衝動的に書いたので完結せずに迷走するかもしれません
始まりは気づいた2人と
誰にも言えない秘密。誰しもあるのではないかと思う。私にも複数あるけれど、1つだけ、絶対に言えないことがある。一番の親友にも、一番付き合いの長い幼馴染にも言えない、秘密。
私は、昔から感情を感じたことがない。でも、感情がないと知られたら、面倒な扱いを受けるんじゃないか。そう考えた幼い頃の私は、子供らしく振る舞えるように人付き合いを多くした。初めて見るものは自分のものにできるように。そして、他人から見た“らしさ”が一般的なものになるように。それを見破ったのは1人の少女だった。
「 ねぇ、なんでそんな風に見せてるの? 」
衝撃だった。だってバレるわけないと思っていたから。初対面で見破ったその少女に興味が湧いた。初めて、好奇心を感じたような気がした。
「 なんで見せてると思ったの。僕は僕がやりたいようにやってるだけだけど? 」
「 嘘つきね。あたしに騙せると思ったの?あたし、これでも観察眼は鋭い方よ。諦めなさい。 」
強引な子だなと思った。一方で、口調が無理矢理感があるなと思った。まるで……
「 あぁ、君自身がこっち側なの? 」
「 …何言ってるの。あたしはあたしよ。別に、変でもないでしょう? 」
「 人には嘘つきって言うのに、君は嘘つくんだ。変なのー。 」
そこまで言うと、少女は俯いた。なんでだろ、と思ってると、突然引っ張られた。こけそうになりながら彼女について行くと全く知らない場所についた。やたらと人を気にするんだな、と思ったけど、私もそう大差はなかった。だって、面倒事を避けたいっていう理由だけど、人目を気にしているのは事実だったから。
そんな事を考えていると、少女は口を開いた。
「 なんで、そう思ったの。 」
「 そうって?偽ってると思った理由? 」
「 そう。なんでかなと思って。 」
「 …だって君、分かりやすいんだもん。隠してるようにしか見えなかったし、なんだか不自然だったから。君の言葉を借りるわけじゃないけど…なんでそういう風にしてるの? 」
そこまで言うと、少女は黙った。
(あぁ、親かな。親に何か言われたとかかな)
そんな事を呑気に考えてると、少女は話した。
「 らしくないって、言われるから。女の子は女の子らしくって、鬱陶しいんだよ。あんな親も、友達も、親戚も。みんな嫌い!ほんとは、一人称だって、服だって…!」
そうして彼女は語り始めた。親は待望の女の子、というか…初めて生まれた子が望んでいた女の子だったということで、彼女に女の子らしさを求め続けた。それは彼女に妹ができても、弟ができても変わらなかった。彼女の周りはみんな“らしさ”を求めた。
(僕とは、真逆だ)
自ら“らしさ”を作った僕とは違う。彼女は押し付けられた“らしさ”に苦しんでるんだ
…あぁ、なんて
「 じゃあ、僕と友達になろうよ。僕の服着てもいいよ。いつでもうちにおいでよ。 」
「 …貴方の親に、なんて言われるから分からないよ。それでもいいの?俺と一緒にいたら、君が今までやってきた理由が…」
「 いーのいーの。僕はそうした方がいいかと思ってやっただけだし、続ける理由もないからね。 」
そして、彼女と友達“ごっこ”を始めた。ただし、彼女の愚痴を聞いてはよく頑張ったね、と言うだけ。なんて簡単なのだろう。彼女は私に深く干渉することはなかった。それが何より楽だった。
彼女の名前は
それから、1つの秘密を共有しただけのその幼馴染は深く詮索することなく、ただ私の近くにいることを望んだ。なんて幸運なのだろう、退屈にもならず、それでいてこんなにも面白い。手放す理由もないけど、彼女が飽きたら自然と僕から離れるんだろうなと思っていた。
そんなある日、1人の少年と出会う。年下で、私からしたら初めての中学の部活の後輩の、少年。彼はごく自然に、私の仮面を見破った。俄然興味が湧いた。だって、幼馴染以来だったのだから
「 こーはい君、この世で生きていく中で何が必要だと思う? 」
「 …俺が危害を加えないと分かった瞬間に聞く質問がそれですか。深い意味は無さそうですけど、なんか怖いですね。まぁでも、先輩が俺の答えを参考にして生きようとするならやめたほうがいいっすよ。だって俺も先輩と似たようなもんでしょ。 」
「 それでもいーから。さぁさぁ答えようかこーはい君。それとも僕の質問には答えられないかい?」
「 いい加減そのキャラやめません?なんかそのキャラの時の先輩違和感しかないんですよ」
初めて違和感があるなんて言われたから、びっくりした。だって、誰も違和感があるなんて言わなかった。水希はもう私が偽るのなんて見慣れすぎて何も言ってこないから。それも、初対面の私の仮面を見破った少年に言われるなんて。内心期待していた。もしかしたら、この子ならば、と。
この出来事を水希に話すと、水希も違和感があったらしく、まぁ見破ったならそういうんじゃない。と言っていた。そんなものなのかと思ってその時は諦めた。
ただ、2人が私の本性にまで気づくことは無かった。