Crossfire×Sonic ~戦争の超獣世界~   作:ブルー・ハイパー

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Episode7 その夜、皆は……

「全く、20個もあれば充分だろ……」

 

前回、俺達はレイジ何とかを探しに鉱山へやって来た。

俺とテイルス、キューブリック合計で採れたレイジ何とかの個数は20個。

正直、もう帰ってもいいだろうと思っているが、キューブリックがあと5個くらい見つけてほしいッスと言うのだから現在も探している最中だ。

 

「オッ、岩だ。……掘ってみるか」

 

早速岩を見つけ、俺は道具を出す。

レイジ何とかは採るのが簡単だから作業が割と病みつきになる。

 

 

 

 

 

 

「全く、戦争もピークになってきやがったか」

 

俺は、sayaを抱きかかえながら俺の家へ向かって飛んでいるところ。

戦争もピークになってきて爆音や銃声など物騒な音が至る方向から聞こえるようになる。

 

「……急ぐか」

 

これだけ音が大きければ流石に目が覚めてしまうだろうと判断した俺はスピードを上げて急ぐ。

 

すると……、

 

 

「sayaには気をつけろ」

 

そんな声が突然聞こえる。

思わず俺は、辺りを見回す。だが、その声の主らしき者の姿は全く見えない。

 

「おい、『sayaには気をつけろ』ってどういうことだよ!?」

 

 

「……彼女の力は使い方ひとつで世界を救うことも滅ぼすこともできる。決して……を甦らせてはいけない」

 

すると、また声が聞こえる。世界を救うことも滅ぼすこともできるなんて、またスケールのデカい話だと思った。だが、肝心の最後の単語が爆音で聞こえなかった。

 

「ちょっと待て! それってどういう意味だよ!?」

 

 

……慌てて言い返した時には声は聞こえなくなっていた。

 

「今のは一体……、だけど嘘じゃねぇ気はする」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……、25個集まったし、これだけあれば十分ッスね」

 

「ふぃー、やっと帰れる」

 

一方俺達は何とか25個集め、帰ろうとするところだ。

俺が2個、テイルスが1個、キューブリックが2個集めたので思ったよりは早く集まった。

 

「それじゃ帰ろう! ソニック、キューブリック」

 

「OK」

 

「そうッスね」

 

そして俺達はこの鉱山を後にし、歩き出す。

 

 

 

 

「Oh……。散々体力使ってもう走れないぜ」

 

「まぁ、帰りは下り坂だから朝ほどきつくはないね」

 

「そうッスね」

 

キューブリックとテイルスは苦笑いしながら俺を見る。

ただ、キューブリックはその直後に難しそうな顔をする。

 

 

そして俺達はひたすらクロスファイアの家めがけて歩く。

その途中は長いので……省略!!

 

 

 

「やっと、着いたッスねぇ~」

 

「もうクタクタだよ~」

 

やっとクロスファイアの家へ到着。もう夕暮れで太陽も沈みかかって、空はオレンジ一色になっている。

ちなみにドアが半開きなのですでに鍵は開いてる。

 

 

 

「ただいま、今帰ったッスよ?」

 

「ここキューブリックの家じゃないでしょ!?」

 

「ハハッ」

 

漫才のように2人は会話を交わす。……正直うるさい。

これだけうるさかったら、出てくるはずだが、

 

「クロスファイア?」

 

 

 

だが、彼は出てこない。

まだ帰ってないのかと思いつつ、俺は家の中の至る所を探す。

 

「おい、クロスファイア!!?」

 

 

だが、どこを探してもいない。

一回帰ってまたどこかに行ったのかと思い、最後に寝室のドアを開ける。

すると……、

 

 

 

「グォ~……」

 

気持ちよさそうに彼とsayaが眠っていた。彼はsayaを横に覆う形で寝ているが。

クロスファイアが看病して彼自身も眠くなって寝てしまったのだろう。

 

「何だ、寝てるのかよ……。ヒヤヒヤしたぜ」

 

よほど気持ちいいのか鼻提灯まで出しているクロスファイア。

そっとしておこうと思い寝室を後にし、バタンとドアも閉める。

 

 

 

「クロスファイアなら気持ちよさそうに昼寝してたぜ」

 

「何だ、寝てたんスか……」

 

「よかった、てっきりどこか行ってたと思ったよ」

 

キューブリックとテイルスは安心したのかホッとする。

だが、キューブリックはその直後にレイジ何とかを1個持って急いで家を出ようとする。

 

「ちょっと、キューブリック!? どこいくの?」

 

「ゴメン!! ちょっと用事出来たッス!!」

 

キューブリックはそれだけを言い残してこの家を後にした……。

 

 

 

 

「よかった……、ここにもコンビニあったんだ」

 

「コンビニとかスーパーがあるのはこの世界も一緒なのか……。何か違う世界なのに雰囲気は俺達の世界とほとんど変わらないな」

 

その夜、俺達はコンビニに売っていた弁当やパン等で凌ぐことに。

俺はホットドック、テイルスはオムライスの弁当とミントキャンディを買ってきた。

すると……、

 

 

 

「あれ? 2人とも帰ってたの?」

 

後ろから聞き覚えのある少女らしき声が。

コンビニで買ってきたものを持ちながら振り返ると、sayaがいた。

 

「saya! もう身体は大丈夫なのか?」

 

「うん、昼ぐっすり寝たからもう大丈夫だよ」

 

どうやらもう大丈夫そうだ。

身体がピンピンしているのが何よりの証拠だ。

 

「sayaもコンビニで何か買ってきたら? 通貨は僕たちの世界のと一緒だし」

 

テイルスはオムライスを頬張りながら彼女にそう言う。

食べるの早いな、オイと俺は心の中で思った。

 

「うん、じゃ何か買ってくるね」

 

「いってらっしゃ~い」

 

財布を持ってsayaは外へ出る。

そんな様子を見てテイルスはやはりオムライスを頬張りながらそう言う。

 

 

 

 

 

 

「だだいま~!!」

 

……しばらくしてsayaが帰ってくる。

 

「おかえり、……で何買ってきたんだ?」

 

「タピオカとミルクティー買ってきたんだよ!」

 

「飲み物ばっかりだな……」

 

sayaが買ってきたのはタピオカとミルクティー。満面の笑みを浮かべながら彼女はそう言った。

飲み物ばっかりだなと言い、苦笑いしている俺がいた。

 

 

 

「……それとね、キムチ。クロスファイアの分も買ってきたんだ」

 

すると、彼女の持っている別のレジ袋にキムチが3パック入っていたのが見える。

だが何故キムチなのか疑問に思ったので……、

 

「What? 何でキムチなんだ?」

 

そう言い返す。

 

 

「……朝、ゴミを出してたらね、キムチの残りみたいなのがいっぱいあったから、それでキムチが好きなんじゃないかなって思ったんだ」

 

そういえば朝キューブリック達とゴミを出してたなと、ふと思い出す。

 

「あ、キムチ冷蔵庫に入れてくるね」

 

そう言いながら、sayaはキッチンへ向かう。

一方、俺はホットドッグを食べながら再び寝室へ向かう。

 

 

「ムニャムニャ……、ぐぉ、キムチがいっぱい……」

 

扉を開けると、クロスファイアが大きいいびきをかきながら寝言を言っている。

もう、太陽も完全に沈み夜となっているのによく寝れるよなと呆れる俺。

 

「……キムチならsayaが買ってきたのが冷蔵庫にあるぞ。起きたら冷蔵庫を見るんだな」

 

 

そう言って俺はまたドアをバタンと閉め、寝室を後にする。

 

 

「やっぱタピオカ美味しいよぉ」

 

「ミントキャンディだって美味しいよ!」

 

その後、俺達3人はリビングで夕食をとる。

クロスファイアには悪いが、退屈だったのでテレビもつけている。

 

「……そういえば、キューブリックはどうしたの?」

 

「あぁ、そういえば用事が出来たって家を飛び出していったぜ?」

 

そういえば、キューブリック。

彼は一体何の用事があったんだ? レイジ何とかも持って行ったし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……、ここは?」

 

俺は目を擦りながら体を起こす。

寝ぼけているせいで自分がどこにいるかを忘れてしまっている。

 

 

「……そうか、俺、sayaと一緒にいて、今まで寝てたのか」

 

ようやく我に返り、状況を思い出すが……、

 

「最悪だ、もうこんな時間かよ……」

 

既に時計の針が真夜中の12時10分を指していた。

寝たのは昼ごろなのに実に9時間近く寝たことになるのか……。

 

 

「何だこれ!? 随分と散らかってるな。泥棒にでも入られたのか?」

 

起きたばかりでしばらくは眠れそうにないのでリビングへ降りた。

しかし、ゴミがそこそこ散らかっている。

 

「……そういうことか」

 

よく見ると、ソニック、テイルス、sayaが寝ているのが見える。

特にソニックは鼻提灯を出しながら寝ている。

 

……そういえば腹減ったな。

 

「腹減った。冷蔵庫でもあさってくるか」

 

俺はトテトテと歩き、冷蔵庫のあるキッチンへ向かう。

すると……、

 

 

「キムチ!? 俺キムチとか買ったっけ?」

 

冷蔵庫の中にはキムチが入っているパックが3つあった。

正直、買った覚えはないが……、

 

「まぁいいか。食お」

 

とにかく今は無性にキムチが食べたかったので冷蔵庫から取り出し、食べることに。

 

「いただきまーす」

 

そして俺はキムチを食う。

その時だった……。

 

 

 

「……あ、目が覚めた?」

 

「!!」

 

突然声がしたので慌てて後ろへ振り返る。

そこには……、

 

「ごめんね? びっくりさせちゃって」

 

「お前……、さっきまでそこで寝てたんじゃなかったのか?」

 

リビングで寝ていたはずのsayaがいた。

暗くてよく見えないが、彼女はキョトンとした顔で俺を見ている。

 

「寝ようと思ったんだけど……、」

 

「寝れないってか?」

 

「うん……」

 

どうやらsayaも俺と同じように眠れないようだ。

しかし、今はまだ真夜中。夜が明けるにはまだまだ時間がある。そこで俺は……、

 

 

「……なぁ、空を一っ飛びするか?」

 

彼女を背中に乗せて空を一っ飛びしようかと考えた。

 

「えっ?」

 

俺の言葉で一瞬フリーズするsaya。

しかし、そんなことに構うことなく俺は更に言葉を発する。

 

「ほら、さっさと行くぞ。なんならソニック達も連れて行ってやってもいいんだぜ?」

 

「で……、でも、朝乗せられたときはすごい速さで……、気絶しそうになったんだよ!?」

 

何だ、朝のことかよ……。とめんどくさい顔をしながら頭を抱える。

 

「全く……、スピードは落とすっつーの」

 

 

 

「……ホント!? じゃ行こッ!! フフン、折角だからソニック達起こしてくるね」

 

俺の一言で、さっきまで控えめだった様子から一変、ものすごい明るくなる。

凄いな、人間って言葉一つでこんなにも雰囲気変わるんだなと心の中で俺は思った。

 

 

「ソニック!! テイルス!! クロスファイアが空一っ飛びするんだって!!」

 

「……う~ん、あと5分寝かせてよ」

 

 

うん、ものすごい興奮なされた様子でsayaさんは2人を起こそうと大きい声を出される。

すごいテンション高くて若干引き気味な俺がいた。

 

 

 

「凄い!! 夜の空も結構きれいだね」

 

「That's Right. ホントに綺麗だな」

 

「まぁ、夜は大概こんな感じだ」

 

3人を乗せることもあり、俺は戦闘形態になり3人を乗せて空を飛ぶ。

暗い空は少し青みがかかっており、星が点々と至る所に光っている。

風も心地よく吹き、俺自身もこの時だけは戦争が起こっている現状を忘れてしまう。

 

 

 

 

「……もうすぐこれが完成するッス」

 

一方、キューブリックは自分の家へ帰り、火花を起こしながらあるものを作っているが、果たして……。


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