【正反対の最強】取得RTA(RTAではない)   作:底田

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焔の魔力は灰褐色なので初投稿です。


17話

考えうる最悪を引いたRTAはーじまーるよー。

 

 

 前回、神域に訪問して、リヴァイアサンを仕留めたりしてたらミレディの体に受肉したアルヴヘイトがいました。どうしてなの?でもこいつを倒せばついに目標達成です!気を抜かずにキバっていくぜ!!

 

 

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「この肉体はな、2000年前の解放者のリーダー ミレディ・ライセンのものだよ!」

 

 

 生前の彼女が絶対にしないであろう狂気的で嫌悪感を覚える笑みを浮かべながら真実を語るのはトータスの支配者 エヒトルジュエ、その眷属であるアルヴヘイトである。

 

 

「……ッ!」

 

 

 その事実に怒り、今にも突撃しそうな目で彼を見つめるは変成魔法を極めし芸術家漢女 火水焔だ。

 

 

「ほう、怒りのあまり真正面から攻撃してくると思ったが、なかなかどうして冷静じゃないか」

 

「戦いにおいて激情した方が負けってよく言うでしょ?」

 

「戦い?フッ、何を言う?これから行われるのは蹂躙だ」

 

「さっさと始めましょう。さっさと終わらせてあげるから」

 

 

 一拍、無言の時間が過ぎ両者は激突する。違いに拳を繰り出すが、片方の腕でそれを防ぐ。

 

 

「武器ではなく拳とは、冷静じゃあないのではないか?」

 

「うるさいわねぇ」

 

「まぁいい、挨拶代わりだ。アルヴヘイトの名において命ずる『ひれ伏せ』」

 

「ウザいわ、よっ!」

 

 

 焔はアルヴの放った“神言”に抗い、ウトを変化させた短刀を振るう。だがそれはすぐに避けられてしまった。

 

 

「真名を用いた“神言”に抗うか……もう1人のイレギュラーがアーティファクトでも作ったのか?おもしろい」

 

「あら?もうバレちゃった?その通りよ、ハジメくんがアーティファクトいっぱい作ってくれたからあんたの神代魔法だったりは通用しないわ!」

 

「なら試させてもらおう、“震天”」

 

「ちょっと揺れるけど問題なし!“蒼天”」

 

「“絶禍”」

 

 

 アルヴはそう言うと黒い重力球を周囲に展開し、焔の放った炎を飲み込む。

 

 

(なるほど受けた魔法とは逆の効果をぶつけることで中和、いや相殺するアーティファクトか?なら恐らく空間魔法に限らず重力魔法などの攻撃に使える神代魔法は対策されていると思ったほうがいいな。だとするならば……)

「オスカー・オルクスを思い出させる素晴らしいアーティファクトだな。昔の血が騒ぐ“ 黒天窮”」

 

 

 考察し感想を漏らしながらも、その攻撃の手は緩まず、むしろ激しくなっていく。オリジナルよりずっと小さいが、その威力はオリジナルより高い重力の塊が焔に襲いかかる。

 

 

「昔の血?あんたにも血が通ってた時期があるとは驚きだわ!イモ!“界穿”!」

 

 

 言い返しながらイモに指示を出す。イモの開いた空間の穴に“黒天窮” を放り込み、遠くにほっぽり出しなんとか回避に成功する。

 

 

「?ああその通り。私にも昔、血の通った肉体を持っていてね。魔人族の英雄王だったよ」

 

「は〜?あんた何を言ってんの?」

 

「せっかくだ。ちょっと昔話をしてやろう。私がどのようにして神に至ったかを。私は最初、掃き溜めのような町で産まれt……」

 

「はっ!ベラベラ喋ると負けるって決まってるわ。昔からね!アネ!“極光”!」

 

「グルルオオォォォン!」

 

 話を遮り焔はカーボナードめいた鱗を持つアネを召喚し、あらゆるものを焼き尽くし、蝕む強烈な光線をアルヴに向かって放った。

 

 

「“出力最大・絶禍”やれやれ、神の言葉はありがたがって聞くものだぞそそっかしい奴め。……その龍は流石に鬱陶しいな“総てを塵に還す光竜の群れ”」

 

 

 重力球が光線を飲み込んだかと思えば白と銀色がマーブル状に混ざった輝く竜がアネに襲いかかる。

 

 

「“分解”を変成魔法で……!?アネ逃げなさい!」

 

「グオォ!」

 

 

 アネは分解されることなく逃げることに成功したが、焔から離されてしまった。さらに光竜はまだ追いかけてくる。分断されてしまった。アネはすぐには戻れない。

 

 

「これであの龍はしばらく帰ってこないな。さて続きといくか、私は掃き溜めのような町で産まれたが才能があった。魔道具を手足のように扱う魔道師の天職と魔法への圧倒的な適性だ。それには神代魔法も含まれている。こんなふうにな“白牢”“天灼”“破断”」

 

 

 そう言うと同時に石化の煙と大量の雷球、水の刃が飛んでくる。

 

 

「な!?ホントに話聞かせる気ある!?」

 

「この程度凌ぎ切って貰わないとなぁ」

 

「ひっさしぶりに使うけど!《風神》で!蹴散らしてやるわ!」

 

 

 宣言通り《風神》を用いて強風を発生させ煙を散らし、水の刃も多方向からの風でただの水に戻った。雷球もあらぬ方へ飛んでいった。

 

 

「雷も風でどうにかできるのよ!」

 

「そうか。じゃあ次はもっと強い魔法を使わねばな。“風球”続けるぞ?私はその才能を活かし、戦場で白星を取り続け多くの賞賛を浴びた。“緋槍”だが私はそれで満足出来なかった。“凍雨”満たされなかった欲望は当時の魔王へと向けその王位を簒奪した」

 

 

 アルヴは様々な魔法の弾幕に切り替えた。これではいくら風で散らそうともきりがない。焔のその恵まれた体格は小回りを効かせた回避には向かずいくら“先読”が使えようといくつか喰らってしまう。

 

 

「……ッ!ウト挟んでもこのダメージ!規格外ね」

 

 

 例え当たった魔法が初級の“風球”でも神の莫大な魔力が込められているので無視できない傷を負ってしまう。だがいまの焔はその程度の怪我は直ぐに塞がり、治っていく。

 

 

「簒奪した後も私は戦い続け、前線を押し上げていった。“蒼天”そして遂に私は大陸の制覇に成功した。この世界の王となったのだ。……邪魔なスライムだ“引天”。ははは!中和するタイプのアーティファクトは中和できないぐらいの威力で潰すに限る」

 

 

 鬱陶しく思ったのか引き寄せる重力魔法を《力転》が防ぐ。だが魔力を通常の何十倍、何百倍と込められた“引天”は焔の体からウトを剥がしていく。

 

 

「ウト!!」

 

 

 アルヴの手に渡ったウトは必死に抵抗するが攻撃の固有魔法を持たないので抜け出すことができない。そして、

 

 

「“分解”これで少しは攻撃が通りやすくなったかな?」

 

 

 防御役のウトは分解を受け、塵になる。

 

 

「アルヴヘイトォ!!“蒼天”!!」

 

 

 蒼い灼熱がアルヴを襲うが目の前で防がれた。

 

 

「ちぃ!」

 

「激情した方が負けじゃないのか?これか?これはオスカー・オルクスのアーティファクト 《護天羽衣》だ。話はもう少し続くぞ?耐え忍んでみせよ“刺し貫く生成の大地”」

 

 

 これが最後の猛攻と言わんばかりに生成魔法で無数の槍に変化した草原が襲いかかってくる。

 

 

「イモ!結界!」

 

 

 空間ごと攻撃を防ぐ結界はその槍の雨を無力化していく。が、

 

 

「どこまで話したか……そうだ人間族に勝利し世界の王になったところまでだったな。私は全てを手に入れた。余計な内紛を防ぐべく宗教を潰した。当時の私はエヒト様を信じていなくてな。自分こそ神だと思っていた。魔人、人間、亜人、竜人、吸血鬼、全ての種族が私にひれ伏した。そこで私は以前から考えていた魔法を行使した。魂魄・昇華魔法を応用した私に向けられる念、信仰とも呼べるそれを力に変える魔法だ。その強い恐怖や畏敬は私の力となっていった」

「だがそこで天罰が降った。その行為はエヒト様のお心を煩わせてしまった。あの時の“神言”は今思い出しても震える!」

「神は!私ではなく!あのお方なのだと!その瞬間理解したのだ」

「このまま殺されると思ったが慈悲深いことに、エヒト様は『その力、殺すには惜しい。我の従属神となるなら存在を認めてやってもいい』そう、おっしゃってくれた」

「そうして私はエヒト様の従属神となった。偉大なるエヒト様のお力となるために……」

「……さて、空間断絶結界は魔力の消費が激しいぞ?その亀の矮小な魔力でいつまで持つ?」

 

「イモ!無茶はダメよ!いざとなったら私が!」

 

「……!」

 

 

 さらに結界の輝きが増す。絶対にこの場を乗り切るという意志の表れにも思えた。そこに場違いな拍手が鳴り渡る。

 

 

「素晴らしい主従愛だ。私のエヒト様への信仰心に比べたらみみっちいものだが。そろそろ限界か?」

 

 

 ガラスの割れるような音が鳴り響き結界が割れる。いまだ衰え知らずの大地の槍は焔を狙い穿つ。

 

 

「オオオォォォ!!」

 

 

 雄叫びを上げウトを様々な武器に変化させながら防いでいく。

 

十数発ーーー

 

 かすり傷が増えていくが直ぐに治っていく。

 

数十発ーーー

 

 さらに傷が増えていき、治りは遅くなっていく。

 

数百、数千発ーーー

 

 ついにウトが弾かれ全ての槍に刺し貫かれる。腕、脚、胴体に無数の棘が生えた趣味の悪いオブジェとなり地面に縫い付けられる。

 

 

「……まだ息があるか。そんなになってまで生きているとは気味が悪いな」

 

「……」

 

「話終わったしな。お前にはもう用はない。消えてもらお「……フフフ」……何を笑っている?」

 

「解析、完了……イモ、飲ませて」

 

 

 イモはその声を聞くや自身の“収納”からとある小瓶を取り出す。その中身を空間魔法で焔の口内に存在する唾液や血液と交換する。

 

 

「神水……まだ足掻くかイレギュラー。だがその拘束をどう解くかな?全身穴だらけじゃないか」

 

 

 アルヴの言う通り焔は死に体だ。例え神水を飲んで傷と魔力を癒そうとして、癒せるのは魔力だけだ。現在進行形で刺さっている槍を引き抜かない限り。

 

 

「脳筋も脳筋の策よ……美しくないけどね……魂魄解放……」

 

「んん?」

 

「第三限界、突破ッ……!」

 

 

 焔の体から灰褐色の魔力が噴き出す。その体を捕えている堅牢な土の槍をへし折り、抜いていく。抜き終わる頃には全快だ。

 

 

「さーて第2ラウンドよ。あたしの大逆転劇を見せてやるわ!」

 




アルヴの話はオリジナルなので公式設定に思っちゃダメです。

あとがきにエヒト目線をざっくり書くと

魔人族から神代魔法適正バッチリの奴が産まれた。育ちきってからしばらくの肉体としよう→すげー理想的な成長を遂げてテンアゲ⤴︎ ⤴︎そろそろ乗っ取ろうかな〜……アレ!?目離した隙に神の秘術使ってる!?→ヤバいヤバい今信仰の力で負けてる……でもまだギリ神じゃないから、中間地点だから勝てる!全力の神言!!→なんか勝手に心酔してくれた……こいつの体乗っ取ろうにも今の状態じゃ私の人格に影響出るし(純粋100%のアルヴへの信仰を貰うと歪むため)、消そうにももったいないし……うーん……あ!自分の部下として囲っちゃえばいいじゃん!

こんなことがあったんじゃないんすかねぇ
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