「な〜〜“カゲカゲ”〜何処に行くんだよ〜……」
僕はレッドとタマムシシティに向う途中で、シオンタウンで捕まえた色違いのゴースを出してあげたのだが、あっちへフヨフヨ、こっちへフヨフヨと道無き道を飛んでは僕を困らせる。
「アハハ!興味津々なのかもな!」
「き……聞かん坊すぎるんだけど?」
名前は神出鬼没で、よく影から出てくるから“カゲカゲ”。
こっちを見ては「ケケケ!」と笑ってまた消えてしまう
「ゔー……また襲われないか心配なんですけどーー……」
カゲカゲも色違いだ。前にあったように色違い目当てで襲われる可能性が高く、危惧しているがゴース本人は気づいてくれない。
「よし……そろそろタマムシシティに着くな……一応2回目かな」
「え!?レモンさん来たことあるの!?」
「アジトに潜入した時に1回ね」
タマムシシティに入ろうとした時、キィーーーーッ!という甲高い声とともにマンキーが絡んでくる
「っしゃ、レッド!バトルチャンス!」
「レモンさんも戦いなよ……なんで俺だけ……?」
「ゴースを追うのに忙しいんですーーー。大丈夫、ヤバそうなら助けるから」
「えー……わかったよ……フッシー!“はっぱカッター”!」
フシギダネの鋭い葉がマンキーに直撃し、マンキーは倒れる。
その直後、フシギダネはブルブルと震えだし、大きな葉を生やしてフシギソウに進化した。
「おー、フシギソウになった。てか、ニックネーム付けたんだ?」
「愛着持ちやすいかなーって。ゴース捕まえられた?」
「バッチリ。これだけ活発なら今度戦わせてみようと思う」
そんな 2人の事を上から眺める1人の少女がいた
「きたきた……カモみい〜つけ!」
「んじゃ、僕はそこらのポケモンで色違いの調査して来るから、待ってて」
「オーケー。気をつけろよ?」
「レッドがねー?」
タマムシシティ付近、シオンタウンへの地下通路がある7番道路でポケモンを探す。
とは言ってもトキワと変わらないし、捕まえているポケモンばかりだ。じゃあ何でわざわざいるのかって言うと、例の色違いの仮説を検証しに行くだけだ。
仮説はオーキド博士が出してくれたもので『僕の周りのみで起きている』という検証しやすい仮説だ。もしそうなら、近くにロケット団がいると考えて良さそうだ
「色違い、居てくれたらクロなんだけどなぁ……なかなかいねーや」
静まり返っている草むら。仮説は失敗だと思い、レッドの元へ帰ろうとした時、カサ……と草を踏みしめる音。出たぞ、ポケモンが
「よし……!ライ、“10万ボルト”!」
「ピカッ!」
肩に乗っていたピカチュウを飛ばし、音の発生源に攻撃を仕掛ける。……しかし
「……ぴ……」
ピカチュウは技を放つこと無く、草むらへドサッと落ちる。
音の発生源を見れば、緑目をしたピンクの塊、“プリン”が居た。
普通、プリンは青緑の目だがコイツは緑。色違いと断定して良いだろう。ピカチュウの方を見ればスヤスヤと眠っていた
「へぇ、“うたう”か。仮説は大当たりって訳だ。捕まえてやるよ!いけ!カゲカゲ!」
『今度戦わせてみようと思う』がさっそく伏線になるなんて思ってなかったよ。でも相性が良いのはコイツだけなんだ
「プリン、歌ってみろよ?誰の耳に届くかは知らないけどな!」
プリンも意地を張っているのかさっきよりも大きな声で歌い出す。僕は耳を塞ぎ、ゴースに指示を出す。“うたう”の技の追加効果が“ねむり”ならコッチだってやってやる。
「カゲカゲ!“さいみんじゅつ”!」
僕のゴースは、神出鬼没で動き回る事が大好きだ。だから相手を翻弄する事だって可能。
ゴースは指示しなくても影に潜り込み、“さいみんじゅつ”を食らわせてプリンを“ねむり”状態にする。
その隙を狙って僕はボールを投げる。まあ……逃げることは無いだろう
「これで……5匹目」
とっさに周りを見渡してもロケット団らしき人はいない。逃げたか……?それとも───
カタカタ揺れるボール。捕まえたプリンが抗議しているようだ。
「えーと?『どうして歌を聞いてくれないの!』か……」
「うーん……。君は人に聞かせるより、ポケモンへのレクチャーの方が上手そうだから、うちの
歌を披露する機会ができたのが嬉しいのか、プリンは大人しくなる。
さてさて……?レッドをだいぶ待たせてしまったが大丈夫だろうか。
何が大丈夫だろうかって、面倒事に巻き込まれていないかっていう心配ね!?
アイツ危なっかしいんだよ!!ボールを見ればライがまたニヤニヤしている
「あーーもう!違うっつーの!」
「レッドー?ごめん、待たせたー」
「あ、おかえり……。進展は?」
戻ってみれば、いつものハツラツとしたレッドではなく、ちょっとしょげて傷を負ったピカチュウを抱えている。何があったんだよこの間に……
「うん、一応仮説は正しかったよ。……ってなんか元気ないね?どうした?」
「…………た」
「え?何……?」
もう少し大きい声で言ってくれないと、マジで聞こえないんだけど……なんて言った……?
「騙されたんだよ!!!インチキアイテムを5000円で買わされたんだ!」
あ、なるほどねー?5000円って……11歳の子には大金じゃね?ボールとか薬をいくつ買えるか分かんないよ
「はー?……この10分でそんな事あってたまるかよ」
「おかげでカイロスに襲われてピカは戦闘不能だし……これからポケモンセンターに行って回復しに行きたいんだけど良い?」
「うん、オーケー。丁度博士に用事があったし丁度いいからさ」
用事はもちろんあの件ことなのだが……
「あ、博士ークチバ振りですね。お久しぶりです」
「おぉ、レモンか。どうじゃ?仮説の検証は済んだのか?」
「はい、一応仮説は正しかったみたいで、しっかり色違いが湧きました。でも1回だけなので何度か試さないと分からないっす」
「ふむ。実はグリーンとも連絡が取れてな。取った時時点では見かけていないとのことじゃ」
グリーンはきっと、シオンタウンを出たあとに立ち寄った、どこかのポケモンセンターで伝えてくれたのだろう。
本当に頼りになるいい男だ。別にどうってことないんだけどさ
「なるほど……あ、レッドいるんで呼びますね。レッドーー?博士と話したらー?」
「う……うん。久しぶり。博士」
「おお、レッド!元気……じゃなさそうだな。どうした?」
「はぁ……いえ。別に……」
「あーコイツ騙さr「わーーーっ!博士なんでもない!」」
言った方が早いんじゃないか?と思って、言おうとしたら、口を塞がれた。おい、ライ。だからなんだよその顔……
「なんじゃ、2人とも元気じゃのう……。おや、フシギダネがフシギソウに進化しとるじゃないか。こりゃすごいことだ!」
「グリーンのヒトカゲもシオンで会った時にはリザードになってましたね」
「そうじゃな。あとはゼニガメだけか」
「ゼニガメ?」
「博士が特別に研究してた3匹のうちの一匹だよ」
フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ。博士が研究していたポケモンだ。手塩にかけて育ててたなー。僕も少し手伝ったっけなー。散歩だけだけどさ
「ふーん……ゼニガメを持っていったやつってどんなやつなの?」
「そ……その……ゼニガメは……盗まれたんじゃ」
「えーー!?まじかよ!」
待って??マジ?聞いてないんですけど……?僕はてっきり博士が信頼している人に渡したと思ってたのに……
「残念ながら本当なんじゃ……。む、すまんなぁ、そろそろ会議の時間なんじゃ。ここいらで切らせてもうぞ。引き続き頑張るんじゃぞ!」
「博士!?窃盗事件について詳しく───って切れちゃった……」
「ったく、それにしたって頭に来んなー……だいたい世の中悪い奴多すぎだろ……」
それはそうだ。ロケット団が居たりする時点でもう悪い奴は多いだろう。人様のポケモン奪おうとする人も居たしなぁ?
嫌なこった
「まぁ、そんなもんでしょ。人殺し起こらないだけマシなんだから」
そう。今起こらないだけマシなんだよ……ね。ホント……
「そうだよな……とにかくもう騙されるもんか!」
「素直単純のレッドが出来たらいいんだけどねー」
アハハハ……と笑いながらポケモンセンターを出て、タマムシシティを散歩しようとした時、威勢の良い声が聞こえてくる。女の子……か?
「さあさあ、寄ってらっしゃい!ポケモンアイテムの大バーゲン!安いわよー!」
「あーー!お前!」
「あちゃあ……ヤバ!」
レッドが突然大声を張り上げる。あの子にだまされたのかもしれんな。
なんていうか……うん、レッドなら騙されそー
…………ていうかあの子、どこかで見たことあるような。
確か、全国版の新聞で───
「オイ、ちょっと待て!逃がしてたまるか!レモンさーん!?一緒追って!」
「え、ちょ、足速いな!?」
「それ!じゃ、バイバーイ♡」
レッドが追いつこうとした時、少女はポケモンを出して水上を悠々と移動しながら去ろうとする。
成程ね?そんな逃げ方もあるんだ……“アクアジェット”とかなのかな
……って、あのポケモンは盗まれた内の……!
「くそ……そうだ!最近捕まえたばっかだから
「きゃあ!なんで急に行き止まりに……ってカビゴン!」
少女の前を突然塞ぐ大きなポケモン、カビゴンだ。
へー、レッドってカビゴン捕まえてたんだ。自転車レースの時にでも捕まえたのかな?噂通り大きいな……
「オイ!さっきはよくも騙してくれたな!」
「ご……ごめんなさい。わ、私ったらつい、その……謝りたかったのよ!」
「さっきの道具ね……?不良品だと後からわかって……貴方に伝えたくて……」
あ、細工したな……あの子。なかなか演技力も商売も上手いとはすごい少女だ。ゼニガメを盗んだのも、多分この子なんだろうか。
「会えてよかったわ!」
「そ……そうだったのか……」
「そうなのよ……本当に…………ごめんなさーーい!」
突然少女がレッドを突き飛ばす。オイオイ、やっぱり嘘じゃねーかよ。レッド騙されてるじゃんかよ……また盗まれてるしさぁ
「!?」
「隙あり!」
少女がレッドに向かって“バブルこうせん”を放つがレッドは颯爽と避け、いつの間にかカビゴンの肩に乗っていた
「バッジを2つも持ってる俺にバトルを仕掛けようなんて身の程知らずだぜ」
いや、お前……色々奪われてる身分のお前が身の程知らずだよ!?気付け!?
「おしおきしないと分からないみたいだな!“メガトンパンチ”!」
「いやああん!」
少女は吹っ飛ばされ、そのまま気を失う。絶対痛い
「ま、そのうち目覚めるだろ。お金返してもらわなきゃ」
「へー……この子ブルーって言うのか。せっかく倒したんだし、コイツのデータも……」
「カメール、かめポケモン。みずタイプ……ゼニガメの進化系だね」
後ろから見ていた僕は、すかさず出てきて説明をする。なんも見せ場なかったしな……今日。色違い捕まえただけだし……
「え……まじかよ!ま……まさかな。まぁいいや。もう遅いしホテルに泊まろうぜ。もう悪いことすんなよ」
「ちょ、お金渡すから先行ってて。部屋は別で頼む。空いてないなら同室で」
用事ができた。あの子もトレーナーなら聞くっきゃない。
「オーケー。行くぞカビゴンー」
「ちょいちょい、おじょーさん。起きてるんでしょ?」
「あら……?見てたの?あなた、あの男の子と旅してるんだもの。私を捕まえに来たわけ?」
さっき同行してたのバレてたのか……。明らかに警戒されている。怪しくないよーなんてね
「いや?そうじゃない。君がカメールを持ってるなら丁度いいかと」
「ブルー……だっけ?君は色違いを見たことある?」
そう、この質問を聞きたかっただけ。多分答えは───
「居たらとっくに捕まえてるわよ。あなた色違いを探す旅でもしてるの?」
NOだろうけど。返答もグリーンと同じか
「いや、訳ありなんだ。教えてくれてありがとう。あ、道具は要らないよ。あと────」
「使い終わったら返したほうがいいよ」
「……何者なのよ。貴方」
聞かれたって困るなぁ。ただのクチバシティ出身の人間ってだけで、特徴その他、何もないただのトレーナー。
「さぁ?僕も説明しようなら分かんない。じゃあね」
「ごめん……ツイン」
いや、なんで謝るの……?別に謝らんでもいいのにさ?
「あ、はーーーい。お風呂とか諸々先どうぞ」
「サンキュー。…………ってアレ?」
「うん?」
「バッジが……ない」
……ですよね。さっき盗まれとったしなあ。
僕は……あー、あるある。僕がゴールドバッジ持ってるのなんて分かりっこないだろうなぁ。ぶっちゃけ盗んだやつだし……
「さっきの子に盗まれたんじゃね?多分」
「く……くっそー!なんだよアイツ!」
「あっはは……しょうがないね。もう遅いし明日探しに行こうよ」
もう星が輝いている時間だ。今から探したって見つかりっこないだろう。
苦笑いしていれば、レッドがじっ……と見つめてくる
「な、何……?どうかした……?」
「いや……レモンさん、ちょっと元気ない?」
あれ?バレてたか……うーん、コレは言ってもいいかなー……減るものでもないと思うし
「いや……さっきの仮説で、しっかり色違いが湧かれたからさ。つけられてるのかなーって」
「まぁ、資料盗んだから当たり前なんだろうけどねー……。多分ナツメやキョウから伝わってるのかな?」
「コレはちょっと…………相当厄介だぞ」
最近睡眠が良い闇猫でーす。
逆に小説の修正と執筆が遅くなっちゃうんで、正直12時過ぎまで起きてはいたいよねー個人的に
ちょっと前色々あって一時的に見れなくなったみんなごめんな…
さて、ブルーが出てきましたね!ちょっと雑になったので後に修正します…スミマセン
【追記】修正致しました
ゴースのプロフィール
ゴース : カゲカゲ ♂ LV:24 いじっぱりな性格
技: したでなめる さいみんじゅつ ナイトヘッド 10万ボルト
シオンタウン郊外で捕まえた色違いのゴース。イタズラ好きで奇襲向き。レモンや周囲をよく困らせる
ばいねこ〜!