透き通る世界で魔王は何を見る? 作:いぶりがっこ
───追記───
今のところ、第20話「崇高征服」が書いてきたお話の中で一番上手くいったと思える出来でした。
今回は……見たら分かります。お察しください。
「……っ……!」
「やる気になったか」
互いの拳がぶつかり合い、空間に亀裂が走る。
俺は滅びの拳を二律僭主に突き出し、二律僭主も滅びの拳を繰り出した。その余波だけで並の小世界、たとえ深層世界とて容易に消し飛ぶであろう衝撃が、辺り一面に伝わっていく。
その直後、奴は後退して再びその場に佇んだ。
まるで瞑想しているかの様な静けさで、その目を閉じている。その刹那、静寂を破るかの様に奴はその
次の瞬間、周囲が暗闇に覆われていき、俺の身体には徐々に圧力がかかっていく。この力、この感覚に俺は覚えがあった。
「……ほう?」
本来、二律僭主が持つはずのない
それは銀水聖海に二つとない、常闇の力を宿した大魔王ジニア・シーヴァヘルドの魔眼──
「《
二律僭主はその問いに答えず、魔眼の力を解放していく。すると周囲の闇が俺の身体に途方もない圧力をかけ、押し潰さんとばかりにその力を発揮した。
流石に大魔王の魔眼だ。如何な滅びの魔法とて、この途方もない常闇の前では無力だろう。つまり、これに対抗する方法は一つだけだ。
奴と同じく、俺もその目を静かに閉じていく。次の瞬間、俺はふっと
《
そうして存在しない許容量を超えた闇は、為すすべもなく滅ぼされ、空間は元の状態へと戻った。
「「…………」」
俺と奴は静まり、その力を惜しみなく発揮していく。混沌の滅びと永久なる闇、滅紫の光と朱い光が互いを見つめ、その強大なる力を相手に押し付けていく。
秩序そのものが滅んでいき、その場はただ暗黒と混沌に呑まれていく。
そうして、この不滅の世界でさえ俺達の力には耐えきれなかったのか、ゆっくりと滅び始めた。
後はどちらの魔力が早く尽きるかの勝負になるだろう。なかなかどうして、骨が折れそうだ──。
◇
数時間後。二律僭主との戦いが始まってから、およそ数時間が経過しようとしていた。奴の様子を見るに、そろそろだろう。
「……っ……!?」
「ようやくか」
二律僭主は魔力が切れたのか、その身をふらつかせる。さて、そろそろこの戦いも終わらせるとしよう。流石の俺も疲れた。
間髪入れず、俺は
「<
使用したのは、根源で凝縮した滅びの力を解放し、俺のあらゆる力を瞬間的に強化する深化魔法<
俺はその足を最速で六歩目までもっていき、この世界の全てを壊す勢いで踏み抜く。
滅びゆく世界を背にし、二律僭主が最期に目にしたのは黒い滅びの力。兄弟分たる第一魔王アムルが使っていた、見覚えのある終末の火だった。
俺は静かにその名を口にし、詠唱する───
「<
───瞬間、世界の一切が黒く炎上した。
◇
暗闇に閉ざされていた意識から覚醒し、気がつけば俺はシャーレのベッドの上にいた。
ふむ。モモイ達とやったゲームになぞらえるならばゲームクリア、といったところか。
そうしてベッドから起き上がると、魔法ですぐに魔王学院の制服へと着替える。そして俺は今日のシャーレ当番を行う為に、先生の居る執務室へと向かった。
今回、最初から最後まで雑だったな…。まぁただ趣味で書いているだけだし、雑さはご愛嬌ということで。
ということで、一連の戦いはこれで終了です。アノス様に戦闘させたいけどキヴォトスだと絶対に無理なので、ゲマトリアの実験in夢の中ということで今回の話を書きました。つまり、今回の話で一番得したのはアイツらです()
それはそうと、今回はアノス達が本来は使えないはずの力を使うというオリジナル展開が飛び出してきましたが…まあ、夢なので許して下さい。
最後の魔法に関しては、もしかしたら魔王学院の最終章で使えるかも…?という期待を込めて、使ってもらいました。
次回は投票に沿う形で、アノス様が何処に行くか決めます。その他に投票してくださった方、その中でも何処の学園が良いという意見がありましたら、感想の方に書いて頂けると嬉しいです。
ではでは、また次回。
透き通る世界で魔王は何処に行く?
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