透き通る世界で魔王は何を見る?   作:いぶりがっこ

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本作は魔王学院に限って、あらゆる時系列を無視しています。原作最新話で登場した魔法や設定が飛び出てきますので、ご注意頂ければ幸いです。


神秘で満ちた世界にて

 

あの街から去った後、俺は魔力がこの世界でも正常に使えるのかを確認するため、人気のない廃墟へと足を運んだ。さて、まずは──

 

「<火炎(グレガ)>」

 

手をかざし、魔法陣を描く。魔法陣からは小さな赤い炎が現れ、地面に着弾する。着弾した火は派手に燃え上がり、地面を砕いては爆発した。

 

「……ふむ。魔力や魔法に問題は無いようだ。しかし些か威力が強い。この世界の秩序によるものか?」

 

この世界は魔力が存在せぬ代わりに、別の力で満たされている。今、俺が魔法に込めた魔力は、精々が子供の火遊び程度だ。

 

しかし如何なる理由か、魔法の威力は膨れ上がり、本来の<火炎(グレガ)>の威力からは大きく逸脱してしまっている。

 

この世界では補助系統以外の魔法の使用は控えた方が良さそうだ。

 

下手に滅びの魔力を解放しようものなら、この世界(宇宙)が一瞬にして崩れ去るだろう。なにより、罪なき世界を滅ぼすなど俺の趣味ではない。

 

崩れかけている廃墟から出た俺は、改めて人のいる街へと歩を進めた。

 

しばらく歩くと街が見えてきた。

 

そこは非常に栄え、発展した街だった。

 

見たこともない機械で溢れており、道行く人々は機械であったり、二足歩行の獣であったり、女学生だったりと多種多様な人と種族で溢れている。

 

流石の俺も、この光景には少しばかり目を見張った。

 

「……くはは。あの街もそうだったが、なかなかどうして発展した文明だ」

 

魔法や魔力も、秩序の恩恵すらも無く、ここまで進んだ文明を築き上げれたのは偏に、彼らとその先人たちの努力の賜物だろう。

 

そう思っていた時だった。

 

ズドオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

ドガアアアアアアアアアアアアンッッ!!!

 

店と思わしき場所から、激しい銃声と爆発音が辺りに響き渡る。その店の中を見ると、ヘルメットを被った女学生と思わしき集団が、店員に銃を突きつけ、鞄を片手に店員へと詰め寄っているのが見えた。

 

「おい、店員。死にたくなかったら、さっさとこの鞄に金を詰めろ!」

 

「ひゃーっははは!周りの客共も、痛い目を見たくなかったら動くんじゃねぇぞ!この店は我ら、カタカタヘルメット団が占拠した!!」

 

その店の店員や周囲の客は彼女らに怯え、大人しくその脅迫に従っている。

 

「発展した街だと思ったが、なかなかどうして、物騒な世界のようだ。……ふむ、少々いいか?」

 

ヘルメットを被った少女はその銃を店員に突きつけながら、こちらに振り返った。

 

「あぁ?なんだお前。さっきの話が聞こえなかったのか、痛い目みたくなけりゃ大人しく従っベゴボババァァ────!?!?」

 

俺は指を弾き、ヘルメット団の少女に向けて軽く衝撃波を放った。

 

「一つ問うが」

 

店内に入り、改めてカタカタヘルメット団の前に俺は姿を現す。彼女達は何が起こったのか、状況を飲み込みきれていない様で、その震えた身体で俺に銃口を向けている。

 

「この世界では、人に銃を突きつけるのが挨拶か?」




作品を評価してくださった方々、どうもありがとうございます。たとえ低評価でも、この作品を見て評価して下さったこと自体が私にとっては一生の宝物です。ではまた次回、執筆する気になったら書きます。完全に不定期更新です……ごめんなさいm(_ _)m
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