よし、サボるぜ   作:まんぐーすかすか

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最近寒いね。つい先日、部屋が異常に寒い時があって、気にせずその日は寝たんだけど、起きて確認したら窓が全開だったよ。昼間開けたまま閉めるの忘れてたんだね。風邪を引かなくて助かったので初投稿です。みんなも気をつけようね。


お話を1、2、3話構成で書いているのですが、これはひとえに、私の文章構成能力が低い故に起こってしまっているんだ。自分自身、ちょっと冗長かなって思っているんだけれど、お兄さん許して


不定期更新です。




鉄血と家族ごっこ 3 (U-81、U-47、プリンツ・オイゲン、アドミラル・ヒッパー)

 

 

 

 

(とは言ったものの。ふーむ、どうしようかなぁ)

 

「時間も決まってる事だし、さっそく遊ぶわよ。そうね...これなんかどう?」

 

ヒッパーが何やら空中で操作した途端、テーブルの真ん中に、“海賊の格好をした饅頭が刺さった樽のおもちゃ“が現れた。樽の周りには小型のおもちゃの剣が散乱しており、樽本体にもちょうど剣を差し込めそうな穴が空いている。

 

 

「饅頭危機一髪、ね。まぁいいんじゃない?でもそのまま普通にやるだけじゃつまらないわ。飛ばしたら罰ゲームね」

 

「はっ!上等よ!恥っずかしいやつやらせてやろうっての!」

 

そう啖呵を切ったヒッパーが早速剣を掴み、樽へと差し込んだ。

 

 

「セーフ、当然ね。さっ、次はどっちがやんの?」

 

「次は私が行くわ」

 

名乗りをあげたオイゲンが、余裕の態度で剣を差し込む。

 

 

「はい、それじゃあ指揮官の番よ」

 

「ちっ、速攻でやられたら笑ってやったのに...」

 

「そんなにすぐ当たりを引く訳ないでしょ、お・姉・ちゃん♪」

 

(まじか...俺このゲーム苦手なんだよなぁ...前の部隊の連中とやっても差し込むたびに、ケツに変な違和感というか、ゾクゾクした寒気が走るんだよな...)

 

 

適当に選んで掴んだ剣を、慎重に考えて差し込む。

 

 

(ほっ...しょっぱなから飛ばなくて良かった...)

 

「じゃ、次私ね」

 

ヒッパーが掴んだ剣を勢いよく差し込むと、「ピョー!」と叫びながら海賊饅頭が飛び上がった。

 

 

「なっ...」

 

「あははっ!残念だったわねヒッパー、それじゃあ約束通り罰ゲームよ。そこの愛しの弟君に〜『好き♡』って言う事♪」

 

「は、はぁぁ!?な、なん、なんでそんな事言わなきゃなんない訳!?すすす好きなんてあいつ本人にも言ったことないっての!!」

 

「だからよ、これは練習だと思えばいいの。それともお姉ちゃんは妹との約束も守れないって言うの?」

 

「ぐぅっ...!あんたホント覚えてなさいよ...!」

 

オイゲンに睨みを効かせ、捨て台詞を吐いたヒッパーは、真っ赤な顔のままこっちへ向き直った。

 

 

「あ、あああんたの事...!す、す...!好き...よ...!」

 

「あら、そうだったの」

 

「うがぁぁああ!!ホンッットこの性悪妹がッ!!」

 

(はわわ!あのヒッパーが僕の事好きだって!!今日はなんて良い日なんだ!よし、お望み通り理想の弟ムーブを決めてやるぜ)

 

 

「俺も、お姉ちゃんの事好きだよ」

 

「!!ふんっ!...まっ、私はお姉ちゃんだし?妹のちょっかいくらい、多めに見てやろうっての」

 

「ふーん......私から言い出した事だけど、何だか面白くないわ。ねぇ、お兄ちゃん♪私の事、好き?」

 

(はわわ!あのオイゲンが上目遣いで好き待ちアピールなんて!!今日は素晴らしい日だな!よし、ここは、カッコいいお兄ちゃんムーブの出番だな)

 

 

「もちろん。オイゲン、好きだよ」

 

「ふふっ♡偉いわね、私も好きよ♡」

 

「なに勝手にイチャイチャしてんのよ!私の罰ゲームだったんじゃないの!?ほら、次やるわよ!!」

 

先程までテーブルの上にあった樽が消え、今度は饅頭が装填された状態の新しい樽が現れた。

 

 

「オイゲン、あんたからね!」

 

「はいはい」

 

やれやれ、と最初の一本を差し込んだオイゲン。

 

 

「次は指揮官ね」

 

近い位置にある剣を選び、差し込む。結果はセーフ。

 

 

(よしよし俺の運も捨てたもんじゃないな)

 

俺、ヒッパーと続いてまたオイゲンの番を終え、そのまま順調に回していくこと3巡、ヒッパーの番を迎えた。

 

 

「また罰ゲームを食らうわけにはいかないって...の!」

 

(またセーフだ。結構続くもんだなぁ、でもそろそろ穴が埋まってきたぞ...!罰ゲームタイムが近くなってきたな...!)

 

「じゃあ私の番、うーん...ここかしら...」

 

少なくなってきた差し入れ口を慎重に選んだオイゲン。しかしそれも無意味だったようで、「ピョー!」と饅頭が叫びながら勢いよく飛び出してしまった。

 

 

「あら、まさか私が負けてしまうなんて」

 

「あはは!あんたの運の良さも大した事ないわね!それじゃあさっきの借りを返させてもらうわよ〜?」

 

(悪い顔してんなぁ...)

 

「そうね〜なら、そいつを本物の指揮官だと思って告白してみなさいよ!」

 

「...へぇ、いいわよ。やってやろうじゃない」

 

一瞬だけ、眉を顰めたオイゲン。しかしそれもすぐに不敵な笑みへと変わり、姉の挑発にも余裕の態度で乗ってみせた。

 

 

 

(彼女達は俺が本人だと思ってないから平気で度胸試しみたいな事してるけど、俺からすればめっちゃ役得なんよな〜!むほほ、いつもからかってくるあのオイゲンの本気告白とかぁ!嘘だって分かってなけりゃ本気にしちゃうって〜!)

 

 

セリフを整えるためか、数秒ほど考え込んでいたオイゲンもすぐに、覚悟が決まった顔でこっちに向き直った。

 

 

(さぁ!お手並み拝見といこうじゃないか!伊達にオタク拗らせてないんだぜ俺ァよぉ!)

 

「...ねぇ、指揮官。私ね、あんたに、何度も冗談で告白してきたけど...今回は本気...」

 

スッ、と近寄ってきたオイゲンは、そのまま俺の座る椅子の前までやってくると、テーブルに片手をついて前屈みの姿勢になり、その豊満な胸をこちらに押し出すような扇状的な仕草で───

 

 

 

「指揮官...好きよ...♡愛しているわ♡」

 

「俺も、愛しているよ。オイゲン」

 

 

(僕もしゅきしゅき^〜!......はっ!?俺は何を...くっ!嘘告白だと分かっていたのに乗せられてしまうなんて...!恐ろしやオイゲン...!でもそんな所もしゅき♡)

 

 

 

「チッ、少しくらい恥ずかしがりなさいよ!しかもまたイチャイチャして!ってか!こいつもそんな所まであいつに似せなくていいっての!」

 

「もう、姉さんは注文が多いわね。あんまりカリカリしてると指揮官にも鬱陶しがられるわよ」

 

「あああいつはこんくらいで嫌がったりしないっての!...しないわよね?」

 

「知らないわよ。不安に思うくらいなら、普段からもう少し素直になりなさい。ブリュッヒャーを見習うことね」

 

「それが出来たら苦労しないっての...」

 

 

何故か罰ゲームを受けたのがヒッパーだったような空気になってしまったが、項垂れるヒッパーと未だに惚けたままの男は気付かなかった、当のオイゲンの耳が、実は少し赤くなっていた事に。

 

 

 

「って!私の事はいいっての!続きやるわよ!」

 

「はいはい」

 

 

それからは、ヒッパーが猫や犬のモノマネをしたり早口言葉を言わせられたり、ヒッパーしか負けてないな。U-81達と遊んだ時のようにババ抜きをしてヒッパーが負けたりした。3人でワイワイ騒ぎながら遊んでいると時間はあっという間に過ぎるもので、残り時間を告げるアラームがなるまで夢中で過ごした。

 

 

 

「もうそろそろ時間ね。ヒッパー、最後に愛しの弟君に好き♡って伝えておきなさい」

 

「姉に命令すんな!ったく...す、すぅ...!──」

 

「好きよ♡お兄ちゃん♡」

 

「......もー付き合ってらんないわ、私は先に帰るからッ!ふんッ!」

 

 

妹のおちょくりについに我慢の限界を迎えたヒッパーが、怒りのままにゴーグルを外しこの世界から退室し、「やれやれ...」と追いかけるように続いて退室したオイゲン。

 

 

 

 

 

(ふぅ...これで終わり、と。ヒッパーがあんなにゲームクソザコだったとはな...いやオイゲンが強すぎただけか?)

 

「...さてと、今度こそ終わりか?明石」

 

「にゃ〜そんな訳ないにゃ。まだあと1組いるにゃ」

 

「了解、準備しますよっと」

 

椅子に座っているだけじゃ肩や腰がこり固まってくるので、立ち上がって少しのストレッチを挟み、次に来る子達に備えて万全の準備をしておく。

 

 

(うっし、ストレッチ完了...次は誰が来るんだろうか。お父さんも弟も兄もこなしてみせたんだ、次もどんな役を振られても完璧に演じてやるぜ)

 

ふっふっふ...と余裕の笑みを浮かべていると、明石から「そろそろ来るから準備するにゃ〜」と告げられる。

 

 

 

(さぁ!どんな子でもばっちこぉい!今の俺に演じられない役はなー...い...)

 

 

 

背後から、次の参加者が来たのだろう物音が聞こえ振り返ってみるとそこに居たのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が2人。

 

 

 

 

「うふふ♡ボウヤ♡♡」

 

「あらあら♡ボク♡♡」

 

 

「「私たちがママよ♡♡」」

 

 

 

 

(わぁ...!ァ...!)

 

 

 

 

ソファに座ったドスケベママ達に挟まれながら、1時間たっぷり使って息子の役を演じきった。まさかこの歳になってオギャバブさせられるとは思わなかったまる、意外と良かったのが悔しい。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「ふわ...今日もちびっこたちは朝から元気ねぇ...おっちゃんはまだ眠いよ、まだ24だけど」

 

日は変わり、あくびを噛み殺しながら食堂に向かう途中で、すれ違う潜水艦や駆逐艦の子達と挨拶を交わしながら、ふと、あの日の事を思い出した。

 

 

 

なんやかんやで終わりを迎えた鉄血艦船達の家族体験。あのVRゲームは体験に参加できなかった他の子達も遊べるように、明石が調整を加えて販売したらしい。俺としてはあの空間にいる指揮官モドキより、俺本人に甘えて欲しいと思うのだが、やっぱりまだ恥ずかしいのだろうな。

 

 

「でも俺のVRモデルには甘えられるんだよな...これが俗に言うNTRってやつか...?うごご...彼女達は別に俺の物って訳じゃないけど、複雑な気分だ...」

 

むむむ...と考えながら歩いていると、背後から元気な明るい声で呼びかけられた。

 

 

「おーーい!!お父...しきかーん!」

 

「ん...U-81か、おはよう、そんなに慌ててどうした?」

 

「えへへ!こんなに朝早くから会えるとは思ってなくて!嬉しくなって走ってきたぞ!指揮官も朝ごはん食べに行くのか?」

 

「あぁ、U-81が良ければ一緒にどうだ?」

 

「行く!一緒に行くぞ!!えへへ...って、あっ!U-47もいるんだった!」

 

彼女が慌てて振り返り、後方を確認するのでつられて自分もその方向を見てみると、U-47がゆっくりとこちらに歩いて来ていた。

 

 

「もーU-47!遅いぞ!指揮官も一緒に朝ごはん食べてくれるってのに!」

 

「あんたが元気よすぎるだけでしょ、あなたもおはよう」

 

「おはよう、U-47」

 

「指揮官!食堂まで肩車して行こう!早く早く!」

 

「おーいいぞ。んっしょ...」

 

肩にU-81を乗せ歩き出すと、嬉しいのか頭を引っ掴んで右へ左へ暴れる暴れる...

 

 

「やっぱり高いなー!いい眺めだぞーU-47!」

 

「そ、よかったね」

 

「U-47も乗せてもらうかー?変わってやってもいいぞー」

 

「い、いや、私はいいっ...///」

 

U-81の提案に、顔を赤らめて内股でモジモジしだしたU-47。なんだおしっこか?(ノンデリ)

 

 

 

「遠慮しなくてもいいぞ?とことん甘えてくれていいんだからな」

 

「ほらー!指揮官もこう言ってるぞ!」

 

「...なら、私は...手を、繋ぎたい...かな、って...」

 

そうして差し出された左手。その手を右の手でしっかり握ると、彼女から優しい、穏やかな笑みが返ってくる。

 

 

「それじゃあ食堂までしゅっぱーつ!」

 

「しゅっぱーつ!」

 

「...ん」

 

 

 

その後、食堂に着いた俺たちは朝食を取ったのだが、U-81が食べるのが早いのなんの、あっという間に皿の上を片付けて、「今日は他の陣営の子達と一緒に遊ぶんだ!」と言い、(俺からすれば)少なめの量で食事を終えたU-47を引っ張って食堂を出て行ってしまった。

 

 

 

(食べんの早えー...でも俺もガキの頃はこんな感じでパパっと食って、友達のとこ遊びに行ってたっけ。懐かしいなぁ...)

 

 

1人で大盛りのオムライスをもそもそ、と食べていると対面の席に、またもや家族体験で見た顔が2人現れた。

 

 

「ここ、空いてるわよね、座らせてもらうわよ」

 

「おはよう、指揮官」

 

「ん...ヒッパー、オイゲンおはよう。2人は朝早いな」

 

俺の返事を待たずにヒッパーが席に座り、オイゲンも他に席を取っている子がいないのを分かっていたのか、そのまま席に腰を下ろした。

 

 

 

「今日は艤装のメンテナンスがあんのよ。朝早くからやったら、その分余った時間で好きなことできるでしょ」

 

「私はヒッパーに付き合されてね、私の艤装までやってくれるっていうから仕方なくよ」

 

「そうなんだな、んもんも、頑張れよ」

 

「はぁ...食べながら喋るんじゃないっての、全く...って、口の周りにケチャップ付いてるわよ。ほら、こっち向きなさい」

 

「いや、いいって...子供じゃないんだから...」

 

「もうっ!動くなっての!」

 

「んえ...」

 

ヒッパーに顔を掴まれて渋々身を任せていると、その様子をみていたオイゲンが不意に笑い出し───

 

 

「あはは、随分とおせっかいが板についてきたじゃない。何だか()()()()()みたいだわ♪」

 

 

「はぁ?お姉ちゃんなんだから当然でしょ?弟の面倒くらい───って!!オイゲン!!あんた余計な事言わなくていいっての!!」

 

 

「あら?何か変な事言ったかしら?お・姉・ちゃん♪」

 

「くっ...!こんな時だけ姉呼びしてっ...!ホンット調子いいんだから...あんたも!今聞いたことは忘れなさい!いいわね!」

 

「へいへい、んもんも」

 

(ヒッパーのやつ、まだ家族体験の時のことネタにされて揶揄われてんのか。オイゲンも相当気に入ったんだな)

 

 

「ふぅ、ごちそーさま。そんじゃ、俺は執務室行くとするかな。2人共ありがとな、あんまり喧嘩してるとご飯冷めるぞ」

 

「はん!オイゲンがちょっかいかけなきゃ、今頃とっくに食べ終わってるっての!」

 

「うふふ、姉さんを揶揄うの、面白いもの♪」

 

「オイゲンもほどほどにな、じゃ、またな」

 

「ええ、お仕事頑張ってね、お兄ちゃん♪」

 

「!おー、おう...」

 

(やべ、咄嗟に答えたけど、不自然じゃなかったよな...?まままぁ、大丈夫だろ!なんたって10代前半の演技もしたんだぜ俺はァ!)

 

ささっとその場を後にし、すぐに執務室へと直行する。道中でいろんな鉄血の艦船と出会ったが、みんな何故か顔を逸らしたり、恥ずかしそうにそのまま通り過ぎたりと、何だか雰囲気というか、態度がそっけない気がした。

 

 

「うーむ...俺なんかしたかぁ?でもやらかした記憶なんてないし...むむむ」

 

うんうん唸りながら歩いていると目的の執務室が目の前に。

 

 

「...考えても仕方ないな、また今度鉄血の子と会った時に聞いてみるか。さーて今日もおしごとおしごと...」

 

 

カーテンを開けて窓を開放すると、外では潜水艦や駆逐艦の子達が元気に走り回っている。その姿を見て、俺も一層仕事に身が入るってもんよ。

 

 

「...と、その前に〜まずは今日の運勢を占っちゃおうかな!艦船通信は〜っと!...げ、最下位......ふーむこれは運気を上げなきゃいけませんよなぁ!ということで、始業はもうちょっと後からにしよ〜っと!」

 

 

 

 

その後、執務室を出た瞬間に、フリードリヒ・デア・グローセとカールのドスケベママコンビに捕まり、しばらくの間、彼女達の母性を満たすことになった。通りすがりの武蔵も混ざってもっとすごいことになった。もうぼくおよめにいけないよ。

 

 

 

今日も母港は平和だ。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

母港の工房、そこでは2人の艦船がとあるVRゲームについて話をしていた。

 

 

「明石、例の物が出来た、と聞いて来たのだけれど」

 

「にゃにゃ!ビスマルク〜!待ってたにゃ!...ふっふっふ〜!コレだにゃ〜」

 

明石が取り出したのは件のVRゲーム。しかしそれは()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「それはかなり貴重な物にゃ、あのゲームを販売した後、鉄血以外の陣営の子達からの圧がヤバいのにゃ!『今すぐ旦那様役も選べるようにアプデしろ!』って声が多いのにゃー!」

 

「そう、頼めば作ってくれるのかしら?」

 

「にゃ〜...そんな戦争が起こりそうな事、流石にできにゃ───」

 

「予算ならいくらでも弾むわよ」

 

「やるにゃー!!」

 

にゃふふ〜!と目にコインでも浮かんでいるのか、キラキラと輝いてテンションぶちあがりの明石、それに対してビスマルクは不敵な怪しい笑みを浮かべていた。

 

 

「ってゆうか、ビスマルクが自分で作らないのかにゃ?ビスマルクなら出来るはずにゃ」

 

「それだと、純粋に楽しめないじゃない。私もプレイするんだから、一プレイヤーとして楽しんでみたいわ」

 

「なるほどにゃ〜。でもそれなら尚更、そんな回りくどいことせずに、指揮官本人に甘えたらいいと思うにゃ〜」

 

「...それは、まだ無理よ。いきなり甘えるなんて、あの人に変な女だと思われたくないもの...」

 

「にゃ〜指揮官はそういうの気にしないと思うにゃ〜。何ならウェルカムな気もするけどにゃ」

 

「そうならどれだけいいことか...とにかく、予算は振り込んでおくわ、あとはお願いね」

 

「にゃー任せるにゃー!」

 

 

話し終えた彼女は、慎重にゲームを持ち抱えながら工房を後にし、鉄血寮の自室へと向かった。

 

 

 

 

自室へとたどり着いたビスマルクは、急いで中に入ると鍵をかけて、クローゼットから()()()()()()()()()()()()を引き摺り出し、ゲームを起動する。

 

 

ゴーグルを被った視界が、徐々に暗闇から晴れていき、そこは平均的な、自室の家具などおおよその位置が一致した部屋。その中心には、自身が愛してやまない、甘えたくて仕方がない男の化身がいた。

 

 

「本当にリアルね...あぁ、やっとね。やっとこの時が来たわ」

 

振り返った男は、()()()()()()()()()で、今すぐにでもめちゃくちゃに抱きしめて欲しくなる。

 

 

「ふふふ、あなたに...ずっと甘えたかった...」

 

身に付けていた衣服を脱ぎ、ベッドの脇に置いて、真正面から男の視線を受け止める。現実の、本人である指揮官には恥ずかしくてできない行為でも、ぬいぐるみを相手に行うのであれば、余裕で行動に移せた。しかもこれからは、VRという、視覚でも好きな男を堪能出来るのだから、その興奮もひとしおだった。

 

 

 

「ううん、分かってる...今までずっと甘えていたけど...それでも私はもっと、潜水艦や駆逐艦の子達のように、幼子のように貴方に褒めて、撫でて貰いたかった」

 

ベッドに置いたぬいぐるみに被さるように、VRの世界の指揮官を移動させて、自分もぬいぐるみを対面座位の形で思いっきり抱きしめる。

 

 

「はぁあ♡好きよ...♡好きっ...♡大好きっ...♡指揮官...♡!」

 

全身を、特に下腹部を強く押し付け、愛しい男を呼びながら、激しく自身を慰める。

 

 

「んっ...♡んっ...♡はぁはぁ♡好き...♡“パパ”♡」

 

彼女の昂りは、より一層の熱を増して燃え上がっていく。至福の時はまだ始まったばかり。

 

 

「パパ♡パパぁ♡♡もっとギュ♡って抱きしめて♡いっぱい私を褒めて♡いつもみんなの為に、鉄血のしどーしゃとして頑張ってるの♡私、えらいでしょ♡♡」

 

 

ギシ、ギシ、と響く軋音を気にも止めず、ますます激しくなっていく親子のスキンシップ。

 

 

「こんな素直になれない、不器用な女でも、愛してくれるあなたが好き...♡!あぁ好き♡好きっ♡!」

 

 

やがて、ビクンッ!と強く痙攣を繰り返した彼女は、もたれかかるようにぬいぐるみへと倒れ込んだ。

 

 

「はぁ...♡はぁ...♡......ふふふ、今回は明石に頼んで正解だったわ。自分で作ろうとしても、ここまでの出来にはならなかったでしょうから......それにしても本当にリアルね...明石はどうやって、こんなにもリアルな指揮官のモデルを用意したのかしら」

 

 

考えてみるも、いまだに身体の内に燻る興奮が、思考の邪魔をして集中できない。そのうちに、考える事をやめた彼女は、今度はぬいぐるみを仰向けに寝かせると、その上から覆い被さった。

 

 

「まぁ、そんなことはどうでもいいか♡今はただ、この快楽を味わうだけ...♡」

 

もう一度始まった疑似的な親子プレイ。しかし彼女は今度こそ止まることはなく、その行為は、夕食に誘いに来た妹のティルピッツに呼びかけられるまで続いた。

 

 

 

かくして、今日も母港は平和だ。

 

 

 






家族体験VR(顔ぼかし)は母港中で大ヒットしたよ。そしてそれと同時期に発売された、指揮官の等身大ぬいぐるみも凄まじい勢いで売れていったよ。

でもその裏では一部の艦船にしか販売されなかった、家族体験VR(無修正)や指揮官サイズの仲良し棒(意味深)が付いたベルト(ぬいぐるみ用オプションパーツ)が出ていたみたいだね。

もちろん指揮官は知らないし、購買部の表の顔しか知らない艦船も、そんなものがあることすら知らないよ。

初めての発売からしばらくは、自室から(色んな意味で)出られない子がいっぱいいたかもしれないし、いなかったのかもしれない。

まぁ夜通し遊んじゃうことってあるよね、でも同居人や隣人には注意しようね。

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