透き通る世界で魔王は何を見る? 作:いぶりがっこ
「……ここは……?」
気がつけば、果てしなく広がる大空の下、地面に少女は横たわっていた。微睡んでいた筈の意識が、はっきりと浮かび上がってくる。
横たえていた身を起き上がらせては、その両足で地面を踏みしめる。それと同時に、無数の想いと、一つの疑問が浮かび上がってきた。
「何故、この様な場所に……?私は確かにあの時……」
その少女の名はkey。かつて
彼女はあの時、
だのに、消えた筈の自分が何故、こうして生きているのか。謎が謎を呼ぶこの状況に、彼女は困惑していた。
「……これからどうしましょうか」
理解しかねる状況に戸惑いつつも、自身がすべきことについて想いを馳せていた、その時だった。
「その様子を見るに問題は無いようだな」
──聞こえるはずのない声が後ろから聞こえた。バッと振り返り、少女は鋭い視線でその存在を見つめる。
「…………」
見覚えのない男だ。
かつて自身と対峙したシャーレの先生とは明確に違う。言葉の節々から自信に満ち溢れた、尊大そうな青年だ。だが男の最大の特徴は、透けて見えるほど薄いその姿だった。
……この状況に関する手掛かりは何も掴めていないが今、確実に分かっていることが一つ。
この不気味な男が、自身が未だに存在できている理由の元凶。あるいはそれに近しき存在であることに疑いようもなかった。
ケイは警戒の色を隠さず、男の下へと歩み寄り、疑問を投げかける。
「……貴方はいったい……?私に何の用でしょうか」
「さて、時間もないゆえ早急に説明するが……アリスにお前を連れ戻してほしいと頼まれたのでな」
「……は?」
意味がわからなかった。
何故、この男が
駆け巡る無数の疑問や疑惑とともに、ケイは男に対する警戒度を最大まで上げた。だが、男はケイの警戒を意にも介さず、淡々と言葉を口にする。
「……ふむ。警戒している様だが、生憎説明してやる時間もない。お前を安全に蘇らせるには、こうするしかないのでな」
「一体、何を言って……っっ!?」
男は少女に手を向ける。
次の瞬間、ケイを襲ったのは浮遊感だ。
まるで世界から自身の存在が消えてなくなるが如く、意識とともにこの世界からみるみる消えていく。そんな感覚に襲われた。
「貴方は一体……」
言葉を言い切る前に、少女はその精神ごと世界から退去した。
◇
さて、この世界を残しては色々と不味い。外部から干渉されるのも時間の問題だ。ゆえに、早急に片付けるとしよう。
そうして何を言うでもなく、可能性の俺は手を前にかざし、多重魔法陣を描く。
すると、俺の身体からは黒き粒子が立ち上るようにして、激しく渦を巻き始めた。
描いた多重魔法陣が砲塔のように、幾重にも重なっている。砲塔を中心に、黒き粒子が絡みつくようにして、七重螺旋を描いているのだ。
それだけで空は地割れのように割れ、地は黒き灰と化していく。周囲の景色が、世界の全てがガタガタと音を立てて、崩れ落ちてゆく。
ぼぉっと終末の火が現れると同時に俺は一言、呟いた。
「<
──瞬間、
本当に暇潰しで書いているだけの小説なので、更新が止まったり、また動いたりを繰り返すことになると思います。もし更新が止まったら私生活で一杯一杯なのか、「あ、コイツ。さては、小説書くのが面倒臭くなったな?」とでも思っておいてください。
作者はただの妄想出力マシーンなので、悪しからず。