Crossfire×Sonic ~戦争の超獣世界~   作:ブルー・ハイパー

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Episode5 業火な奴は訳ありで

「ソニック、お前さっきまで寝てただろ!?」

 

前回、俺は泣いているところをソニックに見られてしまい、最悪な気分でいる。

泣いているせいで今は多分、俺の目は充血しているはず。

 

「Sorry. 悪いな、悪ふざけで寝たふりをしてたが、アンタが泣いてるのを見て起き上がれずにはいられなかったんだ」

 

ソニックの奴、今まで嘘寝してたのかと普通なら呆れる俺だが、何せ状況が状況だ。呆れることを俺は忘れてしまっている。

 

 

「なぁ、クロスファイア。アンタ一体過去に何があったんだ?」

 

するとソニックの雰囲気が気楽でおどけた様子から一変、シリアスな様子になり、目つきも鋭くなる。

 

「……何でアンタに喋らなきゃいけねぇんだ?」

 

しかし、プライドが弱さを見せるのを嫌うせいで俺はそう言ってしまう。

 

 

 

「……だったら、言わなくてもいいんだぜ?」

 

すると、ソニックがそう発する。

意外だった。何で言わないのか問うのが俺の中では普通だったからだ。

 

……だが、それが心底嬉しかった。そして思わず俺は、

 

 

 

「……なぁ、ソニック、気が変わった。アンタには話しておいてやるよ、俺の過去を」

 

ソニックの方へは向かず、彼から見て後ろ向きで話すように俺は過去を明かそうとする。

 

「……」

 

彼もまた、言葉を発さないまま俺に背を向ける。

 

 

 

「俺には昔、ヨルムンガルドっていう友人がいたんだ。俺は昔戦争を終わらせようと2人で旅に出ていたんだ。」

 

「かなりやばい奴だって昔はクリーチャーどもに恐れられてたんだが、アイツは唯一俺を親友と呼んでくれたんだ。」

 

「だけど、旅の途中でアイツは崖に落ちて消息が……分からない。あの高さじゃ死んだ可能性が……高いだろうとニュースで……やってたよ」

 

話している途中で涙があふれていく……。

そのせいで言葉がすらすらと繋がらない。

 

「その時は……、心底……絶……望して……さ」

 

「俺は……、アイ……ツが……、死んだ……なんて……受け入れ……らない……んだ」

 

俺は何とか言葉を紡いで言いたいことを言い終える。

……完全に泣いていた。大粒の涙が目から溢れ出て、視界は水のように歪んでいた。

 

 

「そうか……」

 

ソニックはそんな姿を見てただそう言うだけだった。

そして俺は意識が遠のいていく……。

 

 

 

 

 

 

 

チュン、チュン

 

ふと、俺の頭でそんな鳥の鳴き声が聞こえる。

そして俺は目を擦りながら体を起こす。

 

「ん? もう朝か……、俺、あれからずっと寝てたのか」

 

辺りを見回すと、ソニックがいなかった。

俺は朝飯を食おうとリビングへ向かう。

 

 

「Good Morning! もう朝ごはんならできてるぜ!」

 

ソニックがそう言う。

テーブルにはバターを塗った食パンと目玉焼き、牛乳と人数分美味そうに並んでいた。

 

「これ、一体誰が作ったんだ!?」

 

料理が美味そうに出来上がっているのを見て思わず俺は、そう聞く。

すると……、

 

 

「私が作ったんだよ!! ……まぁ、皆が手伝ってくれたお蔭なんだけど」

 

sayaが自慢げにそう言う。

 

「俺も目玉焼き作ったんスよ!!」

 

「ボクが焼く目安を教えたんだけどね」

 

「何を言うんスか? 焼いたのは俺ッスよ!?」

 

「まぁ、まぁ」

 

テイルスとキューブリックも漫才のようにそう会話を交わす。

この2人、いつの間に仲良くなったんだ? ……と思った俺。

 

 

「……よし、食うか」

 

そうして俺とソニック、テイルス、キューブリック、sayaはテーブルへ向かい、椅子に座る。

 

 

「いただきまーす!!」

 

俺達5人はそう声を揃えて、朝ごはんを食べ始める。

 

 

「久々ッスよ! ほかのメンツと朝ごはんを食べるのは」

 

「やっぱり、皆で食べる朝ごはんは美味しいです!!」

 

満面の笑みでsayaとキューブリックは目玉焼きを頬張りながら言う。

 

「ダメだよ、2人とも。食べながら喋るのはマナー違反だよ!?」

 

テイルスは食パンを右手で持ちながら、そんな2人を注意する。

朝ごはんってこんなに賑やかだったけと思った。

何せ俺は朝飯も昼飯も晩飯も1人で食ってきたからだ。そう思うのが俺の中では普通だった。

ちなみに飯のときになると、俺はあることをする。

 

「……あった、あった。これがないと俺の朝飯は始まらん」

 

 

取り出したのは、コショウだ。

そして蓋を開け、コショウを目玉焼きに万遍なく、大量に振りかける。

 

「え!? ちょっとコショウ多すぎでしょ!? かけすぎだよ!!」

 

sayaはそんな光景にびっくりしながらそう言う。

そんなことないと思うんだけどなと俺は心の中でそう言い返す。

 

「Oh. そんなにかけてたら間違いなく高血圧になるぜ?」

 

「うるせぇな、俺の勝手だろ!?」

 

ソニックまでそんなことを言いやがる。

そりゃ、人間が俺みたいな食事をしてたら間違いなく何らかの病気にはなるだろうけど、俺はクリーチャーだ。人間とは体の構造が違う。この体じゃ塩分を大量に摂ったから特別、異変が起こるわけじゃない。

 

「……コイツ、いろんな意味で訳ありだな」

 

とどめと言わんばかりにソニックは皆に聞こえない程度にボソッと呟く。

訳ありってどういう意味だよ!? ……とは言わなかった。

 

 

 

 

「……ごちそうさま!!」

 

それから15分後くらいに全員朝ごはんを食べ終えて、声を揃えてそう言う。

 

「じゃ、後片付けするね!!」

 

「ボクも手伝うよ!!」

 

「俺もッス!!」

 

sayaとテイルス、キューブリックは後片付けするためにキッチンへ向かう。

今にしろ朝ごはんを作るときにしろ、俺に許可を貰おうとはしないのか……。どうでもいいけど。

 

「さてと、急がないとね。今日はレイジクリスタルを探しに行かないと……」

 

「そうッスね。鉱山に行って埋まってるレイジクリスタルを掘るのは大変ッスよ?」

 

「掘るなら、やっぱり力がいるのかな?」

 

キッチンの中からそんな会話が聞こえる。

俺は新聞を読みながら会話を聞く。

 

「ははっ、クロスファイアって新聞読むんだな。まるで親父みたいd」

 

「うるせぇ」

 

新聞を読みながら俺はソニックの頭に軽くげんこつする。

ソニックはアウチと言うが、そんなの知ったことじゃない。

 

 

「……saya達の用事が済んだら、鉱山に行かねぇとな。ほら、準備すんぞ、ソニック」

 

「OK. ……頭痛いなぁ」

 

 

 

「……おまたせッス!! ついでにゴミ出して、行く準備してたから遅くなったッス」

 

それから10分後、キューブリック達が戻ってくる。

 

「ゴミ!? そういや、今日ゴミの日だったっけ……。サンキュ」

 

ゴミの日は人間世界にも存在するらしいが、こっちの世界だってゴミの日くらいはある。

余談だが、この地域のゴミの日は水・金曜日だ。

 

「よしッ、じゃ行くか」

 

「オー!!」

 

俺以外の4人はオーって言いながら拳を上にあげ、興奮している。

全く、遠足かよと思った俺。そして皆、家から出て施錠をする。

皆、大きいリュックサックを背負っており、中にハンマーや大きいピックハンマー等といった岩の採集に必要な道具が詰め込まれている。ちなみにこのセットはレイジクリスタル採りにキューブリックが持ってきたやつだ。

 

「よし、歩くぞ」

 

俺はそう言い、皆歩き出す。

だが、ここから鉱山まではそこまで距離はないが、坂道が結構きついらしい。

 

「どこかににタピオカ売ってないかな?」

 

「タピオカってどんなものなんスか?」

 

 

「早くレイジクリスタルを手に入れて、ブルータイフーン号を動かせるようにしないと」

 

「そのブルータイフーン号って俺も乗れるのか? サイズ的に大丈夫かよ?」

 

最初は遠足みたいにはしゃいでいたが……、

 

 

「……」

 

「……」

 

しばらくしてみんな無言になる。

遠足とかで疲れてこうなったって奴も少なからずいるだろうと俺は思う。

 

すると……、

 

 

 

 

「Hey! お先」

 

歩き続けてついを煮やしたソニックが猛スピードで走りだし、俺達を置いてけぼりにする。

ホントに目にとまらぬ速さだ。

 

「オイ! 待ちやがれ!!」

 

思わず俺は、戦闘形態になり、背中の翼を大きく羽ばたかせてソニックを追おうとする。

ところが……、

 

 

「ん? 待てよ? 最初からこの姿で皆乗せて山までひとっ飛びした方が、手っ取り早い気がしたんだが」

 

ごもっともで合理的なことを俺は口にする。

 

「兄貴!! 最初からそうしてほしいッスよ!! 俺、坂道登ってもうクタクタッス……」

 

「私もだよ……。最初からそうすれば疲れずに済んだのに」

 

 

「疲れたなら、sayaの魔法で回復した方が手っ取り早いだろ?」

 

しかし、sayaから意外な答えが返ってくる。

 

「ごめん……、回復魔法は疲れてたり、しんどい状態だったりだと魔法がうまく使えないんだ」

 

「なぬッ!!? ……まぁいい、急いでソニックを追うぞ。俺の体に乗れ!」

 

俺は少し屈んでsaya達が乗れるようにする。

saya達3人は俺の体に乗りかかる。

 

 

「……ちょっと飛ばすぞ、しっかり捕まってろよ!?」

 

そう言って俺は全速力でソニックを追いかける。

今俺が飛んでるスピードは時速250㎞ってところか……。

 

「は、速いッスよー!!」

 

「ふ、振り落とされそう!!」

 

「怖いよぉー!!」

 

3人は慣れないスピードのせいか、悲鳴に近い声で叫ぶ。

しかし、俺はそんなのお構いなしにソニックを追うことに集中する。

 

「アイツ……、一体どんだけ速いんだよ……」

 

しかし、3人を降り落とさないようにする為にこれ以上はスピードを上げることができない。

ソニックは俺の倍以上の速さで走っている。とても追いつく気がしない。

 

そして、あっという間に……、

 

 

「着いたぞ、ここがレイジクリスタルが採れる『レイジング・キャニオン』だ」

 

鉱山レイジング・キャニオンの入り口前へ到着。

やはり鉱山だけあって作業車やトロッコとかが多い。

ソニック? ……そんなの知るか。どうせ山を一回りでもしてるんだろ。

 

「し、死ぬかと思った……ッス」

 

「ボ、ボクも……」

 

「私も……。これじゃ、とても回復魔法なんて使えないよぉ」

 

ただ、俺の背中に乗ってた3人は今にも死にそうな顔になってしまっている……。

 

 

「おいおい、大丈夫かよ?」

 

見ていられなかった俺は3人にそう話しかける。

 

 

ゴゴゴゴ……、

 

その直後にそんな音が奥から聞こえて激しい地震が起こる。

 

「きゃ!! な、何……?」

 

突然の地震に戸惑うsaya。

しかし、そんなことにかまっている暇などないと次の瞬間思ってしまう。

 

 

 

 

「グルルルル……」

 

何と、地面から岩でできたドラゴン『ンゴロ・ンゴロ』が現れる。

岩で生成され、体の隙間からはマグマが溢れている。そのせいでここ一帯は暑くなってしまう。

……コ、コイツは、かなりやばい奴だ。名前はふざけてるが、ドラゴン軍に所属するクリーチャーで手の大きい爪は強烈な一撃をたたきこみ食らったが最後、どう治療しても完治できなくなるほどの重傷を負わせるとして恐れられているって話を聞いたことがある。

 

「ンゴロ・ンゴロの奴……、まさかこんなところに生息してたとは」

 

「ンゴロ・ンゴロ? What? 何だ? それ。……それにしても暑いな」

 

ソニックはこの山を一走りしたのかここに戻ってとぼけた様子でなことを口にする。

ピリピリしている俺と比べ、ソニックは呑気だ。……どこまで自由なんだよ、コイツ。……と内心思った俺。

 

「アイツはかなりヤベェぞ、噂じゃ、アイツに遭遇したが最後、完治できないほどの大怪我を負うらしい。……逃げるぞ!!」

 

そう言って俺は皆に逃げるように促す。

だが、それを聞いて逃がすほど奴は甘くなかった……。

 

 

「オマエ、オトナシクれいじくりすたるヲワタサナイ。ワタサナイナラ、排除スルヨウニイワレタ。ダカラオマエ、排除スル」

 

片言な日本語を言い、奴は凄まじい咆哮をあげる。

その咆哮は、猛々しく獰猛で、周りの声が一切聞こえなくなるほどだった。

 

「な、何だ!?」

 

 

その咆哮と同時に岩が地面から大量に召喚され、俺達はその岩に囲まれてしまい、逃げ場を失ってしまう。

 

「そんな……。囲まれたッスよ!!」

 

「チッ、こうなったら戦うしかねぇか……」

 

できれば相手にはしたくなかったが、囲まれてしまった以上、もう逃げる猶予はない。

だが、今まともに動けるのは俺とソニックだけだ。3人が回復するまで持ちこたえるしかない。

 

「あうとれいじト青イ奴、ココデヤラレル。オトナシクシロ」

 

ただでさえ、疲れてるのに戦うのは正直しんどい。

そして思わず……、

 

 

「あん!? 俺は忙しいんだ。とっとと決着つけて、こことはおさらばバイバイしてぇんだよ」

 

「悪いが、俺も大人しくしろって言われて大人しくする程、従順じゃないんでね」

 

ぶっきらぼうに俺はそう言い放つ。ソニックも俺に同意するようにそう言う。

そして再び戦闘形態になり、ンゴロ・ンゴロと戦う俺とソニックだった。

 

「……さぁ、大暴れしてやるぜ!!」

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