと束である。
屋上は天命祭が終わるまで立ち入り禁止なため、彼女らしかいない。
「この先、面白いことが起こるな」
「そうじゃなくちゃ、面白くないでしょ?」
ふふふと笑うファイは買って来たたこ焼きを食いながら地上を眺めていると、一人の女性に目が止まった。
(あいつは……)
その女性はファイにとって今の一夏に関わってほしくない人物の一人だった。
「…………」
「どうしたの?」
「いや、何でもないよ」
「そう……」
今の私では一夏に出会うことが出来ない。この問題は彼女らに任せるしかない。例えそうしたとしても、歴史は変わらないかもしれない。
「例え世界の理から外れても」
その言葉は誰にも聞かれる事無かった。
◇
「ちょっといいですか?」
「はい?」
休憩のため廊下に出てすぐのことだった。
階段の踊り場でふと、声をかけられた。
「失礼しました。私、こういうものでして」
スーツの女性は手早く名刺を取り出して渡してくる。
「えーと……IS装備開発企業『みつるぎ』渉外担当・巻紙礼子……さん?」
その人はふわりとしたロングヘアーがよく似合う、美人の女性だった。
声をかけてきてからずっとにこにこと笑みを浮かべている。
ざっくり言えば、『企業の人間』って感じだ。
「はい。織斑さんにぜひ我が社の装備を使っていただけないかなと思いまして」
(ああ……、またこういう話か……)
騎士のことは政府に報告していない為、俺の専用機は白式・倉持技研ってことになっている。
その為、白式の装備提供を名乗り出て来る企業は後を絶たない。
倉持技研では未だに白式の追加武装ができていないということで、各国の企業が山のようにお誘いがくる。
しかし、七騎士はオールマイティ。
状況に合わせて戦い方が替えられるので武装すらいらない。
「すみませんが、そういうのは学園側に許可を取ってもらってからお願いします」
「そう言わずに!」
スーツの女性こと巻紙さんは見た目と裏腹にえらくアグレッシブな交渉をしてくる。
「すみません。待たせている人がいるので、これで!」
「あっ!」
隙をついて、俺は巻紙さんから逃れてダッシュする。
(第三アリーナは……)
慌てながら、待ち合わせの場所に急いだ。
◇
第三アリーナでは、ある女性のライブが執り行われていた。
8月の上旬から現れ、あっという間にトップアイドルの座に座った女性。
誘宵美九の特別ライブだ。
普通ならこんなことはやらないのだが、裏で楯無が招待したのだ。
事務所側も文句の一言も言わずにOKをだし、設備等の会場は更識がバックに付いていた。
そんなライブは大盛況。
美九のライブが終わり、生徒のバンドが行なわれる。
ずっと俺のターンは流石に無理があるので、休憩を挟みながら生徒の演奏も行っている。
「お疲れ様」
「あっ! だーりん。来て下さったのですね」
「おう」
関係者以外立ち入り禁止の裏方で俺は美九にスポーツドリンクを渡す。
前もって言ってあるので、裏方にはすんなりと入れる。
「そろそろ、生徒の演奏が終わるな」
「そうですね。後でクラスの方に行きます」
「ああ、VIP席を用意して待っているよ」
「はい!」
軽く言葉を交わして、裏方を後にした。
目的を果たしてクラスに戻ると以外な人物がいた。
「やっと戻ってきた!」
「何をやっているんですか? 楯無さん」
「メイドさんだよ」
「見れば分かります」
何故かうちのクラスのメイド服を着た楯無さんがいたのだ。
「冗談は置いておいて、生徒会の出し物に参加してもらおうと思ってね」
「拒否権は?」
「ない」
俺はすぐさまにあるコマンドを連打する。
職場放棄人間が現れた。
コマンド
→逃げる
逃げる
逃げる
「逃がすと思いまし?」
「ちょっ!? エンペラー!?」
「エンペラーちゃん、そのまま、第四アリーナに直行よ」
最近見ないと思っていたが、いつの間にか楯無さんと仲良くなっていた。
結局、抵抗の余地もなく、影で第四アリーナまでワープされてしまった。
「さて、これで一つ目はクリアっと……」
「あのー、先輩? 一夏を連れて行かれると、ちょっと困るんですけど……」
クラスに取り残されたシャルロットは一夏が攫われたことにより、困惑していた。
「シャルロットちゃん、あなたも来なさい」
「ふえ!?」
「おねーさんがきれーなドレスを着させてあげるわよ~?」
「ど、ドレス……」
女の子の憧れの一つであるドレスにシャルロットは、
「行きます!」
陥落する。
「ん~。素直で可愛い! じゃあ、箒ちゃんとセシリアちゃんとラウラちゃんもゴーね」
「「「はっ!?」」」
聞き耳を立てて様子を伺っていたらしい三人は、楯無の言葉に同時に驚きの声を上げる。
「全員、ドレスを着させてあげるから」
「そ、それなら……」
「まあ、付き合っても……」
「ふ、ふん。仕方がないな……」
あっけなく陥落した。
「ちなみに、生徒会の出し物はなんですか?」
「ふふん」
ばっと毎度お馴染みの扇子を開く楯無さん。そこには『追撃』の二文字。
「観客参加型演劇、シンデレラよ」