トランスフォーマーIS   作:ダイダゼノンド

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第十八話 バイオメガトロン危機一髪!

 太平洋海底にあるデストロンシティの玉座の間から物語を始めよう。

「モーターマスターから書類が届きましたぜ」

「なんだ?」

「オートボットランドの今後のスケジュールだそうで」

 印刷された書類をスタースクリームから受け取る。

「イベントか・・・・・・夏休み特別企画?」

「ええ、なんでもこのアース・・・・・・それも俺達がよく活動してるこの日本って国には、7月の終わりから8月いっぱいにかけて大型連休があるって話です。学生とかの子どもが対象ではあるんですが、稼ぎ時だか何だかってんで・・・・・・」

「大型連休か・・・・・・」

「バイオメガトロン様?」

「・・・・・・儂らも導入してみるか?」

「は?」

「もう7月の終わりに差し掛かっておる。サイバトロンに戦いを挑むのもこの一月、自粛するのも良いやもしれん」

「何もしなくてもいいってんなら歓迎しますがね、ただ活動自粛っていうのは体裁が悪い」

「そうだな・・・・・・文化的休息とでも銘打つか」

「純粋に作戦を実行しなけりゃ良いんじゃないですかい?それでいて各自自主トレーニング期間としておけば良いでしょう」

「スタースクリーム、お前たまに頭の良いことを言うな」

「そりゃどうも」

「よぅしそれで行こう。儂もいい加減一息つきたいと思っておったのだ。次のデストロンとしての大々的な活動は9月以降だ。スタースクリーム、お前も羽を休めるが良い」

「ええ。そうさせてもらうとしますよ。伝達はやっておきますぜ」

「うむ。任せたぞ」

 そう言い残し、バイオメガトロンは玉座の間を後にした。

「いやしかし、夏季休業とは儂も冴えておるわい。個人的にやっておきたかったことがあるからな」

 上機嫌なままバイオメガトロンが向かった先は、医務室と書かれている部屋だった。

「いるかテイルレネゲイト!」

「入ってますよどうぞ」

「うむ。失礼する」

 医務室のドアを叩き、中に入る。医務室の中は幾つかのベッドと様々な機械類、そして机と椅子が二つ。奥の椅子に一人のトランスフォーマーが座っていた。

「何の御用ですか?バイオメガトロン様?」

「医者であるお前に頼みたいことがあってな。テイルレネゲイト、儂の健康診断を頼む」

 デストロン軍団軍医、テイルレネゲイト。バイオメガトロン派閥に所属する、デストロンでは数少ない医療従事者である。

「そうですか。では、こちらへ」

 テイルレネゲイトに案内され、バイオメガトロンは様々な検査を受けた。

「検査の結果はどれくらいで出る?」

「すぐに出ますよ。私はまず簡易的な検査をして、その後時間のかかる検査をします。時短てやつです」

「そうかそうか」

「あ、出ましたね。まずボディの外装の傷や歪みなどの検査と内部回路系統の大体の検査ですね・・・・・・」

「まあ儂も年季が入りつつあるからな。関節系が少しアレでも受け入れるわい」

「ああ・・・・・・これは・・・・・・」

「なにか、あったのか?」

「はい。まあこれは、この程度は・・・・・・」

「なんだ?ネジやパーツの干渉か?」

「割とヤバいやつです」

「割とヤバいやつなのか!?」

 バイオメガトロンは思わず立ち上がった。

「ええ。割とと言うかかなりまずいやつですね」

「そ、そんな・・・・・・それは一体・・・・・・」

「バイオメガトロン様は、()()()()です」

「ゲ、ゲラウ症・・・・・・?」

「はい。正式名称は急性マンサイオワライ型変異的培養機化変質症候群」

「今のどこにゲラウがあるのだ!?」

「それです!」

「は?それ、だと?」

「はい。このゲラウ症の初期症状として、無意識の内にツッコミとボケどちらかの対応を大量にしてしまうようになります」

「いやどういう症状なんじゃそれ」

「今まさに話されている言葉。それがゲラウ症の症状なのです」

「そんなバカなことが・・・・・・」

「とにかくこのまま説明に移ります。このゲラウ症は()()()()という病原菌に感染することで発症します」

「ウォ、ウォウ菌?」

「はい。ウォウ菌とは通常ビースト戦士が潜在的に持っている、所謂常在菌。このウォウ菌は本来我々のような通常トランスフォーマーには感染しません。ある特徴を持ったトランスフォーマーがビースト戦士から感染する可能性があるのです」

「その特徴とは・・・・・・?」

「ビーストモードです。メカビーストに変形できるトランスフォーマーが、このゲラウ症を発症するのです」

「な、なんと・・・・・・しかし、そこまで重篤ではないだろう?まずいだヤバいだ言ってもそんな・・・・・・」

「ええ。そうですね。ゲラウ症の症状は」

「そうだ。そうだろう」

「発症して一年後、笑い狂って死にます」

「笑い狂って死ぬ!?」

「はい。潜伏期間は一年。その後発症し、一年後に死にます」

「そ、そんな・・・・・・そうだ。薬は、薬は無いのか?」

「ええ。特効薬があります」

「あるのか!あるのかそれは良かった」

「ですがここにはありません」

「どういう事だ貴様さっきから安堵させてから落としよってからに!」

 とうとうバイオメガトロンはテイルレネゲイトの肩を掴み前後に揺さぶり始めた。

「落ち着いて下さい。そもそもとしてゲラウ症はそう罹る病気じゃないんですよ。それに死ぬまでも長いですし、定期的な検診で発見しやすい病気でもあるんです。ですので特効薬は発見後に作るんです。デカいので」

「作る?見つけてから作るというのか!?」

「ええそうです。ゲラウ症の特効薬は割と簡単に作れますから」

「では、その作り方というのは?」

「精製されたエネルゴンに、バナナを入れます」

「は?バナナ?」

「はい。幻のバナナをすり潰し、それを精製されたエネルゴンに入れて混ぜたものを経口摂取すれば、ゲラウ症は完治します」

「そうか・・・・・・だが、幻のバナナとは、中々難しそうなものだ」

「はい。幻のバナナはビースト戦士しか産まれない、通称ビースト戦士の故郷惑星エネルゴアとこの星、地球でのみ採取することが出来ます」

「地球にあるのか。それは良かった」

「幻のバナナは基本的にこの星のフィリピンと呼ばれる国で取ることが出来、稀に日本でも取れます」

「そうかそうか」

「生産量のランキングは上からインド中国インドネシア・・・・・・」

「うん?待て。かなり取れていないか?」

「はい。特効薬に使うバナナは市販品と同じものです」

「・・・・・・それのどこが幻なのだ?」

「バナナを育てられる惑星は現状エネルゴアと地球しか確認されていませんから。それで幻です」

「そんな根本的なものか・・・・・・」

「ですが、バナナは取れて三日以内のものでなければなりません」

「鮮度の問題か?」

「はい。基本的にもととなる木から離されてすぐのものでなければいけません。そうしないと特効薬としての効果が薄れてしまう」

「なるほど難しいな・・・・・・」

「ですので、取りに行く必要があります。バイオメガトロン様、私はこんなこともあろうかとフィリピンにあるバナナ農園にある程度話をつけています。この番号に連絡し、取りに行きましょう。フィリピン産バナナを二十本!」

「儂が連絡するのか・・・・・・」

 フィリピン、バナナ農園へ続く道。

 メカライオンに変形したバイオメガトロンと装甲車に変形したテイルレネゲイトは連絡したバナナ農園に向かっていた。

「そもそもとしてゲラウ症の原因、ウォウ菌について、バイオメガトロン様はどれくらい知っていますか?」

「ほとんど知らんな。お前に言われるまで聞いたこともなかった」

「では暇つぶしに説明いたしましょう。ウォウ菌は先ほども言ったとおり、ビースト戦士が持つ常在菌。その役割は栄養の生成にあります」

「栄養の生成?」

「基本的に我々のようなロボット生命体はエネルゴンを経口摂取します。地球人達の食べ物を摂取した場合、体内で焼却や分解がなされ、エネルゴンとして消化されます。口からという点は同じですが、ビースト戦士の場合は完全なロボット生命体というわけではなく、有機組織や細胞を持ちます。ですので、エネルゴンだけではビーストモード時の毛や筋肉を維持できなくなります。そこで口から肉や野菜を摂取することが必要になります。有機部分の維持のためタンパク質やミネラルなどの栄養素が使われるのですが、ビースト戦士が経口摂取では得られない栄養素があります」

「それは一体?」

「ビタミンです。通常ビタミンとは野菜に多く含まれますが、ビースト戦士はそのビタミンを上手く体内で野菜から抽出出来ないのです。そこで、ウォウ菌を使うのです。ウォウ菌はある動作に反応してビタミンを製造することができるのです」

「ある動作?」

「はい。笑いです。笑うことでビースト戦士はビタミンを補っているのです」

「笑い?確かにワスピーターはよく笑っているが・・・・・・」

「まあ、ビタミンをそこまで多く必要としないビースト戦士もいます。あくまで個体差ですよ」

「そういうものか・・・・・・まあ良いわ。もう着く頃だ」

「ヨー!」

「ホー!」

「誰だ!」

 バナナ農園に到着する寸前、上空から二つの聞き慣れない声。

「ヨーヨー!」

「ホーホー!」

「「ヨーホーヨーホーヨーホー!!!」」

「あれは・・・・・・トランスフォーマー!」

 立ち止まり自らを囲うように飛ぶ二つの影。それは緑色のメカカブトムシと茶色のメカクワガタムシ。

「バラージ!」

「チョップショップ!」

「「トランスフォーム!!!」」

ロボットモードに変形した2体は、それぞれバラージとチョップショップと名乗り、バイオメガトロンの行く手を塞ぐ。

「ヨー!冗談半分でアースの地に降りてみたが・・・・・・まさか本当にいるとはなぁ!」

「ホー!驚き桃の木山椒の木ぃ!」

「何者だ・・・・・・貴様等!」

「ヨーヨーチョップショップ、向こうは俺達のこと知らないみたいだぜぇ?」

「ホーホーバラージ?こいつはちやんすじゃなぁ~いの?」

「ヨー!チャンスだチャンス!」

「ホー!どのみちあの一派を滅ぼすのは、プライマスの意思に他ならねぇ!」

「ちょびっと早まるだけなのさ!ヨー!」

「プライマスの意思・・・・・・?」

「気の触れた奴らのことだ。真に受けるなよテイルレネゲイト。・・・・・・だが、気にならないわけではない。トランスフォーム!貴様等!どこの者だ。見たところサイバトロンではないな!?」

「サイバトロン?ヨー!聞いたか?俺達がサイバトロンに見えるってよ!」

「ホー!笑えるぜ!ヘッヘッヘッヘッヘ!」

「真面目に答えんか!」

 ロボットモードに変形し、ライオバレルを構えるバイオメガトロンに対し、バラージとチョップショップはふざけた態度を崩さなかった。

「ヨー!良いぜ、俺達はデストロン!プライマスの代行者ロックダウンに付き従う陽気な二人組!」

「プライマスの声を聞き、世界を闘争で染め上げる、崇高なる使命を持った勇士!」

「ヨー!お前らはハッキリ言って邪魔邪魔ね!死んでもらわー!」

 バラージとチョップショップは飛び上がり、バイオメガトロンとテイルレネゲイトに襲いかかった。

「テイルレネゲイト!」

「トランスフォーム!」

 バイオメガトロンとテイルレネゲイトはそれぞれライオバレル、デストロンガンを構え応戦する。

「ヨーヨー!」

「ホーホー!」

「チィッ!ちょこまかと・・・・・・!」

 バラージとチョップショップはハエのように飛びバイオメガトロンとテイルレネゲイトの銃撃を回避する。

「テイルレネゲイト!もっと撃たんか!」

「医者に戦いを求めないでください!こんな、専門じゃない!」

「ええい、全くお前はこんなでは・・・・・・そうか、テイルレネゲイト!」

「うわっ!なにを!?」

 何かを思い立ったバイオメガトロンはテイルレネゲイトに掴みかかる。

「お前口調矯正プログラムを入れておるな!それも性格にまで影響を及ぼすとびきり強いやつだ!」

「うわっ!ちょっ!やめ!・・・・・・やめろっつってんだろ!」

 バイオメガトロンに後頭部を弄られたテイルレネゲイトは激しい口調と共にバイオメガトロンを投げ飛ばした。

「人が折角地球人に威圧を与えないよう地球の医者をモデルに色々やってたっていうのにあんた・・・・・・ふざけるな!」

「ふふふ、ようやく戻ったなテイルレネゲイト。さあ、奴らを倒そうではないか!」

「俺は医者だぞ!戦いを求めるな!」

「そう言うな、医者も戦うのが儂らトランスフォーマーの伝統ではないか。そら行くぞ!」

「チッこの野郎・・・・・・毒盛ってやろうかってんだ」

 悪態をつきながらもテイルレネゲイトはデストロンガンから自前の銃、プラズマガンに持ち替えバラージとチョップショップに食いかかる。

「ヨー!当たらねえぜ、ヨー!」

「ホー!これじゃあ破壊大帝の名が泣くぜ、ホー!」

「ちょこまかと・・・・・・トランスフォーム!」

 メカライオンに変形したバイオメガトロンは飛び回るチョップショップに狙いを定め、跳躍する。

「ウオオッ!」

「ホオオォッ!?」

 飛び上がったバイオメガトロンはチョップショップの胸に爪を立て、その胴体を貫いた。

「チョップショップ!」

「ふんっ!」

 チョップショップの胴体から爪を引き抜いたバイオメガトロンはバラージに狙いを変える。

「い、ぃよくも!よくもチョップショップを!」

「余所見をするな!」

「ぐあああああっ!?」

 チョップショップが死に怒りに震えるバラージだったが、それによって動きが止まってしまいテイルレネゲイトのプラズマガンが直撃してしまった。

「ぐふっ!ごほっ!」

 バラージは地面に落ち、ロボットモードに変形したバイオメガトロンに踏みつけられた。

「お前には聞きたいことが幾つかある。答えてもらうぞ」

「ヨ、ヨー・・・・・・そ、そうはいかねえ。全てはプライマスの意思・・・・・・ここでの俺とチョップショップの死に意味なんか無い・・・・・・大総統ロックダウンと・・・・・・世界の新生を、お前に・・・・・・お前、らに・・・・・・いい・・・・・・」

「バイオメガトロン下がれ!」

「うおっ!?」

「オールヘイルプライマアアアアアアアアスッ!!!」

 叫びと共にバラージは内側から爆発し、その身を鉄屑に変えた。

「なんだ、なにが起きた?」

「おそらく、奴の体には予め爆弾があったろう。それを起動させたか、俺が火をつけたか・・・・・・どのみち奴にこの先を生きるつもりは無かったろうがね」

「・・・・・・プライマスの意思。ロックダウン・・・・・・この先、今まで以上の争いが世界を包むやも、な」

「縁起でもないことを」

「まあ良い。今は儂の体のことだ。早いとここのゲラウ症などというものを治さなければな」

「バナナ農園はすぐそこだ。2、3分もあれば特効薬が出来上がる。コイツらは・・・・・・とりあえず俺が運ぶ。薬を作っている間はアンタが管理してくれ」

「ああ良いとも」

「おーい!」

「この声は」

「お待ちしておりましたよバイオメガトロン様!テイルレネゲイト様!」

「久しいなクランクケース」

 バナナ農園から走ってきたのは、バイオメガトロンの部下でありバナナ農園の従業員をしている地球に逃げていたトランスフォーマー、クランクケース。

「こうして直接顔を合わせるのは数十サイクルぶりですか?あの時は怖じ気づいてしまって・・・・・・」

「昔のことはもう良い。しかし驚いたぞ。テイルレネゲイトがいざというときのためにと話をつけたいたという農園にお前がいたとは」

「それも込みで大丈夫そうな農園を探したんだ。クランクケースは真面目な奴だからなコイツが働いてるんだ。お仲間の俺達が物を頼む難易度も低いだろうしな」

「こんなところじゃないんですから、どうぞ、案内します。トランスフォーム!」

「バイオメガトロン、よろしく。トランスフォーム」

「ああ。わかった」

 ビークルモードのテイルレネゲイトにバラージとチョップショップの残骸を積み、バイオメガトロンも変形してバナナ農園へ向かった。

「トランスフォーム!バナナは必要分揃えてあります。エネルゴンも同様」

「トランスフォーム!それは良かった。じゃあ早速取りかかる」

「トランスフォーム。頼んだぞテイルレネゲイト」

 テイルレネゲイトは早速作業に取りかかり、あっという間に特効薬である薬液を作り上げた。

「できたぞ」

「おおっ!では早速」

「待て」

「なんだ、まだなにかあるというのか?」

「この特効薬には飲み方がある」

「飲み方?それは一体・・・・・・?」

「ペッチャンコになってもらう」

「・・・・・・は?」

「ペッチャンコだ。ペッチャンコ。具体的に言えば大の字で仰向けになってもらう」

「そ、そうか・・・・・・こうか?」

「そうだ。それで、クランクケース。お前バイオメガトロンにのし掛かれ」

「え?な、なんで?」

「必要だからだ。医者に従え」

「ええ・・・・・・バイオメガトロン様、すいません」

 申し訳なさそうにクランクケースはバイオメガトロンの腹の上に覆い被さった。

「・・・・・・まだ足りんな」

「え?」

「は?」

「すまんな。耐えろよクランクケース」

「え?ぐおっ!?」

「がはっ!な、なにを!?」

「重さが必要なんだよ。だからすまんな」

 テイルレネゲイトは片足をクランクケースに乗せ、二人を踏みつけ体重をかける。

「よーしいくぞ」

「うぅ・・・・・・ぐおっ!がぼがぼ!」

「あー・・・・・・重さが足りないな。すまんなクランクケース」

「え?がはあっ!!!」

「ごっはあっ!!!」

 薬液を飲ませていたテイルレネゲイトは、さらに二人の上に飛び乗りバイオメガトロンの口に薬液を流し込む。

「ガボゴボオボゴボッ!」

「よーしこれで良いだろう。バイオメガトロン、終わったぞ」

「はあ、はあ、はあ・・・・・・本当に、治ったんだろうな?」

「それについてはご心配無く。最後以外は全て適切な処置だ。2日かけて完治する。ある程度俺のストレスも発散できたし、これで万事解決だ」

「待て、なんだストレスって。貴様まさか儂らをストレス発散の道具にしたのか?」

「そりゃないよテイルレネゲイト様!」

「ゲラウ症。ウォウ菌がトランスフォーマーに入ることで発症する病。しかし、この菌はビースト戦士の生存に必要不可欠なもの。どんな薬も毒も使い方次第・・・・・・今回は悪い方へ働いただけ・・・・・・」

「おい何まとめようとしているんだ」

「どんな力も同じこと。正しく使わなければ、害をもたらすだけ」

「おい聞けよ」

「さあ!我らが基地にして家、デストロンシティへ帰りましょう!」

「テイルレネゲイト!」

「あ、クランクケースも来るか?」

「いやここの従業員だから・・・・・・」

「そうか。ではバイオメガトロン、いざ帰宅ぶるれらっ!?」

 テイルレネゲイトの言葉を遮って、バイオメガトロンはテイルレネゲイトを殴り飛ばした。

「これで儂の鬱憤も晴れたわい。そらトランスフォームしろ。あのロックダウン一派の残骸を運ぶぞ」

「り、了解・・・・・・トランスフォーム・・・・・・」

「騒がせて悪かったな。また何かあれば頼むぞクランクケース」

「え、ええ!喜んで!」

「では帰るとするか。トランスフォーム!」

「大総統!バラージとチョップショップのスパークシグナルが消滅いたしました」

「・・・・・・所詮は羽虫の二匹。どうということはない」

「は・・・・・・では、奴らを先遣隊としてアースに派遣しておりましたが、これよりどういたしますか」

「ロストライトを見失った・・・・・・奴らには、あのヒヨッコには怨みがある。忘れてはおらんな?」

「無論。プライムレコードを奪い、さらには同志候補たるサイクロナスの誘拐。思い出すだけでも怒りが沸きまする」

「そうだ。プライマスのお嘆きを、御意志を遂行するのが我らの役目。しかし、それとは別に奴へこの怨みを返してやらなければ、我らの士気に関わる。奴らはおそらくアースへ向かうだろう。あのプライムレコードはアースの座標が乗っていた。この宙域から消えたのなら、奴らも解析を終えたのだろう。アースへ向かうぞ」

「は。篠ノ之への連絡はいかがいたしますか」

「必要無い。センチネルにも不要だ。行くぞ、ついに我らの理想が形に、現実になる。プライマスの意思と繋がる・・・・・・我らの理想が・・・・・・」

「永劫の、戦争と闘争の世界を」

「宇宙全ての混乱を。世界の一新を」

「進め。エアウェーブ・・・・・・アースへ」

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