トランスフォーマーIS   作:ダイダゼノンド

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始まりです。全体的に長めの小説になっております。


第一話 出会いは突然

 インフィニット・ストラトス、通称IS。

 女性にしか扱えない超兵器。

 発表当初こそ注目されなかったが、白騎士事件以降、本来の宇宙服としての昨日よりもその兵器としての性能が注目され、一気に世界に広まり定着した。

 開発者の名前は、篠ノ之束。

 この天災が、世界を変えたのだ。

「あー・・・・・・暇だ・・・・・・」

 都内某所のホテル。ここに、史上初のISを操縦可能な男性。織斑一夏が隔離されていた。

「必要最低限のものだけしかないし・・・・・・テレビもつまんないし・・・・・・」

 このホテルに隔離されて一週間、織斑一夏は惰性でテレビを見続けていた。

『次のニュースです。エジプトで新たに遺跡が発掘されました』

「へぇ~、エジプトなんて掘り尽くされてると思ってた・・・・・・」

『今回発掘された遺跡は、金属で作られており、古代エジプトの技術力や文明を見直す材料になると言われています』

「へぇ~・・・・・・」

「うわああっ!」

「うおっ!?」

 テレビを見ていたが、突如窓ガラスを突き破り、何かが入ってきた。

「な、なに!?」

「ハァ、ハァ、ッ・・・・・・これだ!ごめんよ、トランスフォーム!」

 入ってきたなにかは時計になって一夏の腕に巻き付いた。

「謐懃エ「荳ュ・・・・・・隧イ蠖薙○縺」

「・・・・・・」

 窓の外から巨大な鳥が姿を見せたと思うと、すぐにどこかへ消えた。

「な、なんなんだ・・・・・・」

「トランスフォーム!いやー、ありがとうね。突然」

「ひえっ!」

 時計が大きくなって人型に変形し、一夏は腰を抜かした。

「だ、誰?何者?」

「ああ、自己紹介が遅れたね。俺はリワインド。マイクロンの中のカセットボットっていう種類さ。いやーごめんね。コンドルって執念深いからしつこくてさー」

「いや、そうじゃなくて!お前、一体なんなんだよ!?」

「え?あー・・・・・・そうだ。ここアースだった・・・・・・ごめん。地元のテンションだった。改めて自己紹介すると、俺はリワインド。宇宙の彼方にあるセイバートロン星っていう星から来た。変形する能力を持ってる、トランスフォーマーさ。わかる?」

「トランス、フォーマー?」

「そう。セイバートロニアンの種族の一つでさ。変形しないやつらもいる」

「つまり、宇宙人?」

「ああ。そうなるな」

「宇宙人って、こんな、俺と同じような身長なのか・・・・・・」

「いや、俺よりでかいのはいる。俺がマイクロンだから特別小さいのさ。始祖マイクロナスからずっとね」

「へ、へぇ~・・・・・・」

「でかい奴はこの建物と同じ位だな」

「同じって、このホテル40階だぞ!?」

「ああ。タイタンっていう奴らさ」

 目の前にいる宇宙人、リワインドとの会話は、ホテルの一室に隔離されている一夏にとって、懐かしく喜ばしいものだった。

 ホテルの従業員か政府の人間としか直接会えず、連絡も制限されている一夏にとって、リワインドは一夏の事情を介さず、自らと話してくれる。

 久しぶりのちゃんとした、何気ないように思える会話。

 堅苦しくない、雑談。

 いつの間にか、一夏は笑っていた。

「さて、こうして会えたのもなにかの縁だ。君の事も教えてくれよ」

「あ、俺は、一夏。織斑一夏。15歳。色々あって、ここにいさせられてて・・・・・・」

「色々って?」

「えと・・・・・・IS、インフィニット・ストラトス。て、わかる?」

「いや?」

「ISっていうのは、女性にしか動かせないパワードスーツで、俺はそれを、男なのに動かせちゃって、対応とかのためにここに」

「へぇ~。見たところ若いのに、苦労してるんだな」

「若いって・・・・・・そういう、リワインドは何歳なんだよ?」

「俺?俺は覚えてる限り・・・・・・まあアースで言えば18歳ってとこさ。たぶんね」

「へぇ~!じゃあ年上か!ていうか、そのアースって、地球のこと?」

「ああ。セイバートロニアンはこの星をアースって呼んでるんだ」

「へぇ~!なあ、もっと教えてくれよ!セイバートロンのこと!」

「ああ!教えられる範囲で、なんでも教えるぜ!」

 それからリワインドは多くの事を話した。

 セイバートロン星の環境のこと。

 語られている神話のこと。

 コンボイという称号のこと。

 かつての戦いの事。

 トランスフォーマーは一度物体をスキャニングするとほとんど変えることがないが、リワインド自身は変えることに抵抗がないこと。

 実に様々な事を話した。

「案外似てるんだな。俺たちって」

「まあな。俺も生きてる。一夏も生きてる。似てないはずがない」

「それに、リワインドは地球の言葉が話せてるだろ?」

「ああ、俺達は単語と接続詞が使われる言語ならなんだってわかるんだ。そういう回路をしてるのさ」

「へぇ~、すごいや・・・・・・」

「ところで一夏、聞く限りだが、一週間、退屈してたんだろ?」

「え?そうだけど・・・・・・」

「ちょっと拝借」

 一夏からスマホを借りたリワインドは目を光らせると、体の形を変えた。

「トランスフォーム!」

 すると、リワインドはジェットスーツに変形した。

「着ろよ。空の旅と行こうぜ!」

「え、でも、さっきの鳥は・・・・・・」

「大丈夫。あいつは一度獲物を逃すと巣に帰るんだ。安心しろよ」

「そ、そっか」

 そう言うと一夏はリワインドを着た。

「じゃ、行くぜ!」

「おおおおお!?」

 猛スピードで割れた窓の間を通り抜け、一夏とリワインドは飛び立った。

「ははは!どうだ一夏!」

「すげえ・・・・・・キレイだし、すげえよ!リワインド!」

 夜景を真下に飛び続け、一時間程飛んで部屋に戻った。

「トランスフォーム、どうだった?」

「すげえ楽しかった!まるで、ISに乗ってるみたいでもあったし、何よりすっごい速い!」

「そりゃ良かった。俺も楽しかった。俺達、親友になれるかもな」

「何言ってんだよ。もう、親友だよ」

「!・・・・・・そうか。ありがとうな!」

 がっしりと握手する。

「そうだ。窓を直さないとな」

「直せるのか?」

「ああ。いわゆるナノテクってやつさ。ある程度部品があれば補修しめ直してくれる装置があるんだ。使い捨てだがね」

 リワインドは懐から取り出した小さいスイッチを窓枠に取り付ける。すると、部屋の中に散乱したガラス片がくっついていき、元の窓に戻った。

「直ってる・・・・・・」

「すごいもんだろ?」

「ああ・・・・・・ところで、気になってたんだけど」

「なんだ?」

「リワインドは、なんで地球に来たんだ?」

「それは・・・・・・逃げてきたんだ。セイバートロン星から」

「え?なんで・・・・・・」

「今、セイバートロン星は二つに分かれてる。簡単に言えば、戦いの後の、所属や信念とかで。穏健派のサイバトロンと、過激派のデストロンの二つに。俺はサイバトロンにいたんだが、汚職や癒着が出てきてな。なんとなく、いられなくなった。だからといってデストロンになるのもってんで、ここまで来たんだ。俺も故郷の為に戦う気はある。でも、そういうのは、今のセイバートロン星にはふさわしくないからな」

「リワインド・・・・・・」

「あのコンドルもそうさ。あいつはデストロンのサウンドウェーブっていうご主人様と、ジャガー、フレンジー、ランブルっていう仲間でここまで来た。俺はあいつが苦手でな。咄嗟に逃げたら追ってきたってとこ」

「そうか・・・・・・それじゃあ、俺と一緒にいようよ!」

「え?」

「俺、あと少ししたら、IS学園ってとこに通うんだ。俺以外みんな女でさ、心細くて。リワインドがいれば、きっと大丈夫。そう思うんだ」

「一夏・・・・・・でも、俺は宇宙人だ。お前にとって、何をしでかすかわからないんだぜ?」

「それがなんだって言うんだよ?ああやって一緒に楽しんだろ?俺達は親友で、パートナーみたいなもんじゃないか」

「一夏・・・・・・ありがとう」

「良いって、そんな・・・・・・」

「バーウィップ、グラーナウィー、ピニボン・・・・・・」

「え?」

「ああ、セイバートロン星の古い言葉さ。平和の祈り、嬉しさの最上級、そんで、一緒楽しもうって意味の・・・・・・」

「バーウィップ、グラーナウィー、ピニボン。か」

「ああ・・・・・・一夏。約束する。何があっても、俺はお前の側にいる。支えになる」

「じゃあ、俺も約束するよ。俺は、ずっとリワインドの味方。どう?」

「ああ、ありがとう・・・・・・!」

 そう言うリワインドの声は、嬉しさで震えていた。

「そうだ。俺もその学園に行くなら、丁度良いのをスキャニングしないとな」

「それなら、腕時計で良いんじゃないかな?これ」

「そうだな。それなら、約束に反さない」

そう言うとリワインドは再び腕時計をスキャニングした。

「改めて、これからよろしく。リワインド」

「こちらこそ、一夏」

 4月。

 新生活、新しい年度の始まりの月。

 IS学園に入学した一夏は1年1組の教室にいた。

(やっぱり慣れないな・・・・・・)

 周囲の女児達から向けられる様々な視線。

 今まで味わったことのない感覚に一夏は狼狽していた。

(リワインド・・・・・・俺駄目かも・・・・・・)

 キリキリと胃が悲鳴を上げている。リワインドと共にIS学園に入った後のシミュレーションをしていたが、やはり現実は空想よりも過酷であった。

 腕時計として腕にいるリワインドをさすり、緊張を紛らわせているが、いかんせん視線が痛い。

「・・・・・・君。織斑君!」

「えあっ、は、はい!」

「えと、ごめんね。出席番号順で自己紹介だから、えの次はおだから・・・・・・」

 副担任である山田真耶の声に思考の海から引き上げられた。

「起立して、自己紹介してくださいね」

「はい。えと・・・・・・織斑一夏です・・・・・・慣れない環境で色々迷惑かけるかもしれないけど、よろしくお願いします」

「全く、当たり障りの無い挨拶だな」

「え?千冬姉?」

「織斑先生と言え馬鹿者」

 自己紹介を終えた一夏に声をかけたのは、一夏の実姉である、織斑千冬。1組の担任である。

「キャー!織斑千冬お姉様ー!」

「私、お姉様のために来ました!北九州から!」

「全く、毎年の事ながらよくも集めるものだ。狙っているのか?」

 女子達からの歓声をものともせず、織斑千冬は壁にもたれかかっている。

 気付けばチャイムがなっており、休み時間となった。

「一夏、少し良いか?」

「君は・・・・・・箒?」

 気疲れした一夏の前に、一人の少女が立つ。

 名前は篠ノ之箒。幼馴染である。

 その後二人は屋上で近況を報告しあい、他愛もない時間が過ぎていった。

 授業が始まると、一夏は始め山田についてこれているか心配されていたが、リワインドと共に予習をしっかりとしていたため、特に問題は無かった。

「そうだ。クラス代表を決めなくてはならなかった。自薦他薦は問わん。誰かないか?」

 クラス代表。

 今後IS学園で行われるであろう行事の際、クラスの顔を務める役である。

「はい!織斑君が良いと思います!」

「私も私も!」

「ええっ!?」

 多くの女子が一夏を推薦し、一夏は虚を突かれた。

「いや、なんで俺!?」

「納得いきませんわ!」

 クラスが一夏に代表に決めようと(押し付けようと)していた中、ただ一人反対する者が現れた。

「栄えあるクラス代表、それに極東の猿など相応しくありません!代表はこの私、イギリス代表候補生セシリア・オルコットが務めます!」

「ほう?自薦ということか?」

「ええ、極東の野蛮人に任せるよりも、イギリス貴族たる私こそがふさわしいでしょう」

「聞き捨てならないな」

 セシリアの言葉に、一夏は思わず立ち上がる。

「聞いてれば猿とか野蛮人とか、いつの時代だよ。そっちがその気なら言わせてもらうけど、イギリスだってメシマズランキング1位の常連だろ!」

「な!・・・・・・貴方、私を侮辱するというのですか!」

「そっちが言い始めたんだろ!」

「〜!・・・・・・決闘ですわ!」

「ああ、良いぜ。やってやるよ!」

「一週間後、覚悟しておいてくださいまし!」

「一週間後か。アリーナの予約はこちらでやっておいてやろう」

 この織斑千冬の言葉を最後にこの日の授業は終わった。

「あ、織斑君」

「なんですか?山田先生?」

「少し事情が変わりまして、織斑君には今日から寮に入ってもらうことになりました」

「え?でも俺なにも持ってきてないですよ!」

「そこは心配するな。衣服とスマホの充電器を持ってきてやったぞ」

「織斑先生」

「ええ!?それだけ!?」

「必要最低限あれば良いだろうが」

「これ、部屋の鍵です」

「さっさと行け」

「・・・・・・」

 担任と副担任に鍵を渡され、沈んだ気持ちで廊下を歩く。

 周りからの視線を釘付けにするが、気にならない程だった。

「えーと、ここか」

「一夏、一応ノックしておいたほうがいいぞ」

「そうだな」

 腕時計になっているリワインドに促され、3回ドアをノックする。

「はーい」

「あ、やっぱり人いたか」

 返事を聞き部屋に入る。だが人の姿は見えなかった。

「ん?」

 すると、脱衣所の扉が開いた。

「君がルームメイトか。すまない。こんなかっ、こ、うで・・・・・・」

 そこには、バスタオルを巻いただけの姿の幼馴染がいた。

「ーー!・・・・・・」

「あ、ええっと・・・・・・これからよろしく・・・・・・」

「メーン!」

「うおあっ!」

 突如箒は近くにあった突っ張り棒を一夏に振り下ろした。

 一夏は頭を打たれその場に座り込んだ。

「痛ってえ・・・・・・」

「一夏!お前同部屋なら早く言えっ!全く!」

「あ、あのー・・・・・・」

「ん?何だ?」

「あ、その・・・・・・見えてる・・・・・・」

「んな!・・・・・・ーっ・・・・・・!」

 顔を指で隠す。しかし少しだけ開いた隙間から見えていた事を箒に伝える。

 すると箒は顔を真っ赤にして脱衣所のドアを閉めた。

「全く、嫁入り前の女の裸体を見るんじゃない・・・・・・」

「本当にごめんなさい」

 服を着た箒は二つ並んだベッドに向かい合わせに座り、一夏と箒は談笑していた。

「はあ、責任は取ってもらうからな」

「ああ。俺にできることならなんでもするよ」

「なんでも?」

「なんでも!」

「じゃあ、付き合ってくれ」

「ああ!どこに行くんだ?」

「え?」

「付き合うって、どこか買い物に行くってことだろ?」

「・・・・・・」

 一夏の言葉に箒は頭を抱えた。

「まあ、お前はそういうやつだよな・・・・・・そういう感じだったよな・・・・・・でも昔の方がマシだったよな・・・・・・」

「?」

「はあ、まあ良い。とにかくだ。改めて、久しぶりだな。一夏」

「ああ、久しぶり。箒」

「なんていうか、雰囲気変わってないな」

「箒はなんていうか、大人っぽくなったな。色々と」

「そっちも変なところが成長しているな」

 屋上では時間が無くできなかった会話。

 久しぶりに会ったといえど幼馴染。気の置けない仲であることに変わりなかった。

「そうだ。腕時計するようになったんだな。似合ってるぞ」

「そうか?」

「ああ」

「・・・・・・ごめん。ちょっとトイレ」

 足早に脱衣所に向かう。余談だが寮の部屋のトイレは脱衣所の中にあり、浴室とは別になっている。

「はぁ・・・・・・リワインド、ここなら大丈夫だと思う」

「トランスフォーム。いやー、ずっと変形してると体が凝るな」

「相談したいんだけどさ、箒には、言っておいたほうがいいかな?君のこと」

「どうだろうな。一から説明しようにも、俺が言うのもなんだが荒唐無稽な話だしな。いきなり対面よりもある程度言ってからが良いだろう。心の準備をさせておいたほうが良い」

「だよな・・・・・・それとなく言ってみるか」

「それが良い。トランスフォーム」

 腕時計に変形し腕に戻り、一夏はベッドに戻った。

「なあ、箒・・・・・・」

「そういえば一夏、お前どうするつもりだ?」

「へ?何を?」

「何をって、セシリアとの決闘だよ」

「あ、忘れてた・・・・・・」

「あと一週間で代表候補生に勝てるようになるとは思えんが、対策は必要だろう?」

「そうだな・・・・・・」

「・・・・・・なあ、一夏も剣道をしていたよな?」

「でも、箒が引っ越してからやってないぞ?」

「体は覚えているだろう。どれ。私が一週間、お前を鍛えてやる」

「良いのか?」

「幼馴染の無様な姿は見たくないからな」

「ありがとう!箒!」

 両手でがっしりと箒の手を握る。

「ひぇっ!?い、いや、気にするな。ははは・・・・・・」

 そう言う箒の顔は緩んでいた。

 ここは、名前のない惑星

「メガ!メ、メガガガ!メガ、メガザラアアアアック!」

「・・・・・・」

「メガアアアア!ザ、ラアック!メガメガ!」

「・・・・・・」

「メガアアメガザラアア!メガザラアアアア!ザラック!」

「ええい!誰かメガザラックを黙らせろ!延々と騒ぎおって!こんなんでは安心してスリープできん!ノイローゼにする気か!」

「そうは言いますがね、今メガザラックはあのブラーのコグを使ってんですから、黙らせるのは無理ってもんですよ。バイオメガトロン様」

「ええい!お前のコグを使っても良いんだぞスタースクリーム!」

「それで困るのは貴方でしょう!」

 笑いながら指摘する。

「全く・・・・・・サイバトロンの奴らは奇怪な奴しかいないのか・・・・・・」

「それは俺達がロボット生命体であることとかけたジョークですかい?」

「んなわけあるか!」

「バイオメガトロン様」

「帰ったかオンスロート!」

「1サイクルもかけてしまい申し訳ございません」

「いや気にするな。それで、成果はどうだ?」

「はい。サウンドウェーブの居場所を突き止めました」

「おお!どこだ!?どこにいる!?」

「ここから数十光年先の星、アースです」

「アースか・・・・・・」

「何を考え込んでんです?見つけたんならとっとと行きましょうぜ」

「いや、聡明なサウンドウェーブの事だ。何かある。どうだオンスロート?」

「はい。アースは高純度で高品質なエネルゴンの宝庫であります。そして、サイバトロンが部隊を派遣しています」

「やはりか。目敏いサイバトロンらしいな。レーザーウェーブ!サイバトロン基地からの電波に、アースに関する情報はあるか!?」

「ありました!アースからの通信です!コンボイ達にアースの詳細を伝える内容です!」

「いつの情報だ!」

「オンスロートが戻る少し前の情報です!」

「ようし。メガザラック!トランスフォームしろ!戦艦ネメシスと繋がるのだ!」

「メガザラアアアアアアアアアアアアック!!!」

 バイオメガトロンの命令を聞いたメガザラックは、体を展開し基地モードとなった。

 すると、惑星の大地が隆盛し、巨大な戦艦が現れた。

「デストロン軍団!全員乗り込め!アースへ向かい、サイバトロン共よりも早くアース人達を取り込み、サウンドウェーブを連れ戻すのだ!」

 ここは、金属の月が大地を照らす、セイバートロン星。

「司令官!ブレードコンボイ司令官!」

「どうした?マイスター?」

「たった今、セイバートロン星近辺の惑星から、多数のデストロン反応を感知!この星から離れています!」

「ふむ・・・・・・その中にメガトロンは?」

「あります!」

「わからないな・・・・・・こんな状況の中、彼がここを離れるとは。どこへ向かった?」

「推測にはなりますが、アースに向かったと思われます!」

「そうか・・・・・・聖地へ向かったのか・・・・・・」

「おそらくアースの人々を支持者として取り込む腹でしょうね」

「いや、デストロンの事だ。それだけでは済まないだろう」

「ですね・・・・・・」

「・・・・・・よし。私もアースへ向かおう」

「な!?正気ですか!?」

「ああ。評議会には私から言ッておく。そうだ、研究部隊として送ったアダムス、リジェ、トレイルブレイカーの3人には、私が部下を連れて向かうことを伝えておいてくれ」

「は、はぁ・・・・・・」

「もちろん副官である君も連れて行くぞ。マイスター」

「それはわかりましたが、本当にアースへ向かうのですか?デストロンはネメシスがありますから大丈夫でしょうが、我々では何サイクルかかるか・・・・・・」

「スペースブリッジを動かす」

「スペースブリッジ!それなら一瞬ですね!」

「ああ。あの瞬間移動装置の使用許可も取ってくる。君はアースに向かう準備をしていてくれ」

「わかりました司令官!・・・・・・あ、そうだ。アダムス達から通信がありましたよ」

「なんだ?」

「なんでも、アースには質の良いエネルゴンである、マグマというものがある、とのことです」

「そうか・・・・・・それはまずいな」

「え?」

「今までアースは信仰によって聖地と呼ばれてきた。だが、信仰ではない価値が生まれてしまえば、それを狙い、衝突が起きるだろう」

「!」

「かつての戦いでデストロンを追い出してから・・・・・・セイバートロン星に戻りたいと願いに来た者は受け入れてきたが、奴らの大多数は力によって手に入れようとする。アースが戦場になってしまう」

「そんなこと、あってはなりません!」

「だが、そうなる確率は極めて高い。急がなくては」




1サイクル=1年ということにしています。
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