臆病者が行くIS学園 作:灰人
目を開けると白い天井が目に入った。
どうしてここに居るんだ? もしかして戦闘が終わった後にここに運び込まれた……とかか? 分からん。
なぜか意識が途切れる前になんか恥ずかしいことを言ったような気がするが全く思い出せない。
「やっと起きましたわね」
「お前……ドリル…か?」
「……ハア」
なんだそのため息は……俺はなにも悪い事は言ってないはずだ!! 誰かそう言ってくれ!! 頼む!!
「君は悪くないよ。悪いのは全部あの自称代表候補生何だよ。(双真裏声)」
「そ、そうなのか?」
「そうだよ。元は言えば彼女がぜんぶ「静かにしてもらえませんか?」ウヒィ!」
な、なんだこの重圧は!? どこから発生しているんだ?!よく見てみると鬼が居た……金髪の般若が仁王立ちしてました。
「お、おれを食ったてなんの栄養にもならないよ! うん、ならない!!」
「貴方って人は……あの時はあんなにかっこよかったのに……」
「? 何か言ったか」
「い、いえ何でもありませんわ」
なんだなんだ変なやつだな。といってもこいつはいつも変だがな……今良いこといったな俺。
「で、何しにきたんだ? もしかして俺を笑いにきたのか?」
「い、いえ違いますわ。ちょっとしたお見舞いですわ」
「じゃあもう終わったな。帰れ」
「ええ!? そんなもう少し「すまん。一人にしてくれ」……分かりましたわ」
言ったら渋々ながら出て行ってくれた。やっと一人になれる……もう寝よ。
ベッドの中に潜り込もうとしたら勢いよく扉が開けられた。
「今度は何だ?! 鬼か? 悪魔か? いや違う、織斑先生だ!!」
「なにを言っている馬鹿者!」
頭上に出席簿が流星群のように降ってく……あれこな「馬鹿が」
――ドスッ!
「がっ!?」
イテェ……これ絶対本気だ(マジ)だ本気と書いてマジと読むアレだ……本気のボディブローが俺の腹を貫き、しばらく息が出来ずにベッドの上でうずくまっていたが、
「さっと起きろ」
え……今なんと? ちょっと……なに無言で出席簿構えてるんですか? その尋常ではない殺気は?!
「お……おぎまじだ……」
「うむ」
意味がわからず上体を起こし、織斑先生と向かい合う。
「とりあえずは大丈夫なようだな」
全然大丈夫ではありませんが? 主に貴方のせいで……こっちの体はボロボロだよ!
「……なんですか?」
「深い意味はないが、気絶したというので状態を見に来ただけだ」
そう言って早々に部屋を出て行った。だったら別に殴る必要なくね?
「そういえばISってどうなったんだ?」
体を調べてみると、首に何かがかかっている。
手に取ってみるとネックレスだった、達筆な文字で『緑』と模られていた。
「これからよろしくな。深緑」
僅かに光ったような気が気のせいだと思い目を閉じた。
○○○
はい皆さんこんにちは。
俺こと安部双真はただいま空を飛んでいます、ISに乗るのはこれで……何回目だっけ? まあいいや。とにかく一夏とドリルと俺の三人で空を飛んでいます。
「え〜と、角錐をイメージする感じだっけ?」
む、どうやら考え事をしていたら勝手に話が進んでいる。俺も会話に参加してみる。
「いやいや。ジェット風船を飛ばす感じだって一夏」
「そ、そうなのか?」
「そうなんだ」
早速やり始めたのか無言になる一夏。その隙にドリルが話しかけてきた。
「本当に大丈夫なんですの?」
「知らない。適当に言っただけだし」
しばらく話し込んでいたが、突如として一夏の姿が消えた事にに気づいた。どうやら普通に飛ぶのが飽きたのか加速してどこかへ消えたらしい、怖い話だ。
「消えたんですけど!?」
「俺し〜らね(笑)」
なんて会話をしていたら織斑先生から通信してきた。
『三人とも急降下からの急停止をやってみろ。目標は地面から10cmだ』
なんちゅう無茶振りだ……だが以前にもやっているのかドリルはなんてことのないように答える。
「お先ですわ」
え……もう行くの? 早くない……? ねえ。
言うが早いが既に下へ降りて言われていた事をこなしていた。できる人はすごいです……根性があるんだろうなあ。
「俺もやってみるか……な」
覚悟をきめ一気に地面へ向かう!
ジェットコースターで一気に降りるような感覚が襲い掛かってくる。ドンドン地面に近づいてきて、恐怖に駆られた俺は指示通りの急停止をした。
「っうぉ!」
危なかった……もう少しで地面とキスする羽目になっていた。横目で織斑先生を見ると、
「……まあいいだろう」
よかったとりあえず及第点をもらいホッと胸をなでおろす。できればもう二度とこんなことやりたくないが……無理か…ハァ。
「がんばれ一夏」
まだやっていない一夏を応援する、聞こえてないと思うがな。
一夏も言われたとおり、結構なスピードで降下していく。だが停止するタイミングがわからないのかそのまま地面へと墜落? してしまった。
お土産でグラウンドにでかいクレーターをこしらえてな。
「一夏!」
「織斑君!」
篠ノ乃さんと先生達が一夏のもとへ向かっていく。いいなあ、俺もあんな風に心配されたいなぁ……一夏め羨ましい……ちくしょお。
「そ、それなら……私が……」
「は?」
「い、いえ……なんでもありませんわ!」
するとドリルはいつの間にかISをしまい、女子たちの所へ向かっていった。
「俺もISをしまうか」
ISをしまい先生たちの指示を待った。
○○○
「いや〜さっぱりした」
あ、今は学校といっても授業が終わりシャワーを浴びてたところです。
言葉足らずですいません。……誰に謝ってんだ俺?
「俺ってこの学校でやって行けてるんだろうか?」
いまさらながら不安になる。
しばらく考えていたが、誰かがノックしてきたので扉を開け来客を迎えにいった。
「なんだドリ……オルコットさんか」
「貴方は……まぁいいですわ、今に始まったことではないですし……とりあえず、食堂でクラスの皆さんとパーティのをしますからついてきてください」
俺の手を掴んで強引に掴み連行していく。いきなり手をつかまれ思わず顔が熱くなってしまう、素直に恥ずいぞこれは……マジで。
「じ、自分で歩けますって!」
自由な方の手でドリルの手を離そうとしたが思わず手に触れてしまい、
「「あ」」
同じタイミングで声をあげ、同じタイミングで手を引っ込めてしまう。
「「……」」
気まずい空気が流れ始め、とりあえずはこの空気から一刻も早く抜け出すために早足で食堂へ向かう。
「ま、待ってください」
俺の後ろについてくる、お互いに顔を見えないこのときがチャンスだと思い振り向かずにドリルに話しかける。
「あの時はすまなかった」
「え、 いつの話ですか?」
「いや、ほら……オルコットさんの胸倉を掴んだ時の」
「そんな事もう気に「違うんだ」……」
それも有るけど、そんなことじゃない俺はいろいろオルコットさんの……うがーーー上手く言葉にできない!!
俺は振り向き頭を下げた。
「格好悪りな。あんなこと言って負けたりして……上手く言葉にできないけど……とりあえずすまなかった」
「そんな……いきなり……ずるいですわ」
そんな呟きが聞こえ頭を上げると真っ赤にしたオルコットさんと目が合った。
「言いたいことも言ったし行こうか。オルコットさん」
「セシリア、ですわ。双真さん♪」
………えーととりあえず名前で呼んでいいとかそんなか?
「あーと……行こうかセシリア」
「はい!」
急いで食堂へ向かう。
もちろんくるのが遅かったとかで無茶苦茶冷やかされたのは、言うまでもない。
○○○
その翌日一夏に会うといまだにクラス代表がどうとかゴチャゴチャ言っていたので仕方なく聞いていると、面白い話を聞いた。
「そうだ二組のクラス代表が変更になった聞いてる?」
「あぁ何とかって転校生に代わったって」
「転校生? 今の時期に?」
まあ確かに中途半端ではあるな、うん。
「フン、私の存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら?」
尊大なポーズで、そんな事をいうセシリア。それは絶っっっっっっっっっっっっ対違うと思う。それにしみじみ思うんだけどこの性格が無ければ普通に可愛いのに、この残念な性格のおかげで色々駄目になってるんだと思う。
「今のところ専用機を持ってるのって1組と4組だけだから余裕だよ」
「その情報古いよ」
みんなが一斉に声のした方向を見るとちっこい女子がいた。
「今誰かちっこいって言わなかったかしら?」
……どうやらちびっ子は地獄耳らしい。あまり不用意なことは口走らないようにしよう……。
「まあいいわ。中国代表候補生、凰鈴音ファンリンインよ! 今日は戦線布告に来たってわけよ!!」
効果音がついたらきっと(ドーン)とか(ドカーン)とかなんだろうな……効果音が一緒なのはご愛嬌。
「お前鈴か?」
一夏は立ち上がり、旧友? に会えたことがうれしいのか若干テンションが上がっていた。
「お前何カッコつけてんだすっげー似合わないぞ」
「一夏例えそれは合っていても言ってはいけない」
俺はちびっ子をフォローしたんだがなぜか睨まれ、
「なんてこと言うのよアンタはぁ! 特にそこのお前!」
「お、俺っすか?!」
「アンタ以外に「邪魔だ」……え?」
ギギギギと効果音がつきそうな程の振り返り方だった。だが面倒なことになった、何か変なやつに目をつけられた……今はセシリアだけで十分お腹一杯なのに……。
「また後で来るからね逃げないでよ一夏。お前もね!!」
コエエエエエエエエエエエ!! 急いで逃げる準備をしなければ、俺の命に関わってくる!!
とりあえずはSHRが始まったのだが、例のちびっ子がいつ来るか気が気でなかった。