日本某所。デストロン建設予定地と看板が立てられた土地から物語を始めよう。
「団歌斉唱ー!」
緑色をした建機達がロボットに変形し、動き出す。
「我等~は建設ビルド~ロンー!廃材一つで道具が百個~!
我等~はプロだぜビルド~ロンー!砂地~を与え~りゃビルが~立つ~!
我等~はすごいぜビルド~ロンー!がらくたの山~が5分で更地ー!
我等は怖いぜビルド~ロンー!力~を合わせ~てデバスター!」
「団歌止めー!点呼!1!」
「2!」
「3!」
「4!」
「5!」
「6!」
「7!」
「各員整レーツ!確認!グレン!」
「スクラッパー!」
「ロングハウル!」
「ボーンクラッシャー!」
「ロードホーラー!」
「スカベンジャー!」
「ミックスマスター!」
「ロングハウル前へ!状況報告!」
「ダー!基礎完成!土台完成!一階部分建設途中!」
「よろしい!ロードホーラー前へ!作業完了時刻報告!」
「ダー!現速度を維持した場合!アース日本時刻午前七時に完了予測!」
「よろしい!ボーンクラッシャー前へ!ビルドロン理念!」
「ダー!強く!硬く!逞しく!恐ろしく!凄まじく!手掛ける建築一級超えよ!手掛ける作成一級超えよ!その身その心そのスパークに!ビルドロンの誇りを刻み付け!あらゆるエキスパートであれ!ウラー!」
「よろしい!作業再開!我等が明日に希望あれ!団歌斉唱ー!ウラー!」
「「「「「「ウラー!!!」」」」」」
「ああ、ああ、そうか・・・・・・わかった。それで、ああ。よろしく」
IS学園学生寮。シャルロットとラウラの相部屋。
この日、ラウラは朝からドイツの部隊であるシュヴァルツェ・ハーゼ、通称黒ウサギ隊と連絡を取っていた。
「ああ、ああ・・・・・・それでは、これにて終了とする。諸君、また会おう」
「あ、ラウラ終わったの?」
「ああ。交換したい情報もあらかたな。ん?その手にあるものは?」
「さっき先生に渡されてさ。ラウラ宛ての荷物だって」
「私に?」
手渡された小包を開けると、中にはいかにも近未来といった形状の薄い機械が入っていた。
「なんだ?これは・・・・・・うわっ!」
機械を弄っていると、一部が光だしホログラムを映し出した。
『撮れてるか?スタースクリーム?』
『ああ、バッチリ』
『そうか。ならそこに・・・・・・そうだ。固定してくれ。・・・・・・よし。んっんん・・・・・・あー、君が覚えているかはわからないが、久しぶりだな。ラウラ。デストロン軍バイオメガトロン派の参謀、レーザーウェーブだ。突然こんなものを送りつけてすまない。この端末はオートボットランド経由で届けられている。その方が混乱が少ないだろうからな。この端末はサイバトロン軍やIS学園の教師陣に提出してもらって構わない。やましいものはないからな。それでは、本題に移ろう。我々の組織は今、夏季自己修練期間・・・・・・いわゆる夏休みの状態だ。これを機に君と一日を共にしたい。互いの認識や想いを話し合いたいと思い立った。もし迷惑でないなら八月の一日、オートボットランドの入り口の前で待ち合わせがしたい。時刻は午前10時を想定している。では、当日君に会えることを楽しみにしている。それでは』
そう言うとホログラムは消えた。
「ラ、ラウラ・・・・・・これって・・・・・・!」
「ん?ああ、レーザーウェーブからの誘いだな」
「デート!デートだよ!」
「・・・・・・は?」
「こうしちゃいられないね!八月一日、まだ時間はあるし、かわいい服とか用意しなくちゃ!」
「い、いや・・・・・・そこまでしなくてもいいんじゃ」
「なに言ってるの!?さ、行こ行こ!」
「あ、ちょ!・・・・・・出るなら財布とか!」
興奮するシャルロットに手を引かれ、ラウラはショッピングモールへ駆け出すことになった。
「遅れてすまない」
八月一日、午前10時。オートボットランド入り口ゲート前。
白いワンピースに身を包んだラウラの前に、レーザーウェーブが到着した。
「言い訳をするようで悪いが、少しスタントロン・・・・・・ランドの経営陣に呼ばれてな。時間通りのつもりだったが、待たせてしまった」
「いや、そう待ってはいない。私も少し前に到着したくらいだよ」
「そうか。気を使わせてすまない。・・・・・・君とは、前からゆっくりと話がしたかった。少し移動することになる。良いか?」
「ああ。構わない」
ラウラとレーザーウェーブはオートボットランドを離れ、どこかへ向かっていく。
「あれ?ランドには入らないんだ・・・・・・」
「レーザーウェーブめ、一体何を考えて・・・・・・」
「ん?」
「む?」
「君は・・・・・・ビースト戦士?」
「そう言う君は専用機持ちの」
「シャルロット・デュノア」
「スナッパー」
ラウラの様子を見守ろうと隠れるシャルロットのすぐ側に、同じくラウラへのビデオレターの撮影と配達を手伝ったデストロンのスナッパーが隠れていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
少しの沈黙の後、二人は固く握手を交わした。
(何をしているんだあいつら・・・・・・)
手を握り合い隠れながらついてくる二人に気付きつつも、レーザーウェーブは歩き続けた。
「ああ、ここだ」
オートボットランドから歩いて約15分。そこにはそれなりの大きさの市役所のような建物が建っていた。
「ここは?」
「大デストロン帝国の大使館兼領事館の予定地だ。気の早いビルドロンが建物まで一気に作り上げてしまったが、この季節には丁度言いだろう。入ってくれ」
「大使館と領事館がセットというのはありなのか・・・・・・?」
一抹の疑問を抱えながらも、ラウラは建物に入った。
「お前達も入ると良い。この気温に野晒しは堪えるだろう」
「あり?」
「バレてたか・・・・・・」
木に隠れていたシャルロットとスナッパーはレーザーウェーブに誘われ、申し訳なさを感じながらも建物に入った。
建物の中は白を基調としたインテリアで彩られ、入り口からまっすぐ進むと段差のある床と壁から垂直に伸びた机のある会議室にたどり着いた。
「この構造は・・・・・・」
「我々トランスフォーマーとビースト戦士、地球の人間が同時に同じテーブルを囲える設計とのことだ。半分は人間用に椅子に座って丁度良い高さになる床と、トランスフォーマーが立ち、テーブルとして機能する高さの床を同じ部屋にまとめたとのことだ。ビルドロンも粋なことをする。座ってくれ」
レーザーウェーブに案内され、三人はそれぞれ席に座った。
「・・・・・・デストロンも、昔と比べれば変わった。これまでも建国のために、惑星の住人と交流を交わすことはあったが、ここまで近くなることはなかった」
向かいに座るラウラとシャルロットを見つめ、レーザーウェーブはゆっくりと瞬きをした。
「誰であれ・・・・・・荒廃を望んではいない。平穏こそを望んでいる。我々はデストロンの中で異端だった。・・・・・・ラウラ、ハッキリと言おう。私は君を」
「!」
「娘のように思っている」
「「ええっ!?」」
身を乗り出して驚いたシャルロットとスナッパーに対し、当のラウラはまるで憑き物が落ちたような顔で頷いていた。
「そうか・・・・・・レーザーウェーブ、私の中で合点がいった。いや、言葉が見つかった。私は君を兄のように思っている」
「「えぇーっ!?」」
「なんだお前達騒々しい」
「い、いやいやいや、その、衝撃的と言うか!」
「レーザーウェーブ!貴様この娘に恋慕の情を抱いていたのではないか!?」
「恋慕だと?ハァ・・・・・・スナッパー、この私が所謂ロリコンだとでも?」
「いや、そういうわけでは無いが、今までのお前の動向から考えるとどうも・・・・・・!」
「確かにそうだ。私自身自らの感情を演算出来ていなかった。だが出来た。それだけの話だ」
「な、納得がいかん・・・・・・!」
「ラウラもだよ!何度か助けられたこともあったし!」
「私の趣味は年上ではない。どちらかといえば同年代同世代が好ましいと考えている」
「そういうことじゃなくて!」
「むぅ・・・・・・シャルロット、仮にも軍人ではない君に説明するのは些か難しいが・・・・・・まあ、私の中でこの思いを羨望とある種の友愛として結論付けた。そういうことだ」
「えぇ~・・・・・・」
納得のいかないシャルロットとスナッパーは複雑な顔を隠せなかった。
「ラウラ、その、なんだ・・・・・・以降もよろしく頼む」
「ああ。こちらこそ」
そんな二人を他所にラウラとレーザーウェーブは拳を合わせ微笑んだ。
「それで・・・・・・話題を変えたい。良いか?」
「ああ。構わない」
一呼吸置いてから、レーザーウェーブは神妙な面持ちで口を開いた。
「我々デストロンには派閥がある。それは皆知っているだろう。その中に、特に我々が危険視している派閥がある。それは」
「ロックダウン」
「そう、ロックダウン・・・・・・誰だ!?」
背後からの声に、レーザーウェーブは咄嗟に左腕のレーザーガンを構えた。
「仲間の声をお忘れかな?防衛参謀殿」
「この声は・・・・・・シックスショット!」
「はい。こちらに」
出入り口の前に現れたのは、デストロン忍者兵シックスショット。
「お前、一体いつから・・・・・・?」
「なにやら防衛参謀殿の様子がおかしく、勝手ながら尾行をば」
「つまりデストロンシティを出たところから、始めからか。いるのなら声くらいかけろ」
「それでは尾行になりますまい」
「仲間を尾行などするな!」
「まあまあ良いではないですか。それより、お話の続きはよろしいので?」
「・・・・・・そうだな。お前に問い詰めたいことはあるが、それは後でもできる。・・・・・・近々、ロックダウンが地球に来るという情報が入った」
「なんと!?」
「その、ロックダウン?ていうの、そんなに危険なの?」
「ああ。個々の戦闘力で言えばデストロン一だ。少数精鋭と言える」
シャルロットの疑問に答えたスナッパーは、さらに続けた。
「ロックダウンを危険にしているのは、何よりその行動だ。どんな理由かは知らないが、破壊や殺戮なんて序の口だ。サイバトロン軍だけじゃなくセイバートロン管理局まで指名手配するように言い出した程だ」
「そう。そのロックダウンの船を観測したという情報が入った。一昨日のことだ。宇宙にいるアストロトレインとスペーストレインが発見してくれた。我々がサイバトロンに知らせても良いが、体裁というものがある。君からこの事を伝えてもらいたかった。良いか?」
「ああ。もちろんだ。ブレードコンボイ総司令官に必ず伝える」
レーザーウェーブとラウラは目を合わせ、静かに頷いた。
「・・・・・・さて、これで私の用も済んだ。どうするか」
「我々もこの後用事があるわけでもないからな。この場で解散するか?」
「それでしたら拙者に考えがあるでございまして候」
「考え?」
「はい。ここはオートボットランドに近い・・・・・・我等はビルドロンを労いに、お嬢様方は享楽に。時間を潰し且つ有効活用するには丁度良いと思い至った次第」
「なるほど。確かにここの建設からランドの施設点検にぶっ通しで働かせてしまったからな。丁度いいか」
「では、拙者は外でお嬢様方を乗せて参りましょう。信号などあります故、貴方様とスナッパーはお先に」
「ああ。頼むぞシックスショット」
「御意に」
そうして、一行はオートボットランドへ戻った。
「入場の用意は移動中済ませておきました。皆離れず、同じ入場ゲートから参りましょう」
シックスショットの案内でオートボットランドに入場した。
「では我等は一度事務所へ行ってからビルドロンに挨拶へ行く。そうだな・・・・・・三時頃に合流しよう」
「わかった」
話を合わせ、ラウラとシャルロットはデストロンの三人と別れた。
「じゃ!これからどうしよっか?」
「・・・・・・もう良い時間だ。昼食を取ろう。確かあっただろう」
「そうだね」
そして二人はショッピングエリアへと向かった。
ショッピングエリアの一角にはホットドッグやチュロスといった携帯できる軽食からステーキやうどんといったものまで、様々な料理を提供するフードコートが広がっていた。
「凄い・・・・・・屋内だけじゃなくて、外にもお店が広がってる・・・・・・」
「人間も多いな。私達が思っている以上に融和が進んでいるらしい」
大量の利用客に圧倒され、二人は立ち尽くしていた。
「・・・・・・では、なにを食べようか?」
「そっ、そうだね。あー・・・・・・どこも混んでるなぁ・・・・・・」
「とりあえず一番空いているところを選ぶか?」
「それならこのエネルゴンサンドなんてどうかな?」
「エネルゴン?それはトランスフォーマーの食べ物だろう?」
「うん。だから言ったのさ、ガールズ」
「なにを言って、てお前は!?」
「うーん、私の推測は正しかったねぇ。一際異質な金属の匂いを嗅いで来てみれば、まさかまさかのIS学園の戦闘員ときた」
「戦闘員じゃありません!そこは専用機持ちって言ってください!ターンさん!」
立ち尽くしていた二人に声をかけたのは、度々サイバトロンの前に姿を表し、スカウトチームや他の学園生や関係者の前にも姿を見せるフリーのデストロン、ターン。
その手にはサンドイッチのように加工されたエネルゴンがあった。
「お前、なんでここに?」
「私は自由の身でね。風の吹くまま気の向くままに流離うのさ。今日はたまたまここに立ちよっただけ。そしたらどうだい?なんとエネルゴン料理を出してくれる店まであったじゃないか。これは食べないわけにはいかないだろう?」
「いや知らんが」
「エネルゴンは基本的にキューブ型でね。このように料理するようなものではない。だからこれはある意味嗜好品でね。セイバートロンの都市とか宇宙ステーション内のレストランとかでないと食べられないのさ。ああ、宇宙ステーションは君達で言う高速道路のサービスエリアみたいなものだと思ってくれたまえ。とにかく、この星で食べられるとは思っていなかったのさ」
「そうか。ま、自分でしっかりと購入したものならなんとも言わんがな」
「それはもちろん。トランスフォーマーの通貨が使えてよかった」
「あの・・・・・・それ、美味しいんですか?」
「うまいとも。塩味とコクのマリアージュ、雑味のない確かな旨味。まさに贅沢品だな。・・・・・・あ、人間は食べられないぞ?どこまでいっても精製されたエネルギーの塊だからな」
「いやいりませんよ!?」
相変わらずターンは軽口を叩き、自分のペースに二人を引き込んだ。
「で?結局何を食べるというのかな?時間は待ってはくれないぞ?」
「あ、そうだった」
「そうだな・・・・・・ホットドッグが空いている。あれにしよう」
「あっ!待ってよ~!」
ラウラはホットドッグに狙いを定め、シャルロットとターンを置いて進んでしまった。
「・・・・・・」
追いかけるシャルロットと構わず進むラウラをターンはどこか優しい目で見つめていた。
「ホットドッグ・・・・・・一つ。自分で選んだ方が良いだろう」
ラウラは一足早く購入し、振り向いた。
「あれ・・・・・・いないな」
しかし、案の定はぐれてしまった。
「・・・・・・まあ、我々も子供というわけではない。どこか開けた場所、いや目印になる場所は・・・・・・」
ラウラは歩きだし、ショッピングエリアにある野外飲食スペースに辿り着いた。
「今思ったが、ターンのところに行けば良かったな。あいつデカイし、シャルロットも私を見失ったとすればターンの本へ戻るだろうしな・・・・・・だが、折角丁度良さそうなところに来たというのに動いて良いものか。・・・・・・そうだ、通信があったな。ははは、現代人というのに、私もまだまだだな」
「ハァイ、そこのお嬢様」
「ん?」
携帯を起動しようとした瞬間、ラウラを覆う影と耳に入った声。
それは、黄緑色と蛍光色の体を持ったトランスフォーマー。
「貴方は・・・・・・?」
「いやいやどうも。可憐で優美で美麗で優雅で明媚で謙虚で幸薄で孤高で無頼で素敵な貴女。とても素晴らしいヒトを見た。貴女だ。貴女が、このオプティックに焼き付いた貴女が、このヒューズを吹き飛ばした貴女が、このスパークを貫いた貴女貴女貴女!」
両腕を広げ、その場でくるくると回ったかと思うと、その顔を一気にラウラに近づけた。
「な、なんだお前は!不気味な!」
「酷いねぇ・・・・・・ああ酷い!こんなにも貴女を思っているのに!こんなにも、瞳を向けているというのにかける言葉それだとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・指導かな?」
「!?」
目の前のトランスフォーマーは右腕から液体が漏れ出たかと思うと、液体が右手に集まり丸い斧を形成した。
「悪いのは君さ!最近の若人が!」
「くっ・・・・・・!」
「があぁっ!?」
「な、何だ・・・・・・レーザーウェーブ!」
斧を振り下ろさんとしたトランスフォーマーを吹き飛ばしたのは、レーザーウェーブの右腕の光線銃だった。
「ラウラ・・・・・・いや、その子から離れろ。貴様が何者かはどうでも良いが、その行動は看過できん」
「Oh・・・・・・」
「ラウラ!」
「シャルロット!」
突然の発砲音と悲鳴により、その場にいた来園客達は蜘蛛の子を散らすように逃げ走り、開けたことでシャルロットはラウラと合流することができた。
「あいつは!」
「知っているのか?えぇと・・・・・・」
「ターンだ。一応フリーのデストロンだよ。レーザーウェーブ殿」
「ターン!あいつは!?」
距離を取った謎のトランスフォーマーを指差し、ラウラはターンに言葉を煽った。
「ブレードコンボイから聞いていないのか?・・・・・・まあいい。帰ってから聞け。端的に言えば、あいつは元サイバトロンのイカレ野郎だよ。名前はトキシトロン。私やブレードコンボイが士官学校に入った頃に脱走した」
「そんなやつがいるの!?」
「悲しいかな、な」
「何事ですか!?」
騒ぎを聞き付けたエリア担当、デッドエンドがレーザーウェーブに駆け寄る。
「非常事態だ。ショッピングエリア全域に避難放送を!」
「わ、わかりました!」
言われた通りデッドエンドは事務所に走っていった。
「とりあえずこれで良いだろう。ターン!やつの実力は!?」
「わからん!だが上澄みではあるだろうな!今の今まで捕まってないんだから!」
「なるほど・・・・・・」
「我々も!」
「うん!」
ラウラとシャルロットはISを展開し、レーザーウェーブとターンに並びトキシトロンへ構える。
「狡いなぁ・・・・・・狡すぎるよぉ・・・・・・よってたかって僕を虐めてさ・・・・・・酷い!酷すぎる!僕は、僕を認めてほしいだけなのに!こんなにいっぱいの命、散らしたら気ん持ちいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
全身から液体を流し、トキシトロンは見悶えるように叫んだ。
「全く教育に悪い野郎だよ、お前は!」
ターンの2連砲塔が放たれるも、トキシトロンは跳躍して回避した。
「YEAR!SLIMYYYYYYYYYYYYYYYY!」
飛び上がったトキシトロンは全身の液体を鞭のようにラウラ達に放つ。
「ぐっ!なんだこのねばねばした、ぬるぬるの・・・・・・なんだこれは!?」
「レーザーウェーブ!」
咄嗟に飛行したラウラとシャルロットは無事だったが、ターンとレーザーウェーブは液体を浴びてしまった。
「ちぃ・・・・・・内部回路に触れたら一発アウトだろうな、この手のものは」
「だな・・・・・・砲門に入った。爆発よりはましだ。素手でやってやる!」
自身の2連砲塔を投げ捨て、ターンは走り出す。
「うおっ!?」
しかし撒かれた液体に足をとられ転んでしまった。
「迂闊に動けもしないか!」
「援護します!」
しかたなくその場で光線を放つレーザーウェーブと援護射撃するシャルロットの攻撃を滑るように、のたうち回るようにトキシトロンは避け続ける。
「はああああっ!」
「OILYYYYYYYY!」
「なに!?うわあっ!」
接近したラウラのワイヤーブレードを自身の液体で全て飲み込み、ラウラを地面に叩きつけた。
「ラウラ!」
「あはっ、あはっ、あはっ。いい気味。こういうの俺大好きなんだよね!もっと見せろやメェン!?」
「なにを!?キャアアアッ!ガボッ!」
トキシトロンはラウラを拘束したまま液体の量を増やし、ラウラを飲み込んでしまった。
「あぁっ・・・・・・いぃっ!」
「ガボッ!ガボボ、ガボッ!」
「ラウラ!」
「ヒャッホウ!踊り食いだあ!」
「趣味が悪いな!」
「ゲボラッチョ!」
「チィッ!」
後ろから殴りかかるターンだったが、またも滑るように避けられ、距離を取られてしまった。
「ラウラ!今助けるから!」
「待て、迂闊に攻撃しては危険だ!」
「じゃあどうするんですか!?」
そう叫ぶシャルロットは目は焦りに支配されていた。
「そ、それは・・・・・・」
「宇宙忍法爆裂手裏剣!」
「なに!?」
「ガバッハァッ!」
突然の声と共になにかがトキシトロンを襲った。
それは回転しながらトキシトロンと液体とを切り裂き、その瞬間に爆発した。
「な、なんじゃなんじゃなんじゃらほい!?」
「ガハッ!ハァッ!ハァッ!」
液体から解放されたラウラは咳き込むも、すぐに目蓋を開きシャルロット達の本へ復帰した。
「ラウラ!大丈夫!?」
「ああ、なんとかなそれよりも」
「あの攻撃は・・・・・・間違いない」
「誰だぁ?俺様のお楽しみに!」
「知らないならば自己紹介を」
音もなくトキシトロンの前に、まるで初めからそこにいたかのように立つ。
「拙者理想の追求者にして賛同者。宇宙において忍ぶ者。人呼んでスペース忍者!デストロンがバイオメガトロン軍団所属の忍者兵!シックスショット、ここに推参」
「スペース忍者!?」
「聞いたこと無いぞそんな名前・・・・・・」
「無論、今考えましてござる。しかし忍であることに変わりなく・・・・・・」
「でえや!調子乗んなよ、SLIMYYYYYYYY!!!」
「然り。調子に乗っては馬鹿を見る。拙者だけで来たとは一言も言ってはおらぬ故、卑怯などとは言ってくれるな?スナッパー!ビルドロン!」
「おうさ!」
「行くぞお前ら!」
「「「「「「ウラー!!!」」」」」」
シックスショットが連れてきた七人の一斉射撃がトキシトロンを襲う。
「グワアアアアアアアアッ!?」
「殺すには価値が足らぬ。縛り上げるぞ!宇宙忍法ビーム縛り!」
シックスショットの指から放たれた糸状の光線がトキシトロンの体を拘束する。
「デストロンは罪人の取り締まりは現状行っていない。レーザーウェーブ殿!」
「ああ。こいつはサイバトロンに引き渡そう。ラウラのこともあるからな・・・・・・」
「サイバトロン・・・・・・サイバトロンンンンンンンンンン!!!」
「んな!?」
サイバトロンの単語を聞いた瞬間、トキシトロンは暴れだし拘束を振り切った。
「自由を・・・・・・自由を!フリーダアアアアアム!!!」
今まで以上に正気を失ったトキシトロンは全身から液体を吹き出し、辺りに撒き散らす。
「な、なんじゃあこりゃあ!?」
「この液体・・・・・・間違いねえ!こいつはスライムだ!アースの物とは違うが、紛れもなくスライムだぜ!」
ボーンクラッシャーは液体をスライムと見抜くも、意味を成さずスライムは増え続ける。
「AAAAAAAAAAAAAAASLIMYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!」
溢れ出すスライムは形を作り、トキシトロンを中心に一対の腕を作り上げた。
「なんだありゃあ」
「ヤバめー!」
「スライムをあんなに操るとはなんとも・・・・・・」
「感心してる場合かー!良いか!?我らビルドロンの血と汗と涙の結晶が壊れようってんだぞ!?ケツに力入れねえか!」
「「「「「「ダー!!!」」」」」」
「なんと言うヤル気だ・・・・・・これがビルドロンの力か?」
「あの大きさの相手だ。スタントロンが揃うにも時間がかかるでしょう・・・・・・参謀殿、ここはビルドロンに」
「ああ。ビルドロン諸君!この防衛参謀レーザーウェーブが責任を取ろう!ビルドロン合体!」
「「「「「「「ウラー!!!」」」」」」」
叫びを上げたビルドロン達が飛び上がり、一つになっていく。
「ビルドロン合体!デバスタアアアアア!!!」
一つとなったデバスターは、緑色の巨人となり、ロードホーラーが変形した銃を手にトキシトロンを睨む。
「よくも暴れたなあバカヤロー!容赦しねえからなコノヤロー!」
放たれる極太の光線はトキシトロンのスライムを焼き、瞬時に蒸発させていく。
「ア、アアアアア・・・・・・」
「これで終わりじゃねえからなコノヤロー!ウオオオ食らえやゴラ!」
豪腕から放たれる一撃がスライム内部のトキシトロンを貫き、そのまま空を舞い地面に叩きつけられた。
「ゴハアッ!ガ、ハァ・・・・・・」
「テメェ許されねえからなコナクソ!」
「グ、オオオ・・・・・・トランスフォーム!」
デバスターが足を上げ、踏み潰される瞬間トキシトロンはビークルモードに変形し逃走した。
「待てゴラクソッカスが!」
「待てデバスター!奴を追えば街に出る。破壊する気か!?」
「ぬぅ・・・・・・それは本位ではない」
「では引け。とにかく今は追い出せて良しとしよう」
「レーザーウェーブ殿、拙者は一足早く帰還し、トキシトロンをバイオメガトロン様に伝えたく」
「ああ。頼む」
「はっ!」
そう言うとシックスショットは姿を消した。
「ターン」
「・・・・・・なんだ?ラウラ君」
「一緒に来てくれ。トキシトロンについてブレードコンボイに聞く。君がいてくれた方が良さそうだ」
「そうか・・・・・・わかった。今だけは君に乗ろう」
「感謝する」
デバスターのセリフが大きいのはナチュラルに声がでかいからです。