SPECIALな旅でもなくたって   作:闇音猫

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長いよ。そろそろ1章クライマックスになりそう


タマムシ虹色 夢の色 ──ミュウ現る!

 

 

 

 

「あそこだぜ、奴らのアジトは……。しかし、せっかく逃げたのにまた案内しろだなんて……」

 

「しっ!し、ず、か、に!」

 

 ブルーは草むらをガサガサと漁り、何かを探しているようだった。ここからアジトまで500mも無い。バレるかは時間の問題であるだろう。

 

「まぁ、奴らも欲しかったディスクを取り戻せたから追っては来ないだろうけどなぁ……」

 

「でもさ?ブルーがそう簡単に返すと思う?」

 

「うふふ……ご明察〜!ジャジャーン!せっかく手に入れた物を簡単に返すわけ無いでしょ〜!取られたのはニセモノよ、おほほ♡」

「何せコレさえあれば、憧れのミュウちゃんが見つけられるんだから!」

 

 そのディスクで何をするんだか……。眠そうにあくびをしながら見ていたら急にブルーがメタモンを出す

 

「メタちゃん!“へんしん”!」

 

 メタモンむくむくと姿を変えていき、やがてミュウの形に変化する。おお、確かに全く本物と見分けがつかんな

 

「ま、ニセのミュウだけど、ちょっと見には区別できないでしょ?さ!もう一度騙して来てちょうだい!」

 

「メタモンも大変だなぁ……囮だなんて」

 

 現在メタモンは崖から落とされ、人を攻撃し、囮役として駆り出されている。人……いや、ポケづかいが荒いってこういう事……?

 

「うふふ……ところで、あなた達とあたしは仲間って事になっちゃったからね。もちろん手伝ってもらうわよ♡」

 

「え、えぇ!?」

 

「はー……成程?いいけどさ」

 

 まだ時間はたくさんあるし、少しくらい付き合ったって良いだろう。ポケモンゲットは人が多いほど良いし。

 しばらく待っていれば、テンプレのようにロケット団が引っかかる。学びもしねぇな……バカなのか?

 続いてブルーはゴーグルのような謎の道具を取り出し、カチャカチャ……と何かをいじっている

 

「なにそれ?」

 

「これはあたし自作の“ミュウ発見用スコープ”よ。エスパー系ポケモンは“サイコキネシス”などの念力波を出しているの。波の形はポケモンによって違うの」

「だから、ミュウの波長を記録したディスクをセットすればミュウが見つかるかもって事」

 

「へぇ〜……手先器用なんだね」

 

「まぁ人並みにはね♡」

「あ、東南の方に反応アリだわ。ロケット団の奴らを出し抜きに行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 またまた所変わってタマムシシティ郊外にて……

 

 何も無い殺風景なところまでやって来た。ホントに居るのかよ……こんなところにさぁ?

 半信半疑なのも当たり前だ。少女が自作した道具……信憑性も安全性も、正確性も分からない道具に頼れるかって言われると考えてしまう

 

「この辺りのはずなんだけどねー……」

 

 そういえば、ロケット団の奴らはミュウからミュウツーを作り出すって言ってたな。じゃあブルーは何のためにミュウを一生懸命に探しているのだろうか。

 ……ちょっと気になる

 

「ねぇ、ロケット団の奴らはミュウを使って別のポケモン生み出そうとしているみたいだけど、ブルーは何のために探してるの?」

 

「そりゃ決まってるでしょ?お金よ。オ•カ•ネ♡」

 

「えぇ!?お、お金!?」

 

 ああ……うん。研究とかしなさそうだし、珍しいからお金にもなるわな。ごめん、僕の質問がバカすぎたね。考えれば分かるようなことじゃんか

 

「あら、じゃあ……あなた達は現在確認されているポケモンが何種類だか知ってるかしら?」

 

「そんなの知ってらい!150種類だろ!?」

 

「レッド……甘いね。151種類だよ」

 

「うふふ、そうよ。151番目のポケモン……それがミュウよ。世界中のブリーダーが手に入れたがっているわ。上手く捕まえられれば高く売れるわよ〜!」

 

「あぁ……成程ね……」

 

 僕とレッドが呆れ顔をしていると、ビュンっと不自然な風が吹く。また吹き、強い風になる。

 だが普通の風とは、違う何かが混じっているのを肌で感じる。

 

「まさかこれが、“サイコキネシス”による空気の乱れ……」

 

「あ!あそこ!ミュウよ!」

 

「アレが本物の……」

 

「何ボーっとしてるのよ!早く捕まえなくちゃ!」

 

 ブルーは急いでカメールを、レッドはフシギソウを出して戦闘態勢に入る。

 ……一筋縄ではいかないと思うけどにゃぁ。

 なんせ相手は幻のポケモンだ。今までも逃げるようにしながら知恵を付けてきたのだろう。

 あえて僕はポケモンを出せずに静かに見守る。

 2人を気にせずビュンビュンと飛びまわるミュウ。ハナダジム戦の“こうそくいどう”4段階詰みの時みたいな速さだ。ずっと見てると酔って吐きそうまである

 

「……それにしたって聞いていた以上にスピードが速いな……うげ、気持ち悪っ」

 

「……速いやつを捕まえるなら俺のフッシー(フシギソウ)のツルがもってこいだけど、位置が分かんねぇ……!」

 

「わかったわ!カメちゃん、“ハイドロポンプ”で起動を分かりやすく!」

 

「うおりゃあああ!“つるのムチ”っ!!」

 

 小柄なミュウの体はフシギソウのつるでガッチリと固定される。よく考えるなぁホントに。後はボールを投げるだけだが、背後から何かが降ってくる気配を察知する

 

「あ、捕まっ────危ない!避けろ!」

 

「うわっ!」  「きゃ!」

 

 大岩が降ってきたようだ。当たったらひとたまりもないがまぁ人工的に飛ばされたと容易く分かるし、犯人だってノコノコと現れるものだ

 

「貴様らぁ……よくも騙してくれたな!?」

 

「想定より来るの遅かったけど、執着はブーバー並みなんだねあんたら」

 

 さっき、アホみたいにニセのミュウを追いかけ回していたロケット団員達がメタモンを握りしめながらはるばる追ってきた。しつこいなぁ……。ちなみにブーバーというポケモンは、野生だと“やられた相手を執念深く追う”という説明もある。父から教わったのだが

 

「あっちゃぁ……バレた!ミュウが逃げちゃう!」

 

「やれ!ルージェラ、“サイケこうせん”!」

 

「ライ!“エレキボール”で打ち消し!」

 

 悪技が使えたのならこんなまわりくどい事をしなくても一撃で倒せるのだが、生憎カントーには〘あくタイプ〙のポケモンはいない。

 僕が止めている間に、レッドがブルーの前に立つ

 おー男見せろ〜レッド〜

 

「くそ!ここは俺とレモンさんで食い止める!君はミュウを持って逃げろ! 」

「奴らにミュウを渡しちまったら……恐ろしい怪物の材料にされるぞ!早く!」

 

「う、うん!」

 

 うん?なんか、僕まで食い止める役になったんだけど?

 ははは……笑っちゃうね。一捻りする程の相手でもなさそうだ。今のところ強かったのはエスパーおじょーさんだし

 

「させるか!ルージェラ!“サイコウェーブ”!」

 

「カゲカゲ!対抗して“ちょうおんぱ”!!ってうるさ!!」

 

 打ち消そうとしたが、“サイコウェーブ”から放たれる念力が脳にまで響き、頭が割れそうなほど痛いしうるさい。

 その間にミュウがつるをちぎって逃げ出していく

 

「あ、ミュウが!」

 

「勝った!ミュウツーが完成し、最強の力が手に入る!フハハハハ!」

 

 ルージェラの手によってミュウが捕まってしまうのだけは防ぎたい

 あそこで取り逃がしてはもう終わりだ

 

「くっ、間に合ってくれニョロ(ニョロボン)!」

 

「行けっかな……!ロココ!“かえんほうしゃ”!!」

 

 ニョロボンとルージェラがぶつかり合うが、相手が出した技が“れいとうパンチ”だったのだろう。ニョロボンが氷漬けにされてしまう。一方ロコンも風で吹き飛ばされ、見事に手の中におさまってしまった。

 しかし、ミュウが何かを感じ取ったのか、ロケット団員とルージェラへ見たこともないような技を放つ。

 相手はそのまま倒れ動かなくなり、ミュウはコチラを向いた後、去っていってしまった

 

「ミュウ……行っちゃった……」

 

「お、おい……元気出せよ。とられなかっただけマシだろ?」

 

「うふふふ……撮影大成功!『タマムシの上空に幻のポケモン現る!』高く売れるわよ!」

 

「あ、いつの間に!俺が戦ってる間に……!」

 

 僕たちが戦っている間にミュウを撮っていたようだった。……高く売れるなら良いですけどね……。

 レッドがブルーにいちゃもんをつけている間に、ブルーはプリンを膨らませ、ふわふわと浮いていく。

 僕は、伸びている団員を近くの電柱に縛り付け、パッパと手をはらう。

 

「さぁ、買い手探しに行かなくっちゃ!じゃーねー!」

 

 律儀に手を振って、ブルーは去っていった。破天荒だったけど、手先も知能もある有能なトレーナーだった。

 戦い方が面白かったな……

 

「まぁまぁ……落ち着けレッド。バッジ返してもらえた?」

 

「あ、返してもらえたみたいだ」

 

 レッドがポッケに手を突っ込めばチャリンという金属がぶつかる音が鳴る。よかった……ひとまず騒動は一旦解決か。

 そしてまた新しい騒動がタマムシシティで起こるなど今の僕は知らない。

 

 

「んでさ、これからどうする?僕はジム戦に行こうかなーと」

 

「じゃ、俺は───サイクリングロードにでも行こうかな。自転車乗りたい!」

 

「自転車かー……いいじゃん。またしばらく会わないかも知れんけど、レッドは騙されないようにね」

 

「あーもう!分かってるって」

 

 しばらく身内ネタになりそうだ。ま、どうせ薄れていくんだろうけどさ。サイクリングロードって、確かイブの故郷だよな……今度連れて行ってあげよう

 行きたい方向へくるりと向き、手を振る。

 

「「じゃ」」

 

「くくく……息ピッタリかよ」

 

 タイミングもバッチリで、少し笑ってしまった。

 さて……僕はタマムシの中心部に行ってジムバトルでもしましょうかね。

 うーん……と伸びをすれば、またもガタガタとボールが震える。ブルーと会ってからコレまでにないほど不機嫌だったライだ。出したら出したで、ピカチュウがしてはいけないような不機嫌顔でこちらを見ている

 

「なー……?もしかして、僕に対して怒ってる?」

 

『別に……?ちょっと別派閥が気に食……『あーー!そういえばジムリーダーの人美人だってママから聞いたことあるよ!!早く行こうよ!』…………はぁ』

 

 ライの話していた内容をイブが遮って話は中断される。

 え、なになに……すごく気になるんですけどー?そこまでして話したくない内容だったのかなー?

 ニコニコして眺めていれば今度はイブが嫌そうな顔をする。あ、深堀してほしくないのね

 

「ごめんって。じゃ、お望みどーりのジム戦行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみませーん、ジム戦しにきましたー。関係者の方はいらっしゃいますかー?」

 

 ジム前に行って声をかけてみるが、一向に返事がない。よくよく見たら張り紙があり、そこには

『ジムリーダーエリカはバカンスに行っており不在です。お帰りになるまでお待ち下さい。  関係者一同より』

 という内容が書かれていた。

 

「なーんだ……お休みなのか……。いつまでか分からんし困ったな」

 

 正直な話、早くタマムシシティから離れたかった。既にロケット団に身バレしているし、アジトも割と近い。

 いつ、イブやカゲカゲ、ラプタが狙われるか分からないのでセキチクシティの方まで逃げたかったのだがどうも予定は上手くいかないようだ

 

 

「しゃーない。帰ってくるまでホテル待機と色違い研究するしかないね……。ロケット団が来たらひねろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして4日後……

 

 

 

「全ッ然進展しねーし!ロケット団すら居ない!クソ暇!」

 

 ホテルに宿泊し、4日経った。ちょいちょい出掛けてはジムを見ているがジムリーダーは帰って来ていないようだ

 そろぼちホテルにずっと居るのは金銭的にも問題があるし、何よりご迷惑だろう。……出るか

 

「まぁ、どうせ居ないんだろうし、博士に連絡でもするっきゃないかな~」

 

 ホテルをチェックアウトして、タマムシシティから少し離れた場所にあるサイクリングロード付近のポケモンセンターへ足を踏み入れる。博士起きてるといいな〜

 

「パソコンは~っと……」

 

「まいったぜ……こんな時に限って博士はいねーし……とにかく姿も特徴も分から無いんじゃきついなぁ。今日中の約束なのに情報が無い……」

 

 よく聞き覚えのある声。約5日前に聞いたきり聞いていないその声の主は…………

 

「うん?あ、レッドじゃんか!久しぶり。何探してんの」

 

「お、レモンさんだ。エリカっていうお嬢様に指示したポケモンを捕まえてきて欲しいって言われたんだよ……そうしたら勝負してくれてもいいって言われて……」

 

 へぇ、帰ってきてたのか……エリカお嬢様は。

 ジム行っておけばよかったなー。入れ違い起きちゃったのか……めんどくせーなぁ

 

「ふーん……どんなポケモン?」

 

「“イーブイ”ってポケモンなんだけどさー見た目も特徴もわからなくってよ……」

 

「それってこんなポケモン?」

 

 ポンとボールから真っ白いふわふわのポケモン────

 “イブ”を出す。

 ま、人目につくところであんまり出したくないんですけどねー。困ってるライバルの為に、いっちょ助けてあげますか

 

「え、そいつがイーブイなのか……?白くて綺麗だなー」

 

「んや、ウチのイブは色違い。通常色は茶色だよ」

 

 ま、曰く付き……訳ありの白だけどね。いつの間にかなってたとか言うし。

 とまあ、苦笑いをしていれば、後ろの端末から聞き馴染みのコガネ弁が聞こえる

 

『せやせや!レモンのイーブイは色違いで……』

 

「あー!マサキ、ちょうど良かった。今レッドがイーブイ探してるらしくてさ、急なんだけどサイクリングロード……17番道路付近に来れる?」

 

『なんや、えらい急やな……。ま、ひこうポケモンでひとっ飛びの距離や。すーぐ行ったるで!』

 

「よろしく〜」

 

 マサキに会うや否や半ば強引に要件を言ったし、弾丸スピードで協力要請と呼びつけをしてしまったが、マサキならまぁ…………すぐに来てくれるでしょ

 あの人優しいし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──はー来たで。それにしたってレッド、エライ条件出されたなぁ」

 

 持ってきた端末に何かをカタカタと打ち込み、イーブイの画像を検出させる。あー、これが通常色か。イブに見慣れすぎて茶色のイーブイなんて久しぶりに見た

 

「コイツが通常色のイーブイや。姿が分かればこっちのもんやな」「とりあえず研究仲間に送るんや!『ここで見た』っちゅー奴がおるかもしれんやろ?片っ端からやったるで!」

 

「「おーーー!」」

 

 ってなんか協力する流れになってる……なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同刻、タマムシシティジム

 

 

 

「お嬢様、どのようなおつもりですか?イーブイは我らの計画の重要事項です。あんな子供を使って……計画がバレたら……ってお嬢様!」

 

「…………。覇!!」

 

 弓道をしていた、お嬢様と呼ばれる女性はラフレシアに“はなびらのまい”の指示を突如出す。技は女性の服を掠め、後ろのスリープに当たる

 

「ヒィ!」

 

「つけられていたようですね。お気をつけなさい」

 

(一刻も早くイーブイを…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

「データで割り出したんはこの辺りや!」

 

「町中じゃん……あんまり居たくないなぁ」

 

 なんで!!町中に行かなきゃいけねーんだよ!バーロー!

 サイクリングロードが近いとはいえ、ロケット団の隊員がうろいついているだろうし!正直言ってホントに嫌だな

 

「本当にいるのかよ。……でも、ともかく探すしかないかぁ」

 

「フフフ……実を言うとな、さっき有力な情報手に入れてん!火ぃ吐くとこ見たってやつがおんねん」

 

「ほのおポケモンってことかよ!?」

 

 炎……?イーブイが炎を吐いたのか?イーブイは炎タイプの技を覚えたか?いや……そんなの

 

「え、嘘だ!イーブイは〘ほのおタイプ〙の技を覚えないハズだ!見間違いだろ!?

(それか“めざめるパワー”か……?)」

 

「ホンマかいな。まー、ワイの発明したポケモンのエネルギーを判別する装置で、タイプなんかイチコロやで!」

 

「うさんくせー。ま、そのタイプのポケモンが出たとしても、相性不利の技だしてくることあるしなぁ」

 

 ポケモンの思考はそのポケモンにしか分からない。いつ何を出すのか読むのは非常に難しい。ある一種の賭けみたいなものだが

 良い例として、ピカチュウは〘でんきタイプ〙だが“あなをほる”や“かわらわり”を覚えるという次第だ。

 

「お、この辺〘でんきタイプ〙はおるみたいやな。とりま〘みずタイプ〙のポケモン用意しとけや。イーブイちゃーん、出っておいで〜」

 

 マサキが信憑性の低いマシンにうつつを抜かしている間に、写真で見た影のようなものが横切る。あのシルエットは間違いなくイーブイだ

 

「うわ!あ、あれ!」

 

「何言うてんねん!炎のエネルギー反応なんてあらへんて!」

 

 なんで信じない!?居たっていったじゃん!

 これはー……流石にイライラする。早く離れたいのに!

 

「あーもうじれったいな!機械じゃなくて目で見てみろっつーの!いけ!イブ“スピードスター”!」

 

「いけ!クラ!」

 

 炎として対策していたのであろうクラブがサンダースに変化したイーブイの電撃に見舞われる

 イブは避けた為か“スピードスター”は的外れの方向へ飛んでいく

 

「わととと……クラブが倒されたって事は電気だな」

 

「なら……地面だ!頼むぞディグ!“あなをほる”!」

 

「水……!相性不利だ!引っ込めろ!」

 

 しかし次はシャワーズになり、大量の水を吐いてくる。

 瞬時に対応はできないため、ディグダも戦闘不能になってしまう

 い……忙しい!状況判断も大変だ

 でもちょっと姿が変わるのにほんの一瞬だがラグがある。ここで畳み掛ければ良いのだがそうはいかない

 

「な、どうなってんだよ!とにかく戦うしかないみたいだな!フッシー!」

 

「炎!相性不利!ロココ打ち消せ!“かえんほうしゃ”!」

 

 ブースターに変化したイーブイが放った“かえんほうしゃ”を打ち消すようにしたことで逆に炎が広がってしまった。

 申し訳ねー……

 

「あっつ!」

 

「分かったで!ワイははじめ、情報がガセかマシンの不具合やと思うた。でもどっちもちゃうかった!こいつ、炎•水•電気3つのエネルギーを持っとるんや!」

 

 うん……?確か……ロケット団アジトで見たのもこんな感じのやつだった気がする。まさか

 

「……!アジトで見た資料のイーブイってコイツだったのか!

 ってあっぶね!」

 

 ブースターに変化したイーブイは容赦なく炎を吐いてこちらを攻撃してくる。

 もしかしたら……イブの兄弟かもしれない。一刻も早く助けなければ

 ……違和感がある。すぐ変わればいいものを何でわざわざラグを作るんだ?

 観察していれば微かに耳が動いた後に変わっている。なるほど?

 

「……耳だ!耳で探ってコッチが出すポケモンの苦手なタイプに変身している!フッシー、コイツの耳を防ぐんだ!」

 

 フシギソウが飛ばした葉がイーブイの耳を塞ぐ。

 

「今だ!ソーラービーム!」

 

 方向が掴めなくなったイーブイに“ソーラービーム”が直撃し、戦闘不能になる

 

「おー凄いねぇ」

 

 僕がぱちぱちと手を叩いていると、イーブイが水を吐き、首周りの毛からは炎が出て、尻尾からは電撃が起こる。

 明らかに様子が変だ。しかも弱りきっている

 

「……様子がおかしい。見せて」

「このイーブイ、耳に何か付いてる……」

 

 小型チップのようなものが耳に装着されていた。人工的に作られたものだろう。外したいところだが、素人が触って一大事になったら元も子もない。

 イブを見てみれば青ざめた顔をしていた。そりゃそうだよね、兄弟がこんな姿になってしまっているのだから

 

「この超特殊能力……最初から備わっていた訳でも無いみたいやで」

 

「っ……!行くぞレモンさん!」

 

 レッドに腕を掴まれ、引きずられる形で走り出す

 

「え、うわ!ちょ!何処に……」

 

「オレに……コイツを捜せと言ったあのお嬢様のところだよ!何か知ってるに違いねーだろ!」

 

「うそーん……巻き込まれー?だからさ〜僕、町中行きたくねぇんだけど!」

 

 

 

 

場所は変わってタマムシジム。

 

ただいまジムリーダーエリカのもとへカチコミ中だ

 

 

「おい!お嬢様とやら!出てこい!」

 

「おじゃましまーす……ってなんかガランとしてるなぁ……カスミとかと比べたら殺風景ってか」

 

 あるのは回復マシンとポケモンを戦わせるための舞台のみ。結構質素だ

 

「とにかくお嬢様よりもイーブイを回復マシンに入れな!」

「ん?な……何やこれ!イーブイ改造計画!?」

 

「改造だって!?」

 

「やっぱりか。たしか中身は『イーブイは3種類に進化する可能性のある珍しいポケモン。仮にこのイーブイを3つの進化系に自由に変身できるように改造できるなら───』」

 

「『おそらく相当な戦力になることだろう』」

 

 突如聞こえた女性の声。おしとやかでおっとりしている声だ

 この人がエリカだろう。

 ん?待てよ?回復マシンがあるここにわざわざ来させたって事は…………。なるほどねぇ

 

「……お前!」

 

「約束通りの捕獲、お見事ですわ。そうそう、このバッジをかけた勝負がご希望でしたわね。お相手いたし……」

 

「ふざけんな!改造したポケモンに逃げられてオレに捜させたんだろ!それが最初から目的だったんだな!そんなバッジいるもんか!」

 

「おい、レッド言い掛かりは……」

 

 レッドがいくら噛み付いてもエリカはニコニコと笑うだけ。

 よ、世の中の女性ってみんなこうだったりするのか……?うひょー怖え〜

 

「うふふ、さぁどうぞ。あなたもあがってらっしゃいな」

 

 舞台に上がることを勧められたが、ちょっと今日はコンディションが悪い。ライもイライラしてるしねぇ。テキトーな口実でもつけるか。ま!事実だし!

 

「僕は遠慮しておきますね。レディを2対1でボコボコにする気は無いのでね」

 

 レッドだけが戦うことになり、トリプルバトルが始まる。現状ニョロボンのみが相性不利だろう。

 相手はマダツボミ、モンジャラ、ラフレシアか。

 ……正直言って申し訳ないのだがマダツボミで何が出来るんだ?

 

「では出したポケモンは3対3……いいでしょう。いざ勝負!」

 

 開始の声と共に伸びてきたモンジャラのつるをフシギソウが受け止めるが、押し切ろうとして投げ飛ばされ戦闘不能になってしまった。

 この人、見かけによらず強い。

 レッドはすぐにニョロボンに交代し、エリカはマダツボミを出す。

 

「いけ!“おうふくビンタ”!」

「よし、とどめだ!」

 

 ニョロボンの強いビンタで、マダツボミの顔が腫れて赤くなっている。もう戦闘不能になるだろうと誰もが思うだろう。しかし

 

「お返ししなさい!」

 

 “おうふくビンタ”がニョロボンに跳ね返ってくる

 

「“ものまね”か。相手の技をコピーする技。強力な攻撃ほど返ってくる……」

 

「解説してないでさ!レモンさんも……」

 

「いや、レディに危害は加えたくないんでね。しかも、上がらないって言っちゃったし」

 

 いや、危害加えたくないのはそうだけど今日はガチで調子が悪いからパス。

 断られた事にレッドはしょぼんとしたあと、ピカチュウを出して応戦する。

 

「頼むぞ、ピカ!」

 

「では、こちらも……ラフレシア!“はなびらのまい”!」

 

 ピカは華麗に避け、攻撃に転じようとする

 

「最後の一匹はマシなようですわね。ではこれはいかがでしょうか……“つるぎのまい”!」

 

「攻撃力を瞬時に上げて“はなびらのまい”を……。策士だ」

 

 この戦い方は凄い。しっかり攻撃力を上げてから高威力技でトドメを刺す。初歩的なバトルの応用だ

 

「あら、最初の勢いはどちらへ?」

力量(レベル)を上げてまた挑戦しにいらっしゃいな。あのイーブイを捕獲していただいた貴方なら今度は無条件で勝負してもよろしくてよ」

 

「くそ……そうだイーブイ!」

 

 回復マシンをみてみればハァハァ……と息苦しく今にも息絶えそうだ。無理をしてきたのだろう。下手に僕が助けるために触れても、命は無いだろう。レッドでも勝てない相手いるのか

 

「あら、あの子も瀕死が近いようですわね。まったく実験動物とは虚しいものですわ」

「いっそのこと最後くらいラクにしてあげましょう。今このカプセルを開ければ完全に息絶えますわ」

 

「アイツ……実験の道具にされて、失敗したから殺されるのか……?ダメだ!俺が諦めたらアイツみたいに苦しむポケモンが増えちまう!」

「ピカ!!!!!!」

 

 ピカは残りのHPを削って“みがわり”を作り出す。一か八かの大勝負って訳ね。見せてもらおうじゃん、その大勝負

 

「フフフ……最後の賭けというわけですか。よろしいですわ……でも勝つのはこちら!」

 

 多分“こうそくスピン”だろう。攻撃力も上がっているため、“みがわり”は簡単に剥がれてしまう

 

「……“みがわり”。か……自分の最大HPの1/4を消費して分身を作り出す技……ダメだったのか?」

 

「いや、これでいい!“みがわり”を戦わせている間に本体がマシンの方に行けたからな!カプセルは開けさせねぇぞ!」

 

 おー、考えたなと関心しているとエリカがピカへ近寄り、優しく撫でる。ほら、やっぱり思った通りだった

 

「最後のHPを戦うより、守るために使うなんて優しい子。今回復スイッチを入れましたよ。もうこの子は大丈夫」

 

「え?」

 

「な……なんや?」

 

「イーブイを保護するために呼んだ。そしてロケット団に対抗できる人材が欲しかった。ただそれだけだと思うけどね」

 

「やっぱり噂通りのトレーナーですわ。マサラタウンのレッド。そして、私の作戦を瞬時に見抜いたレモン」

「試したりしてごめんなさい。あなた達の事はタケシやカスミから聞いていました」

 

「……そのイーブイやっぱりロケット団のですよね」

 

「ええ。数カ月にこの資料を入手し、逃げ出した実験体のことを知りました。……無事に保護できて良かった」

「彼らに対抗するべく、科学力と戦力を調べることと、あなた達のような強く、優しい心を持ったトレーナーに会う必要がありました」

 

 なるほど……それで僕らを試したと。それで証明されたってわけね。

 ほんで協力してほしいと……。

 

「わかった。協力するぜ。もちろんレモンさんも」

 

「ま、もともとジム戦に来たしそのイーブイについても元から知ってた。協力はするつもりだよ」

 

 ロケット団の被害がここまで及んだとなると、あとどれくらいのポケモンがあんな目に遭うか分からない。陰謀を……止めなければならない

 

「ありがとうございます。さぁ、紹介しますわ!ロケット団に対抗するべく私が組織したタマムシの親衛隊の方々です」

「あ、それと……レモンさん。あなたには後日ジム戦を受けていただきます。実力を証明していただいていないので……まぁ見て分かりますが。明日ジム戦にしますか?」

 

「はは……照れますね。いえ、数日後でお願いします。まだ本調子じゃなくて」

 

 良いなレッドはー……レインボーバッジ貰えてさぁ〜〜。僕も手伝ったやーん

 

「あら、そうですか。みなさんお疲れでしょう?こちらで休んで行ってくださいな」

 

「ではお言葉に甘えて……よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、カントーの中心都市が危機にさらされる事なんて、今の僕は更々知らないことだろう

 

 

 

 




どもこんです。闇猫ですわ

最近投稿お休みしててすみません!リアルが忙しかったんすよ!


じ…実を言うとめっちゃコナン見てました。アニメもそうだし映画も。

好きなコナンの映画は紺青の拳とゼロの執行人、緋色の弾丸、100万ドルの五稜星です

キッドや安室さん、赤井さんが好きだったりするんです闇猫は
1番好きなのは工藤です。少ししか出ないんですけど、その中に魅力が詰まってると思います


ポケスペの話全くしない後書きとは何でしょう!! 

あ、先日、3/3までのアンケートを〆させていただきました
投票くださったみなさんありがとう御座いました!
そしてイエローハピバ!そろそろ出してあげたいね!

今回は手持ち紹介無し! 


ばいねこです!
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