透き通る世界で魔王は何を見る?   作:いぶりがっこ

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暇潰しに書いたものを〜〜〜投下ァァ!!


崇高征服

 

 

二律僭主ノアと魔王アノス・ヴォルディゴード。果てなき空間の只中、二人の強者は相対していた。

 

「どうした?時間ならいくらでもある。どこからでもかかってこい」

 

両者の間に静寂が走る。だが、それも一瞬のこと。先にその静寂を破ったのは、二律僭主ノアだ。

 

「<二律影踏(ダグダラ)>」

 

二律僭主はゆるりと足を上げ、俺の影を思いきり踏みつけた。

 

「……っ……!!」

 

凄まじい衝撃が身体の芯をかき混ぜ、根源から魔王の血がどっと溢れ出す。その力が滅びの根源に突き刺さり、口から血が垂れると同時に、俺は思わず笑みをこぼした。

 

「なかなかどうして、凄まじい力だ。だが、お前の力はその程度ではないだろう?もっと本気を出せ」

 

「<黒七芒星(デムド・イヴ)>」

 

俺は目の前に魔法陣を描く。それだけで夥しい魔力が噴出し、この空間の全てを激しく揺らした。

 

「<覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>」

 

黒七芒星を纏い、深淵へと迫った蒼き恒星が唸りを上げ、二律僭主めがけて襲いかかる。

 

「…………」

 

二律僭主は襲いかかる蒼き恒星を静かに眺めていた。すると次の瞬間、奴は俺と同じく黒七芒星を描く。

 

「<黒七芒星(デムド・イヴ)>」

 

それに続き、二律僭主は多重魔法陣を描いた。奴の身体を中心に黒き粒子が立ち上り、魔法陣が幾重にも重なって砲塔をつくりだす。

 

七重螺旋の黒き粒子が砲塔に絡みつき、ぼぉっと終末の火が現れると、奴は静かに詠唱した。

 

「<極獄界滅灰燼魔砲(エギル・グローネ・アングドロア)>」

 

黒七芒星を纏った蒼き恒星と、際限なく深化していく終末の火が派手に衝突する。

 

世界の全てを揺るがす大衝突は、辺り一面に火花を散らし、空間そのものを灰へと変えていく。

 

やはり思ったよりも弱いか。

 

黒七芒星を纏った滅びの魔法。それが俺の<覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>と拮抗しているのだ。

 

覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>より遥か深層に位置するはずの滅びの火。それと拮抗を保っていられる時点で、明らかな出力不足であることは容易に察せる。

 

それにより再現しきれなかった出力を、神秘よりも更に高次元の力で補っている為か、その身はロンクルスが入っていた時よりも強い。だが──

 

「甘い」

 

拮抗を破り、煙幕を切り裂いて出てきたのは<覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>だ。終末の火を押し切り、その蒼き恒星が二律僭主に直撃する──筈だった。

 

「ほう?」

 

如何なる魔法か、蒼き恒星は二律僭主の身体をすり抜け、遥か後方の地面に直撃した。並の小世界ならば余波だけで滅亡しかねない程の大爆発だ。

 

俺は疑問に思い、黒七芒星を纏った<覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>を連射するが、その悉くがすり抜ける。

 

奴は影を踏んでいるわけではない。にも関わらず、攻撃がすり抜けるのは、補われた高次元の力による影響だろう。俺はそう結論づけ、別の方向から攻撃をしかけることにした。

 

「<波身蓋然顕現(ヴェネジアラ)>」

 

奴の身体に魔法陣を描き、それを積層させていく。続けて奴に向け、黒七芒星を纏った<覇弾炎魔熾重砲(ドグダ・アズベダラ)>を連射した。

 

「…………!」

 

「くはは、睨んだとおりだな」

 

すり抜けていく筈だった二律僭主の身体に蒼き恒星が次々と命中し、派手な爆発を巻き起こした。

 

「お前の身体は可能性が確定していないが故に、その実在の有無さえもがあやふやなのだろう?」

 

蒼き恒星を放ちながら、俺は二律僭主の深淵に魔眼()を向け、言い放つ。

 

「つまり、その可能性さえ確定してしまえば、すり抜けることもないということだ」

 

根源の魔力をほんの少し解放し、俺の身体を中心に黒き粒子が七重螺旋を描く。そうして拳を握り、滅びの力を収束させていくと、奴めがけて滅びの拳を叩き込んだ。

 

その拳をもろに喰らい、遥か後方に吹き飛んでいく二律僭主とは反対に、俺はゆるりと歩を進め、笑みを浮かべながらこう言った。

 

「不確定だからといって、俺に通用すると思ったか」




ブルアカファンの皆、待たせたな。
戦闘回は次回で終わるぜ!

透き通る世界で魔王は何処に行く?

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