透き通る世界で魔王は何を見る?   作:いぶりがっこ

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……この小説、プロットも何も無く、その場のノリと勢いに任せて書いているんですよね。


恐怖の魔王

 

──サンクトゥムタワー、連邦生徒会。

 

連邦生徒会の会議室にて、キヴォトスの行政を担う三人の室長と、失踪した連邦生徒会長の代行たる首席行政官、そして一人の〝大人〟が会議室に集められていた。

 

「ねぇ、これヤバイよね!?!?こんな馬鹿みたいなエネルギー、あの方舟がきた時でも…」

 

そう言葉を発するのはピンクの髪に、角と尻尾の生えた小柄な生徒だ。皆、とあるデータベースのコピーページが表示されたノートPCに深刻そうな顔を向けている。

 

「……そんな。いえ、まさか…?」

 

誰が発したか、そう言葉を漏らすのも無理はない。

 

かつてキヴォトスの空を覆った赤い空と、その元凶たるアトラ・ハシースの方舟が上空七五〇〇〇〇mに顕現した。その脅威を退けるため、大人であるシャーレの〝先生〟とそれを慕う生徒達で数々の死闘を経て、激戦の果てに、ようやく退かせることに成功したのだ。

 

しかし、その時のそれを一瞬だけとはいえ、遥かに上回るエネルギー反応がアビドス砂漠に現れたのだ。普通なら機械の故障を疑うだろう。だが──

 

〝アロナ、プラナ〟

 

一人の大人が、タブレットに意識を向け、まるで誰かに語りかけるように話しかける。

 

『いえ、間違いありません!一瞬でしたが……確かに、あの時のエネルギー反応を上回る力を確認しました!』

 

『はい。アロナ先輩の言う通り、アビドス砂漠方面にて途方もないエネルギーの出現を観測しました。そのエネルギー体を解析した結果、それは最低でもキヴォトス全土が滅亡するほどのエネルギーの塊であり、それがある一箇所から生体反応と共に検出されました』

 

そんな、信じられない結果を述べる可愛い秘書達に、先生は思わず頭を抱えてしまった。プレナパテスとの決戦の時でさえ、別の時間軸の砂狼シロコを救うため、彼は命を捨てる気でさえいた。

 

しかし今回のそれは、それをも上回るほどの事態となる可能性が高い。

 

本当であれば本格的に命を捨てる決断をし始めなければならないが、自分を慕ってくれてるであろう彼女達が嘘や冗談を言っているとも思えない。

 

〝これは……シャーレの方で本格的に調査する必要がありそうだね〟

 

「……こちらからは何も動けず、大変申し訳ありません。緊急性を要する事態が予測される為、連邦生徒会は、いえ……キヴォトスは支援を惜しみません」

 

本当に心苦しいそうな顔で、こちらを見つめる少女達に対して、先生として……大人としての責任を改めて果たさなければならないと感じた先生は

 

〝うん。任せてよ、リンちゃん〟

 

「……誰がリンちゃんですか、誰が」

 

そう柔らかい笑みを浮かべ、彼女達を安心させるように一言、そう発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だよ……いきなり何なんだよお前!?」

 

「ふむ。私欲で罪なき民と店を襲撃する、不届きな輩を咎めるのに理由がいるのか?」

 

怯えたように銃口を向ける、カタカタヘルメット団に対して、俺はゆるりと歩を進ませる。

 

「マジで何だよコイツ……おい、お前達!コイツをや──」

 

「動くな」

 

「──!?!?」

 

刹那、彼女達はまるで何かに押さえつけられるが如く、動かなくなった。

 

「……秩序の影響だろうが、俺の言霊も強制力を増しているな」

 

何より、この世界では魔法の威力が著しく増幅するため、こちらの方が都合がいい。反魔法も存在しないので、この世界での戦闘は基本的に呪いか、言霊を用いることとなるだろう。

 

「まあ、しばらくそこで反省していろ」

 

魔王学院の入学初日、いつかゼペスに言ったように、俺は反省を促した。そうして彼女達は俺の言霊の影響に晒されたのか、自分達がしでかした行為について、悔い始めたようだ。

 

「た、助けていただき、ありがとうございます!!」

 

会計を担当していた機械の人型が俺に近づいてきて、感謝の意を述べた。未だ、事態を飲み込みきれてはいないようだが、それでもこの状況から救ってくれた感謝を口にしている。

 

「なに、気に入らぬことがあったから関わったまでだ。礼などいらぬ」

 

しかし、少々目立ちすぎたな。

 

何だ何だと野次馬が集まってきて、俺と店内にいる客の様子に注目し始めている。ゴロツキとはいえ、どうやら武器も無しにヘルメット団を制圧したことが不味かったようだ。

 

これ以上は騒ぎになるため、俺は店外へと足を運び、店を去っていった。




ミレニアムサイエンススクール。とある部室。

「この反応は……?」
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