臆病者が行くIS学園   作:灰人

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12話 ヘタレ帰る

取り敢えず今の時間を確認するために携帯を開く。時刻は8時を過ぎたって感じか……どうしようか。

ついでに、この足で受付まで行って外出届けを貰っておこう。うんそれがいい。

 

「いざ受付」

 

ちょっとした冗談を呟き、早足で受付へと向かう。お家に帰れるぜぇヒャッホーヒーハーヒャッハッハー。きもちの悪い韻(いん)を踏みつつ、目的地までダッシュ。

今俺は風になっている(キリッ

 

「家に帰るーかっえっるぞー」

 

俺の心はもう家に帰ってる気分だぜえぇぇぇぇ。もう早くベッドにダイブしたい気分だぜぇえぇぇ。

色々したいことが一杯あるぜえぇぇぇぇぇぇ。

 

「あの……安部君」

 

「なんだぜえぇぇぇぇ――はっ、誰だ!」

 

……取り敢えず声のする方を向くと、パツキンの男の娘さんがいた。一瞬だけ嫌な気分になるが、クールに対応して、顔に出さように頑張った。

 

「……なんですか? えーとデュノア…さん、でしたっけ?」

 

「僕は男だよ! もういい知らない!」

 

ハア? 意味わかんね。何勝手にキレてんだ。まあ所詮彼とは友達になれないのだろう。まあこっちから願い下げだけど。でも何か腹が立つので、腕を掴み逃げられないようにする。

 

「ごめんって、冗談冗談マイケルジョーダン」

 

「全く誠意が篭ってないうえにギャグが寒いよ!」

 

「……なんでそんなに怒ってんの? 意味分かんないんだけど……」

 

「だって君が! 何回も女女って言うから……とにかく! 僕は男なんだよ!」

 

「そうやって何回も否定してるから、女って言われるんじゃね? てか一々そんなことでキレんなよ。バカじゃねえの? ――ああ構って欲しいから、そんな事言うんですね分かります。かまってちゃんだなーどうしようもないくらいに」

 

「……そ、そこまで言わなくても良いじゃないか! バカー!」

 

「うるさっあーうん分かった分かった。俺忙しいから構って欲しいなら一夏んとこ行け。俺のところに来るな迷惑なんだよ」

 

――バチン! ……ビンタされました。なんで殴られなきゃいけないんだ。もういいや……こんな奴と話してても時間の無駄だ。無視しよ。俺はかまってちゃんを無視して受付へと向かった。

 

後ろから何か聞こえて来たような気がするが、まあ無視した。

 

〇〇〇

 

「門限は5時までとなっていますので注意してください」

 

「分かりました」

 

受付のお姉さんから外出許可証的な物を受け取り、胸ポケットにしまう。やっべオラわくわくすっぞ!

みたいな感じ。早く家に帰りたい。ちょっとだけでも良いから、こんな学校とオサラバしたいぜ。

準備は整った、後は姉さんを呼びに行くだけだ。

 

と言っても姉さんがどこにいるかなんて分からないので、一旦部屋に戻ることにした。もしかしたら居るかもしれないし……。

 

「なんか行ったり来たり忙しいな……」

 

今思ったことだけどさ……気分的にはもう学校一周してきような感覚なんだよ。しかも寮は違うところだし……あー忙しい忙しい! でも家に帰るためなら、俺は何だってするぜ!

 

走りながらニヤニヤしている俺を見て、皆気味悪がっているが仕方がない。俺はなァ、テメェ等と一旦とオサラバするんだよー! こんなに嬉しい事はない! ゲバファゲブファゲブファ。

 

そんなことを考えていたら寮が見えてきた。よっしゃ! スパートかけるでえぇぇぇ。

俺は陸上選手宜しく、クラウチィングスタート――――らしき構えをとり、走り出した。実際こんな構えなんて意味はないんだけど。

 

でも気持ちの問題なのか分からないが、若干体感速度が違うような気がした。人間心の持ちよう……ってことさね。

 

寮の入口を潜り、更に階段を駆け上がり、何かもう風になったような気分になって、自分の部屋へとたどり着く。

 

取り敢えずドアノブを捻り、部屋へとゴールイン。

 

「ただいま帰りましたっ!」

 

――――とは言ったものの誰も部屋にはいない。まあ何となく……というか、ぶっちゃけ予想はしていたので、姉さんが帰ってくるのを待っておこうか……なんていう事を考えていると、扉が開いた。

 

「ごめーん。待った?」

 

「俺も今きましたから、全然待ってませんよ」

 

なんていう会話をしながら、校門まで向かっていく。

 

服装について聞かせてください? え……そんな事言われても困るんですけど……俺唯のPAMAのスェットだし……え? お前じゃない、その隣の綺麗なお姉さんの方だ? ええーそんな……俺服とか分からないんですけど……まあ一言でいうなら、何時もスーツビシッと決めてるけど、オフの時はすごい可愛い。

 

以上説明でしたっ!

 

「なにジロジロ見てるの?」

 

「あ、いや、何時もは格好いいけど、休みの日は可愛いんだなって」

 

しどろもどろになりつつも答えてそのまま歩き出す。姉さんは何時ものように柔和な顔をしている。正に

日常! 俺の愛した日常!

 

漸く校門が見えてきはじめた。ここを潜ると制限つきだが俺は自由になれる。

 

「じゃあここからは俺に着いてきて欲しいのですが……」

 

「そうだね。付いていかないと分からないし」

 

そりゃごもっとも……正論で返されてしまったので、言葉に詰まってしまう。話題を探さなければ。

俺が話題を見つけようと四苦八苦していると、姉さんが口を開いた。

 

「昨日の今日で悪いんだけどさ……イジメ大丈夫?」

 

「……まあ大丈夫ですよ。自分がまいた種なんで、俺なりに解決させるつもりです」

 

そう言ったものの、正味アイツ等とは会いたくないし喋りたくもない。虚勢を貼るのが精一杯。

ここで辛いって言ったら、事態は変わるのかもしれないが…………悲しいかな、俺の下らないプライドが邪魔して『辛い』って言えない。

 

「大丈夫ですよ〜俺達何だかんだで姉弟っぽくなってますが、所詮はおままごとじゃないですか。だから更識さんも『姉』って言う役に成りきらなくて良いんですよ?」

 

俺は安心させる為に言ってみたんだが、何故か姉さんは怒ったような顔をしていた。

 

「……君は本当にそんな事思ってたの?」

 

「あ、いや俺は―――――」

 

言おうとしたら火花が散った。吹っ飛んだのか分からないが、地面をゴロゴロと転がり何処か知らないが壁? に激突してようやく止まった。

 

多分殴られたんだろうなあって気づくいたのは、何秒と掛からなかった。ただ俺の言葉が姉さんを傷つけたのか、怒らせたのかは分からなかった。

 

「…………痛てえ……」

 

最近殴られてばかりだったが、今回はガンジーも裸足で逃げ出すレベルくらいに痛かった。よく気絶しなかったと自分を褒めてやりたいぐらいだ。

 

「……俺何か変な事言いました?」

 

「分からなかったら良いよ。何となくやっただけだから」

 

んな理不尽な……俺は殴られた場所をさすりながら、家路へと向かった。

 

〇〇〇

 

やっとたどり着いた……ただいま。と言うにはまだ早いので、俺はドアを開けた。

 

「ただいま帰りました」

 

姉さん無言。でいつものように柔和な顔をしている。別に怒っては無さそうだった。

 

俺は靴を脱ぎ、姉さんにスリッパを履くように差し出し、二人でリビングへと向かった。

心無しか玄関にある靴が多かったのは気のせいだろう。別に妹の友達がどんちゃん騒ぎしてる、みたいな事は無いのだろう。そう信じたい。

 

「……あら、帰ってきたのね」

 

「休みだしね。別に家が恋しくなったとかじゃないから」

 

母さんは特に驚いた様子もなく、俺と姉さんを見る。まあ俺個人の見方だから、本当は凄い驚いてるのかもしれないけどね。

 

「母さん。この人学校の先輩。何時もお世話になってるから、呼んでみたんだけど……」

 

「更識楯無と申します」

 

取り敢えず自己紹介を終えたあと、俺は姉さんを椅子に座るように促し、俺も丁度母さんと対面になるように座った。

 

「学校は大丈夫? ちゃんとやっていけてる?」

 

「全然大丈夫だよ。母さんが心配することは無いよ」

 

「そう言ってもねぇ…………アンタは何時も大事なことを隠してから、心配なのよ? アンタの性格もお父さんに似てるし、すぐ厄介事を招いたりするから」

 

うぐっ…………母さんのおっしゃる通りでございまする。とは言えないし……心配かけさせたくないしで…………う〜ん、困ったもんだ。

 

「だ、大丈夫だよ。俺の心配より自分の心配しなきゃ……もうすぐなんでしょ? 出産」

 

「それもそうなんだけどねぇ。でも私は貴方を息子だから心配してるの。息子の心配をしない親なんてどこにいるの? アンタがIS学園に入学してそんなに経って無いのに、こうやってすぐ帰ってきたりするから、心配かけさせるんでしょう? そこらへん分かってくれてる?」

 

「し、仕方ないじゃん。周りは女子ばかりで、すごい疲れるのに……それにイジメもあったりするん――――――あ!?」

 

やっべ! 口が滑ってしまった! やべーやべー母さんの顔がドンドン怖くなっていく……姉さんに助けを求めるために、目を合わせようとするが、目を逸らされてしまう……やべえ、詰んだ……。

 

「アンタまたイジメられてんのかい? はあ……どうしようもないねえ本当に……まあ、アンタらしいっちゃらしいけどね……ごめんなさいねえ更識さん。何時も息子が迷惑かけて」

 

「お気になさらず。私も双真君には手を焼いているので……」

 

そんな会話をしていると、母さんはこっちをむいて、

 

「アンタはちょっと席を外しな。彼女からすこ〜〜〜〜〜〜しばかり、アンタの生活態度を聞くから」

 

ひえええええええええええ。俺のスクールライフが白日の下に晒されてしまう! やべえマジで怒られる!

 

「ち、ちょっと母「良いから行きな!」はい!」

 

母さんの気迫に飲み込まれ、反射的に返事をしてしまう。

仕方がないので俺はリビングから出ていき、自分の部屋へと向かうために二階へと上がっていく。

階段を上がり、全く変わった様子がない我が家を見てちょっと安心した後、目的地である自部屋の扉を開けた。

 

久しぶりの部屋の感想は、めっちゃ汚い。も〜半端なく汚い。よくこんなところで生活できたな俺……マジで。

 

服とか漫画とかゲームとかが散乱していて目も当てられない…………仕方がない片付けるか。

取り敢えず足下に散らばってる漫画を本棚に戻し、ゲームもどこか適当なところへ置く。

 

「……やべぇAVとかどないしょ……」

 

ここに来てラスボス現る。AVはエロゲー・エロ本・官能小説・同人誌――――所謂エロ四天王を束ねる、究極のエロである。思春期真っ盛りの少年がAVにどれだけの期待を寄せ、ゲ〇やTUTA〇Aとかに足を運ぶのは言うまでも無い。

 

もちろん俺はAVを始め四天王を全て網羅している。ここに友達がいたら俺はドヤ顔しているんだろうが、生憎この部屋には俺しかいない。

 

「取り敢えずエロ系はまとめてどこか放り投げてこう」

 

DVDとかはちゃんとケースに入れて、本棚に収納する。これで俺結構映画見てますよアピールが出来、尚且つこんな目立つところにAVが置いてあるわけ無いだろ、みたいな考えを逆手に取った作戦だ。まさに完璧! 死角なし! である。

 

「……よし。だいぶ片付いたな」

 

俺にしてはよく片付けたと自分で自分を褒めてやりたいぐらいだった。若干ほこり臭いけど、窓を開ければ万事解決。

 

「さて……勝利の美茶でも飲みに行くか」

 

流石にもう話も終わってるだろうしな。俺は自分の部屋を抜けリビングへと向かう。だがその道中で、

 

「……アンタ……帰ってきてんだ……」

 

「お前は……!」

 

はい、妹と遭遇しました。中学生の癖に茶髪で厚化粧、何というかいきがった中学生スタイルを地でやっている我が妹。んで性格はどぎつい、ツンデレとかっていうレベルじゃない。もう常にツンツン、デレなど塵も残っていない。

 

そんな妹は起きたばかりなのか、目を擦りながら喋り始めた。

 

「ふぁぁ。今友達寝てるから静かにしてね。しないと……分かってるよね?」

 

「それは……分かってるけど。お前母さんの事考えてやれよ」

 

「チッ、めんどくさいな。分かってるよ。じゃあね」

 

そう言って俺と目も合わさずに通り過ぎていく。全く困ったもんですな。いつからあんな感じになったんだろうか。

 

「てかタバコ臭っ!」

 

しかも煙草吸ってるし……やべえな、おい。もう大人の階段登りまくリングじゃん。俺なんて酒すら飲めないっていうのに……。

 

「喉乾いたな……いい加減リビングに向かわねば」

 

俺はリビングへと向かった。

 

〇〇〇

 

階段を降りて、リビングへと扉を少しだけ開けてみる。

……どうやら話し込んでいるっぽいな……この雰囲気で入っていいものなのか……クッ迷「そんな所から覗いてないでさっさと入ってきなさい」oh……どうやらバレてたっぽいな。

 

よ〜しここは怒られる覚悟を決めて……部屋に……入ろう。

ゆっくりと扉を開けて椅子に座った。

 

「更識さんから大体のことは聞きました。この際私はもう何も言わない、貴方の好きにしなさい」

 

「……わかったよ。まあ元から俺だけで解決しようと思ったけどね」

 

精一杯の虚勢をはり、無理やり笑顔を作る。母さんは俺の顔を見て呆れたような様子でため息をついた。

母さん何にも分かってないって言う顔やめてくれませんかね。俺だって一応作戦はあるんだぜ?

 

「まあそんな所だから何とかなるよ。でも今度帰ってきたら五体満足で帰ってこれるか怪しいけどね」

 

そう言った途端に誰かから頭を叩かれた。結構強めな感じで。

 

「痛い……誰だよ叩いたの……」

 

「お母さんの前でそういう事言うのやめなさい」

 

姉さんでした。少し怒ってるようだったけど、まあ大丈夫だろ。

 

「でも絶対怪我しないっていう確証はどこにも無いよ。一応専用機持ちの人達は国家が危機に晒されたた時は出て行かないと行けないしね。一応なんたら条約でもISの武力介入は禁止されてるけど、そんなのの表向きだよ。紛争地帯に行けば普通にISが武力介入して、戦地を蹂躙しているって言う噂も聞いたし……怖い事ばかりだよ」

 

一応ネットとか調べまわったから裏付けは取れている……はず。

姉さんは険しい顔をしながら俺の顔を見ている。てか目付きがやばい怖い。

 

「確かにそうね……でも自分のお母さんを悲しませることは言わないほうが良いと思うわ」

 

「……そう……ですね」

 

そんなやり取りをしていると母さんが声を殺しながらクスクスと笑っていた。

 

「更識さんウチの子をお願いね。まあさっきのやり取りを見てると、しっかり手綱は握ってくれてるとは思ってるんだけどね」

 

そう言ってまたまた笑い始める母さん。まあ母さんが笑ってくれるのは嬉しんだけど……なあんか釈然としない…………まあいいか。母さんが笑ってくれればいいや、それで。あ、勿論家族みんなが笑って過ごせてたらもっといいけど。

 

「さあ私もこんなだし、更識さんを部屋に案内してあげて? ちょっと疲れたわ」

 

「分かった。じゃあ姉さん着いてきてください」

 

立ち上がり階段へと続く扉をあけ、恭しく頭を下げた。これぞなんちゃってホテルマンすたいるである!

 

「あら気が利くじゃない」

 

「姉さんはお客様なので。それに偶には格好付けたいんで〜す」

 

母さんの前で粗相を働いたら怒られるしね。まあ今やってることはやりすぎだと思うけど。

姉さんがリビングから出ていく、完全に出たのを確認して扉を閉める。

 

「着いてきてください。部屋まで案内します」

 

「へ〜なんだか学校にいるときよりオドオドしてないのね。憑き物が落ち用な感じ」

 

「まあ学校では常に警戒っていうか、なんて言うかとにかく色々してるんでつかれるんです。でも家だったらそんな事を心配する必要もありませんから……」

 

まあ家にいても妹がいたらあんまり安心できないけど……そこはいう必要なんて無いだろう。

適当な話をしながら自室の前まで歩いて行く。

 

「着きました」

 

そう言いながら扉を開け姉さんを招き入れる。さっきよりは小綺麗になっているので多分大丈夫……だと思う……AVとかも隠したし。

 

「意外と綺麗にしてあるのね」

 

「そう言われると有難いですね〜さっき急いで物を片付けたので……ははは」

 

「そうなんだ」

 

そう言ってベッドに座る姉さん。俺も机の近くにあった椅子を引っ張りだし座る。そして訪れる沈黙。

 

「そう言えば……中学校の友だちとは仲良くやってる?」

 

いきなり質問され少しばかり体が強張った。てか何故に中学?

 

「え……まあそりゃ一応メール位なら……してますけど」

 

「なら良かった。君の生活態度を見ると友達いなさそうだったらから……いるんだね」

 

「いくら姉さんでもそれは酷いですよ……まあそりゃ多くは無かったですけど……」

 

あいつ等何してんだろ……みんな同じ高校行ったからなあ……俺も行きたかったなあ工業高校。これほどあの日を恨んだことは無い。皆の前で泣いちゃったし俺。

斉藤に「お前は女子か!」って言われたなあ……懐かしい。転校してえ。

 

おっと感傷に浸ってる場合じゃなかった、俺もすかさず質問し返す。

 

「姉さんは緊張しないんですか? 男の部屋で二人っきりとか……」

 

って何聞いてんの俺!? 馬鹿じゃね!? あああああああああ穴に入ったら火炎地獄! いや違うまずことわざですらない!!!!!

 

「信用してるからね、君の事」

 

心臓が今ドキッとした……なんでそんな事言えるのさ……あれですか魔性の女って奴ですか、そうですか。

 

「……はあそうですか……」

 

これってあれだよな? 暗に襲う勇気も無いくせによく言うぜって言われてんのか? 俺……まあいいけど……でもそんな事言われると意識しちゃうわけで……。

 

「なんか変な事聞いて「双真ー」は?」

 

あれってもしや安部家の鬼子双葉(ふたば)様ですかあああああああああああああああ!? やばいってまじやばい!! また殴られる! あ、因みに双葉って俺の妹の名前ね。

いや誰に向かって説明してんの俺!?

 

そんなことを考えているといきなりノックもせずに乱暴に開かれた扉、そこから出てきたのは金髪で香水をバンバンにかけたけばい妹がいた。

 

「金貸して」

 

「無いよ」

 

「出せ」

 

「だから無いって言ってんだろ。彼氏に言えよ……そう言うのは」

 

「別れた」

 

うっざ! 学園にいる女子よりうぜえ……アニメと現実は違うのね……やっぱり。兄が大好きな妹なんていませんから! 残念! 二次元と三次元をごっちゃにするな〜斬り〜! 

 

「……とにかく金なんて持ってないからとっと出て行って…………ください」

 

「キモッ妹に敬語とか……キモッ」

 

椅子から立ち上がり無理やり追いだそうと肩に触れた瞬間、腹に重い衝撃がきて思わず膝をついてしまう。要は腹パン喰らいました……痛いです……息ができない……。

双葉は更に俺の顔に膝蹴りを繰り出す。当然避けれるわけもなく鼻っ柱にクリティカルヒット。

 

衝撃で脳が揺れる。意識を保つことで精一杯だった。

 

「金出せや……コラッ」

 

何か言っているような気がした。気を抜いたら気絶しそうな状況で喋れる事なんて出来ないわけでして……そこら辺わかってくれると嬉しいなあ。

 

「……チッ、まあいいや。久々に殴れたから良しとするかぁ……あ、お客様がいたんですね〜ゆっくりしてって下さいね? ちょっとやり過ぎちゃったんで、コレの手当でもしながら暇を潰しててください。じゃあっっね!」

 

帰り際に超力のこもった蹴りを一発。止めの一撃によって俺の意識は完璧に闇に落ちていった。




これで移転は完了ですな。完結目指して頑張ります。
あと感想待ってます。
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