Crossfire×Sonic ~戦争の超獣世界~   作:ブルー・ハイパー

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Episode2 プロローグ(side:クロスファイア)

ある荒野で俺はある人物の帰りを待つ。

 

「相変わらず殺風景だな、ここは」

 

俺がいるこの荒野は、ある悲劇が起きてから殺風景なものと化した。

夕方になって風は強く吹き、その風に砂が大量に混ざっている。そのせいで周りはまともに見えず、天気は晴れることもなく、茶色い空が辺り一面を覆っている。

 

 

「……おーい!!」

 

そこにある声がする。

その声の主は俺の友人ヨルムンガルドだ。

 

「どうだ、ヨルムンガルド。手掛かりは見つかったのか?」

 

そう、俺達はある手掛かりを求め、旅をしている。

その手がかりとは何かというと……、

 

 

「すまねぇ、見つからなかった。……このままじゃ、戦争はさらにエスカレートしてしまうというのに」

 

この世界で起こっている戦争をくい止める為の手がかりだ。

だが、2年近く旅をしている今でも手掛かりはほとんど掴めていない。

戦争への苛立ちかヨルムンガルドは唇をかみしめ、手も強く握りしめる……。

 

「あぁ、このままじゃこの世界は戦争によって取り返しのつかないことになる。だから絶対に俺たちの手で戦争を……」

 

俺はヨルムンガルドにそう言い聞かせる。

そして背中に背負っていた大きいリュックサックテントと携帯用の折り畳み式イスを出し、それらを広げて野宿の準備をする。

 

「…腹が減っては戦はできぬ。さあ、食えよ」

 

そう言って俺が出したのはキムチ。

こいつは俺の大好物で非常食用に常に何個も持っている。

 

「……そうだな。サンキュ、クロスファイア」

 

ヨルムンガルドはそう言い、キムチを手に持ち、食べる。

 

「相変わらず辛過ぎるだろ、これ」

 

そう言って舌がヒリヒリした顔を見せ、涙目で俺に訴えてくる。

まあ、いつものことだから俺的にはどうしたという話ではあるが。

 

「仕方ねーよ、俺に合うやつそれしかねぇんだから」

 

そう言いながら俺はキムチを一口食べた。

シャキシャキした食感と唐辛子がきいた辛い味、これ以上に俺を魅了した食べ物はない。

 

「……まぁ、キムチ生活にも慣れたからいいけどよ」

 

「何だよ、それって俺が強引に食わせたって言い方じゃねぇか」

 

「まるっきり、その通りだけどな」

 

「うるせぇ」

 

こうやって、皮肉混ざりで話しながら俺達は一夜を過ごした。

深夜にもなるころにはさらに暗くなり、何も見えなくなり辺りが真っ黒に染まるが、朝が近づくにつれて空は少しずつ明るくなり、俺が目を覚ましたころには……、

 

「う~……ん、相変わらずいい朝だな」

 

戦争が起きているにも関わらず、この瞬間に映る風景だけはとても綺麗だ。

東の岩山から太陽がおはようと言わんばかりに美しく光っており、今日も1日頑張ろうって気持ちにさせてくれる。

 

「う~ん、もう朝か……。ふわぁ……」

 

そしてヨルムンガルドも目を擦り、大きくあくびをしながら体を起こす。

 

「起きたか、出発するぞ」

 

そう言って、俺はすぐにテントと折り畳み式のイスを畳み、大きなリュックサックにしまう。そうしてパンパンになったリュックサックをまた背負う。

 

「相変わらず出発するの早えよな」

 

そんな様子を見たヨルムンガルドは、ボソッと呟く。

しかし、そんなことは気にせずに俺は黙々と作業を続ける。

やがて作業も終わって俺は、

 

「行くぞ」

 

それだけ言って俺達は再び歩き出した。

 

 

「……なぁ、今日はどこ目指して歩くんだ?」

 

ヨルムンガルドは俺にそう聞いてくる。そういえば、そんなことあまり考えてなかったっけ。

 

「……」

 

俺は思わず言葉を濁らせる。

 

「おいおい、今日も目指す場所決めずに歩くのかよ。……まぁ、いいけどさ」

 

ヨルムンガルドは呆れた顔で俺にそんなことを言う。

目的地も決めずに旅するのが俺の……、俺達のやり方だ。

 

 

そしてしばらくは何も話すことなく、黙々と歩き続けた。

ヒューッと吹く風と歩くたびに聞こえる足音だけが俺の耳に入った。

 

 

そしてあっという間に昼はやってきて、爆音や銃撃音が聞こえるようになる。

そんな中、俺達は昼飯をとることにした。

 

「あ~、疲れた……」

 

ヨルムンガルドは四つんばいになり、頭を地面に向けながらそう言う。

 

「何言ってんだよ、食った後もまた歩くんだぞ?」

 

俺は、微笑しながらそう言い返す。

そしてリュックをおろし、中から折り畳み式イス2つを取り出し、イスの形に広げる。

 

「さぁ、今から食うぞ。ほれ、今回のキムチ」

 

俺はまたキムチを取り出し、ヨルムンガルドに手渡す。

よっぽど腹が減っていたのか彼は、すぐに蓋を開け、キムチを頬張る。

 

「うん、辛いな」

 

いつも通り辛いって顔をするが、不満そうな顔はしていない。

やがて、俺達は昼飯を食べ終え、再び歩く準備をしようとしたときだった……。

 

「う、うわーーー!!!」

 

ヨルムンガルドは突然悲鳴をあげた。

何かあったのかとすぐに振りかえると……、

 

「おい! ヨルムンガルド!!」

 

ヨルムンガルドは崖から足を踏み外してしまい、崖から突起している部分を掴んで辛うじて落ちてはいなかったが、その突起はかなり脆く今にも砕けそうだった……。

 

「今助けるぞ!!」

 

すぐに手を出してヨルムンガルドを掴もうとしたが、僅かに届かなかった……。

そして予想していた最悪の事態は起こってしまう。

 

 

「う、うわーーー!!!」

 

掴んでいた突起部分が体重で砕けてしまい、ヨルムンガルドは底が見えない暗闇に吸い込まれるように落ちていってしまった……。

 

 

「ヨルムンガルドーーォッ!!!!」

 

ヨルムンガルドが落ちてしまい、俺は大きく絶望し、涙を多く流す。

胸が裂けそうで、体が震える。

 

 

 

 

 

そしてその悲劇が起こってから半年後……、

 

「なぁ、ヨルムンガルド。アンタは一体今どこにいるんだろうな……」

 

俺は、レイジング・ブルと呼ばれる俺の故郷の街へ帰っていた。

しかし、帰ったところでヨルムンガルドを失ってできた傷が癒えるはずもない。

 

 

「……行くか」

 

そう言って俺は歩き出す。

手をズボンのポケットに突っ込みコツコツと音を立てながら歩き、やがて動きを止める。

そこは、カジノだった。そこはいつも騒がしく、外までその音が聞こえる。

しかし俺はそんなことは微塵も気にせずにドアを開け、中へ入る。

 

 

「ヒィ! クロスファイアが来たぞ!!」

「ヤベェよ、今日は誰が餌になるんだ!?」

 

このカジノの常連はライオンに目を付けられたウサギのようにおびえたような顔で俺を見る。

 

「……チッ」

 

そんな様子を見て、苛立ちを覚えつい、舌打ちをしてしまう。

そして俺は客の適当な奴を1人選んで指を差し、こう言い放つ。

 

「……今日は、お前だ。」

 

するとその客は……、

 

「えーマジ!? 俺に勝負挑むのwww? 今の俺チョーついてるからやめとけってwww」

 

……なんだコイツ、頭おかしいこと抜かしやがって。

そう心の中で思い、殴りたい衝動を抑えながら俺はアーケードレースゲームに向きながらそいつにこう言う。

 

「……今回は、レースゲームで勝負だ。始めるぞ」

 

俺はそう言ってゲーセンにあるようなアーケードレースゲームの椅子に腰を掛ける。

人間が住んでる世界じゃ、カジノは運要素が強いらしいがここは実力の要素が強い。

指名した客も椅子に腰を掛け、お互いレースの用意をする。

 

「5、4、3、2、1、Leady Go!!」

 

ゲーム機からそんな音声がすると同時に俺と客のカートが走り出す。(ゲーム内では)

最初はお互いほぼ互角でカートが並ぶ状況が続いていたが……、

 

 

「……フン」

 

俺はそう鼻息を出す。同時にカーを少し減速させる。

相手は調子に乗ってスピードを上げカーブに入ろうとしたとき……。

 

 

「……くたばれ!!」

 

コースの端に走っていた相手めがけて猛スピードで走り体当たりをする。

相手は見事に弾き出され、コースの外に泥水に着水してしまう。

 

「何ッ!!?」

 

泥水に使った相手のカーは簡単にはコースに復帰できず、その隙にそのカーを抜かしゴール。

 

 

「チキショー!!!」

 

相手はそう言って悔し泣きするが、俺はそんな様子など見向きもせずに賭けに勝って得た金だけを手にしてカジノを出る。

 

 

「今回はまずまずか……」

 

今回得た金額は2万5千円。

最近はカジノで只管勝負に勝っては金を得るという生活になっている。

 

「……コイツでも買って帰るか」

 

近くの24時間営業のスーパーで適当にキムチを手に持っていた金で買い、スーパーを出る。

そういえば、人間世界にもスーパーとかコンビニとかがあった気がするのを思い出す。

 

そして家へ帰り、リビングの電気をつける。

木造の家で玄関から入ってリビングがあり、キッチンとトイレと風呂、寝室がある程度の少し小さい家だ。家の雰囲気が少し古臭く、傷が多いので周りからは貧しそうと哀れまれているが、実際はカジノで毎日3万、多いときは5万近くは得ているので生活に不自由はない。

 

「……はぁ」

 

そうため息をつきながらベッドに横たわる。俺はヨルムンガルド以外に友人はいない。

厳密にはアリスという友人もいたが、現在は連絡がとれていない。

いくら金があったところで彼を失ってからは、嬉しいとは思ってもそれで心が満たされたと思ったことは無い。

そして俺は目を閉じ、眠った。

 

 

 

 

「ふわ~……」

 

翌日、俺は拳を握り、腕を真っ直ぐにあげながら目を開けて起床した。

だが、時間は午前11時45分。よくあることだ。何せ昨日、いや今日寝たのは深夜4時だからだ。

 

「……暇だ。散歩にでも出よ」

 

うん、ホントに暇だ。いつものことだが。

そう思った俺は、散歩に近くの森まで歩くことに。歩いて30分位だが暇つぶしくらいにはなるだろうと思い、外へ出る。

 

 

「……戦争か」

 

歩き出してしばらくすると、爆音や銃声等が聞こえるようになる。

昼間の時間帯になると戦争はピークを迎える。何でこの時間帯なのかは俺も分からない。

すると……、

 

 

 

「……よくも、オレ様のかわいい子分たちを虐めてくれたなぁ」

 

森に入ろうとしたとき、森奥からそんな声が聞こえる。

 

「何だ?」

 

散歩する方角からは外れるが、気になって仕方がないので声がした森奥のほうへ入っていく。

 

 

「こ、こいつ等、僕を食べようとしたんだよ!?」

「問答無用ッ! 子分を倒した青い奴はここでくたばれ!!」

 

そんな会話が走るたびにどんどんはっきりと聞こえてくる……。

 

 

「ソニックッ!!」

 

そんな声がすぐそこで聞こえた。どうやら絶体絶命のようだ。

そして俺は……、

 

 

 

バーンッ

 

 

「ウ……」

 

ズボンの中に隠していた拳銃を手に、「青い奴」を襲おうとした灰色のドラゴンを撃った。

そして「青い奴」こう言い放つ。

 

「こんな時代によくウロウロできたな」

 

するとそいつは少し俺を睨むような顔でこう言う。

 

「アンタ、何者だ?」

 

……ハハッ、ごもっともだな。

思わず微笑しそうだった俺もそいつにごもっともなセリフを言う。

 

 

「俺か? 俺はクロスファイアだ。」

 

そして全身に力を込めて、俺のもう一つの姿というべき戦闘形態に姿を変える。

「青い奴」の身長は100㎝くらいだから今の俺はそいつの3倍の身長だろう。

だがそんなことはどうでもいい。ちょうど暇だったんだ。退屈しのぎに暴れさせてもらおうか。

 

「……ちょっとばかり遊んでやるぜ」

 

そう言って俺は灰色のドラゴンに攻撃を始めた。




今日のカレー美味かった。(関係ないけど)
クロスファイア、カードのイラストは結構カッコいいです。個人的に。
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