今回から出ますよ~~、出ますよ~~。
では投稿です
キーン、コーン、カーン、コーン…………。
ガラガラガラッ
「……ありがとうございました」
俺は4限の終わりを告げるチャイムの合図と共に、救護科の一室から外に出て振り向き、体調確認をしてくれた……女の先生にお礼の言葉を述べる。
「いいえ、大した怪我がなくてなによりよ」
先生はそう言って俺に笑顔を向け、こちらに手を振る。
「……失礼します」
俺は最低限失礼のないように、先生に頭を軽く下げて逃げるようにその場から立ち去る。
(くそッ。何でよりにもよって、女の先生なんだよ!)
怪我を見てくれたことには感謝しているが、それとこれとは話が別だ。
しかも〈年上の若い美人〉教師。急いで逃げたくない筈がない。
「今日はホント、朝から踏んだり蹴ったりだ……」
朝はチャリジャック&爆裂ちびっこ降臨、そしてヒス化。
その後教室にて、爆裂ちびっこ再臨&夜叉顕現。
更に、阿鼻叫喚の地獄絵図……開幕。(後に、《第二次2B大戦》と呼ばれる(理子、命名))
(朝から昼まででなんとも、なんとも強烈な出来事が続くことか……!)
因みに、俺は地獄の途中でアリアに一撃入れられ、後を不知火に託して、薄れる意識に逆らわず逃げるように目を閉じた。
気がつけば、目の前に救護科の白い天井。傍らに美人教師。取り乱したのは言うまでもない。
気絶した他の奴等はまだ何人か寝ていた(武藤含む)。
落ち着きを取り戻した後、先生に体調確認してもらい、今に至る。
(……とりあえず、蒼真シめる)
チャリジャックの件は、まだいい。がしかしそのあとの出来事は全部アイツと赤鬼のせいだ。落とし前つけなければ気がすまん。
赤鬼は、シめようとした瞬間頭に風穴空きそうなので見逃す。(ビビり)
(……昼飯おごって貰おう)
蒼真への制裁はパン2つ。奴の財布をシめてやる。
アイツは優しいので、俺の物理的制裁を甘んじて受けるのだが、なにぶん表情が変わらない。
なんか、途中ですごい罪悪感に囚われるので、こういう時は何かおごって貰う事にしている。(蒼真も、財布を無言で差し出す)
アイツになにおごって貰おうかと考えていると、我が教室に到着。
(おお、思ったよりも片付いているな……)
もっとこう、ドアが無くて窓ガラスにヒビが入りまくってて、といったボロボロの状態を想像していたが。
(壁に弾丸が埋まっているぐらいで、他は綺麗だ)
そう思い、引き戸に手をかける。
キンジは知らなかった。
ここまで片付けるのにさっきまで時間を使っていたことを。
地獄絵図を乗りきった筈なのに、無関係な自分達が蘭豹監視のもと、必死こいて後片付けをしていたことを。
そして、
ガラガラガラッ
「……ふぅ、おい蒼真‥‥」
ギロロロッッ!!!
「…………なっ!!」
関係者であろう自分がどれ程恨まれているか、を。
「捕まえろっ!」「貴様!今まで寝てやがって!」「あの後大変だったのよ!?」「何で、当事者なのにお前には何もないんだよ!!」「今はとにかく奴を捕まえるのよっ!!」
「ヤバッ!」
突然の出来事だったので、逃げ遅れるキンジ。
あわや、捕まる。というところで、
スッパーーンッ!
「おい、蒼真は居るかーーっ!」
反対の扉を勢い良く開けて、またしても蘭豹が乱入してきたのである。
(……蘭豹。俺アンタに初めて感謝するよ…………!)
キンジは、みんなが蘭豹に意識を向けているこのチャンスに少しづつ後退して、逃げるタイミングを見計らう!
「おい、蒼真は居るんか聞いとんのや?あ?」
蘭豹は再び、近くにいた生徒に問いかける。
「あっい、いえ!居ません!」
「あ~~ん?……チッ、さよか」
それを聞いた蘭豹は、舌打ち混じりに少し残念そうな顔をする。
(……まぁ、蒼真は蘭豹の〈お気に入り〉だから、な)
俺なら絶対嫌だ、と思いながら俺は最終フェイズに移行する!
「……ならお前、アイツに言っとき」
「は、はい!‥‥何ですか?」
「今日は絶対強襲科に顔出せ、絶対やぞ!ってな」
「はい、了解です!」
蘭豹はふんっと鼻を鳴らして、扉を閉めずに去っていった。
その時には俺は既に……
「…………あっ!!キンジの奴がいねぇ!?」
逃走を完了していた。
「クソッ!逃げられたぞ!!」「探せ探せーー!!」「まだこの近くにいるはずよ!」「見つけ次第全員にメールで報告、奴を追い詰めるわよ!」「みんな、散れ!!」
「「「「「おうっ!!!」」」」」
今日昼までで培われた団結力で、憎きあんちくしょうの捕獲にかかる!!
………………。
…………。
……。
その頃、逃走者であるキンジは、一般棟の〈新品同然の屋上のドア〉をくぐり、この屋上に身を潜めていた。
(……やっぱり、絶対に、あのロボットをぶん殴るっ!!)
キンジは恨み言を呟きながら、蒼真に制裁を下すことを誓った。
───そして、真の当事者である蒼真はといえば───
△▼△▼△▼△▼△▼
「ん~~~ふふふっ。そ~くんっ♪」
すりすりすりすり♪
ここは一般棟の近くにある、体育倉庫の裏。下には芝生が植え付けられ、木も何本かが等間隔に並ぶよう植えられている。
真ん中の木には、その下にベンチが一つ置かれている。
ここは知る人ぞ知る、いちゃラブ&穴場スポットなのである。
木や倉庫で上からも回りからもこの場所が見えないため、春夏秋はカップルがしばしば利用している。
そんなところに……
「……理子」
「ん~~?な~に、そうくん?」
我らが主人公の一人、夜神 蒼真はベンチに腰を下ろし、その上に理子を乗せてめちゃくちゃ甘やかしていた。
正直にいえば、これ……なんてエロゲ?状態である。
当の本人は、
「…………何でも‥‥ない」
ポンッ
「んっ、そう?‥‥ま、いっか♪」
蒼真に頭を撫でられながら、理子はまたご機嫌MAXで彼の胸板に頬擦りを始める。
(……しかたない‥‥か)
事の経緯はこうである。
■
□
■
蒼真は一人、アリアが壊した屋上の扉を直していた。
扉は予備が置いてある1階の予備倉庫から取りだし、そこから工具も拝借して、屋上まで持ってきて修繕していた。
「……ふぅ」
15分くらいで、扉の修復を完了させた蒼真は一息つく。
するとそこに、
「そ~お~くんっ♪」
蒼真はその声に振り返ろうとして、とんっ、軽い衝撃とともに背中にやわらかい感触が広がる。
蒼真は自分を襲った犯人の名前を呼ぶ。
「……理子」
「はーーい!りこりんで~~す!」
理子は元気に返事して、蒼真の首をキュッと少し強く力を込める。
「……どうした?」
「どうした?じゃないよーー!りこりんは今、プンプンガオーなんだぞっ」
そう返す理子は背中から蒼真の顔を除きこみ、いかにも怒ってますアピールをする。
「…………?」
「ああーーっ、わからないって顔してるーー!ひど~~い。理子……恐かったんだぞ~~っ」
蒼真は本当に覚えがないようだが、とりあえず
「……すまん」
「……えっと、そこでマジ謝りはちょっと‥‥‥‥‥‥」
「……?」
「い、いや。うん、分かればいいんだよ分かればっ」
理子は少し引いていたが、これ以上はループしそうなので気を取り直して話を戻す。
「だから~~、理子はそうくんのお詫びの証がほしいな♪」
「……お詫び‥‥か」
■
□
■
というわけである。
俺は理子になにが欲しいか聞いたら、こんな状況になってしまった。
(……まぁ、俺は‥‥構わないが)
こんなことで機嫌が良くなるなら、尚更だ。
俺も頼られて嬉しいしな、と心の中で思っていると、
「…………ねぇ、そうくん」
今までずっと甘えていた理子が唐突に話しかけてきた。
理子は胸板に顔を押し付けて、俺に見えないようにしている。
「……なんだ?」
「〈知ってる〉……よね?」
…………〈あの事〉、か。
「……ああ」
「…………なんで‥‥‥怒らないの?」
そこから、理子は俺に尋ね始めた。
「…………どうして‥‥一緒にいてくれるの?」
「‥‥‥‥どうして‥理子を責めないの?」
「‥‥どうして、いつもどおり頭を撫でてくれるのっ」
「どうして」
ポコッ
「っていたぁ!」
俺に疑問を尋ね続けてた理子の頭を軽く拳で小突く。
理子は頭を押さえながら押し付けていた顔を上げる、涙目でおれを見つめる。
「……これで‥‥満足か?」
「……っふざけてる時じゃ」
ポコッッ
「っっにゅうぅ~~~!!」
俺はまた、今度は少し強く頭を小突く。
理子はそこそこ痛いのか、俺の膝の上で頭を押さえてうずくまる。
「……さっきのは‥‥友と妹を、いじめた分」
俺の声に、今度は頭を守りながら再度俺を見上げる。
「……今のは‥‥兄を信じない‥‥もう一人の‥‥〈妹〉の分」
「ッッ!!」
理子は痛みを忘れて、目を見開きながら俺を見つめる。
「……お前が、辛いのは‥…知ってる」
「……お前が、苦しんで‥‥いるのも‥‥知ってる」
「……俺が‥‥不甲斐ない、ばかりに‥‥な」
「それは違うっ!!」
「‥‥っ」
理子が声をあげて、否定する。
「そうくんは私を助けてくれた!」
「あそこから、救い出してくれた!」
「傷だらけになりながら、血味泥になりながらアイツと‥‥アイツらと命懸けで戦ってくれた!」
「今、こうなっちゃったのは私のせいだ!」
「その証拠に〈あの子〉はアイツに見つかってない。それは、そうくんの言うとおりに隠れているから!」
「私が言うとおりに隠れてなかったから、だからっ」
「……それでも」
ぽむっ
俺は自分を追い詰める理子の頭を優しく撫でる。
「守れなかった、俺のせいだ」
「そう、くん……」
涙を流す理子の頭を抱き寄せて、撫で続ける。
「……奴は‥‥〈ブラド〉は、うまく‥‥隠れている」
「……俺が、見つけられない‥‥ほどに」
「……見つけたなら‥‥潰しに、行けるのに」
「‥そうくん……」
理子は、悲痛な目でおれを見つめる。
「……だから‥‥責める、はずがない」
「……辛い思いを‥‥しているお前を、責めは‥‥しない」
「そうくんっ!」
今度は理子の方から俺に強く抱きつく。
「……それに、な」
「?」
話し続ける俺を、理子は涙目で見上げる。
「……キンジと、アリアは…そんな‥‥やわじゃない」
俺の言葉に、理子は少し笑顔を見せる。
「えー。だってあの二人弱々だよ~。そうくんと比べ物にならないよ!」
「……嘗めてると‥‥痛い目に、合うぞ」
俺は理子のおでこを、人差し指でツンツンする。
「あう、あう、あう」
理子はツンツンされるごとに声をあげる。
「……まぁ」
ツンツンし終えた俺にまだあるのかと、理子が視線で訴えるが
「……俺も‥‥出るし」
その言葉に理子は、これ私も仲間たちも詰んだんじゃね?と思った。
「……マジ?」
「……マジ」
「……今日みたいに?」
「……今日、みたいに」
理子は唐突に黙り、次には
「はあぁ~~~~~~~~」
長いため息をついた。
そんな理子の頭を撫でながら俺は言う。
「……だけどこれは‥‥理子とアリア、キンジの‥‥戦い
」
「……今回、俺は‥‥干渉者と、傍観者を‥‥潰す」
それを聞いた理子は、意味を悟り
「……お願い、できる?」
「任せろ」
それに俺は、はっきりと答えた。
キーン、コーン、カーン、コーン…………
体育倉庫裏に、予鈴が鳴り響く。
「……理子」
「んっ」
俺が呼ぶと、理子はピョンと俺の膝から飛び退く。
理子は身だしなみを整えて俺に放り向くと、
「そうくんっ」
チュッ♪
「理子は、優しいそうくんが、だ~い好きだよ♪」
そう言って理子は走り出し、あっという間に後ろ姿が見えなくなった。
(……あの‥‥キス魔め)
その場に取り残された俺は、ただただ苦笑しか出てこなかった。
ブ~~~ン、ブ~~~ン…………
俺も行くかと思っていると、制服の胸ポケットが震えた。
胸ポケットから携帯を取り出すと、不知火からだった。
俺は、予鈴も終わったこの時間に何事か?と思いながら電話に出る。
「……俺だ」
『ああ、夜神君。ゴメンこんな時間に。』
「……いや」
『峰さんといるところを見てね、この時間ぐらいならいいかなって思って。大丈夫だったかな?』
「……問題ない」
不知火、できる男。てか、見られたか。
『よかった。あ、後僕しか見てないから安心してね』
「…………」
なんて男だ、不知火。
『それじゃあ、蘭豹先生から伝言。今日は絶対に強襲科に来いって。』
「……わかった‥‥ありがとう」
『どういたしまして。……ああ、それと聞きたいことがあるんだけど、いいかい?』
「……なんだ?」
『遠山君、知らないかな?』
「……どうした?」
俺は不知火から事情を聞く。
どうやら俺とアリアのせいで予想よりすごい事になっていた。
「……俺とアリアが、謝るが?」
『ああいや、なんか夜神君はいいみたい。神崎さんはわからないけど。とりあえず、遠山君が何処に隠れてるか夜神君なら知ってると思って』
「…………」
よくわからんが、まぁ……
「……一般棟の屋上」
面白そうなのでアイツの隠れ家をばらす。
『そこなら見たらしいけど』
「……ヒントは‥‥屋上の、上の上」
『…………ああ、成る程。わかったよ、ありがとう夜神君。』
「……いや」
そう言ってお互いに電話を切る。
さて、残り5分くらいか。まぁ、あの先生を怒らすのも得策ではないので、少し急ごう。
俺は駆け足で強襲科の方へ向かう。
「蒼真ああぁぁぁーーー―――…………!!!!」
後ろから、友が俺の名を呼ぶが気にしない。
気にしないったら気にしない。
さてさて、先生の用事はなにかね?
△▼△▼△▼△▼△▼
アタシは目の前の光景が信じられなかった。
強襲科1年のA・Bランクの奴ら〈20人以上〉が……
一人の先輩によって地に伏せられていた。
■
□
■
「ふぅ、ふぅ、ふぅっ」
「……はぁ……はぁ」
ここは強襲科訓練体育館。
ここの1階で数多の生徒に紛れながら、その女子生徒は相手男子生徒と組み手をしていた。
どうやら女子の方が有利なのだろう。明らかに呼吸のリズムが違う。
「……ッ」
ダッ!
しびれを切らした男子が女子に向かい、右のジャブからの左ストレートを放つ。が
女子の方は落ち着いて、まず右のジャブをガードする。
相手が右を引き、左を打とうとした瞬間に女子が前に出る!
彼の、自身の顔を狙った左を読み切り、前に出た勢いを殺さずすんでのところでかわす。
そのまま
「シッ!」
同じく、右のストレートを相手の溝に叩き込む!
「グッッ…………」
バタンッ
叩き込まれた男子は、そのまま前のめりに倒れてしまった。
「…………ふぅっ……しっ!」
ここに男子生徒の敗北と女子生徒……火野 ライカの勝利か確定した。
アタシはミネラルウォーターを飲みながら、先ほどの組み手で流した汗をタオルで拭き、これからの予定を考えていた。
「んーー。走り込み‥‥いやここは射撃か?」
そう悩んでいると、
「おい1年ども!ちょっと〈闘技場〉までこいや!!」
遠くで蘭豹先生がアタシたちを呼んでいた。
アタシたちはすぐに訓練体育館を出て闘技場……強襲科棟に向かう。
アタシたちがそこにつくと、闘技場の真ん中に20人以上の生徒が集まっていた。
「おい、アイツらって」「ああ、俺達と同じ1年のA・Bランクの奴らだ」「しかも、全員血の気が多くて有名な奴らばかりよ。」「いったい何が始まるんだ?」
そうなのだ。あそこにいる奴らは上勝ちしたり、同じ1年を脅迫したりとたちが悪くて有名だ。
「乱戦でもすんのか?」
アタシは適当に考えながら、とりあえずアタシがあそこに呼ばれなくてよかった、と思っていると
「全員そろたな、じゃあ入ってこいや!」
「??」
蘭豹先生が奥に向かって誰かを呼んだ。
すると
ガチャッ
奥の扉から誰かが闘技場に入って行った。
真ん中の照明が明るいところまできて、その人の姿が見えると、
「……なっ!?」
アタシは絶句した。いや、アタシだけじゃない。他の1年皆も同じく絶句している。
ダークブラウンの髪を後ろで適当に束ね、相手を射殺すような鋭い目付き、全体的に整った顔立ち。
身長は高く、180後半ぐらいの高さがあり、ガタイもがっしりしている。
右のホルスターにはDEが納められていて、靴は黒のナイフブーツを履いている。
間違いない……あの人はっ!
「夜神 蒼真先輩……ッ!!」
強襲科2年首席のSランク武偵〈戦闘機人〉がそこにいた。
火野 ライカ。
彼女はこのときの出来事をこう言い表す。
────容赦の欠片もない惨劇───と
いかがでしたか?
時間の都合上、蒼真を暴れさせれなかった。無念です。
りこりんフラグは初っぱなからビンビンでございます。
次回の投稿は少し遅くなるかもしれません。
ご容赦下さい。
では
感想と優しい批評、評価待ってます!
ヒロインも募集中です!!