よし、サボるぜ   作:まんぐーすかすか

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○○ゲーム 2 (ヨークタウン・エンタープライズ・ホーネット)

 

「さて、パートナー決めのルーレットは、最初にマスに止まったエンタープライズからだな...エンタープライズ?」

 

「...あ、ああ。すまない、ぼーっとしていた。

...よし、ゴクッ...いくぞッ!」

 

おーすっごい気合い入れて回すな。確かに、“結婚”のメリットはデカい。エンタープライズなら、その有益さは簡単に理解しているだろう。サスガダァ

 

「7!よし!指揮官!私は7を出したぞ!」

 

「見れば分かるって...ラッキー7か、いいじゃないか。次はヨークタウンだな...ヨークタウン?」

 

ヨークタウンもすごい熱心に祈ってるな...そりゃそうか、結婚のメリットなんて、誰でも簡単に理解できる。特にヨークタウンはまだゲームが始まってから、1度もアイテムや所持金が動いていない、ここでパートナーを作っておけば、一気にロケットスタートを切ることができるわけだ、もちろん、俺意外の2人のどちらかと組めれば、だが

 

「...覚悟はできたわ。それじゃあ、行くわよ...えい!」

 

ヨークタウンの気迫の勢いのまま、ルーレットは回り...

 

「5!指揮官様!私は5番を引いたわ!」

 

「だから見れば分かるって...次はホーネットだ」

 

ホーネットもルーレットに指を置いて、かなり集中しているようだ。その時ふと、ホーネットと目が合った。

 

(ホーネット...お前もこのパートナー決めに全力なんだな...!大丈夫だ...!お前くらいの幸運なら、たとえパートナーができなくても上手くやれるぞ...!いや!やっぱり俺のパートナーになってくれ!その幸運を、俺にも分けてくれ!)

 

(...!!!今指揮官が『俺たち、結婚しような!』って言った気がする!...えへへ♡待っててね♡指揮官♡絶対、絶対、らぶらぶ夫婦になろーね...♡)

 

「...見つめ合っていないで、早くルーレットを回すんだ、ホーネット」

 

「...にゃはは〜!ごめんごめん!それじゃあ行くよー!それ!」

 

(できればここで、アイテム《 2、4、6カード 》を使いたかったけど、指揮官が最後に回す関係上、使っても効果は薄い...しかも姉達の数字も被っていないから、ここはアイテムを温存して...指揮官との運命♡力にかける!!)

 

シャーッと、ホーネットが勢いよく回したルーレットが運命♡を決定付ける。

 

「3!指揮官指揮官!私3番だよ!えへへ!ちゃんと迎えにきてね!」

 

「3人とも、綺麗に3、5、7って別れたな。ははっ、これじゃ次は1か9になりそうだな!」

 

シーン...

 

え何この空気

 

「指揮官、その冗談は面白くないぞ」

 

「指揮官様は結婚したくないの...?」

 

「...指揮官...ちゃんと迎えに来てね...じゃないと...こっちから行くよ...?」

 

「ご、ごめんって...でも、何が出るかは運なんだから、その通りに出るかもしれないぞ?」

 

「大丈夫だ、私達の絆の前には、確率など些細なものだ」

 

「指揮官様...私は信じているわ...諦めなければ報われる...貴方はそう言ってくれたものね」

 

「大丈夫指揮官大丈夫だよ、私達は運命で結ばれてるもん。絶対幸せな夫婦になれるよ。」

 

「ワカッタカラ、チョットオチツイテ」

 

勢いがすごい...でもさっきも言ったとおり、運ゲーだからな。この3人が同じ数字を出していない時点で、パートナーにできるプレイヤーが、俺しかいなくなって焦っているんだろう。俺としても3人の内誰かとパートナーになって、この借金を少しでも軽くしたい

 

「よし、じゃあ回すぞ...そい!」

 

運を天に任せるようにルーレットを回し、パートナーを作れる出目を祈る。

 

(頼む!3、5、7どれでもいい!とりあえず、パートナーを作れたらそれ以上は望まない!いや嘘!借金をなくしたい!たとえゲームでも借金があるってなんか嫌だ!頼む!神様!オラに運を分けてくれぃ!)

 

カチッ、とルーレットが止まる音が聞こえ、恐る恐る、出た数字を見ると...

 

「おおっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5だ!!」

 

「!!!!!!!!!!!!!!」

 

「そん......な...こんなこと...」

 

「...嘘...嘘嘘嘘...こんなのありえない...!!指揮官とは運命♡で結ばれていたんじゃなかったの...!?」

 

「ふふ...うふふ!指揮官様!私達、これからきっと!素敵な新婚生活が待っているわ!...やっと報われたもの...幸せになってみせるわ!」

 

めっちゃ嬉しそうだな、ゲームとはいえ、こんな美女と結婚出来たのは、俺も嬉し恥ずかしエレファントカシマシ

 

「そうだな!よろしくな!ヨークタウン!」

 

「ぐううぁぁぁ...これが...”NTR“と呼ばれるものか...こんなにもキツいものなのか...」

 

「・・・」(......やっぱり私じゃ姉達には勝てないのかな...指揮官、私...)

 

俺のコマとヨークタウンを模したコマが隣り合い、キラキラとしたオーラが周りに現れた。

 

「“結婚”が成立すれば、他のプレイヤーはパートナーになったペアにご祝儀として、20万円ずつ渡さないといけないみたいだ。よし、これで俺の借金も少しは軽くなるぞ!」

 

「...ああ、指揮官、おめでとう...私の分まで幸せになってくれ...」

 

─────────────────────

 エンタープライズ《 600万円→560万円 》

─────────────────────

 

「指揮官...私...諦めていないからね...」

 

──────────────────

 ホーネット《 100万円→60万円 》

 ・2、4、6カード ・獲得金倍加

──────────────────

 

「お、おう?勝負はまだこれからだぞ!」

 

──────────────────

 指揮官《 −450万円→−410万円 》

──────────────────

 

「うふふ!ありがとう!エンタープライズちゃん!ホーネットちゃん!2人の分まで幸せになるからね!」

 

────────────────────

 ヨークタウン《 100万円→140万円 》

────────────────────

 

「それじゃあ次はヨークタウンだな!俺たちはパートナーになったから、ここからは、エンタープライズ達とは別の道に進むみたいだ」

 

「ええ!この〈 新婚生活!ラブラブロード! 〉に行くのよね!楽しみだわ!」

 

「フーッ...落ち着け私...これはゲームじゃないか...何も問題はない...」

 

「・・・(これはゲームこれはゲームしっかりするのよ私まだチャンスはあるはず指揮官が私のものになるアイテムとかがあるはず...)」

 

ヨークタウンが勢い良くルーレットを回し、俺のコマと一緒に動き出した。そして、立ち止まったコマは、これまで見たことがない、ピンク色のマスへと止まった。

 

「これは...どうやらこのルート限定のマスのようだな、《幸せな夫婦に子供が出来たよ!何人産まれたのかな?》だってさ」

 

「「!?!?」」

 

「まぁ!!ふふっ、指揮官様との子なら、何人でも構わないわ...♡」

 

「ルーレットを回して、1から4なら1人。5から7なら2人。8から10なら3人出来るみたいだな。“子供”はゴールした時に、人数に応じて金額にボーナスが入るみたいだ」

 

「そうなのね、高い数字が来てくれれば良いのだけれど...指揮官様との愛の結晶だもの、子供は多い方がいいわよね!」

 

そうして回されたルーレットが示した数字は...

 

「あら4...1人なのね...それでも指揮官様との子供だもの、大事に育てなきゃね...」

 

───────────────

 ヨークタウン《 140万円 》

 ・子供

───────────────

 

「“子供”の親権はマスを踏んだプレイヤーのものになるみたいだから、その子はヨークタウンのものだな」

 

「ぐうううぁぁぁぁ...!!!ハァ...ハァ...!!脳が味わったことのない衝撃を...!...赤城と戦った時の...いや、もしかしたらそれ以上の感覚だ...」

 

「ずるいよヨークタウン姉...私も(指揮官との)子供欲しいよ...うぅ...切ないよぅ...指揮官...♡」

 

「いや、結婚してないと産まれないから...ほら、ホーネットの番だぞ」

 

カラカラとルーレットを回したホーネットが止まったマスは、またもや黄色のマス

 

「...《借金帳消しカード》?私じゃなくて、指揮官が欲しそうなアイテムだね」

 

─────────────────

 ホーネット《 60万円 》

 ・2、4、6カード ・獲得金倍加

 ・借金帳消しカード

─────────────────

 

「いいな、それ。これからどんなイベントが起きるのか分からないし、保険になるじゃないか」

 

ホーネットはアイテムの運がいいな。借金を帳消しに出来るなんて、今まさに俺が欲しいものじゃないか。くう何とかして俺も、借金を返せる手段を手に入れなければ!

 

「俺の番だな、それっ、と...うわ...また赤マスだ...」

 

なんでこんなに立て続けにデメリットを引き続けんですかねぇ〜しかもこのルートじゃ数少ない、デメリットのマスに...泣きたくなりますよ〜

 

「《 買ったばかりの腕時計が壊れちゃった! 》マイナス100万円。また借金が増えた...」

 

──────────────────

 指揮官《 −410万円→−510万円 》

──────────────────

 

いや借金あるのに腕時計買うなよ、しかも100万って、ロ○ックスか?そんなん俺も持ってねーよ

 

「あらあら...指揮官様...でも私なら平気よ?借金があっても、指揮官様と一緒に居られるのなら、私は幸せだもの」

 

「ヨークタウン...」

 

やっぱヨークタウンよ。俺も、こんな美女と結婚して、幸せな家庭を築きたいぜ...神様プリーズ美人なお嫁さん

 

「...私の番だな。...ふむ《 投資に大成功!大金を手に入れた! 》プラス1000万円だ。あまりこういう事には詳しくないのだがな」

 

───────────────────────

 エンタープライズ《 560万円→1560万円 》

───────────────────────

 

「すごいな、一気に大金持ちになったじゃないか」

 

「ああ...これだけあれば、指揮官の借金もすぐにチャラにできるぞ...」

 

「エンタープライズちゃん。それ以上はダメよ。...指揮官様。私は指揮官様と一緒に居られるだけで幸せだもの...お金のことはあんまり気にしないで?きっとすぐにどうにかなるはずよ!」

 

「ヨークタウン...そうだな!俺も頑張って借金返済頑張るよ!」

 

「ふふっ、その調子よ、指揮官様...それじゃあ私のターンね...あら、また新しいマスね」

 

俺たちのコマは緑色のマスで立ち止まった。そうして、チャリン、っと効果音が鳴るのと同時に、色々なサイズと値段の家が描かれたカタログが、ヨークタウンの目の前に投影された。

 

「そのマスでは家を購入できるみたいだな。ゴール到達時に、購入した家と同じ金額がボーナスとして受け取れるみたいだ」

 

「あら、そうなのね...私達はお金に裕福とは言えないから...この1番安いお家を買うのはどうかしら...うふふ!これからここが、私達の帰る家よ♡」

 

「へぇ、いいな。インテリアを見る限り、小さいが3人で暮らすなら丁度いいくらいの広さだな。...随分凝った内装だな〜」

 

───────────────────

 ヨークタウン《 140万円→40万円 》

 ・子供 ・小さな家

───────────────────

 

「クッ...!(なんだこの茶番は!なぜ好きな人と姉のマイホーム選びを見させられている!?私がいったい何をしたっていうんだ!この前、指揮官が使ったスプーンを舐めたのがいけないのか!?)」

 

「・・・(えへへ...♡これからここでずぅーっと一緒に暮らそうね♡ご飯を食べる時も♡寝る時も♡お風呂に入る時も♡トイレに行くときも♡絶対、離れちゃダメだからね♡)」

 

「...おーい、次はホーネットの番だぞ〜」

 

「...にゃはは〜!よーしいくよー!おっ!《 レースの大会で優勝!賞金を獲得!》プラス400万円!...よーしここでアイテム使っちゃおうかな!」

 

ホーネットの目の前には、〈 アイテムを使用しますか? 〉と表示されており、〈 イエス 〉の文字に彼女の手が勢いよく触れると、表示されていた獲得金額が、小気味の良い音を立てながら倍になった。

 

─────────────────────

 ホーネット《 60万円→860万円 》

 ・2、4、6カード ・借金帳消しカード

─────────────────────

 

うん、ホーネットもアイテムを使って、かなりの金額を手にしたな。そのまま波に乗って、俺も手に入れるぜ、大金を!

 

「俺の番!よし、いけ!...ってちょ、まずい!そのマスはマズイのぉぉぉ!!」

 

踏んでしまったマスはこのコースで唯一存在している、最悪のドクロマス。そのマスを踏んだと同時に流れ出す、これから良くない事が起こるんだな、と予感させる効果音に真っ黒なルーレット、その回転が収まり、掲示された罰の内容は───

 

「《 うわーん!隠れて行った投資が大失敗!パートナーに見限られ、離婚を言い渡されてしまった! 》マイナス1000万円!?...にパートナー解消、か...」

 

「「!!!!」」

 

「......え」

 

仲良く隣り合っていた俺とヨークタウンのコマはひび割れたハートマークの演出と共に離れ離れになり、専用のコースからエンタープライズ達のいる通常のコースへと移動した。

 

───────────────────

 指揮官《 −510万円→−1510万円 》

───────────────────

 

「マジか...ごめんな、ヨークタウン。俺のせいでパートナー解消になってしまって」

 

「い...え...いいえ...!指揮官様!気にしないで!私は貴方と一緒に居たいの!だから...この子を置いて、私の前から居なくならないで...」

 

「離婚を言い渡されたのは俺の方なんだがな...」

 

借金があるのに子供作って挙句に内緒で投資したら大失敗、そんで奥さんと子供に見放されて追い出されるって...この世界の俺ゴミクズ旦那すぎるだろ。†悔い改めて†

 

「ああこれは指揮官が悪いなだから私が返済を手伝おうなに私は金持ちだすぐに返せる値段だから指揮官こっちに来るんだ(早口)」

 

「あー指揮官悪いんだーヨークタウン姉を泣かせるなんてひどい旦那さんだなーそんなひどい旦那さんのめんどう見てくれるのなんて私くらいしか居ないよ(早口)」

 

「お前らな...」

 

こうして俺はさらに多大な借金を背負い、俺の圧倒的不利な状況のまま、初めての新婚生活は終わりを迎えたのだった──────

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