ちなみにあとこれ含めて2話ぐらいで完結予定です。番外編とかはまだ書くか決めてません
side.椿___
おにぃの日記は、日記というよりは…死ぬ前に書く…えぇっと…なんだっけ、あぁそうだ、遺書のように感じた。確かに遺書というにはおにぃの話が多くて遺書とは言いづらいだろうけど、あたしにはおにぃの本音というのはおにぃにとって思いを伝えようと意を決したものであって、そんなおにぃが死ぬって分かっててかいているならそれはあたしはおにいの遺書なんだと思う。
おにぃは、あたしにとって誰よりも味方でいてくれる人だった。
あたしが幼い頃病弱で、親が共働きで。そんな中でおにぃは友達もいるのにあたしを最優先してあたしの心配をしてくれた、優しくて頼りがいになる兄。そんなおにぃだからついついあたしも甘えてるところがあった。
時々、おにぃに「 おともだちはいいの? 」なんて聞いてみたことがあったけどおにぃは決まって、
「 僕にとってどんな友達よりも椿が大事だよ。たった一人の妹なんだから。な? 」
と言ってくれた。おにぃには水希ちゃんっていう大事な幼馴染も、
でも、あたしが元気になるにつれ、おにぃが今度は病弱になっていった。お母さんいわく、元々あった病気が今進行してる、ということだった。あたしの記憶には元気なおにぃの姿しかなく、病院で苦しそうにしているおにぃを見て、おにぃはあたしがこんな風に見えてたのかな、なんて思ってしまって少し悲しかった。それでもおにぃが気丈に振る舞う姿は、かつてのあたしと違っていて、でも弱々しかった。
ある日、おにぃが意識不明の重体になった。おにぃは安らかに眠っているのに心臓の動きは弱くなるばかりで。あたしはゾッとした。おにぃがいなくなる、なんて考えたこともなかった。お母さんはおにぃが心の内が読めないからって避けていたけれど今は違う。母の顔だった。ひどく心配そうにおにぃを見ていた。
(どうして、おにぃはこんなにも安らかなんだろう。これが幸せな死ってこと…?)
そんなことを考えながら必死でおにぃの看病をし続けた。
ある時はガーベラを、ある時はアイリス、青い薔薇、紫の菊、ストレリチア、サラサドウダン…。
あたしが覚えている、今のおにぃのための花言葉を選んでおにぃの部屋に飾っていた。
ガーベラとアイリスは希望、青い薔薇と紫の菊は夢叶う。そしてストレリチア、サラサドウダンは未来。おにぃが希望を見出して、おにぃが夢を叶える未来を掴めるように…。
そんなささやかな願いを込めて看病し続けた。
おにぃが眠り続けて約1ヶ月経った時、もうお医者様からは目が覚めないかもしれないと言われていた時。突然おにぃが苦しそうにしだした。
「 おにぃ…?どうしたの。ねぇ、おにぃ!! 」
あたしは必死に叫んだ。もしかしたら、おにぃが起きてくれるかもしれない。また、おにぃが笑ってくれるかもしれない。そんな思いで叫び続けた。
数時間経って、あたしもいつの間にか叫び疲れて寝てしまっていた。その時、突然あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
「 つば、き…? 」
「 おに、ぃ…ちゃ、? 」
久しぶりにお兄ちゃん、と呼びかけておにぃの様子が少しおかしい事に気づいた。
起きたんじゃない、戦ってるんだ。
「
ふと思い出して起き上がり、持ってきていた花束を持って花瓶に…と思って花束を抱えた。
その時、おにぃの目が開いた。
「 おにぃ…? 」
慌てて声をかける。びっくりしすぎて思わず花束を落としてしまったけどそんなことどうでもいい。
おにぃがいる。おにぃが起きた。おにぃが……重症だったおにぃが目を覚ました。それだけであたしは嬉しかった。
「 おにぃ!?目が覚めたんだ、よかった。よかっ…た…っ! 」
らしくないくらい泣きそうになってしまった。それだけ、おにぃがいることが、生きていることが嬉しかった。
「 ただいま、椿。ごめんな、またせて。 」
そう言って笑うおにぃは、少し吹っ切れたような顔をしていて、それだけであたしの涙腺は崩壊してしまった。
「 ほんとだよ、おにぃのばか。ばーか…! 」
あたしはおにぃの胸で泣きじゃくった。看護師さんが心配して来てくれたけど、あたしはずっと泣き叫んでしまった。
だって、もうすぐおにぃがいなくなるような気がしたから。
勘のいいガキって良いですよね。私大好物なんですよ。
椿に癖詰め込んでしまった…