番外編とか過去編の細かいところは気が向いた時に書こうかなぁと思ってます…
それは突然だった。その前日まで、私は普通に笑えていたのだから。だから、夢に囚われていると気づくのさえ遅れた。
「 なんでずっと周りに花があるんだろう…? 」
その言葉を口に出してようやっと気づいた異変。私は今まで気づかなかったことよりも、どれだけ歩いても走っても花が周りに必ずあることに恐怖を覚えた。
必死にずっと走っていると、いつの間にか光のない、真っ暗な空間にいた。
(あぁ、俺また…1人になるの…?また…みんな、俺の事、置いて…また…もう、誰も…。)
虚空に投げたその私の問いは、誰にも届くことはなかった。今も私の心の中にだけあればいいとさえ思っている。願わくば、これを見つけた人にさえ、この思いが気づかれなければとさえ思うくらいに。
どれだけ時間が経っても私の目に光が入ることは無かった。ずっとずっと真っ暗な世界。希望は欠片も見えない。
( あぁ、私の心みたいだ。 )
そして私は、諦めたように虚空を見つめ、はは、と声に出した。まるで笑えている気はしなかったが、もう希望なんてとっくの昔に潰えたのだ。もういいだろう。私は頑張った。そうだ、もう、このまま、孤独に、暗闇に呑まれてしまえば……。
そんな私の目の前に2種類の花が置いてあった。
ガーベラとアイリス。花の名前だけは母や妹が好きなので覚えていた。けれど、意味は…、
『 おにぃ、これねー、ガーベラって言うの。こっちはアイリス。んでこっちは…ふふっ、珍しいでしょ。青の薔薇と紫の菊だよ! 』
『 それ、僕に渡してなにか意味あるの…?僕花詳しくないよ。 』
『 いーんだよ。おにぃがいつかきっと調べてくれるってあたし信じてるもん!あっでもこれだけ教えとこうかな。ガーベラの花言葉はね……、 』
「 希望…? 」
私がその言葉を呟いた途端、遠くに妹が…椿が、見えたような気がした。椿は私を見て柔らかく微笑んで、
「 あたしの大事な、大好きなおにぃ。絶対絶対戻ってきてよね!分かってる? 」
そういって笑みを浮かべながら消えた。
「 つば、き…? 」
彼女の消えた先を見れば、ぼんやりと光が見えた気がした。
「 椿は…僕を、待ってる……のか?でも…。 」
不安に駆られた暗い気持ちを振り切るように首を勢いよく横に振り、頬を手で叩いた。ぱちん、という音が響いて、じんわりと残る痛みは私を勇気づけた。
「 椿が待ってるのは弱い兄じゃない。兄らしく…椿が笑ってくれるように。私らしくいるんだ。 」
迷いは消えていた。ただ、ずっとそばにいてくれた最愛の妹へ感謝をするために私は光へと走り出した。
「 おにぃ……? 」
目が覚めると椿はそこにいた。私にお見舞いで持ってきてくれていたのだろうか。いくつかの花がまとまってある花束を両手で抱えていたのに、私を見た途端それを床に落として駆け寄ってきた。
「おにぃ!?目が覚めたんだ、よかった。よかっ…た…っ!」
少し涙目の椿の頭を撫でてやって、私にできる精一杯の笑みを浮かべて呟いた。
「 ただいま、椿。ごめんな、またせて。 」
「 ほんとだよ、おにぃのばか。ばーか…! 」
子供のように泣きじゃくる椿は、今まで見てきた椿とは違う一面を見たような気がして少し嬉しかったような気もする。なんだか、名残惜しい気もした。
なぜなら、その時の私に残った時間は後1ヶ月だった。
息抜きに書いてた二次創作が思いのほか楽しくて書き上げちゃったので近々公開予定です
この小説完結させてから投稿するかは迷ってます