透き通る世界で魔王は何を見る? 作:いぶりがっこ
では、どうぞ。
ゲーム開発部の面々に、俺がキヴォトスの外とは違う、別の世界からやってきたこと。騒ぎを起こしたことでヒマリに呼ばれ、ここまで足を運んだことを伝えた。そして何より──
「凄いです!アノスは魔法が使えるんですね!!」
アリスが目を光らせ、興味津々といった具合に俺を見つめる。ユズ、モモイ、ミドリ達も驚いたようにぽかん、と口を開けているようだった。
「で、でも本当に魔法なんて使えるの?まあ、もし本当に使えるなら、次のゲームの題材に……」
モモイがその存在を訝しむように俺を見る。魔法は、神秘を内包したこの世界においても空想上の産物とされているものだ。疑いたくなるのも無理はない。
「ちょっとお姉ちゃん!?」
「ごめんなさい!」
妹に咎められ、それに怯えたモモイは俺とヒマリに謝罪した。ふむ、しかし──
「見られているな」
「どうしたの?いきなり」
虚空を見つめ、いきなり訳の分からぬことを言い始めた俺に、モモイは疑問を浮かべた。
「誰かは知らぬが、俺達のことを覗き見る不届きな輩が居るようだ」
「それって……ヴェリタスの先輩達かな?」
「覗き見ようにも、チーちゃんに止められると思うので、それはないと思いますが…」
「その者たちではないようだがな」
思い当たる節があるのか、モモイやヒマリ達は考え始めた。だが、機械の類ではない。その
何れにせよ見られて良い気はせぬので、俺はある魔法を使うことにした。
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俺と部室にいる全員の影、そして空間そのものに魔法陣を描くことで、その影を具現化させる。
「ええっ!ナニコレ!?」
「これは……」
影がぬうっと起き上がり、全員の身体を覆うようにして、その影が纏わりつく。そうして身体が影にて染め上げられた刹那、纏わりついた影が本来あるべき元の位置へと戻っていく。これでよい。
「アノスさん、これは一体……?」
ヒマリが驚愕といった顔で、こちらを呆然と見つめる。他の全員も同じだ。
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そう答えてやると、全員が更に呆然とした顔をこちらに向けてくる。ふむ。なかなかどうして、理解されないみたいだな。
皆が呆然としている中、アリスは空気を読むこと無く、言葉を発する。
「アリス、理解しました!アノスは、万能系最強主人公なんですね!」
さて…この先、マジでどうしましょうか。