透き通る世界で魔王は何を見る? 作:いぶりがっこ
ミレニアム。特異現象捜査部部室。
「何はともあれ、アノスさんが他人に対して無闇に力を使う様な人ではないと分かって、ほっとしました……」
溜息混じりにヒマリがほっと、胸を撫で下ろす。
それはそうだろう。力を使わず、平和的に解決できるのであれば、それが一番だ。
「なに、平和的に解決できるならば、それに越したことはない。俺とて、争いは好まぬ」
母さんや父さん、配下の皆と食卓を囲み、キノコグラタンを食す平和な一時。もし、その平和を乱す不届きな輩が居れば、言い訳は聞かぬがな。
「あ、部長。この事、先生に連絡しなくていいの?」
エイミが思い出したかのように、ヒマリへと語りかける。
「そうでしたね。アノスさんのことも含め、一度先生に連絡しなくては」
「アノスさん。この事について、連邦捜査部シャーレの先生……といっても分からないでしょうけど、この一件についての調査を私達は受けています。結果報告の為、一連の事件の真相をお伝えしてもよろしいでしょうか?」
ヒマリは真剣な面持ちで、こちらを見つめている。
「構わぬ。元はといえば、俺が起こした騒ぎだ。下手に伝えず、黙っているよりかは早急に伝えた方が、その先生とやらも安心するだろう」
俺がそう答えると、ヒマリは軽く笑みを浮かべ、薄い板状の機械を手に取る。
「ふふっ、ありがとうございます。さて、先生に連絡を……」
そうして先生に連絡をかけようとしていた、その時だった。
ドンドンッ!
部屋のドアを叩く音が聞こえる。俺はドアの方へ、その
「パンパカパーン、アリスがあらわれた!」
「「ちょっとアリス(ちゃん)!」」
「うぅ…。だ、駄目だよアリスちゃん…」
ドアを開け、入ってきたのは四人の少女だった。
一人は赤い髪の毛の少女。そして次に入ってきた二人は双子なのか、瞳の色と格好以外は同じ金髪だ。そして最後の一人は……ほう?
「アリス達は、ヒマリ先輩のお客さんに会いに来ました!ヒマリ先輩が隠すほどのお客さん、きっと凄腕の冒険者に違いありません!」
四人の内の一人。アリスと名乗る少女は、一見すると普通の少女だ。だが、その
機械だ、少女の形をした機械なのだ。
だというのに、確かに。アリスと名乗る
このアリスを創った人物は、只者ではあるまい。アリスの雰囲気はどことなくゼシアと似ている。
彼女も人為的に創られた根源クローンであるため、もし二人が出会ったのならばその性格も相まって、すぐに仲良くなれるだろう。
「貴方がヒマリ先輩のお客さんですか?確かに強そうです……!よければ、名前を教えてください!」
トコトコとアリスは人懐っこく俺の下に近づき、名を問うてきた。そんなアリスに俺は笑みを返し、名を名乗った。
「アノス・ヴォルディゴードだ。よろしく頼む」
見てわかる通り、今回はただの繋ぎ回です。
まさかの1日5本投稿達成…。
次回も本作をよろしくお願いします!