Crossfire×Sonic ~戦争の超獣世界~ 作:ブルー・ハイパー
「さぁ、大暴れするぜ!!」
前回、俺達はレイジクリスタルを採りに、レイジングキャニオンに向かったが、その入り口でドラゴン軍所属のクリーチャー『ンゴロ・ンゴロ』が行く手を塞ぎ、現在は応戦中。
「……まずは俺から行くぜ! ホーミングアタックッ!!」
先制攻撃はソニック。
持ち前のスピードで誰よりも早く動き出し、ンゴロ・ンゴロの後ろへ周る。
「……」
しかし、ンゴロ・ンゴロは事もあろうことか、ソニックが動き出した途端に、動かなくなる。
しかも余裕の笑みを得て。この後に、俺達はその意味が分かることになる。
「……ホーミングアタッ……熱ゥッ!!」
そう、奴の体は岩ともう一つその隙間から溢れるマグマでできている。
そのお陰で岩も超高熱に温められている。それをまともに接触したソニックは頭を火傷してしまう。
「おい、大丈夫かよ!? マグマがあった時点で火傷するのは目に見えてただろ? 無茶しやがって……」
ある程度は推測できていたが、今ので奴に殴る、蹴るといった体技は使えないことがはっきり分かった。なら……、
「こいつならどうだ!? ミリオネアバーストッ!!」
遠距離攻撃のミリオネアバーストならどうだと俺は試しに撃つ。
肩から放出される真紅のビームが2本のラインを描くように飛び、奴に直撃する。
「くたばれ! ンゴロ・ンゴロ!!」
そして奴に直撃した瞬間、大爆発する。
その爆発は凄まじく、爆音も馬鹿でかく響く。
「やったか?」
……俺はそう確信した。
だが……、
「グルルルル……」
今ので倒れるほど奴は甘くなかった。
それどころか、さっきよりも体が紅くなっている。嫌な予感しかしない。
「……オマエノびーむ、吸収シタ。オレ、パワーアップ」
「何だと!? さっきの一撃を吸収したってのか!?」
……にわかに信じられない話だった。
耐性があるかとは思っていたが、まさか吸収するとは全然予想していなかったからだ。
「Oh…. コイツはかなりヤバいんじゃないの? アツツツ……、」
ソニックも思わずうろたえるが、そんな暇はない。
「グゴゴゴゴ!!!」
ンゴロ・ンゴロはそんな咆哮をあげ、体からビームを乱射する。
前後左右、斜め上、下、右、左、角度を問わずに至る方向へ線を描くようにビームは飛んでいく。
「チョッ! そんなのアリかよ!?」
このビームの速さ、色からして恐らく俺のミリオネアバーストを何倍返しにもして撃っているのだろう。
「兄貴!! このままじゃ、ヤラレチャッタになるッスよ!?」
「そんなこと言ってる場合かよ!? とにかく避けまくれ!!」
ミリオネアバーストが連射される中、俺達は光線を避けて、避けて、避けまくった。
避けて特別どうにかなるものじゃないことは分かっているが、今はそれしか手段がなかった。
「クソッ!! 体技が使えない、俺の技も効かない、どうしろってんだ!?」
……もう反撃する手段がないと確信した俺はそう弱音を吐いてしまう。
このまま避け続けたところでいつかは当たってしまう。
仮に避けきれたところで消耗したところを潰されるのがオチだ。
今度ばかりは流石に終わるかと思った。
「……ううん、あきらめるのは早いよ!!」
……しかし、sayaが自信満々気にそう言う。
その顔はどこか希望に満ち溢れ、俺達に希望があると確信させられる。
どうやら、まだ俺達に希望は残っているようだ。
すると、自然に俺も彼女と同じように希望で満ち溢れた顔になる。
「……だったら、見せてもらおうじゃねぇか。saya! どれだけ粘れるか見せてもらうぞ!!」
「ううん、『粘る』んじゃなくて『勝つ』んだよ!!」
彼女はまた自信溢れる顔でそう言った。
今のsayaは絶望の闇を照らす希望の『光』なんじゃないかと俺には見えた。
「言ってくれるな、なら勝つぞ!! 行くぜ、ソニック!!」
「OK! 今度は俺達が大暴れする番だ!」
「フッ、俺の口癖がうつったか?」
「さぁ、何のことかな?」
こうしてソニックと俺、sayaは、反撃を開始する。
まずは俺とソニックが左右に分かれてンゴロ・ンゴロをかく乱する。
「鬼さん、こっちだ、こッこまでおーいでッ! ベー」
俺はアホみたいに挑発して奴をおびき出す。
「グルルル! フザケヤガッテ!!」
案の定、奴は怒りだして俺を追いかける。しかしアホみたいなことをするのは俺だけじゃないんだなぁ。
「……俺もいるぜ、ベロベロベー」
ソニックも変顔してンゴロ・ンゴロを挑発する。
やべぇよ、変すぎるあまり吹きそうじゃねぇか。
「オノレーッ!! オレヲ舐メテルノカ!!? 全部ブッコワス!!」
そりゃ、怒るわなと吹きだそうとするのを我慢しながら思う。
そして俺とソニックめがけて追いかける。
「クソ!! ドッチヲ負カケレバイインダ!?」
だが、奴は罠にはまる。
俺は右端、ソニックは左端にいる。これではどちらかしか追えないということだ。
「……今だ! saya!!」
タイミングを見計らい、俺はそう叫ぶ。
sayaはンゴロ・ンゴロめがけて走り出す。
「sayaちゃん、何をする気ッスか!?」
そして奴にギリギリまで近づくと……、
「……ルース・シャワー!!」
sayaは、至近距離でそう叫ぶ。
その直後にンゴロ・ンゴロの真上から光魔法が雨のように降り注ぎ、連続ダメージを奴に与える。
「グゴゴゴゴ!!! ……オ、オノレ」
光魔法を連続で受けてもなお、立ち上がる。
だが……、
ズシャーーンッ!!!
そんな轟音と共にンゴロ・ンゴロは倒れ、意識を失う。
気絶したのかしばらくは起き上がらないだろう。
だが、それと同時に……、
「な、なんだか……、しんどい……」
何と、sayaまでもが倒れてしまう。
これを見過ごせなかったのか、ソニックは……、
「saya!!」
真っ先に彼女の元へ向かって走り出す。
テイルスやキューブリックも彼女のもとへ向かう。
しかし、俺はその様子をただ見ているだけだった……。
もし、sayaが倒れた理由があるとすればそれは……、
「兄貴!! sayaちゃんを連れて看病して欲しいッス!!」
だが、俺の思ったことはキューブリックの唐突な言葉でかき消されてしまう。
流石にsayaが倒れてるのを見過ごせなかった俺は彼女を家へ連れて帰る。
「……分かった。コイツは俺の家で面倒を見る」
そう言って、俺は3人を残して翼をはばたかせてレイジング・キャニオンを後にする。
「俺達は急いでレイジクリスタルを採って兄貴の家に戻るッス」
「うん、分かった」
「……あぁ」
俺は、sayaが倒れるのを見てからはしばらく放心状態だ。
彼女はクロスファイアが家へ連れて帰ったから安心だとは思う。
「はぁ……、どうやってレイジ……何とかを採るんだ?」
「簡単ッスよ。岩をピックハンマーやハンマーで壊せばいいッス。レイジクリスタルはハンマーやピックで壊れるほど軟じゃないッスから掘り方が荒くてもきちんと採れるッス」
ただ、ハンマーで岩を壊せばいい。思ったよりずっと簡単そうだ。
「OK. じゃ、さっさと採ろうぜ」
「うん」
俺とテイルス、キューブリックはそれぞれ分かれ、レイジ何とかを掘り出しに別行動することに。
「こうすればいいんだな!? おりゃ!!」
俺は、適当な岩を見つけ、リュックに入っていた道具で岩を掘る。
叩くたびにカン、カンと道具の金属音が響いてくる。すると……、
「……お!? これか?」
叩いていくうちにキラキラと光る宝石らしき物体が少し見えてくる。
俺は、それを覆う岩を削る。
「すげぇ、簡単に採れるんだな」
岩は気持ちいいくらいに順調に剥がれていく。
そして……、
「コイツがレイジ何とかか……。綺麗だな」
遂に岩がすべて剥がれ、宝石が姿を露わにする。
ダイヤモンドと錯覚するほど綺麗で赤と青色に輝いている12面体の宝石だ。
ちなみにカオスエメラルドと同じくらいの大きさだ。
「……じゃ、次行くか」
そうして俺は次のレイジ何とかを探しに走り出した。