トランスフォーマーIS   作:ダイダゼノンド

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だいぶ展開のスピードが速いのですが、ご容赦を。


第二話 戦いの幕開け

「大丈夫かな・・・・・・」

「まだ届いていないのか?」

「ああ・・・・・・」

 セシリアとの決闘を引き受けてから一週間。

 箒に剣道の稽古をつけてもらっていたが、役に立つかはわからない。

 そんな心配となんであんな挑発乗っちゃったんだろうという若干の後悔の中、担任である織斑千冬から専用機が用意されたと聞かされた。

 今はその専用機を箒と共にアリーナのピットで待っているのである。

「お待たせしました。到着したので、今出しますね」

 副担任である山田真耶が運んできたコンテナが開き、白い甲冑が姿を現す。

「これが・・・・・・」

「第三世代、白式だ」

「それでは時間もないので装着してくださいね。最適化は自動で始まりますから」

「ん?一夏、腕時計外さないのか?」

「え?」

「そうですね。特別な事情がないのなら、外したほうが良いですね」

「いや、なんていうか・・・・・・」

「なんだ。はっきりしろ」

 箒の指摘に千冬が乗り、一夏は顔を引き攣らせる。

 今一夏がつけている腕時計は変形したリワインドであり、一夏は外すことを躊躇っているのである。

「この時計、結構、ずっとつけてまして、これがないと体のバランスが取れないんですよね〜・・・・・・ははは・・・・・・」

「ほう?」

 やってしまった。心の中で一夏は後悔した。

 よりにもよって冗談一つ通じないだろう姉の前で誤魔化しをした事を。

「・・・・・・ま、そういうことなら良いだろう。つけていたから負けたなどほざくなよ」

「あ、ありがとうございます!」

 許された。

 肩の荷が一気に下りた気がする。

 そんな高揚感を持ってISに乗った。

「どうですか?どこか変なところはありませんか?」

「ええ、だいたい授業でやったり事前に渡されたやつで見たとおりなんですけど・・・・・・」

「けど?」

「武器がこの、雪片弐型って剣しか見当たらないんですけど・・・・・・」

「そういう機体だ。受け入れろ」

「え」

 一夏の疑念に間髪入れずに解答した千冬の言葉に、一夏は固まった。

「どうした?オルコットが待っているぞ?早く行け」

「あ、ああ、はい!行きます!」

 そう言ってアリーナの中に降りる。

 青いISを装着したセシリア・オルコットと対峙する。

「逃げなかったことだけは褒めて差し上げますわ。ですが、勝てるなどと思い上がらないでくださいまし?」

「ああ。俺とお前の実力差・・・・・・圧倒的なのはわかってる。でも、やってみなくちゃわからないだろ!」

 互いの武器、一夏は雪片弐型を、セシリアはロングライフルであるスターライトmkIIIを構える。

「互いに準備できましたね?それでは、はじめ!」

「フフ・・・・・・」

 山田の開始の合図と共にセシリアは上昇、高度限界まで到達した。

「何を・・・・・・?」

「時間をかけるつもりはありませんから」

 そう言うとセシリアはライフルによる銃撃を開始。一夏に光線が降り注ぐ。

「くっ!・・・・・・うああっ!・・・・・・てえっ!」

 一夏は光線の雨を避け続けるので手一杯であり、反撃の隙を見いだせていない。

「無様ですこと」

 回避に専念し、未だ地面ギリギリをホバークラフトのように移動するだけの一夏に対し、セシリアは余裕を見せる。

「くぅっ・・・・・・でああっ!」

 避け続けていた一夏だったが、ついに被弾してしまった。

「ぐ、くぅ・・・・・・」

 うつ伏せに倒れ、頬から血が滲む。

「!・・・・・・織斑先生!」

「・・・・・・最適化が済んでいない?いや、シールドエネルギーに不具合が?」

 本来ISというものはシールドエネルギーにより、攻撃や衝撃を受けたとしても操縦者に傷がつくことはない。

 しかし、今一夏は頬に傷を負っている。

「ぐう・・・・・・」

『一夏、無事か?』

「リワインド・・・・・・?」

『ISの通信システムを解析して、入ったんだ。それより、大丈夫か!?』

「・・・・・・血が出た。でも、まだ行ける・・・・・・」

『そうか・・・・・・わかった。俺がサポートしよう』

「出来るのか・・・・・・?」

『言ったろ?通信システムを解析したって。頭にあるカメラから見えるんだ』

「そ、そうか・・・・・・仕切り直しだ!」

 腕に力を込めて無理に立ち上がる。頬を払い鋭くセシリアを睨む。

「光線って、斬れるか?」

『斬れはする。だが消えはしないだろう』

「セシリアを狙うしかないか?」

『そうなるな。この白式というのは近接戦しかできないようだからな』

「近づくか・・・・・・」

『引きずり下ろすか。どっちが良い?』

「・・・・・・近づこう!」

 瞬間、ISの飛行機能を最大出力。

「!・・・・・・無駄ですわ!」

 猛スピードで接近する一夏に再び狙いを定め、セシリアは引き金を引く。

「ハアァッ!」

「んなっ!?」

 自らに向かう光線を、上向きから前向きに飛ぶことで回避する。

「合ってたよ・・・・・・セシリアは上から下に撃てる。だから俺が地上にいたままじゃ、死角が無い。でも、近づけば近づくほど、死角が出来る!」

『背後を取るんだ!なに、放たれた弾丸は進路を変えられない!相手が撃ったら俺が言う!』

「いける!」

「くっ・・・・・・小賢しい真似を・・・・・・こんな、まるで性能が上がったような・・・・・・まさか、先ほどまで最適化が済んでいなかったとでも!?」

 事実、一夏はセシリアに向かい飛び始めた時に最適化が完了した。そのため、セシリアからしたら急激に性能が向上したように見える。

 しかし、一夏は戦いに慣れていたリワインドと連携することで、セシリアを攻略しようとしている。

「フッ!・・・・・・ハアッ!・・・・・・がアッ!」

『一夏!』

 順調に距離を詰める一夏だったが、右腕に光線がかする。

 最適化が済んだといえど、シールドエネルギーの不具合は直っていなかった。

「う、うおおおおおおおっ!」

 血を流しながらも雄叫びを上げ、セシリアに近づいていく。

「ぜりゃあぁっ!」

「キャアアアッ!」

 力任せに振り下ろされた雪片弐型はセシリアの背後の翼を切り裂いた。

 剣を振り下ろした一夏はその勢いのまま地面まで落ちるが、そのまま剣を突き刺し立っていた。

「ハア・・・・・・ハア・・・・・・どうだ!」

「驚きましたわ。まさか、私のビットを二つ斬られるなんて。実力を見誤っていたようですわ。全力で潰しましょう」

 背面から残った片方の翼を展開し、二つに分かれビットとなって一夏に襲いかかる。

「く、ぐああああああっ!」

 四方八方から放たれる光線により、ISに傷が増えていく。

「フフフ・・・・・・シールドエネルギーの不具合、いつものように攻撃すれば貴方の命を奪ってしまいますからね。そのISを壊すとしましょう」

「くぅ・・・・・・」

『一夏、動けるか?』

「俺は、動ける・・・・・・」

『ISは?』

「もう、飛べない・・・・・・」

『そうか・・・・・・じゃあ、もう諦めるしか・・・・・・』

「諦めたくは・・・・・・ない!」

 うつ伏せに倒れていた一夏は再び立ち上がる。

「どうすれは、ここから攻撃できる?」

『このISには飛び道具が無い。遠距離の相手をするなら、剣を投げるしか・・・・・・』

「はは・・・・・・あるじゃないか・・・・・・!」

 リワインドの声を聞いた一夏は雪片弐型を持つ腕を大きく後ろに引き、もう片方の腕を前に出す。

 それは、槍投げの構えに酷似していた。

「いっ、けええええええええええっ!!!」

「んな!?キャアアアアア!!!」

 放たれた刃はセシリアへ一直線に飛び進み、足に突き刺さった。

「ハア・・・・・・ハア・・・・・・ハア・・・・・・」

「ああっ!・・・・・・たたた・・・・・・」

 剣が刺さったことで飛行機能が停止したセシリアは地面に落下。そしてシールドエネルギーが無くなった。

「ハア・・・・・・俺の・・・・・・勝ちだ・・・・・・!」

「フゥ・・・・・・認めざるを得ませんね。そのように傷を受けてなお、立っているのですから」

 息を切らして仁王立ちする一夏に、セシリアは賞賛を送った。

「全く・・・・・・危なっかしいやつだ」

「すぐに、織斑君と白式を回収しないといけませんね。傷の程度もわかりませんし、不具合の調査もしないと」

 ドックでは織斑千冬と山田真耶が今後の事を話し、箒は一夏の勝利に胸を撫で下ろしていた。

 セシリアの部屋にて。

「織斑一夏、さん。一夏さん。逞しい人・・・・・・」

 セシリアは頬を赤く染め、記憶を反芻していた。

「男性は弱いもの、そう思っていましたが、考えを改めなければなりませんね。お父様も、本当は・・・・・・」

「あ~・・・・・・疲れた・・・・・・」

 決闘を終え、医務室から部屋に帰って来た一夏はベッドに転がった。

「傷は浅くそのうち治る、と。運が良かったな」

「全くだよ」

 時刻は午後3時半。思いの外早くセシリアとの決着がついたため、まだ暇がある。

「はーあ、今日はもう部屋でじっとしてよう。箒、テレビつけるな」

 部屋に備え付けられていたテレビをつけ、ニュースを視聴する。

「流石にこの時間はニュースしかないよな〜」

「なあ、一夏。聞きたいことがあるんだが」

「なんだ?」

「誰と喋ってたんだ?」

「へ?」

 突然の質問に硬直する。

「決闘の際、ドックの通信機能で一夏の声を聴いていたんだが、まるで、誰かと喋っているようだった。独り言にも聞こえたが、どうなんだ?」

「あ、えーと・・・・・・」

「どうした?言えないことか?」

「うーん・・・・・・なあ、箒」

「なんだ?」

「俺が何を言っても、驚かない自身はあるか?」

「うん?まあ、それなりに」

「じゃあ、箒は、宇宙人って信じてるか?」

「宇宙人?」

「そう。それで、俺がその宇宙人と友人だとしたら?」

「荒唐無稽にも程がある」

「だよな・・・・・・でも、本当なんだ。リワインド」

「トランスフォーム!」

 一夏の声を聞き、リワインドは腕時計から変形した。

「んな!?」

「紹介するよ。リワインド。俺の、相棒みたいな存在だ」

「どーも。セイバートロニアンのマイクロン、リワインドだ。よろしく」

「へ、変形した!?それに、大きく!?」

 腕時計から一夏と同じくらいの身長になったリワインドに、箒は驚きを隠せない。

「ま、俺達セイバートロニアンには大きさの概念が薄いから。慣れてくれとしか」

「い、一夏、お前これ・・・・・・問題だろう・・・・・・」

「いつか、千冬姉達にも言わないととは思ってる。でも、まだいいかなって」

「お前なあ・・・・・・」

「とにかくだ。こうして対面したわけだし、握手でもしようぜ。友好の証だ」

「あ、ああ・・・・・・」

 差し出された手を握る。

「うん!これで俺達は知り合った。友達と呼んでも差し支えないかもしれない。とにかく俺はこの部屋ではロボットモードで大丈夫だな!」

 そう言うとリワインドはテレビの前にある椅子に座った。

「も、もう何が何だか・・・・・・」

「まあ、慣れてくれ。箒」

「慣れ・・・・・・慣れかぁ・・・・・・」

 箒は天を仰いだ。

「お、緊急速報だとよ」

『速報です!東京湾に巨大な船のような物体が落下!・・・・・・ええ!新宿にロボット!?』

新宿駅東、その屋根の上に、舞い降りる三つの影。

「あ、あれは・・・・・・」

「映画の撮影?」

「なんかライオンっぽいぞ」

「戦闘機も・・・・・・なんか足ついてる戦車もある!」

 それぞれロボットのライオン、いわゆるF-15戦闘機、四脚戦車の形をしていた。

「バイオメガトロン!トランスフォーム!」

 すると、メカライオンは人型に変形し、新宿駅の屋根に立った。

「アース!・・・・・・いえ、地球の皆さん!こんにちは!私の名はバイオメガトロン!遥か彼方の惑星、セイバートロン星よりやってきた、デストロンのリーダー!貴方がたと友好を結ぶため、遠路はるばるやってきました!」

 目の前で繰り広げられる非現実的な光景に、人々は混乱していた。

「皆さんが困惑するのもわかります!我々デストロンもまた、かつてそのように、説明の無いまま押し切られた経験がありますから!私達は、平和の使者です!いずれこの星にやってくるであろう、宇宙の悪から皆さんを守るためやってきたのです!」

 その言葉を聞いた人々は、しきりに宇宙の悪を気にしている様子だった。

「そう!皆さんは狙われている!奴らは自分達の正義を振りかざし、弱者をものともしない卑劣漢達なのです!その名は、サイバ「それは違うぞ!」な、なんだ!」

 突如バイオメガトロンの演説を遮った者。それは、道路に停められた大型トラックだった。

「お前は・・・・・・この星に染まったか!」

「ブレードコンボイ!トランスフォーム!」

 大型トラックは前の運転席がある部分が分離し、板状の翼を持つ人型に変形した。

「この星、アースで好き勝手はさせないぞ!」

「貴様・・・・・・いつもいつも邪魔をする・・・・・・!」

「お前が行動を改めれば、私が出張ることはないんだがな」

「ええい!スタースクリーム!レーザーウェーブ!トランスフォームして奴を捕らえろ!」

「スタースクリーム!トランスフォーム!」

「レーザーウェーブ!トランスフォーム!」

 バイオメガトロンの命令を聞き、F-15戦闘機はスタースクリームと名乗り変形、四脚戦車はレーザーウェーブと名乗り変形した。変形した二人はそれぞれ肩と腕の光線銃を構える。

「戦う気か!こんな場所で!」

「ふん!貴様が来なければ、こうはならなかった!」

「おらよナルビーム!」

「ハァッ!」

「キャリアシールド!」

 スタースクリームとレーザーウェーブか放った攻撃に、ブレードコンボイはビークルモードの残った部分のうち車輪がついた下の板がコンテナから離れ、ブレードコンボイの手に収まった。

 板は縦となりスタースクリームとレーザーウェーブの攻撃を防いだ。

「わからないか!お前達が何をしようと、結果は目に見えている!」

「ぐぬぬぬぬ・・・・・・!」

「バイオメガトロン様よ、ここは引いたほうが良いですぜ。これからアース人を懐柔しようってんなら、これ以上の攻撃は悪手としか」

「そうも言っていられるか!スタースクリーム、お前はだから甘いのだ!だからレーザーウェーブと同列なんだ!」

「そうかっかかっかせんでください。おいレーザーウェーブ。冷却装置ないか?」

「そう都合良くあるものか」

「だよなあ・・・・・・」

「うるさい!合体だ、合体してブレードコンボイを倒すぞ!そうすれば、万事オーライだ!」

「そうですかい?詰めが甘いんじゃ?」

「よせ。こうなれば止まらん。知ってるだろう」

「あーあ。嫌な上司を持ったぜ」

 そう言うと三人は一度空に飛んだ。

「策と!」

「力と!」

「果てなき野望!」

「「「三つ揃って!」」」

 飛んだ三人はそれぞれ、レーザーウェーブは手足に、スタースクリームは連結部に、バイオメガトロンはコア部分に変形し、一つに合体した。

「「「合体大帝!キングデストロナス!」」」

 合体しキングデストロナスとなり、新宿駅前広場に降り立った。

 そこにいた人々は慌てて逃げ去り、幸い被害者はいなかった。

「貴様との因縁、この星で終わらせてやる!」

「聖地を戦場にはしたくなかった。だが、避けられないならば、迎え撃つのみ!」

「マグナカノン!」

 キングデストロナスの手にある銃から光線が放たれる。

「フッ!うおおっ!」

 光線をキャリアシールドで防ぎ、反撃のため前進する。

「ふんっ!」

「くっ!」

 繰り出された攻撃は軽々と受け止められ、力が拮抗する。

「キャアアアアアッ!」

「!?」

 ブレードコンボイがキングデストロナスと押し合っていると、背後から悲鳴が木霊する。それは、先程ブレードコンボイがキャリアシールドで防いだ光線が背後のビルに被弾し、一部が壊れ落下していた。

「フハハハ・・・・・・お前の行動が招いたんだぁ・・・・・・」

「ギムジャッキ!モーターラダー!」

 ブレードコンボイは叫び、コンテナから飛び出した道具が梯子のように伸び、その二つでビルの一部を受け止めた。

「貴様・・・・・・!」

「万事において抜かり無し!」

「ぐうぅ!・・・・・・ははは!今の貴様は便利な武器を手放した!盾ごと引き裂いてやる!」

 キングデストロナスは銃を投げ捨て拳を振るう。

「Jブレイド!」

 肉弾戦に持ち込もうとするキングデストロナスに対し、ブレードコンボイは背中の翼から二つの剣を取り出し応戦する。

「くっ!やはり剣では分が悪いか・・・・・・」

「このまま押し切る!」

 拳が剣を押し、ブレードコンボイは後ろへ押されていく。

「こうなれば、スーパーモードを・・・・・・」

「フハハハ・・・・・・ふはばあっ!?」

 突如、キングデストロナスが倒れたかと思うと、空には未確認飛行物体、いわゆるUFOが飛んでいた。

「君は!アダムス!」

「探しましたよ。司令官。さ、行きましょう。デストロンももう意気消沈でしょう。建物は私が移動させます」

 そう言うとUFOは倒壊したビルの一部を浮かせ広場に移した。

「ああ、そうだな。トランスフォーム!」

 再び大型トラックに変形したブレードコンボイはUFOと共に去っていった。

「くうう・・・・・・これで終わりだと思うなよ・・・・・・」

 後を追うようにキングデストロナスも姿を消した。

「リワインド、あれって・・・・・・」

「ブレードコンボイ総司令官、破壊大帝バイオメガトロン・・・・・・間違い無い。サイバトロンとデストロン。俺の同族、セイバートロニアンだ」

 ニュースに映し出された映像に、リワインドは驚愕していた。

「確かに、俺みたいにこの星に隠れ住む奴はいる。だが、両軍のトップが揃ってやってくるなんて・・・・・・」

「どう、するんだ?というか、どうなるんだ?」

「わからない・・・・・・デストロンが何を企んでいるのか、ブレードコンボイ司令官が、なんでこの星に、聖地と呼ぶこの星に来たのか・・・・・・」

 箒の質問に曖昧な答えしか用意できない。

「サイバトロンの司令官、てことは、リワインドの味方・・・・・・仲間なのか?」

「そう、とも言えるが・・・・・・俺は、逃げてきた身だ・・・・・・会うにもな・・・・・・」

「サイバトロンは穏健派なんだろ?じゃあ、大丈夫なんじゃないか?」

「そう、だな・・・・・・デストロンは戦艦に乗ってきたんだ、そう帰りはしないだろう。安全は、待たずに作らないとな」

 決心したように言い切ったリワインドは、腕にモニターを出して操作した。

「これは、サイバトロンシグナル。サイバトロンが仲間に自分の居場所を知らせるためのものだ」

「それで、あのブレードコンボイなる者がこの学園に来るのか?」

「いや、サイバトロンシグナルは発信機みたいなものだ。俺の近く、丁度この学園の敷地内かその周辺にまで来ないと受診できない」

「それ、意味あるのか?」

「無いよりはましだろうさ」

「全く忌々しい・・・・・・この星でも奴の顔を拝むとは・・・・・・」

 ここは、太平洋に身を隠したデストロン戦艦、ネメシス内部の中央コントロールルーム。

「ま、張り合いはあるでしょうよ。それに、実力で従えるってのはデストロンのやり方として王道ですし」

「ぬぅ・・・・・・まあ良い。それよりオンスロート、ビルドロン達から報告は?」

「ありました。完成したとのことです。後はネメシスを収容し、接続権限をメガザラックから、新しく造ったダイナザウラーに移すだけとのこと」

「フフフ・・・・・・ビルドロンも送っていて正解だったな」

「まあ、コンバットロン(うち)は戦闘関係に強いが、それ以外はからっきしな連中だ。専門家は必要だったからな」

 そう言うのは、デストロン軍特殊戦闘部隊、コンバットロン隊長、オンスロート。

「しかし、ビルドロンから人手を要求された時は驚きましたね。奴らなんでもあの6人でやり遂げてたのに」

「それほどこのアースに対し慎重になっていたということだろう」

「いやはやコンバットロンが選ばれて良かったってもんですよ。俺ぁビルドロンを手伝うには不器用が過ぎる」

 そうレーザーウェーブに返したのは、デストロン軍狙撃兵、トリガー。

「あむ、ガフ・・・・・・まーでもついたらなにかさせられるかもね。ぼくちゃん肉体労働はイヤだブーン」

「お前・・・・・・もう拾い食いか?ワスピーター?」

「ブーン。この星は、美味しい生き物がいっぱいで嬉しいなぁ~。このカラスっていう生き物も、羽と毛で食べづらいけど、骨まで柔らかくって、美味しいブウゥウ〜ン」

 ネメシス内で肉を貪るのは、デストロン軍所属のビースト戦士、攻撃兵ワスピーター。

「全く品が無いねぇ。こっちには近づかないでくれよ。生臭いのがついちゃうから」

「そう邪険にしないでも良いじゃな〜い。野性的なのは好みよ、アタシ」

 ワスピーターに愚痴を零すのは、デストロン軍女性兵士の1人である、火炎兵ロディ。そしてワスピーターをフォローしたのは、同じく女性兵士の火炎兵、ロッド。

「あまり嫌悪してやるなよ。ワスピーターだけなら良いが、あいつに飛び火してはな」

「わかってるわよラナバウト!」

 ロディに小言を言ったのは、破壊兵ラナバウト。

「そうだ。ワスピーターは見境が無い。ビースト戦士であれば食い物を選べ」

「そうは言うけどスナッパ〜お前も生肉を前にしたら豹変するだろ〜?」

「ほう?豹変など、よくもそんな難しい言葉を知っていたな?」

「バカにしてるのかあ〜?」

「当然」

「このやろ〜!」

「よせ!スナッパー、お前も煽るな」

「ふん」

 バイオメガトロンに咎められたのは、ワスピーターと同じビースト戦士、将校スナッパー。

「見えてきました。デストロンシティ、入港します」

「わかった。速度を落とすぞ」

 防衛参謀レーザーウェーブの報告に応えたのは、航空参謀スタースクリーム。

 ネメシスは海中のデストロンシティ内部に格納され、コントロールルームにいた面々はネメシスを下りた。

「久しいな。出迎えご苦労、グレン」

「ビルドロン一同、貴方様をお待ちしておりました。他の5人は現在ダイナザウラーにて引き継ぎの準備を行っています。ネメシス内の操作は私が引き継ぎましょう。デストロンシティの地図はコンバットロン隊長オンスロートに送っていますので、よしなに」

 そう言うとグレンはネメシスに走っていった。

「何がよしなにだよ。あいつはなんでああも急いでんだか」

「奴も技術者だ。ネメシスを前にテンションが上がったのだろう」

「それじゃあ、デストロンシティの中央、いわゆる玉座に向かいましょう」

 オンスロートの先導でデストロンシティを進む。中央には基地に変形しているダイナザウラーがあり、その下に玉座はあった。

「ふむ。玉座の間といえど、司令室を兼ねているのか。こりゃいいわい」

「バイオメガトロン様!こうも機材が揃っているのです!この星のものをスキャニングしましょう!」

「そう焦るなラナバウト。レーザーウェーブ!使い方はわかるか?」

「はい。マニュアル通りです!」

「マニュアル?」

 スタースクリームは疑問を口にしたが、答える者はいなかった。

「ようし、各自コンピュータに接続し、スキャニングを実行せよ!やり方はネメシス内でスタースクリームがやったのを見ているだろう!さあ、やれ!」

 そして、オンスロートは軍用車両に。トリガーはジェット機に。ワスピーターは宇宙バチから地球のオオスズメバチに。ロディはセミトラック、ロッドはスポーツカーに。ラナバウトはオフロードカーに。スナッパーら宇宙ガメから地球のカミツキガメに。

「うん?レーザーウェーブ。お前はスキャニングしないのか?」

「ええ。スタースクリームのように合体できるよう調整してのスキャニングは手間と時間がかかりますから」

「そうだな。かく言うワシもスキャニングはせんからな」

「それでこの先どうするんです?アース人を取り込むだのサウンドウェーブがなんだの言ってましたが、それで済むあんたじゃないでしょう?」

「当然だ。この星、アースにはエネルゴンが満ちている。先程暴れてみて実感した。我々デストロンはこの星のエネルゴンを全て手に入れる!どんな手を使ってでも!そして、宇宙に轟く大デストロン帝国を作り上げるのだ!」

「いつも通りですね。では、私はネメシスのデストロン兵達にもスキャニングを実行させてきますので」

「レーザーウェーブ・・・・・・あいつ体よく席を外しやがった・・・・・・こう言い出したバイオメガトロン様は長いんだよな・・・・・・」

「ブ~ン、僕ちゃんお魚食べてきま〜す」

「じゃあロディ、ドライブしましょう」

「良いわねロッド。出力も試したいし」

「ビルドロン達に挨拶してくる」

「我も同行しよう」

「あ、俺も」

 そうして、司令室にはバイオメガトロンとスタースクリームだけが残った。

「あいつら・・・・・・!」

「よいか!?この宇宙には確固たる秩序が必要なのだ!そのための大デストロン帝国なのだ!おい!聞いているのか!?そもそもデストロンがサイバトロンに敗戦を喫したのは戦場がおかしかったからだ!この星でデストロンは真に開花するのだ!おい!何俯いているのだ!?話は顔を上げて聞けい!おい!我ら誇り高きデストロンが宇宙を支配するべきなのだ!絶対的な頂点となるのだ!混乱と混沌と混戦入り乱れる世界に君臨するのだ!ワハハハハハハ!おい!ワシが話している時に笑ったのなら何か返せ!おい聞いているのか!?ああ!?そもそもやる気の無いものでも戦えるのがデストロンの真髄であり真骨頂であるというのがお前はわかっていない!今にサイバトロン共もこの星に来るだろうにこの体たらく!スタースクリームお前はその斜に構えた態度が駄目なんだ!デストロンならば誇りを胸に・・・・・・・・・・・・」

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