SPECIALな旅でもなくたって   作:闇音猫

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クチバはオレンジ 夕焼けの色

 

 

 

「……ってわけ。まーロケット団の誰かが犯人だって事はわかったし、別に気にしてもない」

「3幹部って言ってたからエスパーおジョーさんと、オツキミ山に居た忍者コスのオッサンとあと1人」

 

 ナツメはヤマブキのジムリーダーだし、ほかの2人もそうなのかもしれない。

 あとは……タマムシシティと、セキチクシティと、クチバシティ、トキワシティ、グレンタウンにジムがある。この中にロケット団の3幹部が紛れているのだ。

 だけど、候補が多すぎて絞りきれる訳がねぇ。

 

「そっか。てか、レモンさんのその話し方めっちゃ安心する……。だからマサキの時も、ジム戦のときも消極的だったんだ」

 

「あっはは……ごめん。しかも話も聞いてもらって、面会にも付き合わせて」

「でもね、いい話もあるよ。じゃーん!」

 

 僕はポケットから金色のバッジを取り出す

 

「あー!それ、ジムバッジ!」

 

「そう!“ゴールドバッジ”!ナツメが退散した時に落としていったものをパクっ……拾ったんだよ。ま、ケガしたけど僕の勝ちでしょ」

 

 そんな泥棒みたいなことしてないし!バトルに勝ったから拾ったっていうかもらっただけだしぃ〜〜よくあるって!

 

「25番、レモン様ー。面会の準備ができました」

 

 言い訳を繰り広げているうちに自分の面会番号が呼ばれ、受付で諸々受け取る。

 

「よし、行こっか」

 

 病院の廊下を早歩きで歩く。

 何でそんなに早歩きになるほど急いでるかって?

よくぞお聞きになりました!今日!豪華客船『サントアンヌ号』が停泊するから!

 いや〜久しぶりにみたいな〜と思ってね。停泊時間には港に行きたいから急いでいるのだよ!わかったかい!?

 廊下にはラッキーやナース達が忙しなく行き来している

 

「わ、ラッキーがいっぱい!」

 

「よく病院にいるよね〜卵が栄養満点なんだってさ。……あったあった。1302号室」

 

 コンコンッと扉を叩けば「はーい。どうぞ」と若い女性の声が聞こえる。

 

「母さん、久しぶり。これ、お見舞いのニビあられ。忙しくてなかなか来れなくてごめん」

 

 この人が僕の母さん。名をアセビ。説明した通り、ポケモンと人間の医者だ。ラッキーとケーシィを連れている

 

「あら、良いのよ。レモン──と、そちらの男の子は?」

 

「えっと、マサラタウンのレッドです。レモンさんの友達の」

 

「よかったわぁ……レモンもお友達ができたのね」

「セチアお父さんの情報は何か見つかった?」

 

 ……失礼な話だ。確かにそんなに友達いなかったけどさぁ?そこまで言わんでいいじゃん?できましたぁ〜レッドが!ま、それはさておき

 

「うん。見つけたし驚いたよ。ロケット団のアジトに危険承知で潜入したら父さんの資料が見つかった。ちょっと進歩したよね。コレ資料」

 

 見つけた3枚の資料を母さんに渡す。レッドも「見せてください」と観覧する。

 コレがアジトにあったのならロケット団は黒で間違いないだろう

 

「なるほど……。コレがアジトにあったなら悪用されてる可能性が高いわね。今後とも気をつけなさいよ?怪我したんでしょう?」

 

 ん???どういうことだ?なんでついさっき会ったことがもう母さんの耳に届いているんだ……

 

「え……何で知ってるの???」

 

「ナースさんが言ってたのよ……病院近くでポケモンと人に支えられながらフラフラ歩いてる人が居て、私のお子さんじゃないかーって」

 

「その節は大変ご迷惑をおかけしました……」

 

「けほ……無茶したらダメなんだから。いくらクチバの力があるからって……」

 

 耳にドククラゲが出来そうな話だ。それ、レッドにもされたばっかりなんだよな……マジで。でも母さんには逆らえない。何せ1番尊敬しているしレモンにとっての唯一の親だ。親不孝になんてなってられないだろう。

 

「うっ……善処します」

 

「それでいいの。ささ、サントアンヌ号を見に行くんでしょう?それなら早く行きなさい。レッドくんもレモンの付き添いありがとうね」

 

「は、はい!どういたしまして!お大事に!」

 

 レッドはびっくりしたように目を丸くしたあと、ペコっとお辞儀をした。母さんは職業柄、人がやろうとしている事が何となく分かるのだ。まぁ、“平均よりも睡眠をとらない”母さんの特別なケーシィのお陰もあるのだろう。

 チラッと窓の外を見れば遠くにボンヤリとだが、近づいてくる船が見える。

 

「それじゃ行こっか!そろそろ停泊時間だよ!母さんまた来るわ!」

 

「はーい。廊下は走らないのよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「驚いた……アセビさんって何者……?」

 

「うん?ただのお医者さんだよ。ケーシィ連れてるからエスパーで分かるのかもね。脅かせたのは申し訳ないと思ってる。てか、見てあれ!」

 

 港に着けば、一際大きい船が停まっている。あれがサントアンヌ号……!小さい頃に見たけどやっぱりでっけぇーー!

 豪華客船って話だけど、今は積み荷の船になっているっぽいもったいなくね……?

 

「荷物の積み下ろししてるみたいだから中には入れ───レッド!?」

 

「バレなきゃ大丈夫だって!失礼しまーすっ!」

 

 リスクも感じず、ヒョイッと船内に入っていく。

 はぁ……こういうの絶対やばいから、やっぱり安全牌は欲しいよね。いつもの僕のお役目なのだが、何かあったら責任負わされるのは僕だろう。そういうの本当に嫌いなんだよな

 

「ポポろう“そらをとぶ”」

 

 ポンとピジョットを出せば分かってくれたのか、ぴぃーーーっと僕を背中に乗せて飛ぶ。いざとなったらレッドを足で掴んでもらおうと思ってる。野蛮?いや……自分で船内入ったんだから文句言えないだろ

 

「はぁ……。ホントに無茶するんだから……ってムチャしてる僕が言えないか────ん?」

 

 カタカタとレオのボールが揺れる。続いてスピピのボールも揺れる。

 

「何?どうしたの……?」

 

 クチバの力の使い時。こういう時に使っとかないと無駄にしちゃう。別に有限じゃねぇけどさぁ?大事なことを見逃す可能性もあるわけだし、使っていたほうがいいっていうかなんというか……

 

「『荷物にポケモンがいる。奪われたやつ』……?」

「『10体くらいいるの』……か」

 

 聞き取ってみた結果がコレだ。うーん……そう言われてもバレそーだねぇ。なんかバレずにやる方法……あ、この技ならイケるんじゃね!?僕が面白そうと思って覚えた技だ

 

「ユンゲラー“トリック”。イブは“ものまね”で真似!」

 

 空のモンスターボールとポケモンが入ったボールを入れ替える。こういうの楽しいよね。

 ナツメの戦い方が面白かったからユンゲラーで何かできないかと連れていたのだ。役立ってよかった……。

 交換されたポケモンはまた襲われるのではないかと、ガタガタと震えたり、縮こまったりしていた。

 ライ(ピカチュウ)がそうだったから、手に取るように気持ちがわかる。

 

「落ち着いて。大丈夫だよ。僕はあんな悪党とは違うからね。持ち主へ返してあげる」

 

 ポケモンたちに伝わったのか、震えていたポケモンたちは静かになった。

 すべてのボールを回収し終えた後、「うわあああ!」と声が響く。船内だ。

 ……ほらね?やっぱり保険かけといてよかった。

 僕はピジョットに立て続けに指示を出す

 

「ポポろう、急降下だ。レッドを助けに行く。あと、降ろしたらポポろうは盗まれたポケモンのボールを預かっててくれ」

 

 僕はすぐさまポポろうから降り、サントアンヌ号船内に乗り込む。

 突如、白い光が見えた。電気技か……?しかも水面にフシギダネ

 あぁなるほど?レッドは裏から侵入したのか。服濡れてるんだろうな……乾かしてあげよう

 

「あ、よいしょっと……たしかここから光が……」

 

 じっとドアの窓を覗けば、レッドが大勢の人間に集られていた。

 

「エレブーか……。強そー。地面技で倒せそうなんだけど」

 

 ドンッ!と船内で何かが割れる音が響く。木の板だろうか。

 こんなのが何回も続いたら、豪華客船ごとお陀仏でちゃんちゃんになってしまう

 

「今だ!ニョロゾ!」

 

 レッドの声に合わせて、あの部屋で白煙が起こる

 多分水を使ってなんかしたんだろう。は?分かるわけないだろ!暗いんだから!

 

「危なかったぜ……。よくやったぞ、ニョロゾ!昔もよく逃げたっけな」

 

「あ、レッド。大丈夫?ニョロゾのHP回復してあげるよ」

 

 ちょうど逃げきったレッドを見かけたので、音を立てないように近寄ってきずぐすりで回復してあげる。あとはお得意の治療で。

 僕は人間の回復しかできないからね。

 どうやらレッドは僕がボール回収をしている間に、1回バレてもう1回侵入し直したらしい。

 

「うーん、この辺やけにコイルが多いな……。あっちにもいる」

 

 ……おかしい。船内をこんなにも沢山彷徨いていることなんてあるのか?近くに住処があるならまだしも、コイツらが集ったら強力な電撃が起こる

 まさか、罠───

 

「レッド!ハメられてる───って居ない!」

 

「居たぞ!侵入者だ!」

 

「ちっ……構ってる暇ねぇんだよ!」

 

 案の定船員にバレて、敵対認識される。あちらはコイルとビリリダマを繰り出し、戦闘態勢に移る

 〘でんきタイプ〙が弱いのは〘じめんタイプ〙のみ。地面技を持つやつなんて手持ちには居ない。……ゴリ押しか。

 僕は船員に向かってボールを投げ、とっさの指示をする

 

「ライ、“フラッシュ”! ロココ“あやしいひかり”!」

 

 ピカチュウが“フラッシュ”をして目眩まし。光りすぎて訳が分からないところへ“あやしいひかり”を入れることで自動的に混乱にできる。独学で編み出した一応実用性が高い組み合わせ技だ。

 食らった船員はギャアギャアと騒ぎ、コチラに構っている暇なんて無さそうだ

 

「争うなら身内で争っとけよ!くそ……レッド!」

 

 ハシゴを登って目撃したのはニョロゾが海へ落とされる瞬間。そしてレッドがレアコイル達が作った電気の檻に閉じ込められているところだ。

 レアコイルであんな事も出来んのかよ……ポケモンすげぇな……ってそうじゃない。レッドを助けなきゃ

 

「…………うちの好敵手(ライバル)に何してくれてるわけっすかね。“クチバジムリーダーマチス”さん?」

 

 クチバシティのジムリーダーがなんでこんな事をしているのか知らないが、とにかく悪事だってことは目を見開かんでもよーくわかる。というかポケモンを他人から奪っている時点でゴースと同じくらい真っ黒だ。

 続いて、僕はいちゃもんをつけられる

 

「お前は……あぁ、ガキの頃有名だったな」

「クチバで負け無し。付いた称号が“クチバシティのレモン”。俺はお前が気に入らねぇんだよ」

 

「うんうん。そんな話もありましたね。そのことより少年を離してから、いちゃもんつけてもらって良いですか」

 

 こっちだって、テメーに自分の二つ名が知られているのが気に食わないんだよな……。お前だけが気に食わないワケ無いだろうが。

 

「ふん。無理な話だ。我々をコソコソ嗅ぎ回る奴はどうなるか教えてやらんとならねぇからなぁ!“10万ボルト”!」

 

 エレブーが放った“10万ボルト”がレッドに直撃する。彼のピカチュウが懐いていない頃に放った電圧より強い。

 レッドはニョロゾと同じように海に落とされる。傷口に塩水はよく滲みる。一刻も早く助けないとならない

 

「酷いな……大人がガキにする行為じゃねぇ。スピピ、レッドを追え」

 

 すぐさま僕の脳は敵対認識をし、またも口調が悪くなる。このワルみたいな癖本当に止めたい。どっちが悪者だか分からん

 あの距離じゃ治療はできない。スピアーはレッドが落ちたであろう所を確認しに行く。

 その間に僕はボキボキと指を鳴らす。肉弾戦するわけじゃないんすけどね。ほら……あれ……威嚇威嚇。

 

「二つ名……クチバシティのレモンかぁ……久しぶりに聞いたよ。それ。あ、そうだ、ちなみに驚く話してやるよ」

「お前らが盗んだポケモンはうちのピジョットが回収したからもう全部中身が空のモンスターボールだぜ!」

 

「あぁ……?んだと……?お前もあのガキのようにしねぇとならないみたいだな!やれ、エレブー!“10万ボルト”!」

 

 ……どうする?僕も一応ここでお陀仏になる訳にはいかないし、だからといって〘じめんタイプ〙のポケモンの技があるわけでもない。こうなったら……!

 

「ロココ!“だいもんじ”!」  

 

 ロコンが技を繰り出そうとした時だった。ザパァッ!と海から何かが飛び出す。水飛沫がかかり、ヒンヤリする。海なんてしばらく行ってないなー……じゃなくて!

 

「ニョロゾ……じゃない!ニョロボン!進化したんだ!」

 

 現れたのはニョロゾ……ではなく、どういう理屈か知らないが、進化したニョロボンだった。ニョロゾは水の石でしか進化しないはずなのだが。

 ニョロボンはぐったりしているレッドを抱えながらコチラにグッドポーズをする

 

「ニョロボン、レッド診るからロココと一緒にバトルしてくれ!」

 

 ニョロボンはすぐに戦闘態勢になり、ロココと会話をしている。

 案外、別のトレーナーでも言うこと聞くんだな……。流石はレッドと小さい頃から一緒に居ただけある。状況理解も速いし。

 マチスがニョロボンとロココの強さに圧倒されているうちに僕はレッドを診る

 

「脈は正常……痺れている様子もなし……。外傷は……薬塗っときゃ治る。大丈夫、気を失っているだけだよニョロボン──」

 

 ちらっと見てみれば、そこにはもうマチスとエレブーは居なくなっていた。投げ飛ばしたのだろう。海の方からバシャーンッ!と水飛沫が上がる。わーお。キレー

 

「あはは……偉いね。それじゃ、片付いたし降りるぞーって……ひゃ!」

 

 ニョロボンがレッドのついでに僕も一緒に抱えて降ろしてくれた。流石〘かくとうタイプ〙。力量が違う

 紳士すぎんか!?ニョロボン!良いなぁ〜すげーよ。

 僕は降ろしてもらい、ピジョットへ合図する

 

「ありがとうね。ポポろう、ボールプリーズ」

 

 ポポろうは一度旋回した後、僕にボールを渡してくれる。

 レッドもこのタイミングで目が覚める。ねぼすけだな……

 

「はっ……ここは……って!奪われたポケモンは!?」

 

「レッドが船内で絡まれている間に、僕が技使って回収しました〜〜!」

「“トリック”でね。この技は相手の持ち物と自分の持ち物を入れ替える技。コレを奪われたポケモンと空のボールの交換に使ったんだ」

 

「え、スゴ技テクニックすぎる!マジでありがとう!ニョロゾ……じゃなくなってる!?えーっと……コイツは……ニョロボンか!進化してもよろしくな!」

「レモンさん、ポケモンだいすきクラブの人達に返しに行こうぜ!」

 

「え、あの人達と知り合いなの……?」

 

 あの、クチバシティ内最強の癖強集団と知り合いだと言うのか……!?

 話すと長そうだしあんまり関わりたくも無かったんだけど……

 

「ああ。あの人達がポケモン奪われたっていうから、突き止めたんだ」

 

「はーーー。なるほどね?じゃ、コレはレッドが返してあげて。僕はちょっと力使って、眠いからベンチで仮眠とってるよ」

 

 よし……関わらない口実づくりは完璧。

 レッドにボールを渡し、近くのベンチで休もうとした時

 綺麗だが、不協和音にも聞こえる歌声が聴こえ、眠るどころじゃない。頭が活性化される

 

「うわあああっ!?何!?何……ってえー?色違い……。遭遇するの4回目なんだけど……」

 

 レモンがこんなにもイーブイの時のような盛大リアクションをしないのには訳がある。

 オツキミ山探索をしていた際、ついでにポケモンも捕まえていたのだがその過程で色違いのイシツブテを。さらに3番道路でニドラン♀の色違いも捕まえている。

 こうも多々出逢う事になると驚かなくなってくる。今回いたのは色違いのラプラス。コチラに興味津々だ。

 それより珍しいな……ラプラスがクチバまで来るなんて

 

「捕まえてほしいの……?」

 

「『だって君さ、興味深いから』」

 

 とのこと。まぁ、僕には〘みずタイプ〙のポケモンは居ないし……良い機会だ。いい感じの戦力にもなってくれるだろうし

 

「なるほどね。いいよ。旅の仲間はいつだって多いほうが良いしね」

 

 投げればすんなり捕まる。まぁ水上移動のお供になるし、是非使わせていただこう。使える時に使うべきだ

 

「よし……君はサブメンバーだ。名前は“ラプタ”だよ。よろしくね」

 

 出してあげれば嬉しかったのか、また綺麗だが不協和音の歌を歌う。うーん……これじゃ“うたう”じゃなくて“ほろびのうた”では……?

 

「うーん……君は……歌が上手くないんだね。大丈夫。それが武器にだってなるよ」

 

 コンプレックスにもなってそうなラプラスをオブラートに包んで慰めつつ、頭を撫でていると、レッドが走って駆け寄ってくる。

 

「おーい、レモンさーん。終わったよ〜って……ラプラスじゃん!しかも色違いだ!捕まえたの!?」

 

 ね?普通の人ならこういう反応なんだよ。僕がおかしいだけなんだって。遭遇確率が訳わかんない程バグってんの。

 ドゥーユーアンダースタンド?オーケー?

 

「うん、ゲットしたよん。レッドは次、何処行くの?」

 

「この辺りで自転車レースをやるみたいだから参加しようかな〜って」

 

「ほーん……僕はじゃあシオンタウンに向かおうかな。また別れちゃうね」

 

 そうだ……ちょっと気掛かりなことがある。まぁ……何のことかって父の研究資料の件なのだが。

 

「レッドはさ、これまで色違いに遭遇したことがある?」

 

「いや?ないぜ。そんなにいるもんなのか?」

 

「だよね……そもそもそんなにいるわけないんだよ。だってカントーやジョウトでは〘8192分の1〙でしか出ないのに。いくら何でも多すぎるんよ」

 

 これは父から教えてもらった。凄く難しい話なのだが、親と異なる性別で遺伝すると〘64分の1〙と高くなるらしい。

※ポケモンwikiより

 

 そんなに大量発生しているなら、その約63体は何処にいるんだという話になる訳なのだが。

 

「僕はもう4匹目。いくら何でもおかしい。……恐れていたことが起きたってワケ。ロケット団による悪用の可能性が高いんよ」

 

 研究資料を盗まれていて、変なマシンとか作ってあのイーブイの資料のようになっていたのなら、研究者の子供として責任を持って壊さなくてはならない。ラプタの事だってそうだ。

 

「ロケット団かぁ……でも俺何回か遭遇したけどなぁ……」

 

「「うーーん……」」

 

 2人で考え込んでいたって何かが始まるわけがないんだよなぁ……ホントにさ〜〜。

 面倒くさいこと増やしてくれるよね。僕はくるりと向きを変える。行き先変更!ポケモンセンターが先!

 

「博士やマサキに聞きながら、調査してみる。レッドもレース頑張ってね〜。応援してるから!」

 

「おう!シオンタウンで会えたら会おうなー!」

 

 レッドはニョロボンとピカチュウとフシギダネを連れて、11番道路へ向かっていった。

 僕はそのまま背中を見送った後、ため息をついてぽそりと呟く

 

「……それにしても、“クチバシティのレモン”ねぇ……」

「……くだらな」

 

 遠い地方に引っ越した時、自分とポケモンの力の無さを実感していた。

 とある地方の一角の都市だけでの、最強で天才──

 そんな小さいものに喜んでいた自分がバカバカしくて笑えてくる。いつしか誇りに思っていた二つ名が嫌いになっていた

 

「“カントー地方のレモン”ならまだしもなぁ……」

 

 またため息を吐く。なんか、毎回のようにため息吐いてるよね……僕って。

 ため息吐くと幸せ逃げるってよく言うけど、その幸せが逃げてるせいで、ロケット団に絡まれたり、巻き込まれるのかもしれない。いや、アッチが突っかかってくるだけか。

 

「ま、二つ名とかそんなの知らねーよ。レッドに安心されるくらいいつもの僕に戻らなくちゃね。はーー過去って本当にやなこった」

「とりまポケモンセンターで博士とマサキに話を聞こう。なんかわかるかもね」

 

 

 

 

 




ども〜面接無事に終わりました〜闇猫です

では、先に謝ります。セチア博士の研究資料の内容を変更しました…。なんのこっちゃのひとはハナダの話を読んでクレメンス
物語の関連付けと薄くなっちゃうので、色違いについてにしました

レモンの母さんとマチス戦(戦っても居ないが)、“クチバシティのレモン”という肩書きについて触れてみました
ラプタ(ラプラス)がサブメンバーなのは後々わかります


イーブイのステータス


イーブイ : イブ ♀ LV:30 おくびょうな性格 

技: スピードスター でんこうせっか ものまね とっしん など

3番道路でスピアーと争っていた所を保護された、色違いのイーブイ。実力はそこまででもないが、レモンに懐いている。


今回は短めかな。次回も乞うご期待!
ばいねこ〜!



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