Crossfire×Sonic ~戦争の超獣世界~   作:ブルー・ハイパー

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Episode4 謎の少女saya

「とっとと、片をつけてやるぜ、ソニック!」

 

ゾロスターと戦い始め、最初は奴の策略にまんまと嵌められてしまい、大ピンチに陥ったが、ソニックがやってきて、ようやく戦えるようになった俺は現在、ソニックと共にゾロスターと戦っている最中だ。

 

「All Right! 早く終わらせたいからな」

 

「何をゴチャゴチャ言ってんですか、……雷魔法!!」

 

ゾロスターはすかさず雷魔法を放つ。

あれに当たればダメージを受けるだけでなく体が痺れて動けなくなる。

だが……、

 

 

「……同じ手は二度と食わないぜ!! ゾロスター!!」

 

一度見て避ける術をとっくに見抜いていた俺には意味がない。

 

「これでも喰らえ!!」

 

「消え失せろ、ミリオネアバースト!!」

 

 

そしてゾロスターにめがけて俺は必殺技のミリオネアバーストを、ソニックはさっきと同じように体をボール状にして体当たりする。

 

「……ゴブゥッ!! お、おのれ……、覚えていなさい」

 

ゾロスターに2つの攻撃が直撃した。うん、かなり痛そう。

大ダメージを負い、戦えなくなったゾロスターは霧魔法で目をくらます。

 

「おい、待てッ!!」

 

思わず声を出す俺だが、一瞬でゾロスターの姿が見えなくなった。

 

「逃げられたか……」

 

「だが、とりあえずこの場は何とかなったな。クロスファイア」

 

体力を使い果たし、俺は元の姿に戻り、仰向けになって倒れる。

 

「そうだな、……しかしお前案外やるじゃねぇか。脆いとか言って悪かったな」

 

「No Problem. もういいだろ? そんなこと」

 

ソニックは俺と同じ様に仰向けになりながら、呑気げな顔でそう言う。

 

「ハハッ。なぁ、俺達ってどっちかがピンチになると現れる。……似た者同士なのかもな」

 

「さぁ、どうかな。だが、今回は久々に力んでもう動けねぇや」

 

お互い笑いあい、仰向けになりながら、俺達はそんな会話を交わす。

そして、体力を完全に使い果たし、……目を閉じた。

 

 

 

 

 

「……ニック、ソ……ニック、ソニック!!」

 

テイルスがソニックの名を呼んでいる。しかし、意識がまだ目覚めてないせいかその声はぼやけて聞こえてしまう。

 

「……ここは……? 俺はいったい……」

 

俺は体を起こして、朝しばらく寝ぼけてからシャキっと目が覚めるように意識が目覚める。

ここは俺の家だ。

 

「そうか、俺ソニックと仰向けになってそのまま気絶していたのか」

 

 

「……目が覚めましたか?」

 

すると、後ろから聞き覚えのない少女らしき声が聞こえる。

だが、疲れがまだ取れてなく、後ろを向くのも面倒なので前を向いたまま話す俺。

 

「まぁな、だが傷がまだ完治してないがな」

 

「じゃあ、私の魔法で回復させますね」

 

「お、そんじゃ頼むわ」

 

魔法をかけてくれるといい、どんなものか気になった俺は後ろを向く。

そこには……、

 

 

 

「よーし、じゃ早速魔法を…………ってえー!!! お前あの時の!!」

 

「もう! そんなに驚かなくていいじゃないですか!?」

 

俺がソニックと出会った森に倒れていた少女だった。

金髪のボブヘアーに頭の横に赤いリボンを結んでいる。更に海のような青いワンピースに淡い緑のパンプスを履いている。

 

「お前、なんか変な扉に巻き込まれてここに来たんだろ?」

 

俺はソニックと同じようにそんなことを聞く。

だが、

 

 

「うーん……、ごめんなさい。私今までの記憶がないんです……」

 

「記憶がない」そんな答えが返ってきた。一瞬、頭がポカーンとなる。

 

「じゃ、どこに住んでたのかのも、家族の顔も、好きな食い物も、名前も忘れたってのか!?」

 

「あ、名前と好きな食べ物なら覚えてますよ。言うのが遅くなったんですけど、私『saya』って言います。それで、好きな食べ物は紅茶とかタピオカとかミルクティーとかです」

 

「タピオカ!? 何だそれ」

 

人間世界についてはある程度知っているつもりでいたが、タピオカなんてものは聞いたことがない。

 

「あ……、目が覚めましたか?」

 

そこに黄色いキツネが割って入る。

そういえばまだ名前を聞いてなかったなと思いだし、俺は名前を聞く。

 

「なぁ、そういえばアンタ、名前は?」

 

「ボクはテイルスです。ソニックとは昔からの付き合いです」

 

彼がテイルスと言う名前だと知った俺。

ただ、2人とも敬語を使うせいで妙に慣れない空気を感じる。

 

「……なぁ、2人ともそう畏まるなよ。窮屈じゃねぇか……」

 

すると、ドアがバタンと音を立てる。

一体誰が入ってきたのかと気になった俺は玄関に向かう。

 

「何だ? 風でも吹いたのか?」

 

すると……、

 

 

 

「……兄貴ーッ!!!」

 

「な、何だ!? おわーッ!!」

 

突然、誰かが猛スピードで走ってきてぶつかってしまう。

頭を打ってしまった俺はあと少しでまた気絶すろところだったと思った。

 

「イテテテ……、何なんだよもう」

 

「兄貴!! 大変ッスよ!! 巨大な戦艦を見つけたッス!!」

 

「うるせぇな。お前に兄貴と言われる筋合いはねぇ」

 

コイツはキューブリック。

俺達アウトレイジと呼ばれる種族の中でもかなり腕の利くメカニックとして名が知れている。

ただ、コイツは俺のことを兄貴と呼んでくるので鬱陶しい。

 

 

「……ねぇ、その戦艦、ひょっとして森の方になかった!?」

 

すると、テイルスが慌てた様子でキューブリックにそう聞く。

 

「そうッスよ? もしかしてその戦艦のこと知ってるんスか?」

 

「うん、宇宙船ブルータイフーン号はボクが造ったものなんだ」

 

ここで驚愕の事実が明らかになる。

テイルス、容姿からして年齢は幼いはず。なのに戦艦を造り上げたことが俺には信じられなかった。

 

「……でも、動力源はカオスエメラルドっていう宝石を考えていたんだ。それがないんじゃ動かすこともできないよ」

 

 

 

「……だったら、レイジクリスタルを使ってみたらどうッスか?」

 

キューブリックはレイジクリスタルを使うことを提案する。

確かに神秘のエネルギーを秘めているあれなら宇宙船の動力源の代わりくらいにはなる。

 

「レイジクリスタルって?」

 

当然、レイジクリスタルを知らないテイルスとsayaはそう声を揃えて言う。

 

 

「レイジクリスタル、それはアウトレイジが長年守り続けてきた伝説の宝石」

 

「それを使えばあらゆる機械の動力源になり、鍛冶屋では剣などを大幅に強化できるんスよ」

 

しかし、キューブリックは声のトーンを下げ、顔の表情もどこか悲しげなものになる。

 

 

「……だけど、レイジクリスタルはあまりに需要が高くそれを巡った戦争も少なくなかったのも事実なんス。この世界じゃ、今大きい戦争が起こってるのはもう知ってるっスよね?」

 

「うん」

 

「はい」

 

sayaとテイルスはそう頷く。

テイルスにはもう話したし、sayaも恐らくテイルスから聞いたのだろう。

 

「オラクルもドラゴンも武器強化や戦艦の動力源のためにレイジクリスタルを狙ってやってくるんス。今はまだいいんスけど、いずれ大軍団にもなって攻められたらこの街は終わりッス!!」

 

キューブリックの言うとおり、レイジクリスタルが鉱山ごと奪われたらこの街は動力源を失い、荒廃してしまう。

 

 

 

「……だったら、終わらせましょう!!」

 

すると、sayaがそう言う。

その目はかなり真剣で、瞳は嘘偽りないといわんばかりに透き通っていた。

そういえば、ソニックもそんな事言ってたっけ……。

 

「だが、ソニックはどうする? まだ起きてないんだろ? 行くのは明日にでもするか?」

 

そう、ソニックはまだ目を覚ましていない。

置いていくわけにもいかないと判断した俺はそう言う。……もっとも、そう判断したのは俺だけじゃないというのは分かりきっていたが。

 

そして俺達はキューブリックも含めてリビングに戻る。

するとsayaは唐突にこんなことを言う。

 

 

「じゃ、私の魔法で傷を治すね」

 

sayaは、そう言った。

……ん? 待て、今『魔法』が使えることをしれっと言いやがったぞ。

 

「アンタ、魔法使えんかよ!?」

 

「うん!!」

 

自慢げに誇らしげな顔でsayaはそう言う。

おいおい、コイツ只者じゃないだろと心の中で思った俺。

 

「ま、まぁ、傷が治せるならそれに越したことはねぇ。頼むわ」

 

とにかく、今は細かいことは考えないようにしよう。

全身がとにかく痛くて傷が出来て沁みて、たまったものじゃない。

 

「じゃ、いくよ。 ……プレア・ティフ!!」

 

手のひらを俺に向けてそれを重ねながら、魔法名らしき言葉を叫ぶsaya。

すると、白い光がsayaの手から現れて、俺を包みこむ。

 

「ん? 何だ、この光」

 

俺は光に包み込まれているのを実感する。

意識を集中しているのかsayaは目を閉じている。

光に包まれてから2秒くらいして体に異変を感じる。

 

「……お!? 痛みがどんどん引いてくぞ?」

 

信じられないことにさっきまで痛くてたまらなかった全身に感じる痛みが、どんどん引いていくのを感じる。またしばらくすると……、

 

 

「痛みがなくなった……。すげぇ!! これならまた大暴れできるぞ!!」

 

痛みが無くなり、興奮する俺。

正直、あまり興奮はしないが、一度興奮したらしばらくは収まらないタイプだって前にヨルムンガルドに言われたことがあったことを思い出す。

『ヨルムンガルド』……?

 

 

「……」

 

「ど、どうしたの? クロスファイア」

 

『ヨルムンガルド』って友人の名前を思い出してしまい、高ぶっていた気持ちは空気が抜けた風船のようにどんよりと落ちてしまう。全身の痛みが治ったというのにそれ以上に沁みる心の傷が新たにできてしまった。

 

「……いや、なんでもねぇよ……」

 

俺が発した声は明らかに情けない感じになっている。

そして俺はベッドへ向かう……。

 

 

ヨルムンガルドが崖に落ちそうになり、必死に手を伸ばすが、そのまま彼が崖に飲み込まれるように落ちてしまった。トラウマともいうべき光景が俺の頭でフラッシュバックされていく……。

 

 

「ヒック、……エック!!!」

 

泣き声がソニックのいる寝室中へ響くが、ソニックはどうせまだ目を覚まさない。

泣いていることはバレないだろう。

 

「ヨルムンガルド……。なぁ、ホントにアイツは死んじまったのかよ……」

 

抱いている悲しみが抑えきれないあまり、そんな言葉が思わず漏れてしまう。

俺はヨルムンガルドが死んだことがいまだに受け入れられていない。

すると……、

 

 

 

「……なぁ、クロスファイア。どうやらアンタ何やら訳ありっぽいな」

 

さっきまで俺に背を向けて寝ていたソニックが目を覚ましてしまう。

……最悪だな、情けない所を見せてしまう羽目になるとはな。

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