よし、サボるぜ   作:まんぐーすかすか

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ホワイトデーのお返しに、感謝の気持ちを込めたキットカットを送りました。勿論自分に。今年も気持ちよく恒例行事を納める事ができたので初投稿です。


みんなはバレンタインデーのお返しは渡したよね?w




あっ(断末魔)




「不定期更新です」(遺言)





※ 指揮官逃走中 2

 

 

 

 

 

 

「どっか行けーって言われても、特に思いつく場所無いなぁ」

 

執務室から少し離れた廊下。そこで俺は当てもなく彷徨っていた。

 

 

「おーいつも歩いてる廊下が広い、子供の視点だと高いなぁ」

 

ぼけー、と上を見ながら歩いていると、前方からゆるふわいやし系な雰囲気を醸し出している艦船が現れた。

 

 

「あら...こんな所に子供がいるなんて...」

 

「おっす、ローン」

 

「...どうして私の名前を知っているんですかー?」

 

おっと、ローンが指をゴキゴキ鳴らし始めてしまったぞ。警戒させてしまったか...ひとまず、彼女の誤解を解かなければ。

 

 

「俺だよー俺俺!指揮官だって!」

 

「ふふふ!面白い冗談ですね〜」

 

「信じてくれよ〜!」

 

ニコニコ笑顔のローンに釣られて俺も笑っていると、いきなり、腕をすごい力で掴まれた。

 

 

 

「ろ、ローン?」

 

「...あなた、お客様じゃないですよね?部外者の方ですよねぇ?なぜ、指揮官を騙るんですか〜?...敵、なんですか〜?」

 

うお、目がマジだ...笑顔なのに雰囲気が笑ってなーい...

 

 

 

「本当なんだって!明石が!明石の発明でな!?身体が子供になっちゃったんだよ!」

 

「次は明石ですか?はぁ...」

 

「いででで...!ほらほら!俺の顔もっとよく見ろよ〜!このクリクリなお目々!ぷっくりチャーミーな唇!柔らかそうなほっぺ!いつもの俺そっくりだろ!?」

 

「...言っている意味は分かりませんけど、確かに面影がありますね」

 

「ホンモノなんだけどなー!」

 

「...分かりました、ひとまず解放してあげますね〜」

 

渋々、解放された腕をさすりながら、改めて彼女にこうなった経緯を説明した。

 

 

 

「なるほど、そんな事が...」

 

「そそ、今はどこ行こうかなーってぶらついてたところ」

 

「ごめんなさい指揮官...さっきはつい乱暴な事をしてしまって...お詫びに、ぎゅ〜♡」

 

「え、んぶっ」

 

 

(んっほおお!でっっっけ!めっちゃでっけ!俺の顔よりおっきいので顔面埋もれてるー!窒息しちゃうよ僕ー!むほほ!)

 

 

「ふふふっ♡小さい指揮官♡とーっても可愛いですねぇ♡」

 

「...んぐ、ちょ、そろそろ解放して...苦ぴ...」

 

だんだん、背中に回された腕の力が増していき、もはやハグというよりは羽交い締めになってきた所で、ようやく彼女のおっぺぇホールドから抜け出せた。

 

 

「ローン...今の俺には手加減してくれ...」

 

「はーい♡...今の指揮官はすぐ壊れちゃいますもんね〜♡(小声)」

 

「本当に分かってんのか?」

 

その内、力加減ミスったローンに鯖折りされたりしないよな?筋肉ガードできない今の俺には、ローンは危険な相手かもしれない(確信)

 

 

「それじゃあ俺はこれで...」

 

「私も付いて行っていいですか?」

 

「え」

 

「何か問題ありますかぁ〜?無いですよねぇ〜?」

 

「ダイジョブダイジョブ」

 

 

さりげなく離れる作戦は失敗。またまた有無を言わさぬ笑顔で押し切られてしまったよ...

 

 

「って言っても、どこに行こうかとかまだ思い浮かばないんだけどな」

 

「それなら重桜に行きませんか?新しくできたお店の和菓子が、今話題になっているんです」

 

「そうなのか、なら行こうか」

 

「はい、では──」

 

スッ、と差し出される右手。その意図が分からず首を傾げていると。

 

 

「もう、せっかくですから、手を繋いでいこうと誘っているんですよ?」

 

「あ、そうだったのか...ごめんな」

 

彼女の手を取り、並んで歩く。

 

 

「うふふ♡それじゃあ、しゅっぱーつ♡」

 

「おー」

 

「......♡(はぁあかわいいですねぇ♡可愛すぎてつい壊してしまいそう...♡)」

 

 

──────────────────────────

 

 

 

「ここがそのお店か?」

 

「ええ、ここのお団子が美味しいそうです」

 

着いた場所は重桜寮でも比較的目立たない場所。いわゆる穴場に建てられたその店は小さく、落ち着いた印象があった。

 

 

「じゃあ俺はそれにしようかな」

 

「はーい♪」

 

中に入り、近くにいた店員らしき饅頭へ注文したローン。しばらく席に座って待っていると、饅頭が団子とわらび餅を持ってきてくれた。

 

 

「おー美味そうだな、いただきまーす」

 

三色団子を口いっぱいに頬張り、咀嚼していると、ローンが微笑ましいものを見るような視線を向けてくる。

 

 

「んむ...ローンも1つ食べてみるか?」

 

「いいんですか?」

 

「ああ、ほい」

 

自分が食べている串とは別の、もう1つの串を差し出し、ローンに手渡した。

 

 

「確かに、とても美味しいですね♪」

 

「だな、大きいし、食べ応えもある」

 

あっという間に1本食べ終えると、今度はローンから、わらび餅のお裾分けの提案を受けた。

 

 

「指揮官もお1つ如何ですかー?」

 

「いいのか?でもその、間接キスとか...」

 

「私は気にしませんよ〜♡はい、どーぞ♡」

 

顔の前に差し出されるわらび餅の刺さったフォーク、少し躊躇いながらそれを口に運ぶ。

 

 

「お、これも美味しいな。甘くて最高だ」

 

「ふふ♡...本当に、甘くて美味しいですねぇ〜♡」

 

俺にお裾分けしてくれたローンは、最後の1つを口に運ぶと名残惜しいのか、フォークを口の中に入れたまま、余韻を楽しんでいるようだった。

 

 

「ふぅ...団子美味かったなぁ、もっと食べたくなってきたな。他にはどんなお菓子があるんだろ」

 

机の上に置かれたメニュー表を見ていると、入り口から2人の重桜艦船の話し声が聞こえてきた。

 

 

 

「ここが例の和菓子が美味しい店か」

 

「ええ、高雄ちゃんもきっと気にいると思うわ♪」

 

やってきたのは高雄と愛宕の2人。彼女達も母港での話題が気になって来たようだな。

 

 

「あら、ローンさんこんにちは、あなたも来ていたのね」

 

「ええ、とっても美味しかったですよ〜」

 

「そうか、味わうのが楽しみだ...それとローン殿、そこにいる子は、一体どちら様だ?」

 

俺に向けられる懐疑的な視線、彼女達にも説明しなきゃな、と口を開きかけた時、愛宕が困惑した表情で──

 

「!!!...お姉さんセンサーがビンっビンに反応している...!?一体誰に...まさか目の前の男の子に...??いえ、でもこの子は指揮官じゃないわ...まって...!ありえない、そんな...もしかして、あなた!...指揮官の、隠し子!?!?」

 

「ちょっとおちケツ」

 

「面白い方ですね〜」

 

「はぁ...」

 

 

その後、愛宕が落ち着きを取り戻すまで待って、改めて事情を説明すると、高雄は徐に愛宕を拘束しだした。

 

 

「何してんの?」

 

「指揮官殿、今こいつに近づく事、そして話しかける事はしないで頂きたい。それから、一刻も早くこの場から立ち去ってくれ」

 

「なにゆえ?」

 

「怪獣を目覚めさせない為に。暴走状態を防いでいるうちに、早く」

 

 

当の愛宕本人は為されるがままで、俯いている為にその表情は窺い知れないが、別に暴れ出しそうな雰囲気は全く感じられない。

 

不思議に思っていると、ようやく顔を上げた愛宕。その表情は今までに見た事がないほどの綺麗な笑顔で、聞くもの全てに安らぎを与えそうな声音で高雄に語りかけ出した。

 

 

 

「大丈夫よ、高雄ちゃん。私は我を失っていないわ。これ以上なく、今までで1番澄んだ気分だわ」

 

「信じられるか!どうせ離したその瞬間、指揮官殿に飛びかかるに決まってる!」

 

「まさか、そんな事する訳ないじゃない。今の私は、不純とは対極の存在、すべての脅威から指揮官を守ってみせる完全無欠のパーフェクトお姉さんよ」

 

「そんな訳ないだろう!お前が指揮官殿相手に清廉を貫けた事が一度でもあるか!ええいこのまま大人しくしていろ!」

 

 

次第にヒートアップしていく高雄とは対照的に、愛宕は終始落ち着いていた。

 

 

 

「まぁまぁ、高雄も落ち着いて、愛宕も暴れてないんだし、そこまでする必要ないって」

 

「ほら、指揮官もこう言ってるわよ?高雄ちゃんこそ少し冷静になった方がいいと思うわ」

 

「くっ...!指揮官殿、本当にいいのか...?」

 

「おう、解放してやってくれ」

 

「...後悔しても知らないぞ」

 

 

少しの間を置いて、ようやく解放された愛宕。彼女はまるで、この世界で1番愛されているのは自分だという態度で俺の元まで歩いてきて、隣に腰掛けた。

 

 

 

「...うふふ、指揮官。私ね、ずっと前から食べたいモノがあったの」

 

「...?今日はそれを食べに来たのか?」

 

 

「...いいえ、でもまさか、こんなにも美味しそうで、そそられるモノを見せられて、お姉さん困っちゃうわ」

 

 

「そうか、この団子めっちゃ美味しいぞ」

 

「...ええ、本当に美味しそう...♡」

 

 

さっきから愛宕の目線はずっと俺の口元に向けられている。そんなにこの団子美味そうに見えるのか?

 

 

「良かったら愛宕も食べるか?俺の食べかけだけど」

 

「いいの?」

 

「うぃ、そんなに見つめられちゃあな。ほい」

 

串に刺さった最後の1個を愛宕に差し出す。しかし彼女は微笑んだまま動かない。その間も目線は俺の口元から一向に外れない。

 

 

「ありがとう指揮官♡食べてもいいのね?♡」

 

「おう。ほら、遠慮しなくていいぞ」

 

「...じゃあ♡いただきまーす♡♡♡」

 

差し出した手を掴まれ、愕然としていると不意に近づいてきた愛宕の唇。半開きのそれが俺の口を捕える直前、もの凄い勢いでフォークが愛宕へ飛来し、その行為を中断させた。

 

 

「...危ないじゃないの、指揮官に当たったら大変だわ」

 

「ええ、大変ですねぇ。目の前で盛りのついたワンちゃんが、ご主人様を襲おうとしていましたから」

 

「...あらあら」

 

「...うふふ」

 

 

片方はみんなの頼れる、包容力抜群のデカパイお姉さん。もう片方はゆるふわで周りに安心といやしを与えてくれるデカパイお姉さん。デカパイのお姉さんしかいねぇな。

 

 

そんな彼女達はお互い笑顔で相手を見つめているも、その雰囲気は今にも殴り合いの喧嘩が起きそうなほどの、バチバチの視線が交錯していた。

 

 

「はぁ...やっぱりこうなってしまったか...指揮官殿、これはそなたの責任だ。なんとかしてくれ」

 

「えー俺が悪いの...?」

 

「そうだ、逆にそなた以外の誰がやると思っている」

 

「納得いきまへんわ」

 

別に俺何もしてなくね?団子食べる?って聞いたら喧嘩が始まった。何を言っているかわからねーと思うが、俺も分からん。

 

 

「しゃーない、アレを使うか」

 

「何をするつもりだ?指揮官殿」

 

「なーに、あのベルファストをも陥落させた、今の俺が使える最強の制圧技よ」

 

「嫌な予感しかしないんだが...」

 

 

両者一歩も引かず。いまだに睨み合っている2人を前に、決意を漲らせる。

 

 

(よし、今が絶好のチャンス。俺の超キュートな和平アタックで、2人の心にラブ&ピースを芽生えさせてやるぜ。仲間同士の争う姿なんて...僕ちゃん見とうない!)

 

 

「あら、指揮官。待っててね、お姉さんと後でいっぱい美味しいモノ食べさせあいっこしようね♡」

 

「指揮官、少し待っていてくださいね。すぐにこのメスイヌを黙らせて、デートの続きをしましょうねー♡」

 

「は?」

 

「は?」

 

「ダメみたいですね(諦観)」

 

「諦めるな!指揮官殿!」

 

 

いやいや、無理じゃね?もう殴り合いまで秒読みの段階までいってるって。これを止められるのは俺だけ...?正気か...?

 

 

「むむむ...まぁこのお店を更地にするわけにもいかないし、なったらなったで、どうせあの緑の猫から法外請求来るのは俺だろうから、やったりますよ」

 

改めて、深呼吸。自分の思い描く最高に可愛いショタを身に宿し、目の前の修羅2人に対峙する。

 

 

 

「あの...!」

 

「どうしたの指揮官♡」

 

「待っててくださいね指揮官♡」

 

 

 

 

 

 

「喧嘩はダメっ!だよ...?愛宕お姉ちゃん...♡ローンお姉ちゃん...♡(猫撫で声)」

 

 

 

 

 

 

「!?!?!?♡♡♡♡♡」

 

「............」

 

 

「OH MY GOD」

 

 

 

(決まったな。上目遣い&うるうるな瞳のコンボに、とどめのお姉ちゃん呼び。これはみんなのお姉さんを自負している2人には効果抜群でしょ。勝ったなガハハ!)

 

 

驚愕に目を見開き、言葉が出ないのか口に手を当てて固まったままの愛宕、そして無言でニコニコとこちらを見つめて動かなくなったローン、最後に、ユニオンの艦船のように流暢な発音を披露してくれた高雄。

 

 

「はっ...!いかんいかん...つい意識が飛んでしまっていた...指揮官殿!すぐにここから離れるぞ!」

 

「え、うわっ」

 

 

いち早く意識を取り戻した高雄に抱えられ、店を抜け出した俺。これ無銭飲食じゃね?

 

 

「なぁ高雄、お金払ってないんだけど...」

 

「今はそんなことより自分の身を守ることを考えてくれ!一先ず逃げるぞ!」

 

凄い速さで駆ける高雄。その後方で、遅れて意識を取り戻した2人の艦船は、ただ1人のオスガキに向けて愛の雄叫びを上げていた。

 

 

 

 

 

「...はぁぁあ”ぁぁあ”あ”!!!!!指揮官指揮官指揮官ッ!!!も”ぉぉお”う我慢の限界だわッッ!!!お姉さんのモノにするッ!!♡♡ぜっったいお姉さんのモノにするッ!!♡♡♡部屋に持って帰って一生お世話するッ!!♡♡あ”あ”あ”あ”あ”!!こ○びこ○びこ○びぃぃぃ!!!♡♡♡」

 

 

 

「...ふふふ、ふふふふふ...あははは!!ほんっっとうに可愛い指揮官...♡♡可愛いっ可愛いッ♡♡めちゃくちゃに壊したくなっちゃうほど可愛いッッ!!♡♡...しきかぁん♡...指揮官♡♡...指揮官指揮官ッッ♡♡♡」

 

 

 

 

 

(なんか喋ってるみたいだけど風の音で上手く聞こえねぇや。でもあんな大声出してるって事は少なくとも効果はあったみたいだな!うはw俺のショタ演技上手すぎ...?劇団アズールレーンでも立ち上げるかぁ〜?w)

 

 

「っと、そういえばどこ向かってるんだ?」

 

「とりあえずあいつ等から離れるぞ!」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

高雄に担がれ、縦横無尽に町の中を駆け回りながら辿り着いたのは、和風のお屋敷。

 

 

「ここは...長門達に会いに行くのか?」

 

「ああ。拙者だけではそなたを守り切る事ができぬ。故に、長門様や天城殿の力を借りようと思う」

 

入り口の前で降ろされ、先に入って行った高雄に着いて行くと、少し進んだ先である艦船に声をかけられた。

 

 

「待て」

 

「加賀殿。申し訳無いが、今は一刻も早く...」

 

「駄目だ。まずはその子供の素性を明らかにして貰わなければ、ここを通す事は出来ない」

 

 

俺達の目の前に立ち塞がった加賀。高雄からも目配せがあり、俺がこの姿になった事情を説明しようとした時、加賀の背後からまた新たな艦船が現れた。

 

 

 

「どうかしたの、加賀」

 

「姉さ...赤城。いや、高雄が見知らぬ子供を連れて来てな」

 

「へぇ?一体どういうつもりなのかしら?ここへ連れて来るなんて何を考えて...!?!?」

 

赤城が俺の顔を見た途端、驚愕の表情を浮かべて高雄に掴み掛かった。

 

 

 

「...私を騙そうとしても無駄よ...その子の顔付き、身に纏っている雰囲気...私には分かるわ...まさかこの私を出し抜くとはね...」

 

「あ、赤城殿...?一体どうしたと──」

 

「惚けても無駄よ!!!その子!!!指揮官様との愛の結晶なのでしょう!?!?」

 

「なぁっ!?」

 

「なんだと...?」

 

 

高雄の肩を両手で鷲掴み、怒りの形相で詰め寄る赤城。そして思いもよらない迷推理に困惑する高雄とそれを間に受けた加賀というカオス空間。

 

それを離れた位置で笑って見ていると、高雄から恨めしそうに助けを求められた。

 

 

 

「指揮官殿!早く何とかしてくれ!このままでは赤城殿に殺されてしまう!」

 

「ははっ、大袈裟だなぁ」

 

「指揮官殿...?あなたは一体何を言っているの?」

 

「そこの子供が指揮官だと?」

 

「おーそうだぞ、俺が指揮官だ」

 

腰に手を当て、胸を張って伝える。案の定「このガキは何を言っているんだ」という反応を返されたので、彼女達にもこうなってしまった経緯を話した。

 

 

 

「なるほど、明石の作った薬で...また面倒に巻き込まれたな、指揮官」

 

「まぁな、でも数日我慢すれば元に戻れるらしいから、それまではこの姿で出来る事を楽しむつもりだぞ」

 

「ほどほどにしろよ」

 

加賀もそこまで反応に変化は無いな。高雄と同じで、そこまで子供にメロメロになったりしないのかぁ。

 

 

「しかしだな、加賀殿。実は事はそう単純な話ではないのだ」

 

「...あぁ、分かっている。どうせ、この姿に可笑しくなる者が現れて、そいつ等から逃げるためにここへ来たのだろう?」

 

「洞察力がすごい」

 

加賀の名推理、探偵の才能があるんじゃないか?いつも「強い奴と戦えたらいいや」って考えてそうとか思っててごめんな。

 

 

「事情は分かった、長門様の所まで案内しよう。...赤城、いつまでも惚けていないで、早く長門様の元に行くぞ」

 

「こんな...愛くるしいお姿♡赤城は...♡赤城はぁ...♡」

 

「だろ?俺ってまじプリティー」

 

「指揮官殿、少し落ち着いてくれ」

 

加賀が先頭に立ち、その後ろに高雄、俺と続いて長門の元まで移動することになった。赤城は俺の後ろにべったりくっついて離れなくなった。

 

 

「うふふ♡どんな脅威からも赤城がお守り致しますわ♡指揮官様♡」

 

「ありがとう赤城」

 

「あはぁ〜♡いつもと違う可愛らしい指揮官様に褒められて、赤城は幸せでおかしくなってしまいそうですわ〜♡」

 

「...更に脅威が増えたりしないよな?」

 

「大丈夫だ、ああ見えてかなり奥手だからな」

 

しばらく(赤城に揉みくちゃにされながら)歩いて、ようやく長門がいるであろう部屋の前まで辿り着き、加賀が先に部屋へ入り、入室の許可を取ってくれた。

 

 

「待たせたな。さぁ、入れ」

 

「あぁ、失礼する」

 

「久しぶりに来たなぁ」

 

「指揮官様ぁ♡とっても可愛いお手々ですわ〜♡お顔も、いつもの凛々しい表情とは違って愛らしくて堪りませんわぁ〜♡」

 

 

 

部屋の中には長門の他に、瑞鶴と翔鶴、そして武蔵に天城と錚々たる面子が勢揃いしていた。

 

 

 

 

「久しいな、指揮官。...加賀から話は聞いておったが、まさか本当にそのような姿になっておるとは」

 

「少しの間だけだけどな」

 

「へぇ!本当に小っちゃくなってるんだ!見て見て翔鶴姉ぇ!指揮官とっても可愛いよ!」

 

「ふふ、瑞鶴ったら...赤城先輩?いつまで指揮官にべったり引っ付いているんですか?指揮官が迷惑そうにしているのが分からないんですか〜?」

 

「黙りなさい。私が指揮官様と恋仲だからって嫉妬するのは辞めなさいと、前にも言ったはずよ」

 

「いつそんな関係になったんですかぁ〜?妄想も大概にしてくださいね〜?指揮官はみんなのものなんですよ〜?」

 

「翔鶴姉...落ち着いて...」

 

「赤城も、みっともないですよ。あまり高圧的だと、指揮官様に呆れられてしまいますよ」

 

お互いに、妹と姉に叱られて(表面上は)矛を収めた翔鶴と赤城。静かになったタイミングで、武蔵が俺の処遇について口を開いた。

 

 

 

「汝が今の姿で出歩くのは、猛獣蔓延る森に赤子を1人歩かせるのと同じ...汝さえ良ければ、今日は此処に泊まっていっては如何かしら」

 

「んーありがたいけど、明日も仕事があるし、自分の部屋に戻って寝ようかな。誘ってくれてなんだけど、遠慮しておくよ」

 

「そう...なら、部屋までの護衛は妾に任せて頂戴」

 

「ん、よろしく。でもま、帰るにはまだ早いし、みんなとも久しぶりだから、しばらくはここにいさせて欲しいかなって」

 

「うむ。勿論、構わぬぞ。...よ、余も指揮官と一緒に居たいと思っていた所だ」

 

 

照れたように顔を赤らめながら話す長門に微笑んでいる武蔵。すると天城の横の、あらかじめ用意されていた席へと促され、そこへ腰を下ろした。

 

 

 

「すぐにお茶とお菓子を用意致しますので、それまでは私と()()()()でもして待ちましょうか♡」

 

「あー!天城さんずるいよ!私だって指揮官と遊びたいのに!翔鶴姉もそうだよね!?」

 

「ええ♡私達とも楽しいお遊び♡しませんか?♡」

 

「は〜...なんて浅ましい見え透いた誘惑なのかしら。そんなお遊び(笑)に引っかかる馬鹿がどこにいるっていうのかしら〜」

 

「...は〜、ほんっと性格の悪い先輩ですね〜そんな嫌味ばかり言っていると想い人に愛想尽かされても知りませんよ〜?」

 

「は?」

 

「は?」

 

「姉さん...」

 

「翔鶴姉ぇ...」

 

「仲良いなぁお前たち」

 

すぐにキャンキャン口喧嘩し出した赤城と翔鶴。まぁいつものことなので少ししたら収まるので止めなくてもいいかな、なんて考えていると武蔵が俺に向かって小声で──

 

 

「汝もここまで来るのにかなりの苦労をしたのであろう。どれ、疲れているのなら、この武蔵の胸で休むのはどう?」

 

「いや、それは──」

 

「そうですよ、武蔵」

 

「天城...」

 

「私も混ぜて頂かなければ困ります♡」

 

「勿論よ♡」

 

「いや遠慮するんで(早口)」

 

武蔵と天城のむっちりデカパイサンドなんて...そんなのこの見た目の男の子にしていいと思ってんのか?犯罪だぞいい加減にしろ(興奮)

 

 

「まったく...お前たち少しは落ち着け!指揮官が子供の姿になって、気持ちが昂るのは理解できるが、だからといって欲に飲まれれば獣と変わらぬぞ!」

 

「長門様...」

 

「よう言うた。それでこそ御狐様や。お前たちも見習わないとな!」

 

「指揮官殿...そなたはいい加減危機感を持った方がいいぞ...」

 

何で?と聞き返してもため息が返ってくるだけで、高雄は何も答えてくれなかった。

 

 

「今はこやつを狙う輩から、どう守り抜くか考えねばならん!皆で力を合わせる時だぞ!」

 

「...そうですね。長門様の言う通り、確かに、少し気が乱れておりました...」

 

「天城殿に同じく。妾も、気持ちが昂っておりました...」

 

「今なら、普段してくれない事でも頼めばしてくれるのでは、と思っておりました...」

 

「先輩に同じく...」

 

「こいつら反省してないな?」

 

「姉さん...」

 

「翔鶴姉ぇ...」

 

やっぱりこいつら仲良いな?なんて思っていると、長門が皆に聞こえる声量で───

 

 

 

「いいか!今はまだ、指揮官がこの姿になっている事は、限られた者しか知らぬ!出来るだけ、この事が漏れないように気をつけるのだ!()()()()()()()姿()()()()()()()()()なんて、バレてはいけないぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

長門の号令が響き渡り、皆が目を見合わせて頷き、返事の為に口を開き変えた時、スパーンッ!と、入り口の襖が勢い良く開いて、黒髪ツインテールの今1番来て欲しくない艦船が姿を現した。

 

 

「うふふ!♡話は聞かせていただきましたわ〜!♡まさか指揮官様が〜♡愛らしい〜子供の姿になってしまうなんて〜♡そんなの聞かされてしまったらぁ♡大鳳♡我慢なんてできませんわ〜!♡」

 

 

 

 

 

 

ちらっと見た長門の顔は、少し涙ぐんでいた。

 

 

 

 

 

 

 





指揮官昔話 親友編



若かりし指揮官「よっN君。久しぶり」

N君「ん?おお!指揮官じゃないか!久しぶりだな!」

指揮官「あの部隊から俺が移動して...それ以来だもんな。また今度飲みにでも行こうぜ。隊長達は変わりないか?」

N君「ああ。お前がいなくなってからより訓練が激しくなったくらいだよ。お前が抜けた穴を埋める為に、みんな忙しいんだぜ?」

指揮官「言うほど俺そんなに貢献してたか...?あの頃はあんまりみんなと深く関わりを持たないようにしてたから、自覚ないな」

N君「おいおい...そりゃないぜ!お前はみんなのオナp...先輩として!大人気だったんだからな!?その後釜についた俺の苦労を分かってくれよ...」

バカ「ははは、それはご愁傷様。俺の代わりにしっかりしごいてやれよ?...それと、最近彼女さんとは上手くやってんのか?」

ノーマル君「十分シゴいてやってるさ、彼女とも上手くやってるぜ。最近、婚約して親にも挨拶に行ってきたんだよ。ほら」

バカ「結婚すんのか!おめでとう!...へー。ほんと、綺麗な彼女さんだよなーいや、もう奥さんになんのか。お前が羨ましいよ」

ノーマル君「あのなぁ...お前だってその気になれば彼女の1人や2人、出来るだろ...そうだ!お前の新しい職場の...KAN-SEN?とかどうなんだよ!とんでもない美人しかいないらしいじゃねぇか!その子たちとは──」

バカ「あー...いや、無理だろ。もし告白して振られたら、女性しかいない母港じゃ、すぐに広まるし、性欲なんて見せようもんなら俺の居場所が無くなる。それにオタクの俺にあんな顔良し、性格良し、スタイル良しの女の子、ハードル高すぎてむりむりカタツムリだわ...」

ノーマル君「相変わらず卑屈なところは変わんねぇな、まっ謙虚なのも程々にな。そのうちいつかキレられて襲われても知らねぇぞ?」

フラグ建築士一級「そんなんある訳無いってw...おっと、もう時間か、俺はもう行かなくちゃ...また今度連絡するよ。その時は飲みに行こうぜ」

ノーマル君「俺もこれから待ち合わせなんだよ...おう、連絡来ねーなら、その時は俺から誘ってやるよ。じゃな!」


指揮官「はー久しぶりに会った親友は結婚して家庭を持とうとしてんのか...対して俺は、未だに彼女ナシ...いやいや!24で結婚なんてまだ早い!...そんな訳ないよな〜あいつも結婚するし...あ〜俺も彼女欲し〜...」


────────────────────


N君「んっ♡ぶっ♡ぶっ♡ぶもっ♡」

元チャラ男「おらっ!おらっ!もっと気合い入れてしゃぶれってんだ先輩よぉ!」

サディスト君「おいっ!もっとケツの穴締めろ!ガバガバになってるとか言い訳すんな、よっ!」

N君「んぶぅぅぉぉ♡♡」

元チャラ男「はっ!愛しの婚約者様を裏切ってケツ○キすんのは気持ちいいよなぁ!おらっ!彼女に申し訳ないと思わねぇのかよ!」

ネトラレ君「ぎっ♡ぎっ♡もちいっ♡いでずっ♡」

サディスト君「彼女にハメる方が気持ちいいのか!?それとも僕達にハメられる方が気持ちいいのか!?」

ネトラレ君「ハっ♡ハメられっ♡お”っ♡ハメられる方がっ♡ぎもぢいいっ♡でずっ♡お”お”ぉぉっ♡」

元チャラ男「おらっ!おらっ!」

サディスト君「おらっ!おらっ!」

ネトラレ君「んお”ぉぉあ”あ”ぁぁぁっ!♡♡♡」


とある部隊に在籍していた男には、親友がいた。その親友は、男と同じで女性に性的興奮を抱く趣向があり、夜な夜な自分の好きな性癖を語りあったのだが、ある日、男に彼女が出来たと自慢げに話した日の夜から、急にその話題について避けるようになった。

男は彼女が出来たことで、操を立てるようになったのかと考え、控えるようになったが実態は全くもって違う。件の彼女自慢話の晩、尿意を催した親友はトイレに向かったのだがその帰り道、この部隊の伝統行事である、《 最強!オス筋肉○○○バトル! 》の開催現場を見てしまい、不意に胸が高鳴ってしまう。自分には愛を向けてくれる彼女がいると自覚しながらも、目が離せない光景に興奮していると、参加していたメンバーに気づかれ「お前も参加しないか?」との誘いについ乗ってしまう。そうしてこの日、親友は彼女へ捧げるはずであった(前と後ろ両方の)貞操を散らしてしまったのであった。

宴は終わり、親友は一時の過ちに酷く後悔するも、しかし自身の身体はその時に味わった快感が忘れられず、次第に、誘われる度に行為にハマっていくようになってしまう。彼女との婚約を機に、その享楽的な関係は終わりを迎えたかに見えたが、身体の奥底に燻る情欲の炎は消える事はなく、悶々と日々を過ごしていたある日、携帯に表示されたメッセージ。その着信の内容は───





後書きの方がいっぱい書けちゃうの何でなんだろうね






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