臆病者が行くIS学園   作:灰人

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7話 ヘタレ絡まれる

さて授業が終わった……俺がこれからすべきことは…………

 

              ちびっこから逃げることだ

 

思ったら即行動。俺はダッシュで教室を飛び出しそのまま宛もなく走り出した。気分は盗んだバイクで走り出した感じだ。

 

「あんた何してんのよ?」

 

……イマノコエハ、ナンダロウカ。

 

聞こえない振りをしてそのまま走り出したが奴は簡単に俺に追いついた。

 

「あんたにも用があるんだから一緒に来なさい」

 

「いやだ! 俺にはまだやり残した事があるんだ」

 

「うるさいわね。言う事聞きなさい!」

 

そう言った瞬間ちびっ子は俺の首をつかみ無理やり停止させた。急に止まったおかげで俺の首に多大な損傷を負ったのは内緒。

 

「や、やめてください。お願いします!」

 

「あ"?」

 

「……なんでもございません……すいませんでした」

 

反射的に謝ってしまいそのまま引きずられる俺。これからどこへ行くんだろうか……暗い未来を想像した俺は肉親に別れを告げたあと瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

「……ろ……おきな…」

 

あぁここは天国かぁ……でもなぜか体の節々が痛いなぁ。

 

「起きろって言ってるでしょうが!!!」

 

「グフッ」

 

腹に強烈な一撃が来た。一気に覚醒ました。覚醒と言っても決してM発言じゃないんでお願いします。

 

「痛ってーな! 殴ることないだろうがバーカ!」

 

「あんたいつからそんな生なま言えるようになったの?」

 

「……すいません。もう生意気言いません…」

 

……恐いこの人…もういや……帰りたい。

 

「さっさと中に「よう鈴!」…ああ"?」

 

ちびっ子が俺を食堂へ入れようとした時、一夏が声をかけてきた。助かった……ありがとう一夏!

 

「一緒に飯食わねえか?」

 

「いいわよ。ほらさっさと歩け」

 

……俺は首根っこを掴まれそのまま引きずり込まれていく。

 

俺って確かこの小説の主人公だよな……?

 

「双馬そういう発言は、メタ発言って言って駄目らしいぞ」

 

お前はなんで俺の心を読んでいるんだ! やめろマジで、俺は今触ったら確実に死ぬハムスター並みにデリケートなんだぞ。

 

「ほら早く自分の受け取りなさい」

 

「あ、すいません」

 

俺は言われた通りに飯をトレイに乗せて二人に着いていく。そして今まで気づかなかったがセシリアと篠ノ之さんが後ろにいた。篠ノ之さんはクソチビの事が気になってるっぽいけど、一夏とクソチビとの仲が良すぎて間に入れてない。

 

「ソウマさん」

 

「ん、なに」

 

「さっきは何故逃げ出すように教室から出ていったんですの?」

 

おうふ……このドリルはいきなり聞いてきやがったよ……。

 

「えーと……ほらあれだ。万引きした少年が店から逃げる感じだよ」

 

「……意味がわかりません」

 

「分からなくていいよ……それ以上聞いたらダメだから」

 

もうね……なんかね……おうちに帰りたい……。

 

「何そこで固まってんだよ。お前らもこっちにきて一緒に食おうぜ」

 

一夏よ空気を読んで欲しい。傷心中ていうか絶賛ホームシックな俺と変なドリルとずっとモジモジしてる篠ノ之さんを見てお前は何も思わないのか! バカ! アホ! マヌケ!

それにチビッコがきたら殺すみたいな視線でこっちを見ているわけで気づけよアホ。

 

「セシリアと篠ノ之さん。指名が入ったから行こうか」

 

「……そうだな」

 

「そうです……わね。本当は二人で良かったのですが……」

 

もういい…なにも聞こえない。俺は心のスイッチをオフにして二人の席に近づき腰を下ろした。席には座ったが俺は話に入る気にもならずに無心にカレーをかきこむ。

 

「あんた、ねえ聞いてんの!?」

 

「……え、俺?」

 

「あんた名前なんて言うの?」

 

「……なんて呼んでも良いですよ別に。多分貴方とは関わらないと思いますから…」

 

「アンタねぇ人が親切に聞いてあげてるんだから答えなさいよ!」

 

バン! と机を叩き身を乗り出して俺に顔を近づけてきた。なぜか俺にはその顔が鬼に見えて体中から変な汁が出てきた。

 

「……すいません。調子に乗ってました。安部双真っていいます。生まれてきてごめんなさい」

 

恐怖感に駆られ名乗ってしまった。周りを見ると篠ノ之さんが虫を見るような目付きで俺を睨んでいた。特定の人達がやられたら嬉しいだろうが、俺には残念ながらその気がないからただその目をみてもガクガクと震えるだけだ。

 

「ふーん、アベソウマねぇ……確かアンタも専用機持ってるんでしょ?」

 

「お、おい鈴!」

 

一夏よ居たのか。さっきから全然声を発さないから死んだと思ったぞ。

 

「一応持ってますけど……」

 

「本当に持ってるんだ」

 

何か嫌な予感がする……他の三人もそれを感じ取ったのか、皆一様に顔を背けていた。俺はというとチビッコが何を言い出すのか、待ってみる。「あたしと戦いなさい!」とか言われたりして(笑)。

 

「アタシと戦いなさいよ!」

 

本当にそうだったあああああああああああああああああああああああああ!!!

 

「やだ! ってか一夏とかセシリアとかいるだろ! なんで俺なんだよ!!!」

 

ふざけんなよマジで! ビームとか食らったら痛いんだぞ! あんなのドマゾ以外誰もやんねーよ。頭沸いてんじゃねえのか? こいつは?

 

「お前は脳みそまで筋肉なのかバーーーーーーーーカ! アホ! ゴリラ!」

 

「あ、あんたねぇ! ぶっ殺してやるわ! 覚悟しときなさい!」

 

「ハァ! なんでだよ! なんで俺が無意味に殺されなきゃなんないんだよ。良いよやってやる、後で吠え面かくなよ。バーカバーカ」

 

「そっちこそ泣いて謝っても許してやんないだから!」

 

ったくイライラする。俺は勢い良く席を立ち食器を返却口に返し、そのまま大股歩きで食堂を出ていった。

 

 

 

 

「……ハア……もうやだ家に帰りたい……」

 

ただいま屋上で自己嫌悪中。

 

また勢いであんなこと言ってしまったけど……やりたくない……もしかしたら死ぬかもしれない、ついそんな事まで思ってしまう。

 

大丈夫かもしれない。でも世の中には"絶対"なんて言葉はない。

現にほかの国はISを戦争に投入しているとこもあると聞いた。俺はもしかしたらとんでもない兵器に選ばれてしまったのか……なんて思ってしまった。

 

でもこの話を聞いたクラスの皆の反応は淡白であり、まさか自分がそんなことに巻き込まれるはずが無いとでも思っているような顔だった。

 

俺は声を大にして叫びたかったが、俺にそんなことが出来るはずが無くただ黙って心の中で叫ぶことしか出来なかった……初めて自分がこんなにも弱いと感じたことは無い。

 

ただ一言「これは兵器にすらもなり得る凶悪な物と言うものを理解しているんですか?」と言うだけで変わったかも知れないのにだ。

 

「こんなところにいたんですのね……」

 

「セシリア……」

 

セシリアはずっと俺を探していたのか少し息が上がっていた。

 

「こんなところで何をしていたんですの?」

 

「……放課後にやる試合の作戦を練ってた」

 

「一人……で?」

 

俺は首を縦に振って、ベンチの方へ向かい腰を下ろした。

 

「勝てるんですか?」

 

「……十中八九負けるだろ。悔しいけどな……そうラッキーはおきないだろうよ」

 

「まあ、そうですわね……」

 

「ありがとな」

 

「な、なんですの! いきなり!」

 

「えー少し気が楽になったから……礼をいったつもりだったんだが……」

 

そんな反応されると辛いな……兎に角前の戦闘みたいにへまだけはしないように頑張らないとな!

 

「もうすぐ授業はじまんぞ。行こうぜ」

 

「そうですわね」

 

俺とセシリアはベンチから立ち上がって教室へと向かっていった。

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